ケロロ軍曹
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ケロロ軍曹 | |
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ジャンル | ギャグ漫画 |
漫画 | |
作者 | 吉崎観音 |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | 月刊少年エース |
連載期間 | 1999年4月号 - 連載中 |
巻数 | 13冊(2006年11月現在) |
『ケロロ軍曹』(ケロロぐんそう 英名Sgt. Frog)は、吉崎観音による漫画作品、及びこれを原作とする一連の作品群の総称。またこれらに登場する主人公の名前。
目次 |
[編集] 概要
『月刊少年エース』(角川書店)にて現在連載中。1998年に読み切り「ケロロぐんそー」を発表。同誌1999年4月号より連載が開始。単行本は2006年11月現在、13巻まで発刊されている。累計発行部数は800万部。この漫画作品は、第50回(平成16年度)小学館漫画賞児童向け部門を受賞した(受賞時、小学館漫画賞公式ページにて『ケロロ将軍』と誤植された。これについては#補足・余談も参照)。
簡潔に述べると藤子不二雄、藤子・F・不二雄、藤子不二雄Aのすべての児童向け作品を統合した部分を基礎に個々のパロディなどを従属させたもの。藤子F死後のポストに納まる事に成功した角川書店を代表する作品。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 作品の特色
カエルにそっくりな宇宙人(ケロン人)・ケロロ軍曹と彼の部下たちが地球人たちと繰り広げるギャグ漫画。藤子・F・不二雄の漫画作品を彷彿とさせる、日常と非日常の融合とそのギャップが生み出すおかしさが話のベースとなっている。その一方で魅力的な女性キャラクターが多数登場するなど、近年の萌え漫画的な要素もふんだんに盛り込まれている。その為子どもだけでなく、幅広い層を取り込むことに成功している。 作風は「デフォルメ化された、魅力あるキャラクター」「太く、はっきりした線」を基本とし、そして伝統的な漫画のスタイルを踏襲している。その一方で、「デザイン的な絵文字、漫符」「コマの構成をぶち抜く画の配置」等イラストデザイン面でも優れており、イラストレーターとしても活躍する作者・吉崎の持ち味が十分に発揮されている。
基本的には毎回一話完結型で描かれる(例外的に「前編」「後編」に分けられたストーリーがあり、単行本化のときに巻をまたぐものもある。原作第81話~第84話は「前編」「中編」「後編」「完結編」と4話連続で、単行本化のときは巻をまたいだストーリーだった)。再結集したケロロ軍曹やその仲間たちが地球侵略作戦を毎回練っては試みるも、居候先の少女・夏美に懲らしめられたり作戦の詰めの甘さによって自滅したりしてオチがつく、というのがこの漫画の基本パターンとなっている。連載が進むにつれ、ケロン人と地球人たちとの間にも友情が芽生え、侵略する側とされる側という対立の構図とのギャップも漫画の展開に絡んでくるようになってきている。
また、他の作品からのパロディが多用されていることも特徴的で、セリフや演出が他の著名な漫画やアニメ、コンピュータゲーム作品、テレビドラマ(特に刑事もの)、有名な歌謡曲のタイトルや歌詞などから引用されているのを見ることができる。特に、作者の吉崎観音が漫画家になりたいと思ったきっかけとなった作品『ドラえもん』に関しては、その特有の演出がパロディとしてかなり多く使われており、1話全体が丸ごと『ドラえもん』のストーリーのパロディというものもある。それらの元ネタ(※)がどこから引用されたものなのかが分かる者はさらに作品を楽しむことができるが、一方でその元ネタを知らない、あるいは興味がない者たちからは、内容がパロディに偏っていて理解しにくいとする批評もある。しかし、多くのパロディの元ネタは1970~80年代のものが多いため、低年齢の児童たちはそれらを知り得ないのだが、充分に作品を楽しんでいることもあり、パロディはあくまでも深く楽しむための一要素であると見るのが妥当と思われる。
(※)主に『ガンダムシリーズ』を初めとするサンライズ製作作品や『新世紀エヴァンゲリオン』などのアニメ作品、1970年代~1980年代に話題になった一部の洋画、白土三平の忍者もの、『ウルトラマンシリーズ』や『メタルヒーローシリーズ』のような特撮もの、大泉洋ネタなど。また、最近は昔の作品だけでなく時事的なもの(ピクミンやタマちゃんなど)やポスターなどの注意書き・標語、さらにテレビアニメ化以降はアニメの主題歌もパロディに使われることがある。また、サブタイトルにもパロディが使われている。第53・54話「史上最小之侵略。」は『ウルトラセブン』第48~49話「史上最大の侵略」のパロディである。
なお、現在原作とテレビアニメ版ではストーリーが完全に異なってしまっており(詳細はケロロ軍曹 (アニメ)を参照)、本来はアニメが原作の設定を受け継ぐはずだが、逆にアニメオリジナルであった設定を原作が取り入れるという現象が一部で起きてしまっている。以下に例をあげる。
- 登場人物「カララ」(正確にはアニメが先の登場ではなく、連載雑誌である少年エースにて初登場後、すぐアニメに登場した。しかし、原作に初登場したときは設定が大きく変更されている)
- モンスター「ニョロロ」(原作74.5話で、アニメからの逆輸入であることが明言されている)
[編集] あらすじ
ガマ星雲第58番惑星「ケロン星」から地球(地球外の全宇宙人の呼称はポコペン)の侵略を目的に軍隊が派遣された。その先発隊として隊長・ケロロ軍曹、機動歩兵・ギロロ伍長、暗殺兵・ゼロロ兵長(後にドロロと改名)、突撃兵・タママ二等兵、作戦通信参謀・クルル曹長の5人の兵士からなる宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊・ケロロ小隊が地球に降り立った。
しかし、地球に降り立つ際に5人は散り散りになってしまう。隊長であるケロロ軍曹は、はぐれてしまった仲間たちを探し出し小隊の立て直しを図るべく一軒の民家・日向家に潜伏するが、偶然にも住民に発見・捕獲されてしまい、秘密裏に進めるはずだった地球侵略は失敗に終わる。本隊は彼ら先発隊の5人を残して撤退してしまった。こうして地球に取り残された5人のケロン人は、侵略するはずの相手と同居するという奇妙な生活を始めることとなる。
[編集] 登場人物
ケロロ軍曹の登場人物一覧を参照。
ただし、以下の人物はリンク先を参照。
- ケロロ小隊: ケロロ軍曹・タママ二等兵・ギロロ伍長・クルル曹長・ドロロ兵長
- ガルル小隊: ガルル中尉・タルル上等兵・トロロ新兵・ゾルル兵長・クローンケロロ(ケロロ大尉)・プルル看護長
- キルル: キルル・キルル.・キルル.52
以下の人物は独立した項目があるのでそちらを参照。
[編集] 作中に登場する架空のもの
[編集] コミック
1巻につき7~10話+おまけが基本構成。話数は大字表記であり、サブタイトルはほぼ全てが漢字表記。おまけの場合、話数は「○○.5話」となり、この場合のみ大字表記にならない。2006年11月現在、全13巻。
- 第1巻 1話~10話+おまけ ISBN 4047133078(1999年12月1日発売)
- 第2巻 11話~20話+おまけ ISBN 4047133442(2000年7月1日発売)
- 第3巻 21話~29話+番外編・おまけ ISBN 4047133965(2001年3月1日発売)
- 第4巻 30話~37話+おまけ ISBN 4047134554(2001年10月1日発売)
- 第5巻 38話~45話+おまけ ISBN 4047134961(2002年6月1日発売)
- 第6巻 46話~53話+おまけ ISBN 4047135321(2003年2月1日発売)
- 第7巻 54話~61話+おまけ(初回限定版あり) ISBN 4047135747(2003年10月1日発売)
- 第8巻 62話~69話+おまけ ISBN 4047136131(2004年3月27日発売)
- 第9巻 70話~76話+おまけ(初回限定版あり) ISBN 4047136514(2004年8月10日発売)
- 第10巻 77話~83話+おまけ(初回限定版あり) ISBN 4047137057(2005年2月26日)
- 第11巻 84話~91話(初回限定版あり) ISBN 4047137626(2005年10月8日発売)
- 第12巻 92話~100話+おまけ(初回限定版あり) ISBN 404713791X(2006年2月25日発売)
- 第13巻 101話~109話+おまけ ISBN 4047138371(2006年7月26日発売)
[編集] 特別編集版
1巻~7巻までのケロロ小隊初登場話・マニアックな話・ヒロイン(夏美・桃華・モア・小雪)+すももがメインの話をまとめた単行本。2004年3月30日発売。
- ケロロ軍曹Green(ケロロ小隊5人衆集結編)ISBN 4049249677
- ケロロ軍曹Red(ハイパーマニアックス編)ISBN 4049249685
- ケロロ軍曹Pink(プリティヒロインズ編)ISBN 4049249693
以下、2006年11月30日発売。Yellowが色々な発明品がメインの話、Blackは長編「ケロロ小隊24時」全4話とその前フリといえる話2本を1冊にまとめた単行本。
- ケロロ軍曹Yellow(ケロン脅威のメカニズム編)ISBN 4049250373
- ケロロ軍曹Black(ケロロ小隊24時編)ISBN 4049250365
[編集] その他
- ケロロ軍曹11.5巻 公式ガイドブック ISBN 4047137758(2005年12月26日発売) - コミックス11巻までの登場キャラ(&アリサ)の解説や作者インタビュー、この本のみの書き下ろし漫画などが掲載されている。
[編集] 補足・余談
※ここでも原作漫画に関することを記述する。アニメのみに関連することはアニメ版に関する補足・余談を参照。
- アクセントについては、「ケロロ軍曹」(太字部分がアクセント)ではなく「ケロロ軍曹」である。
- フジテレビ系ドラマ『電車男』にも関連グッズなどが登場する。また、『電車男』の元ネタとなった『2ちゃんねる』でのスレッド内でも、電車男本人が「今日は土曜日だから、ケロロ軍曹を見なくては…」という書き込みが存在した。すなわち、電車男は『ケロロ軍曹』ヲタである。また電車男のドラマ化をきっかけにケロロ軍曹の知名度がさらに上がったという。また、原作11.5巻(公式ガイドブック)の書き下ろし漫画においても、それに関するパロディと思われるエピソードがある(宇宙テレビドラマ『捻挫男』効果で『ケロロ小隊戦記』が大人気に)。
- アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するMS「アッシュ」はケロロをモデルにしている。
- しばしば“ ケロロ将軍 ”と誤記される。特に本作が小学館漫画賞を受賞した際、一部メディアにおいて“ ケロロ将軍 ”と発表されてしまった事例が有名である。この時、作者は発表の数時間後に自身のホームページにおいてケロロが和風の鎧兜を身に付け、軍配を持ったイラスト“ ケロロ将軍 ”を公開し、受賞を喜ぶコメントを併記するというオトナの対応を見せた。ちなみにこのイラストには火縄銃を携えた足軽っぽい衣装のギロロと、通常より忍者度が増した格好のドロロも描かれている。なお、このイラストは11巻目次になったり『ケロロアイランド』のトップ絵にも起用されたりもした。またアニメにも起用されている(ケロロ軍曹のコスプレ・変身の「ケロロ将軍」を参照)。
- 『ザテレビジョン』の表紙にレモンのかぶり物を身につけたケロロや、緊箍の輪(『西遊記』に出てくる孫悟空の頭部の輪っか)をつけたギロロが描かれた。
- コミックス13巻目は12巻目が発売されていない時点で既に存在する。吉崎観音氏がガメラのファンであり、『小さき勇者たち~ガメラ~』の子役が『ケロロ軍曹』のファンという設定に基づくもので、予め吉崎観音氏が映画のために表紙を書き下ろした物である。
- 西村しのぶ著『一緒に遭難したいひと』の単行本2巻150Pにおいて、主人公のいとこである絵依子の携帯にケロロたちの壁紙が存在する。ストラップもケロロである。『NewType』つながりと思われる。
- 吉崎観音氏がファンということもあり、カトキハジメ氏が原作コミックの限定版のパッケージデザイン(吉崎氏の希望により、同氏がプロデュースする「GUNDAM FIX FIGURATION」のパッケージと同一のデザインとなっている)や劇中で夏美が使用したパワードスーツの武器デザイン、ケロロランド中の企画「KRRWAR」の戦闘メカ、さらにはアニメの絵コンテ(第38話、第73話)を担当している。
- .hack//G.U. Vol.1 再誕にケロロ軍曹のみゲスト出演している。
[編集] 外部リンク
作品 | 原作漫画 | テレビアニメ版 | 劇場版 |
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登場するもの | 登場人物一覧 | 架空のもの一覧 |
ケロロ小隊 | ケロロ軍曹 | タママ二等兵 | ギロロ伍長 | クルル曹長 | ドロロ兵長 |
地球人 | 日向冬樹 | 日向夏美 | 西澤桃華 |
ガルル小隊 | ガルル中尉 | タルル上等兵 | トロロ新兵 | ゾルル兵長 | プルル看護長 |
その他の宇宙人 | アンゴル=モア | カララ | キルル |
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