セイバーガンダム
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セイバーガンダム(Saviour Gundam)はアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称はMS)。(型式番号:ZGMF-X23S)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 機体解説
セイバーガンダム | |
型式番号 | ZGMF-X23S |
所属 | ザフト |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 18.61m |
重量 | 77.13t |
主な搭乗者 | アスラン・ザラ |
武装 | ・MMI-GAU25A 20mmCIWS×2 ・MA-BAR70 高エネルギービームライフル ・MA-M941 ヴァジュラビームサーベル×2 ・M106 「アムフォルタス」プラズマ収束ビーム砲×2 ・MA-7B 「スーパーフォルティス」ビーム砲×2 ・MMI-GAU2 「ピクウス」76mm機関砲×2 ・MMI-RD11 空力防盾 |
装甲 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
ユニウス条約締結後に開発された一連の試作MS「セカンドステージシリーズ」に属する可変モビルスーツ。型式番号「23」の「2」は航空機系統を、「3」は開発ナンバーを示す。
本機は同シリーズにおいて最も初期に開発が始まった機体であると見られる。諸々の事情で他の4機よりも完成が遅れ、ミネルバの進水式に機体を間に合わせる事ができなかったが、それが幸いしてアーモリーワンでの強奪事件を免れた。その後、プラント本国のデッキに保管されていた本機はプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルより、ザフトに復隊することを決意したアスラン・ザラにザフト特務隊FAITHの称号と共に託された。
本機もセカンドステージシリーズの類に漏れず、MA形態への可変機構を有する。カオスが宇宙戦、ガイアが陸戦、アビスが水中戦に特化したMA形態を有するのに対し、セイバーのMA形態は戦闘機のそれに酷似しており、大気圏内での空中戦に特化している。そのコンセプトからMS形態でも大気圏内飛行が可能で、MS形態時の敏捷性とMA形態時の加速性と言う特性の異なる高い機動力を使い分けた空戦能力は他の機体を凌駕している。勿論、無重力下での運用も可能である。
又、MA時に機首となる一対の背部パーツには「M106 "アムフォルタス"プラズマ収束ビーム砲」「MA-7B "スーパーフォルティス" ビーム砲」を各1門ずつ装備し、高い火力も備わっている。
汎用性の高い基本装備と高い機動性というMSならではの戦闘能力を軸に、戦闘機並みの加速性能と航続距離、高い火力を併せ持ち、更にこれ等を使い分けるのに換装の必要がないと言う即応性も有する。普遍的な能力の追求に終始している為、他の4機に比べ装備や機構に特異性が少なくやや地味な感は否めないが、その分汎用性は高く、ある意味セカンドステージシリーズのコンセプトを最も満たしている機体とも言える。
他のセカンドステージシリーズ同様、デュートリオンビーム送電システムとVPS装甲を採用している。装甲はVPS装甲の中でも耐久力が高く、同時にエネルギー消費が激しい事を示す赤色であるが、劇中においては一度もエネルギー不足に陥った事は無く、特にインド洋での戦闘ではカオスに対し背部のビーム砲を連射しながらエネルギー切れを示唆する描写すら存在していない。通常戦闘におけるエネルギー切れは全く問題無いようだ。
なお、本機のMA形態には、同じく戦闘機型MAへの変形機構を持つオーブ国防軍の次期主力MSムラサメと異なり、着陸脚などはなく、発進・着艦(着陸)の際には必ずMS形態への変形が必要となる。当然ながら、MA形態でのパイロットの乗降も想定されておらず、その状態では空力防盾とハッチが干渉するため、コクピットハッチを開けることもできない。ただ、ミネルバやボズゴロフ級などのMSを着発させる母艦での運用が予定されていたため、特にこの点に関して支障は無いようだ。
(漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY - THE EDGE -』では、MA形態で森に着陸した本機が描かれているが、これは設定を超えた描写である可能性が高い。)
セイバーとは「救済者」「救世主」などの意。
[編集] 武装
- MMI-GAU25A 20mmCIWS
- 頭部に装備されているCIWS。MA形態時は砲口がシールドで覆われる為使用できない。
- MA-BAR70 高エネルギービームライフル
- マティウスアーセナリー製のビームライフル。他のセカンドステージシリーズ用ライフルと共通の機構を持つ。MA形態時には機首左側面(MS時の左肩)にマウントされ、固定火器として使用される。
- MA-M941 「ヴァジュラ」ビームサーベル
- 近接格闘戦用のビームサーベル。肩アーマーにマウントされている。
- M106 「アムフォルタス」プラズマ収束ビーム砲
- 背部パーツに装備されている2門の大出力プラズマ砲。フリーダムに装備されていたM100 「バラエーナ」プラズマ収束ビーム砲をデュートリオンビーム送電システム対応仕様に改良し、エネルギー変換効率を高めている。MS形態時に使用するときは両脇から前方に振り向ける。
- MA-7B 「スーパーフォルティス」ビーム砲
- アムフォルタスと同じパーツに内蔵されているビーム砲。ジャスティスに装備されていたMA-4B "フォルティス" ビーム砲に、アムフォルタス同様エネルギー変換効率を高める改良を加えたものである。長射程・大威力のアムフォルタスに対して連射性能を重視した設計になっており、アムフォルタスと併用することで近~遠距離まですべてのレンジに対応可能。
- MMI-GAU2 「ピクウス」76mm近接防御機関砲
- フリーダムやゲイツに装備されていたものと同型の機関砲。MA形態時の機首部分(MS形態時の頭部後方ブロック)に2門内蔵されている。元々はCIWS用に開発された機関砲だが、大口径であるため、航空機程度の相手なら攻撃力も期待できる。
- MMI-RD11 空力防盾
- 対ビームコーティングシールド。MA形態時には機体下面に装着され、整流効果を担う。
[編集] 劇中での活躍
第10話から登場。実戦参加は第15話で、ミネルバの退去を知らずにオーブに接近した際、迎撃に出たオーブ軍の新型可変MSムラサメ2機と交戦、これを一蹴している。
インド洋では主にカオスを相手取り、優勢気味に戦う他、インパルスの危機を救い、カオス及びネオ・ロアノーク専用ウィンダムを抑えつつ数機のウィンダムを撃破している。
ガルナハンでは地球軍の新型MAゲルズゲーを撃破、ローエングリンゲート突破に貢献している。
ダーダネルス海峡にてカオスと再戦するが、撃破には至らなかった。
クレタ沖では、多数の敵機と渡り合い、さらにカオスと再戦。その後、戦場に割って入ったフリーダムと交戦するが、SEEDを発動させたキラ・ヤマトによって、頭部と四肢を切り捨てられ大破。その後、胴体部はパイロット共々回収されたが、機体はもはや修復不可能とされ、ミネルバのジブラルタル基地到着後の処分は不明である。
なお原作及び小説版において、整備クルーの間から「レストア(復元)」という言葉も出ているが、これは「試作機で予備パーツのないセイバー」の修理など不可能だというクルーの気持ちを表現したものであり、前線基地での修復計画を示唆する描写ではない。
セカンドシリーズガンダム中、最後に登場し、最も活躍の機会にめぐまれなかった機体であると言えよう。
[編集] プロトセイバー
開戦前、地球連合特務情報局に渡ったセイバーの試作機。エースパイロット養成機関「サーカス」出身の戦闘用コーディネイター、イルド・ジョラールが搭乗する。型式番号:ZGMF-YX21R。連合でのナンバーはRGX-04。
プロトセイバーの行方が分からなくなった事について表沙汰になっていない事から、おそらくはギルバート・デュランダルを支持するマティスが、セイバーの完成により不要になった本機を、本機の開発関係者との裏取引によって入手した物と思われる。
- 構造や外観、装備はセイバーと同等で、唯一VPS装甲によるダークグレー(イルドのパーソナルカラーであるが、特に調整していない)にホワイトライン(これは飛行試験のデータ計測のために入れられていたもの)という独特のカラーパターンである点が異なる。あくまで廃棄予定の実験機なので信頼性の点はあまり重視されていないが、飛行試験に耐え同一の構造でセイバーが製作されたと言う事は、信頼性も充分実戦に耐えうるものであると思われる。又、鹵獲後はマティスの指示により、RGX-00テスタメントと同様の量子コンピュータウイルス送信機能が追加された。*他のセカンドシリーズ機と異なり、重力下での可変、機動試験の目的で試験運用は地球で行われていた。アスランが搭乗する機体はプロトセイバーのテスト結果のデータから宇宙で組み上げられた物である。
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY」では護送中のベルナデッド・ルルーを奪取すべく、リーカ・シェダーのザクファントムとモーガン・シュバリエのエグザスに戦闘を仕掛け、手玉に取るようにあしらった。また、この戦闘中にMA形態に変形しており、セイバーのMA形態が宇宙空間でも高加速形態として機能する事を証明している。
[編集] プロトセイバー+11
- 連合軍が回収したX11Aリジェネレイトのコア・ユニットと合体する事で、核エンジンの大出力とコア・ユニットの推進力を付加された「プロトセイバー+11」となる。付ける際スタビライザーが邪魔で外した後、僅かに改造されている。型式番号:ZGMF-YX21R+11。コア・ユニットはウイルスによってドラグーンのように遠隔操作が可能。また、核動力機であるリジェネレイトのジェネレーターにより、VPS装甲の稼働時間は実質的に無制限となっている。
[編集] 関連項目
[編集] 作品タイトルとしてのセイバーガンダム
「セイバーガンダム」という名称はこのMSとは別に、2004年前後に新しく製作される作品のタイトルとしてインターネット上の一部などで囁かれていたが、そのタイトルでの作品は2006年現在作られていない。2004年に日本にて放映されたアニメ『SDガンダムフォース』の仮称だったのではないかと言われている。
また、アメリカで製作された宇宙世紀が舞台のCG映画『G-SAVIOUR(G-セイバー)』とも関連性は無い。