ふじかわ (列車)
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ふじかわとは、東海旅客鉄道(JR東海)が甲府駅~静岡駅間を身延線・東海道本線経由で運行している特急列車。なお、身延駅~静岡駅間を季節運転で運行される臨時特急しだれ桜についても扱う。
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[編集] 運行概況
「ふじかわ」は全て定期列車で7往復が運行される。
全列車が静岡駅発着であるため、新幹線接続列車の任を負っている。また、甲府駅発最終の「ふじかわ14号」は、鰍沢口駅以南からの中・遠距離通勤通学者の帰宅列車としてもよく利用されている。
沿線でJR主催のさわやかウォーキングや花火大会等がある際には、普段は停車しない駅、例えば金手駅や善光寺駅に臨時停車する事もある。この他にも甲斐上野駅、芝川駅に停車実績がある。
車内販売は行われていない。
「しだれ桜」は春季の観桜シーズン、ここでは身延駅最寄の身延山久遠寺の枝垂桜開花に合わせて身延駅~静岡駅間を1日1往復運行される臨時特急である。停車駅は「ふじかわ」と変わらず、季節運転の臨時列車である事、列車名が異なる事を除けばそれ以外の点において何ら変わりはない。
2004年の運転時には身延駅より北の鰍沢口駅まで延長運転が行われたが、以後のシーズンではこの延長運転は行われてはいない。
[編集] 使用車両
- JR東海373系電車3両編成。
- 普通車のみで、グリーン車の設定は無し。
- 富士駅寄りの1両および各車端部の固定ボックス席は全て指定席となっている。
- 富士駅でスイッチバックをする都合上、身延線内での進行方向と座席の向きを合わせるため、東海道線内では座席は進行方向と逆になる。そのため、静岡発の下り列車は静岡駅→富士駅間は身延線内での進行方向にあわせて座席がセットされているので逆走している様な勢いになる。
[編集] 停車駅
静岡駅 - 清水駅 - 富士駅 - 富士宮駅 - 内船駅 - 身延駅 - 下部温泉駅 - 甲斐岩間駅 - 鰍沢口駅 - 市川大門駅 - 東花輪駅 - 南甲府駅 - 甲府駅
[編集] 沿革
- 1964年(昭和39年)3月20日 1956年3月20日より運転されていた快速列車を格上げする形で準急列車「富士川」(漢字書き)が運行開始。富士駅~甲府駅間を2往復した。
- 1964年(昭和39年)10月1日 東海道新幹線開業に伴い1往復を静岡駅まで延長運転。
- 1966年(昭和41年)3月5日 国鉄旅客運賃制度改定により、100キロ以上の区間を走る準急は無制限に急行列車となり、静岡駅~甲府駅間運転の1往復が急行格上げ。
- 残った富士駅~甲府駅間の「富士川」は、準急のまま「白糸」へと改称。この時、「準急」の方が身延線内において「急行」より停車駅が少なく、所要時間も短いという珍現象が発生した。
- 1968年(昭和43年)10月1日 準急列車全廃に伴い「白糸」を吸収し、静岡駅まで運転区間延長。急行「富士川」は、甲府駅~静岡駅間を2往復する体制になった。
- 1972年(昭和47年)3月15日 山陽新幹線の岡山駅まで開業により、不要となった165系を「富士川」の一部に充当するようになった。
- 1972年(昭和47年)10月2日 5往復に増発。同時に三島駅発着便を運行開始。
- 1994年(平成6年)12月3日 三島駅発着の「富士川」廃止。
- 1995年(平成7年)1月9日 JR東海が身延線急行「富士川」の車両置換えと特急格上げを公表。車両は165系から、新型の373系電車になる事も決定した。
- 1995年(平成7年)10月1日 373系に置き換えられ、同時に特急列車に昇格。表記も漢字から平仮名の「ふじかわ」に改められた。定期6往復、不定期1往復の体制でスタートした。
- 1996年(平成8年)4月20日 この日とその翌日、そして5月の大型連休中に「ふじかわ」1往復を新居町駅まで延長運転。
- 1998年(平成10年)7月10日 「ふじかわ」は、好評につき不定期1往復を定期化。定期7往復体制確立。
- 2003年(平成15年)10月1日 東海道新幹線品川駅開業によるダイヤ改正に伴い、「ふじかわ」の運転間隔のパターン化実施。静岡駅発の一部列車を除き、完全2時間間隔での運転となる。
- 2004年(平成16年)3月 臨時特急「しだれ桜」鰍沢口駅まで延長運転を行う。
- 2006年(平成18年)3月18日 この日のダイヤ改正で従来一部列車が通過していた清水駅、内船駅、甲斐岩間駅、鰍沢口駅、市川大門駅に全ての列車が停車するようになる。