ゆるキャラ
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ゆるキャラとは、「ゆるいキャラクター」を略したもので、国や地方公共団体、その他の公共機関等が、イベント、各種キャンペーン、村おこし、名産品の紹介などのような地域全般の情報PR、当該団体のコーポレートアイデンティティなどに使用する、可愛いのか可愛くないのか微妙なキャラクターのこと。
ゆるキャラの名づけ親は、「いやげ物」(もらっても大して嬉しくもない土産)、「カスハガ」(観光地などで売られているカスのような絵葉書)「とんまつり」(日本各地の奇祭)などの命名主、みうらじゅんである。
[編集] ゆるキャラの特徴
民間企業が商戦などに用いるイメージキャラクターとゆるキャラとの相違点として、およそ以下のような特徴を挙げることができる。
[編集] クォリティのばらつき
専門のデザイナーやイラストレーターなどに委託して作製する場合もあるが、住民参加型行政の実現のため、特定の行政目的(献血など)の普及啓発や地域主催のイベント(国民体育大会など)の認知向上などの手段として、キャラクターそのものを一般公募し、その中から選定するといったケースも多い。そのためか中にはいまひとつ垢抜けないものも見受けられるなど(公募をかけている以上、結果として上がってきた「民意」を無下に拒むことはできない)、団体間でのキャラクターのクォリティーにはかなりのばらつきがある。
[編集] キャラクターに対する団体の思い入れの強さ
一般に、キャラクターの所属団体が特定の目的を持ってキャラクターを選定・作製・使用するケースがほとんどであり、それだけにキャンペーン等にかける当該団体の思い入れがより強く反映されやすい環境にあるといえる。このため、当事者の思いは十分くみとれるものの、意匠を凝らしすぎた結果、見た者が一瞬思わず絶句してしまうようなものや、「正直これはちょっとローカル色が濃すぎるのではないか」と思われるようなものもたまに現れたりする。
[編集] 存在基盤の脆弱さ
所属団体の組織力の強さやPRへの力の入れ具合、財政力などによって存在が左右されるのもゆるキャラの大きな特徴の一つといえる。このため、作ってはみたものの、ほとんど認知されることもなくひっそりと消えてしまうような泡沫キャラクターも多い。また、行政改革が盛んな今日では、自治体の合併や団体組織の統廃合に伴い、それまで当該部署のマスコットとして使用し、そこそこ認知もされていたキャラクターがあえなく消えてしまうといったようなケースも生じる。さらに、政治的な背景を持って誕生したようなゆるキャラにとっては、首長の交代などもその存続にとって大きな脅威となりうる。このように、ゆるキャラはさまざまな面において脆弱な存在基盤の上に存在しているといった特徴を一般に持っている。しかしその一方で、警視庁の「ピーポくん」のように、誕生後20年近く(※ピーポくんの誕生は昭和62年4月)たった現在、全国レベルにまで知名度が向上し、携帯ストラップなど関連グッズが大人気になるといったようなキャラクターもある。
[編集] 特徴的なネーミング
まず何よりもキャラクター自体に親しみを持ってもらおうという配慮が働くためか、一般に「~ちゃん」「~くん」「~りん」のように「ん」で終わるものや、「~ぴー」のように、長音で終わるといった名前をもつものが多い。また、ゆるキャラの中には家族を持っているものもいるが、家族の命名のしかたについても、メインキャラクターを想起させるような音プラス続柄、といったように一定の傾向が認められる(一例として、台湾観光協会のキャラクターである茶さんとその家族参照)。
[編集] 行政体質の温存
キャラクターの下に商標登録年月日や登録番号などの情報がこと細かに記載されているものであるとか、ホームページでキャラクターを表示させると、そこにキャラクター選定の趣旨、使用取扱要綱、使用承認申請書や使用計画書の雛形などが添付されてきたりするものがあるなど[1]、かわいさだけに徹しきれず、どこか行政本来の体質を引きずっているようなキャラクターも結構ある。
[編集] 中央省庁のゆるキャラ
以下のリストは各省庁で使用されているゆるキャラの一例である(各省庁のホームページ等から容易に拾えるものを無作為に集めたものであり、選定基準等は特にない)。
[編集] 人事院
- KOHちゃん[2]
[編集] 法務省
- 人KENまもる君・人KENあゆみちゃん[3]
[編集] 海上保安庁
- うみまる・うーみん[4]
[編集] 環境省
[編集] 各地のゆるキャラ
以下のリストは各地で使用されているゆるキャラの一例である(各団体のホームページ等から容易に拾えるものを無作為に集めたものであり、選定基準等は特にない)。
[編集] 北海道
- たら丸(岩内観光協会)[7]
- TVチャンピオン ゆるキャラ日本一決定戦 準優勝
[編集] 青森県
- あしゅまる(青森県庁)[11]
[編集] 秋田県
- スギッチ(秋田わか杉国体のマスコット)[12]
- ナミー&ハギー(2001年ワールドゲームズ秋田大会マスコット)
[編集] 山形県
- 紅太郎(山形県、国民文化祭2003のマスコット)[13]
[編集] 宮城県
- も~たん(牛タンのマスコット)
- みやぎくん(宮城県警マスコット)[14]
[編集] 福島県
[編集] 茨城県
- スピーフィ(つくばエクスプレスのマスコット)[17]
- ツクツク(つくば市のマスコット)
[編集] 栃木県
- KINUちゃん&KAWAちゃん(鬼怒川・川治温泉郷キャラクター)[18]
- ルリちゃん(栃木県警察のキャラクター)
[編集] 群馬県
[編集] 埼玉県
- もともと2004年に「彩の国まごころ国体」が実施された際に作られたものだが、この年埼玉県に本拠地を置く浦和レッズと西武ライオンズが優勝したことから、両チームのファンから「勝利の鳥」と崇められるようになり、これを受けて県マスコットになったという経緯がある。
- ラッキーパンダ (所沢市)
[編集] 東京都
[編集] 神奈川県
[編集] 新潟県
- ランちゃん(新潟県庁、新津発電管理所)[29]
- ルルちゃん(新潟県庁、交通安全マスコット)[30]
- マイバックン(新潟県庁、ごみ半減キャンペーンマスコット)[31]
- ナッちゃん(越後長岡イメージキャラクター)[32]
- ころりん(国営越後丘陵公園マスコット)[33]
- ミライス(地域ICT未来フェスタinにいがた イメージキャラクター)[34]
- トッキッキ(トキめき新潟国体2009 マスコット)[35]
[編集] 石川県
[編集] 富山県
[編集] 長野県
[編集] 静岡県
[編集] 愛知県
- コノハけいぶ(愛知県警)[44]
[編集] 滋賀県
[編集] 京都府
- キョッピー(京都府警マスコット)[48]
- リサちゃん(洛南浄化センター 汚泥乾燥施設イメージキャラクター)[49]
- ショウちゃん(洛南浄化センター 消化ガス発電施設イメージキャラクター)[50]
- カモン!ナス(京都放送マスコット)[51]
[編集] 大阪府
- センキョン(大阪市役所、選挙マスコット)[52]
[編集] 兵庫県
[編集] 奈良県
- パゴちゃん(斑鳩町、マスコット)[57]
[編集] 和歌山県
- イノブータン大王&キララ王妃(イノブータン王国)[58]
[編集] 岡山県
- OH!くん(岡山放送株式会社(愛称OHK)、イメージキャラクター)[59]
- ななちゃん(テレビせとうち株式会社(愛称TSC))、イメージキャラクター)[60]
- ももっち(晴れの国おかやま国体) [61]
[編集] 広島県
- い~ねくん(JA全農ひろしま、広島米イメージキャラクター)[62]
- ゆっぴー(広島県庁、青少年のマスコット)[63]
- ブンカッキー(ひろしま文化振興財団のマスコットキャラクター)[64]
- 県央くん(福富町マスコットキャラクター)[65]
[編集] 鳥取県
- 第一回ゆるキャラ大賞、大賞受賞
- 第一回ゆるキャラ大賞、安斉肇賞受賞
[編集] 徳島県
- 第一回ゆるキャラ大賞、山田五郎賞受賞
- ちっかーず(すだちくんとともに第22回国民文化祭のマスコットを務める。)
[編集] 香川県
- (香川県のキャラクター群)[69]
[編集] 高知県
- くろしおくん(高知県イメージキャラクター)[70]
[編集] 愛媛県
- げんきくん(旧三瓶町マスコットキャラクター)[71]
[編集] 福岡県
[編集] 長崎県
- さるくちゃん(長崎さるく博’06のマスコットキャラクター[74]
- ちゅーりー(ハウステンボスのマスコットキャラクター)[75]
[編集] 熊本県
[編集] 佐賀県
- ごろうくん(佐賀県警)[77]
[編集] 大分県
[編集] 沖縄県
[編集] その他の地域
[編集] 関連文献
- 『ゆるキャラ大図鑑』みうらじゅん著、扶桑社、2004年、ISBN 4594046665
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