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ギルバート・デュランダル - Wikipedia

ギルバート・デュランダル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ギルバート・デュランダルは、アニメ機動戦士ガンダムSEED DESTINY』『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER- 』に登場する、架空の人物。池田秀一であるため、ファンからは「シャアの声」と呼ばれることがある。(現に監督からシャアっぽく演技して欲しいと言われていたという話も拍車をかけていると思われる)


注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。


目次

[編集] 個人データ

[編集] 人物設定

ユニウス・セブンにてユニウス条約(停戦条約)を締結した臨時最高評議会解散後、プラント最高評議会議長に就任した。故シーゲル・クラインの思想を受け継いでナチュラルとの融和策を採り、戦争の痛手で混迷するプラントをまとめ上げるなど一般市民からの信望も厚く、プラントがその混迷から脱し、先の戦時中から開発が進められていたミレニアムシリーズ「ザク」をさらに凌ぐセカンドステージシリーズモビルスーツの開発に着手するまで国力を回復させるほどの政治手腕を有している。

またミーア・キャンベルラクス・クラインの替え玉としてプラント市民の前に立たせたり、極秘の内にデストロイの情報を入手していたり、ベルリンでの戦闘でフリーダムの活躍を削除したプロパガンダ映像を流すことでザフトの正当性を示し、世論の賛意を得るなど情報戦にも優れ、アンダーグラウンドも理解したある意味においては理想的な政治家ではあるが、その一方で敵に撃たせ、被害者を気取り自らを正当化させ支持を得るといった手法が多く見受けられ、そのために失った戦力が多かったにも関わらず、プラント内外からは批判より同情を集めるなど、典型的な劇場型政治家である。(作中、特に後半部分では放映当時、日本の内閣総理大臣であった小泉純一郎を比喩した様な演出が散見する。)

以上のように政治家としての手腕が高いが、本業は遺伝子科学者。DNA解析の権威と称されている。また、科学者であった時に、遺伝子によって人々の未来、または役目を決定する計画デスティニー・プランを構想し、ロゴス殲滅に成功した後、レクイエムネオジェネシスを始めとする大量殺戮兵器による恫喝手段を用いてでも、プランを導入実行しようと目論む。

タリア・グラディスとは恋人関係にあったが、遺伝子配列による問題から、彼女との間に子供が出来ない事が発覚した後に別れており、それ以来、自分が世界の勝者でありたいという強い欲求に駆られるようになる。

作中では立場上「デュランダル議長」または「議長」と呼ばれることが多かったが(クライン派メンバーもこう呼んでいた)、レイ・ザ・バレルからは「ギル」、タリアからは「ギルバート」と呼ばれていた。ロゴスメンバーらは「デュランダル」と呼び捨てにしていた。
またアニメ誌などでは「デュランダル」と書かれることが多い。

[編集] 劇中での活躍

物語冒頭、カガリ・ユラ・アスハアーモリーワンにて秘密会談中、地球軍の襲撃を受ける。その後、ミネルバに乗艦し、ユニウスセブン落下事件のときにタリア・グラディスから勧められてミネルバから離れた。その後、オーブからやって来たアスラン・ザラFAITHに任命してセイバーを与えた。

第13話のラクス暗殺未遂事件に際して、その黒幕が示されず、デュランダルの命によるものではないか?という説がファンの間で濃厚であったが、放映終了後にラジオ有楽町アニメタウンにおいて行われた監督へのインタビューによれば、ラクス暗殺はデュランダルの命ではないが、実行犯のヨップ・フォン・アラファスらの独断行動をデュランダルは知りつつ黙認していた、という設定であった。後に27話ではラクスによるシャトル強奪の報告を受けた際に、ラクス及びキラの存在を危険視していることを示唆する台詞があるなど、暗殺計画の黙認は、シーゲル・クラインの思想を継ぐと称されるデュランダルにとって、彼の娘・ラクスはそれを妨害する行動をする存在、との認識が早い時期からあったものと思われる。ただし、キラ、ラクスらはこの暗殺騒動がなければデュランダルを疑ってはいなかったとされている。

19話ではシン・アスカレイ・ザ・バレルルナマリア・ホークらと会談し、ガルナハンでの彼らの功績を褒め称え、また会話の中で戦争の元凶としてロゴスの存在を示唆する。第33話においては世界に向け演説を行い、戦争の元凶としてロゴスを糾弾し、その構成員の情報を全世界に流し、対ロゴス姿勢を表明して世論を味方につけた。

34話においてミネルバにアークエンジェル討伐の命を発し、アークエンジェルは撃ちもらしたもののフリーダムを撃破することに成功する(しかしキラ・ヤマトは無事)。しかしこのことがアスランのデュランダルの考え方に対する疑念を生む。

35話、36話において、これまでの功績を称え、シンにデスティニー、アスランにレジェンドを預ける。しかしレイからアスランの近況の報告を受け、彼を自分に従わないと判断し拘束しようとするが、メイリン・ホークの協力によりアスランはグフイグナイテッドを奪い脱走。37話においてはアスランとメイリンが搭乗するグフの撃墜許可をレイから求められ、許可する。

ロード・ジブリール討伐においては自らも戦場に赴いて指揮を執った。ロゴス壊滅後、宇宙要塞メサイアにてデスティニープランを全世界に提唱し遺伝子による統制社会を宣言し、プランに反対の立場を取るオーブに対し地球連合軍から奪取した反射衛星砲レクイエムによる武力行使に踏み切るが、旧クライン派・オーブ軍を中核とした反抗勢力によるレクイエムの破壊を許してしまう。最終的にはキラの言葉に動揺したレイに撃たれてしまい、その場に駆けつけたタリアに包み込まれながらメサイアと運命を共にした。なお、小説版ではザフトの人間の大半(小説及び漫画版ではイザークとディアッカの他にはジュール隊の一部のメンバー以外)がこのレクイエム使用に何の疑問も持たなかった。これについては、デュランダルのやることだから正しいという盲信によるものかは不明である(恐らく、戦況が相手側に傾き、敗北必至の現状を打破する唯一の手段である、と判断したものと思われる。実際レクイエム照射によってプラント六基が崩壊し、プラント全体の体力からブレイク・ザ・ワールドに匹敵かそれ以上の被害を被った。)。

前作に登場したラウ・ル・クルーゼとは親しい間柄だったようで、いくつかの回想シーンなどにおいて、それらしい描写が見受けられる。また、ラウと似た境遇であるレイのことを可愛がっていたが、他ならぬレイによって撃たれるという皮肉めいた最期を迎えることとなった。だが、デュランダル自身の謎めいた台詞から窺うに、彼はこの事態を予測していたとも考えられている。

なお、過去にスーパーコーディネイターの研究が行われていたコロニー・メンデルにいた(あるいはなんらかの関係があった)ことが示唆されている。 またメンデル関係者ということから実はナチュラルではないかという意見も一部あるが、ナチュラルだとするとタリアが「子供が欲しい」という理由で彼の元を去ったことが矛盾してくるため(コーディネイターとナチュラルの組み合わせならばコーディネイター同士より子供はできやすい。その間に生まれたハーフコーディネイターの子供に関する人権の問題など懸念材料はあるが、二人が別れたのはそういったことではなく、「自分達の間では子供ができない」ことが原因だとハッキリしている。これはデュランダルもコーディネイターであることを示している)純粋に遺伝子解析の研究者として関わっていたコーディネイターである、と考えるのが妥当であろう。

また『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER- 』においては声のみの出演となっている。

[編集] 人物

キラ・ヤマト、ラクス・クラインらとの敵対、また劇中後半でのレクイエムの使用等、終盤において悪役のように描かれたことから、ファンの間でデュランダルを悪役視する声も多い、しかし、それに反抗し劇中で正義のように描かれたオーブ・クライン派の行動に関しても否定的な意見も多く、デュランダルの評価については意見がまとまっていない。しかし、彼が目的としていたデスティニー・プランの詳細が結局明かされなかった為、彼の行動の正当性、不当性を考察するにはあまりにも情報が不足している。

なお福田監督はアニメージュ2005年12月号のインタビューにおいて、「デュランダルがやったことは全て世界のためのこと。 むしろ、キラの方が、若干正義から外れていたんじゃないか」「デュランダルを悪役のように描いたのは演出上の問題であって自分自身はデュランダルを悪だと思っていない」と発言し、シリーズ構成の両澤千晶も「デュランダル側に立つと世界の秩序は保たれるが、キラ側に立てば混乱する。自由を主張する際には責任と義務が絶対伴うのでそれを忘れて、キラ達が絶対的に正しいと言うのはどうかと思う」と発言している。しかし、その発言後に放送された特別編やスペシャルエディションにおいてもデュランダルの悪役的な描かれ方は変わっておらず、アニメ誌の記事や公式HPのコラムなどにおいてもデュランダルというキャラクターを悪役と表現している事例も多く見られるため、前述した両氏の見解と異なっており、デュランダルというキャラクターに対する製作側の見解は一貫していない。


[編集] 関連項目

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