デイヴィッド・オルティズ
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デイヴィッド・オルティズ(David Americo Ortiz Arias , 1975年11月18日 - )はドミニカ共和国サントドミンゴ出身の野球選手である。ポジションは内野手だが、指名打者としての出場がほとんど。現在はアメリカメジャーリーグ、ボストン・レッドソックスに所属している。左投げ左打ち。愛称=ビックパピ。
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[編集] プロフィール
1992年に17歳でシアトル・マリナーズと契約を結ぶ。1996年にミネソタ・ツインズにトレードされ、1997年9月にメジャーデビューするが、メジャーとマイナーの間を行き来する。この年のツインズはアナハイム・エンゼルスにアメリカンリーグ・チャンピオンシップで敗れた。 2002年に打率2割7分2厘、20本塁打、75打点の成績を残す。 しかし左膝と右手首の故障のため年間130試合以上出場したことがなく、左腕投手に弱い、といった理由でツインズはオルティズを放出し、ボストン・レッドソックスが獲得する。
2003年からはボストンの5番指名打者に定着し、2割8分8厘、31本塁打、101打点の成績を残す。同年のMVP投票で5位につける。
2004年には主に4番を打ち、リーグ2位の139打点、打率3割1厘、41本塁打の活躍を見せる。それ以外にも、2アウトから50打点、47二塁打、3三塁打、75四球、出塁率3割5分9厘、長打率5割1分7厘、150試合出場と抜群の勝負強さを発揮する。同年には1931年のベーブ・ルースとルー・ゲーリッグ以来の同チームで3割、40本塁打、100打点のアベックをマニー・ラミレスと形成。
この年はMLBオールスターゲームにも選出され、2ランホームランを放ち、2四球と2得点を記録する。
ポストシーズンではさらに勝負強さを発揮し、アナハイム・エンゼルスとのディビジョンシリーズ第3戦で10回に決勝本塁打を放つ。ニューヨーク・ヤンキースとのチャンピオンシップでは、0勝3敗と追い詰められた第4戦の12回に本塁打を放つ。第5戦では8回まで2-4と敗勢濃厚な状況から逆転ののろしとなる本塁打を放ち、延長14回にサヨナラヒットを放つ。ヤンキースを史上初の3連敗4連勝で破ったこのチャンピオンシップで、オルティズはMVPに選出される。
セントルイス・カージナルスとのワールドシリーズ第1戦の第1打席でも3ラン本塁打を放ち、4連勝でレッドソックス86年ぶりのワールドシリーズ制覇に大きく貢献する。
2006年は自己最多の54本塁打を放ち、本塁打王と打点王に輝いた。
[編集] 勝負強さ
特に勝敗がかかるチャンスや土壇場で強く、2006年度では8月までに延長で5回もサヨナラゲームを演出し、キャリアでは実に12回、内10回はサヨナラ本塁打である。特にサヨナラを呼び込む状況での打率は46打数20安打、打率.435、8本塁打、26打点と他を圧倒する。2006年中には7月11日対テキサス・レンジャーズ戦で9回4-2で負けている所を本塁打で逆転、5-4で勝利に導き、その13日後にはフィラデルフィア・フィリーズ戦で延長10回に勝ち越し打。さらに7月31日には3点本塁打でクリーブランド・インディアンスに9-8で勝利に貢献している。
各状況毎に分類するとアメリカ時間2006年8月17日現在、統計は以下のようになる。
' | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 打率 |
個人成績 | 443 | 126 | 41 | 111 | .284 |
得点圏にランナーを置いた状態 | 130 | 39 | 9 | 67 | .300 |
満塁の状態 | 11 | 4 | 2 | 17 | .364 |
試合終盤(7回以降)でのチャンス* | 44 | 13 | 5 | 13 | .295 |
*: 7回以降で同点か1点勝ち越しの状態、もしくはビハインド分の点を取れるランナーを塁上に置いた状態
参考資料:USA Today 2006年8月17日版
[編集] エピソード
- 大きな体と陽気なな性格から、「ビッグ・パピ(大きなお父さん)」の愛称でファンから親しまれている。
- ニューヨーク・ヤンキースは犬猿の仲であるが、試合前の練習ではヤンキースの選手(特にスペイン語圏の選手)と談笑しているシーンをよく見かける。
- 2006 ワールド・ベースボール・クラシックにドミニカ代表として出場し、豪快な打撃を見せた。
- 2004年の日米野球では、東京ドームで渡辺俊介から推定飛距離160mの特大ホームランを放ち、ファンの度肝を抜いた。
- 地元珍プレー集の常連。
[編集] 年度別打撃成績
年度 | チーム | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 打率 | 出塁率 | 長打率 |
1997 | MIN | 15 | 49 | 10 | 16 | 3 | 0 | 1 | 6 | 0 | 2 | 19 | .327 | .353 | .449 |
1998 | MIN | 86 | 278 | 47 | 77 | 20 | 0 | 9 | 46 | 1 | 39 | 72 | .277 | .371 | .446 |
1999 | MIN | 10 | 20 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 12 | .000 | .200 | .000 |
2000 | MIN | 130 | 415 | 59 | 117 | 36 | 1 | 10 | 63 | 1 | 57 | 81 | .282 | .364 | .446 |
2001 | MIN | 89 | 303 | 46 | 71 | 17 | 1 | 18 | 48 | 1 | 40 | 68 | .234 | .324 | .475 |
2002 | MIN | 125 | 412 | 52 | 112 | 32 | 1 | 20 | 75 | 1 | 43 | 87 | .272 | .339 | .500 |
2003 | BOS | 128 | 448 | 79 | 129 | 39 | 2 | 31 | 101 | 0 | 58 | 83 | .288 | .369 | .592 |
2004 | BOS | 150 | 582 | 94 | 175 | 47 | 3 | 41 | 139 | 0 | 75 | 133 | .301 | .380 | .603 |
2005 | BOS | 159 | 601 | 119 | 180 | 40 | 1 | 47 | 148 | 1 | 102 | 124 | .300 | .397 | .604 |
2006 | BOS | 151 | 558 | 115 | 160 | 29 | 2 | 54 | 137 | 1 | 119 | 117 | .287 | .413 | .636 |
Total | ' | 1043 | 3666 | 622 | 1037 | 263 | 11 | 231 | 763 | 6 | 540 | 796 | .283 | .374 | .550 |
2006 ワールド・ベースボール・クラシックドミニカ共和国代表 |
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15 サロモン・トーレス | 33 ホルヘ・ソーサ | 35 ダニエル・カブレラ | 38 ダマソ・マルテ | 40 バートロ・コロン | 41 フランシスコ・リリアーノ | 43 ミゲール・バティスタ | 47 ロビンソン・テヘダ | 51 ユーデ・ブリトー | 52 デュアネル・サンチェス | 53 フリアン・タバレス | 55 オダリス・ペレス | 56 フェルナンド・ロドニー| 15 ホワン・ブリトー | 22 アルベルト・カスティーヨ | 31 ロニー・ポーリノ | 2 プラシド・ポランコ | 5 アルバート・プホルス | 7 ペドロ・フェリス | 9 ホセ・レイエス | 10 ミゲール・テハダ | 20 ロニー・ベリアード | 29 エイドリアン・ベルトレ | 34 デービッド・オルティズ | 4 ウィリー・タベラス | 8 ルイス・ポローニャ | 18 モイセズ・アルー | 19 ホワン・エンカーナシオン | 26 ウィリー・モー・ペーニャ | 27 ブラディミール・ゲレーロ |
監督 マニー・アクタ | 項 | |