ディアッカ・エルスマン
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ディアッカ・エルスマン (Dearka Elsman) は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する、架空の人物。口癖は「グゥレイト!」。(声:笹沼晃)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 個人データ
[編集] 経歴
[編集] 機動戦士ガンダムSEED
ザフト軍クルーゼ隊所属のエリートパイロット(通称、赤服)。士官アカデミーの成績は四位だった。
父親はプラント最高評議会議員タッド・エルスマン。同年齢で同室のイザーク・ジュールとはお互い好戦的な性格で気が合うのか、よく一緒にいる姿が見られる。因みにイザークとは仲がいいものの、新人時代から今に至るまで、よく激高するイザークには手を焼いている。特に新人時代はイザークがアスランと様々なジャンルで勝負しても勝てずにその悔しさから暴れて部屋を荒らし、その片付けや宥めるのにも苦労しており、部屋を変えようとまで思い詰めていた。おまけに何かとアスランとイザークが衝突するので、その事に頭を抱えているある意味ニコルと同じくらいの苦労人である。
また、ディアッカは趣味で日本舞踊をしており、ゲーム「君と友と戦場で」や「第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ」にてそれが明かされている。
クルーゼ隊が中立コロニー・ヘリオポリスを襲撃した際に地球連合軍の新型機動兵器Gの一機バスターを奪取、以降搭乗機とする。その後はアスラン・ザラ等他のクルーゼ隊の面々と共にアークエンジェルを追撃し続ける。
オーブ近海戦において、戦友であるニコル・アマルフィがキラ・ヤマトの駆使するストライクに討たれた際には復仇を誓うが、決戦ではムウ・ラ・フラガのスカイグラスパーに阻まれた挙句、機体を中破されアークエンジェルの目の前に不時着してしまう。直後にアークエンジェルの主砲にロックオンされたディアッカは止むを得ず投降し、アークエンジェルの捕虜となる。この時バスターも奪還される。
捕虜として拘束されている中、ザフトとの戦闘で恋人を失ったばかりのミリアリア・ハウと出会う。
軽い気持ちで言い放ったディアッカの一言はミリアリアを激昂させ、ディアッカは危うく刺殺されかける。これまでナチュラルを見下しゲーム感覚で楽しんできた戦争がいかに深い憎しみと悲しみを生み出すかを目の当たりにしたことで、彼は戦争への思いを新たにすることになる。
本来ならばアークエンジェルがアラスカの地球連合軍本部に着いた時点で基地内の留置所に移送されるはずであったが、オペレーション・スピットブレイク漏洩による、地球連合軍上層部移転の混乱で艦に留置されたままとなり、アラスカ戦後逃亡艦となったアークエンジェルと共にオーブ連合首長国に向かうことになる。その後地球連合軍のオーブ侵攻を前に解放される。
しかしアークエンジェルの危機を見過ごすことができなかったディアッカは、モルゲンレーテ工場内で修復されていたバスターに搭乗(アニメ・小説共に描写なし)、アークエンジェルと共にオーブ防衛に貢献する。
この戦いの中アスランと再会し、迷いを抱く彼を後押しした。
また、小説版ではトールを殺害した張本人であるアスランの事を許して欲しいとミリアリアに弁護する一幕がある。
その後はそのままアークエンジェルの陣容に加わり、アークエンジェル、クサナギと共に宇宙へ上がった。
彼のバスターはムウのストライクと共にアークエンジェルに配備された。
コロニー・メンデルでの戦闘では偶然イザークとの再会を果たす。恋人を失いながらも憎しみの連鎖を断ち切ろうとするミリアリア、亡きオーブ代表首長ウズミ・ナラ・アスハ、そしてキラやアスランの姿を見てきたディアッカの言葉は、イザークに大きな影響を与えた。
最終決戦である第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦ではデュエルとの連携でフォビドゥンを倒し、多数の戦艦を撃破し戦果を挙げるが、その後アークエンジェルに接近してきたラウ・ル・クルーゼの駆るプロヴィデンスに攻撃を仕掛け、ドラグーンシステムによるオールレンジ攻撃の前に一瞬で機体を中破される。直後にレイダーから攻撃されるが、イザークによって救われ、アークエンジェルのブリッジで無事停戦を迎える。
[編集] 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
詳細な経緯は不明だが、戦後はプラントに帰還した。MIA(戦闘中行方不明)とされていたディアッカが帰国後どのような処分を受けたかは不明だが、一般兵(緑服)としてザフト軍に復隊している(一種の名誉徽章ともいえる赤服の剥奪処分を受けたものと一般的には言われている)。
その後はイザークの率いるジュール隊に配属されているが、その戦歴から隊内での地位は他の赤服より上位とされており、劇中ではイザークと共にブリーフィングに参加するなど、実質的にジュール隊の副官的立場にある。また、微妙な関係が続いていたミリアリアとは長く続かず、(ミリアリアによれば)振られている。
ユニウスセブン落下テロ(ブレイク・ザ・ワールド)の時は、ジュール隊の一員としてガナーザクウォーリアで出撃し、アスランやイザークと共に円熟した腕前を披露した。
彼ら歴戦の戦士の戦いぶりは、シン・アスカを驚嘆させた。
その後もイザークと共に宇宙でのプラント防衛任務に就いていたが、ディアッカもギルバート・デュランダルら議会のやり方に疑問を抱きはじめる。
小説版ではアスラン脱走後にイザーク共々アスランの脱走にも理由があるのではないかと上層部へ不信を持っていたが、イザークの判断で行動は起こせないでいた。
月面のジブリールが率いる連合軍追撃戦では、「レクイエム」発射阻止に活躍し、最終決戦ではイザークをやや焚きつけるような感じで、共に出撃する。
アスランと対面した時、問い詰めようと激しかけたイザークをなだめ、2機でキラとアスランを援護した。小説版では心情的にはレクイエム破壊にもアスラン達に加勢したいと感じており、同じ考えであるはずのイザークがエターナルはザフトの艦と自らを納得させたため、そのまま加勢したとされている。また、デスティニープランに対しても最初から批判的であった。
余談であるが、後半においての彼の乗機であるザクファントムの装備に彼が得意とする砲撃戦用のガナーウィザードではなく高機動戦闘用のブレイズウィザードが用いられたのは、ガナー装備のザクファントムが劇中登場していないためバンクが使用できないという作画の問題(事実ディアッカのザクファントムの映像はレイ・ザ・バレル機等からのバンクが大半だった)と、ガンプラ・玩具等において既に発売されていたブレイズザクファントムのカラー換えとすることで容易に商品を制作することが可能なためだと思われる(MS IN ACTION!!で発売されたディアッカ専用ブレイズザクファントムはレイ機やハイネ機の単純なカラー変えである。)
なお、コミックボンボン版ではちゃんとガナーウィザードを装備しており、ガナーザクウォーリア部隊の指揮を執っていた。
今作ではついにミリアリアと再会することはなかったが、小説版では終盤、イザークと共にアスランを援護するべく出撃する直前に、ミリアリアがアークエンジェルに乗り込んでいるのではないかと心配する描写が存在する。
また、メサイア攻防戦後ラクス・クラインの護衛を勤めた後、イザークと共にニコルの墓参りなどをしたことが小説版で記述されている。
なお、ファイナルプラスのラストにて、ラクスがイザークと黒服の人物を引きつれ歩いていくシーンで、黒服を着たディアッカらしき人物(左側、二番目)が礼をしているのが見られるが真相は定かではない。
[編集] 主な搭乗機
- GAT-X103 バスターガンダム
- ZGMF-1000/A1 ガナーザクウォーリア
- ZGMF-1001/M ブレイズザクファントム(専用機)
- ZGMF-1001/A1 ガナーザクファントム (ボンボン版漫画のみ登場)