アークエンジェル級
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アークエンジェル級 (Archangel class) は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』および『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する、架空の艦船の等級。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 解説
地球連合軍の大西洋連邦がモビルスーツの運用を前提として開発した強襲機動特装艦であり、劇中には1番艦アークエンジェル、2番艦ドミニオンが登場する。
艦名は天使の階級の英名から取られており、アークエンジェル、ドミニオンはそれぞれ「大天使」「主天使」を指す。
主要な搭載武器は、陽電子破城砲「ローエングリン」、225cm2連装高エネルギー収束火線砲「ゴットフリートMk.71」、110cm単装リニアカノン「バリアントMk.8」、対空防御ミサイル「ヘルダート」、75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」、アンチビーム爆雷、艦尾大型ミサイル発射管(ウォンバット、スレッジハマー、コリントス)など。特殊装甲としてラミネート装甲を有する。
[編集] アークエンジェル
アークエンジェル | |
艦籍番号 | LCAM-01XA |
所属 | SEED時:地球連合軍第八艦隊→三隻同盟 DESTINY時:独立行動→オーブ軍第2宇宙艦隊 |
種別 | 強襲機動特装艦 |
等級 | アークエンジェル級 |
全長 | 420m |
武装 |
|
艦長 | マリュー・ラミアス |
アークエンジェルは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』および『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する、アークエンジェル級強襲機動特装艦。物語の主要な舞台でもある。
物語冒頭で艦長が戦死したため、副長であったマリュー・ラミアス大尉が代理艦長を務めるが、のち少佐昇進とともに正式に艦長に就任する。
[編集] 艦艇概要
ザフトの保有するモビルスーツの有効性を認めた大西洋連邦は独自のモビルスーツとその運用母艦の開発を計画。この計画の下、アークエンジェルは中立国オーブの軍事企業モルゲンレーテ社の協力を受けてヘリオポリスでG兵器とともに極秘裏に開発された。所属は地球連合軍第8艦隊。
外観の塗装は赤と白が基調。アークエンジェル級の特徴である艦首両舷から前方に突き出した脚部状のモビルスーツハッチからザフト軍には足つきと呼称された。
また、高い機動力・攻撃力・防御力を持つため非常に戦闘能力の高い艦となっている。
[編集] 武装
- 陽電子破城砲:ローエングリン
- 両艦首に1門ずつ装備されている陽電子砲。元々は主砲として開発された。
「特装艦」の名の通り、試験的に搭載した特殊装備であるため、当初は「特装砲」と呼ばれていた。アークエンジェルに搭載されている武装のうち最も強力な兵器であるが、陽電子砲の特性上、大気圏内で使用すると大気との干渉により、ガンマ線による深刻な放射能汚染をもたらすことから、マリューは地上での使用を禁じていた。しかしオーブからの大気圏離脱の際には、ポジトロニック・インターフェアランスを利用して加速を得るために発射している。右舷が1番、左舷が2番である。 - 「DESTINY」においては、環境への影響が少ない新型に交換されたという設定になっているが、やはりその威力は通常の戦闘においては過剰であると見られたのか、劇中では戦闘では一度も使用されることはなかった。
- 225cm2連装高エネルギー収束火線砲:ゴットフリートMk.71
- アークエンジェル主砲。艦首両舷に1基ずつ装備されている2連装のビーム砲。通常は格納されており使用時にせり上がる。設置位置の関係から射線が取れない場合も多い。
ある程度の戦艦ならば一撃で撃沈することが出来る。また、ザフトに強奪されたG兵器はPS装甲を装備しているために実体弾が通用しないことから、これらへの迎撃にも使用された。右舷が1番、左舷が2番である。
- 110cm単装リニアカノン:バリアントMk.8
- アークエンジェル副砲。艦尾両舷に1基ずつ装備されているリニアガン。連射能力も高く精密射撃が可能だが、長時間連続使用すると砲身温度が上昇して使用出来なくなるのが欠点。
右舷が1番、左舷が2番である。ゴットフリートと違って側面に配置されているために上下方向の旋回が可能であるため、地表や海面を空中から直接狙撃することも可能である。
また、潜水航行が可能である本艦にとって数少ない水中での攻撃が可能な兵器である。 - 「DESTINY」最終話では、これによりミネルバの武装を破壊、戦闘不能に追い込んだ。
- 75mm対空自動バルカン砲塔システム:イーゲルシュテルン
- 対空機関砲。自動追尾、又は弾幕によってミサイルやモビルスーツなどを迎撃する近接防御システム(CIWS)。
ストライク、イージスガンダムなどのGATシリーズに搭載されているイーゲルシュテルンを砲塔化したもの。艦上部に6門、艦底部尾に2門搭載されている。
- 艦橋後方ミサイル発射管 対空防御ミサイル:ヘルダート
- 艦橋の後方に設置されている全16門の艦対空ミサイル発射管。戦闘中に狙われやすい艦橋の防御を主目的としており、小型のミサイルを連続発射してミサイル、モビルスーツなどを迎撃する。
- 艦尾大型ミサイル発射管
- 艦尾に多数設置されている全24門の大型ミサイル発射管。外側に左右6門ずつ配置された12門が前方、内側の12門が後方に向けて発射される。用途別に数種類のミサイルを発射可能。
- 艦対艦ミサイル:スレッジハマー
- 対空防御ミサイル:コリントスM114
- 大気圏内用ミサイル:ウォンバット
- 対空榴散弾頭ミサイル
- 多目的射出機:アンチビーム爆雷、フレア弾など
- 両舷に4門ずつ設置されている射出機。アンチビーム爆雷やフレア弾、信号弾などを発射する。
[編集] 搭載機
- SEED時の搭載機
1.(ヘリオポリス脱出→第8宇宙艦隊合流直前)
2.(第8宇宙艦隊合流後→オーブ近海)
- GAT-X105 ストライク×1・FX-550 スカイグラスパー×2
- (TS-MA02mod00 メビウス・ゼロ×1)
3.(オーブ近海→アラスカ基地)
- FX-550 スカイグラスパー×1・GAT-X103 バスター(小破)×1
- (TS-MA02mod00 メビウス・ゼロ×1)
4.(アラスカ基地→オーブ)
- ZGMF-X10A フリーダム×1・FX-550 スカイグラスパー×1
- GAT-X103 バスター×1
- (TS-MA02mod00 メビウス・ゼロ×1)
5.(オーブ→エターナル合流直前)
- ZGMF-X10A フリーダム×1・ZGMF-X09A ジャスティス×1
- GAT-X105 ストライク×1・GAT-X103 バスター×1
- (TS-MA02mod00 メビウス・ゼロ×1・FX-550 スカイグラスパー×1)
6.(エターナル合流後→第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦)
- GAT-X105 ストライク×1・GAT-X103 バスター×1
- (TS-MA02mod00 メビウス・ゼロ×1・FX-550 スカイグラスパー×1)
※()内は劇中では登場しないが搭載されていると推測される
- DESTINY時の搭載機(独自行動)
- フリーダムガンダム、ストライクルージュ、ムラサメ(バルトフェルド専用機)、ムラサメ(オーブ軍機)×複数(最低でも9機)、FX-550 スカイグラスパー×1
- DESTINY時の搭載機(オーブ第2宇宙艦隊)
- ストライクフリーダム、インフィニットジャスティス、アカツキ、ムラサメ(オーブ軍機)×複数(ストライクフリーダム・インフィニットジャスティスの両機は、後にエターナルへと配置替えとなる)
[編集] 劇中での活躍
[編集] 機動戦士ガンダムSEED
完成直後に受けたザフトの襲撃によって艦長以下大半の上級士官を失うが、残ったクルーの手により破壊からは免れた。
その後新型モビルスーツのうち唯一奪取を逃れたストライクを回収すると宙域から脱出、モビルスーツのデータを渡すため地球へと向かった。
地球へ降下後は地球連合総本部アラスカ基地を目指したが、そこで見せ付けられた地球連合の体質と、サイクロプスを起動させ、攻勢したザフト軍のみならず防衛する友軍をも巻き込んだ壊滅を行った地球連合軍に対し不信を抱き軍籍から離脱、独自行動を取るようになる。しばらくはオーブに寄港していたが地球連合軍の侵攻を受け宇宙へ脱出。
オーブ残存勢力の戦艦クサナギとプラント・クライン派の戦艦エターナルと同盟(三隻同盟)を結び以後行動を共にした。
[編集] 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
本編当初、アカツキ島にあるアスハ家所有の秘密ドックに収容されていた事から第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後、乗員のオーブ亡命と共に、本艦もオーブに回送されたものと思われる。戦後改修を受けたものと見られ、少人数でも運行可能なようにオートメーション化、潜航用のバラストタンクや魚雷等が追加され、海底からの発進や潜水航行が可能となった。また、ブースターを使用せずに単体で大気圏を突破できる能力も付加されたものと思われる。
その他、リラクゼーションなどを目的に艦内施設として「天使湯」と呼ばれる露天風呂を模した大浴場が新設された。戦闘中は湯が抜かれている。
キラ・ヤマトらの手によってオーブを離脱後、スカンジナビア王国に匿われていたが、地球連合と同盟を結んだオーブ軍の戦闘行為を止めるべく、クレタ・ダータネルスでの戦いに介入し連合・ザフト双方に攻撃を加えた。その後もベルリンでの戦いにも参戦している。その後オーブへの帰還を決意するが、ザフトの攻撃を受けフリーダムガンダムを失う等、多大なダメージを受ける。
オーブ帰還後はそのままオーブ攻防戦に参加し、この戦闘の後にオーブ軍に編入され第2宇宙艦隊の所属艦となった。情報収集を名目に宇宙に上がった後は中立都市コペルニクスに停泊。その後エターナルを中心とするクライン派の艦隊と合流し、レクイエム破壊作戦に参加する。
その際ミネルバと交戦、エターナルと共にタンホイザーの射線上に捉えられて撃沈の危機に瀕するも、ネオ・ロアノーク搭乗のアカツキの援護により形勢は逆転。ミネルバのトリスタンとミサイル発射管を破壊して戦闘不能に追い込んだ。結果としてクルーに多少の死傷者が出たものの大きな損傷を負う事もなく終戦を迎えている。後日談ではエターナルと共にプラントに入港した。
[編集] ドミニオン
ドミニオン | |
所属 | 地球連合軍 |
種別 | 強襲機動特装艦 |
等級 | アークエンジェル級 |
全長 | 420m |
武装 |
|
艦長 | ナタル・バジルール |
ドミニオンは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する、アークエンジェル級強襲機動特装艦。艦長はナタル・バジルール少佐。
[編集] 艦艇概要
アークエンジェルのデータを元に地球連合軍にて建造されたアークエンジェル級の2番艦であり、塗装が黒を基調としているためアークエンジェルとは対照的なイメージを与える外観を持つ艦になっている。ブリッジの両脇にあるアンテナ部分と艦尾両舷の垂直翼などの索敵機構に多少の形状違いが見られる以外はアークエンジェルとほぼ同じ性能を持つ。
地球連合軍の新型GAT-Xシリーズを搭載しておりそのパイロットのオルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラスのほかオブザーバーとしてブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルも同乗していた。
[編集] 劇中での活躍
第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦においてアークエンジェルと激しい戦いを繰り広げるが、最終的にはアークエンジェルの「ローエングリン」を艦橋部に受け、ナタル・バジルールとムルタ・アズラエルを乗せたまま爆沈した。