へうげもの
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『へうげもの』(欧字表記はHyouge-mono)は山田芳裕による漫画作品であり、講談社刊「週刊モーニング」に連載中である。但し、本作品は隔週掲載となっている。
目次 |
[編集] 概要
織田信長、豊臣秀吉に仕えた古田織部を主人公とし、戦国時代を描いた作品である。この類の作品は合戦などの「武」を描いたものが多い中、へうげものは戦国時代に珍重された茶器などが多く描かれた「美(文化)」に重きを置いた作品である。
ちなみに「へうげもの」は「ひょうげもの」と読む。歴史的仮名遣いである。
単行本は講談社よりモーニングKCとして3巻まで刊行されている。(2006年9月現在)
[編集] 登場人物
登場順に記述。但し「登場」とは姿だけでなくその人物(物)が誰(何)であるか外見と名が一致した時点を指す。また、リンク先にて史実に基づいた記述がある場合は名前だけの紹介にとどめる。
- 古田左介、後に古田織部 - 本作品の主人公。
- 織田信長
- 羽柴秀吉
- 松永久秀
- 織田信忠
- 九鬼嘉隆
- 津田宗及
- 今井宗久
- 千宗易
- 中川清秀
- おせん - 左介の妻であり中川清秀の妹。
- 荒木村重
- 森乱丸
- 毛利元就 - 1コマのみの登場。
- 武田信玄 - 1コマのみの登場。
- 上杉謙信 - 1コマのみの登場。
- 明智光秀
- 古田重定 - 左介の実父。
- 明智秀満
- 柴田勝家
- 織田長益
- 正親町天皇 - 1コマのみの登場。
- 佐久間信盛
- 織田信雄
- 織田信孝
- 長次郎 - 陶匠
- お吟 - 千宗易の娘
- 山上宗二
- 毛利輝元 - 1コマのみの登場。
- 高山右近
- 細川忠興
- 細川藤孝
- 加藤景延 - 美濃の陶匠。釜大将を務める。
- 羽柴秀長
- 島井宗室
- 仁科盛信
- 滝川一益
- 黒田孝高
- 蜂須賀正勝
- 徳川家康
- 家鷹 - 鷹匠
- 不知火 - 家鷹が育てた鷹
- 弥助 - 信長に従う外国人
- 神谷宗湛
- 斎藤利三
[編集] 登場する名物・業物
作品中における読み仮名と簡単な紹介を記す。
- 蘭奢待(らんじゃたい) - 香木
- 平グモ(ひらぐも) - 茶釜
- 九十九髪茄子(つくもなす) - 茄子形の茶入
- 志野茶碗(しのぢゃわん) - 美濃の窯大将が作った茶碗
- 関の孫六兼元(せきのまごろくかねもと) - 業物の刀
- 荒木高麗(あらきこうらい) - 大名物の染付茶碗
- 南蛮漆器蒔絵箱(なんばんしっきまきえばこ) - 小箱
- 唐物熊川形青色茶碗(からものこもがいなりあおいろぢゃわん) - 茶碗
- 黒茶碗(くろぢゃわん) - 千宗易の依頼で長次郎が作った今焼の茶碗
- 新田(にった) - 肩衝形の茶入。天下三肩衝のひとつ
- 初花(はつはな) - 肩衝形の茶入。天下三肩衝のひとつ
- 楢柴(ならしば) - 肩衝形の茶入。天下三肩衝のひとつ
- 馬麟の雀絵(ばりんのすずめえ) - 馬麟作・雀が描かれた絵の掛軸
- 砧の花入(きぬたのはないれ) - 花入(今で言う花瓶)
- 朝倉肩衝(あさくらかたつき) - 肩衝形の茶入
- 大覚寺天目茶碗(だいかくじてんもくぢゃわん) - 茶碗
- 尼崎の天目台(あまがさきのてんもくだい) - 天目茶碗を置くための台
- 珠徳の茶杓(しゅとくのちゃしゃく) - 珠徳作の茶杓
- 鉄羽の火ばし - 文字通り火箸
- 高麗茶碗(こうらいぢゃわん) - 茶碗
- 珠光小茄子(しゅこうこなす) - 茶入
- 八角釜(はっかくがま) - 茶釜
- 牧谿の夏椿図(もっけいのかちんず) - 牧谿作・椿の絵の掛軸
- 勢高肩衝(せいたかかたつき) - 肩衝形の茶入
- 円座肩衝(えんざかたつき) - 肩衝形の茶入
- 万歳大海(まんざいたいかい) -
- 松本茶碗(まつもとぢゃわん) - 茶碗
- 引拙茶碗(いんせつぢゃわん) - 茶碗
- 七台(ななつだい) -
- 珠光茶碗(しゅこうぢゃわん) - 茶碗
- 珠徳象牙茶杓(しゅとくぞうげちゃしゃく) - 珠徳作の茶杓
- 竹茶杓(たけちゃしゃく) - 茶杓
- 蕪無花入(かぶらなしはないれ) - 花入
- 貨狄花入(かてきはないれ) - 花入
- 松島茶壺(まつしまちゃつぼ) - 茶壷
- 三日月茶壺(みかづきちゃつぼ) - 茶壷
- 宗達平釜(そうたつひらがま) - 茶釜
- 藤波平釜(ふじなみひらがま) - 茶釜
- 高麗火箸(こうらいひばし) - 火箸
- 紹鷗鉄火箸(じょうおうてつひばし) - 火箸
- 空海の千字文軸(くうかいのせんじもんじく) - 空海が書いた掛軸
- 古銅花生桃尻(こどうはないけももじり) - 花生
- 芋頭の水指(いもがしらのみずさし) -
- 瓢形青色花生(ふくべなりあおいろはないけ) - 花生
- 青木肩衝(あおきかたつき) - 肩衝形の茶入
- 落葉の大壺(らくようのおおつぼ) - 壷
- 霜夜天目茶碗(しもよてんもくぢゃわん) - 茶碗
[編集] その他雑学
- 荒縄の味噌汁
- 芋茎とは、サトイモの茎である。生のものを「ズイキ」干したものを「イモガラ」と区別する場合もある。ズイキは茹でておひたしにしたり味噌汁などで、イモガラは油揚げと共に煮るなどして現在も食べられている。作品中のように合戦に携行する際には保存が利くように干して乾燥させ、長くつないで縄のようにしたものを携行したため「荒縄」と呼ばれている。実際に縄として使用したとも思われる。
- 作品中では味噌で味付けをして味噌汁にしているが、最初から芋茎に味噌を塗って乾燥させ、味噌味の染み込んだ縄を作ることもあったようだ。この場合は適度な長さに切って湯に浸すだけで簡単な味噌汁ができあがる。現代でいうインスタント味噌汁のようなものであろう。
[編集] 刊行されている単行本
- へうげもの1服 - 2005年12月22日発行 ISBN 4-06-372487-5
- へうげもの2服 - 2006年4月21日発行 ISBN 4-06-372512-X
- へうげもの3服 - 2006年8月23日発行 ISBN 4-06-372545-6
[編集] 外部リンク
- へうげもの official blog - 公式ブログサイト