JR東海373系電車

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373系電車（373けいでんしゃ）は、東海旅客鉄道（JR東海）の直流特急形車両。

1995年（平成7年）から翌年にかけて3両編成14本（計42両）が、日本車輌製造(F1～F12)と日立製作所(F13,F14)で製造された。JR東海の在来線電車としては、前年に製造された383系量産先行車に次ぐ、VVVFインバータ制御車両である。保安装置はATS-ST形、ATS-P形を搭載。非常に滑らかな加速が特徴である。

目次 1 車体構造 2 車内設備 3 形式紹介 3.1 クモハ373形 3.2 サハ373形 3.3 クハ372形 4 運用 4.1 特急列車運用 4.2 快速・ホームライナー運用 5 関連商品 6 関連項目 7 外部リンク

[編集] 車体構造

急行形の165系の置き換えを目的として誕生した経緯があるため、普通列車から特急列車まで幅広く運用可能な汎用性の高い車両である。汎用性を重視した設計コンセプトは、踊り子号などに使われる185系車両に近い。

車体は、最大長21.3mの軽量ステンレス製（先頭部分は鋼鉄製）で片側2か所の両開き扉が設置されている。 特急形車両であるがデッキと客室の間が完全に仕切られておらず扉がないため、近郊形電車と同様に車内保温・保冷用にドア開閉用の押ボタンが設けられている（通常は快速「ムーンライトながら」下りの浜松駅、豊橋駅での長時間停車時のみ使用）。両開き扉とドア開閉ボタンを搭載した特急車両はJRでは唯一である。

東京方から制御電動車クモハ373形、付随車サハ373形、制御車クハ372形の各形式で3両編成を組み、編成単位で増結して3（ふじかわ・伊那路）,6（東海）,9（ムーンライトながら）両編成で運用される。

[編集] 車内設備

車内設備は、扉間に2列＋2列のインアームテーブル付回転式リクライニングシート（シートピッチ970mm）を装備するほか、クモハ373形とサハ373形の連結部寄りに4人がけで固定テーブル付きの座席（セミコンパートメント席）が設置されている。車椅子対応洋式トイレ、男性専用トイレ、洗面所、テレホンカード専用の公衆電話は、クハ372形に設けられている。身延線、飯田線などローカル線での運用が主体のため、グリーン車は設けられていない。最近では313系と同じドアチャイムが流れている車両がある。また、運転室正面窓はキハ82形の設計を参考としたパノラミックウィンドウとし、客室照明が窓ガラスに写り込まない設計としたしたため、夜間でもカーテンを閉める必要はない（JR東海の運転士はカーテンを閉めず運転する）。そのため、終日において運転室越しに前方を展望することが可能であるが、JR東日本区間である東海道本線東京～熱海間では、トンネル連続区間や早朝、夜間帯はカーテンの全部、または一部を閉めて運転されることがほとんどである。

車内：ドア部と客室間に扉が無い（奥の扉は連結部のもの）※座席のリネンは特急・ホームライナー運用(一部)の際に限って取り付けられる。

車端部のセミコンパートメント席

[編集] 形式紹介

[編集] クモハ373形

東京方に連結される制御電動車。屋根上にはシングルアームパンタグラフ、床下にはVVVFインバータ制御装置、補助電源用静止型インバータを搭載する。

[編集] サハ373形

中間に連結される付随車で、両車端部にセミコンパートメントを持つ。床下には発電ブレーキ用抵抗器などを搭載する。

[編集] クハ372形

甲府・大垣方に連結される制御車で、電動空気圧縮機を搭載する。

[編集] 運用

静岡運転所（現・静岡車両区）に配置され、1995年10月1日から身延線の特急「（ワイドビュー）ふじかわ」で運用を開始した。次いで、1996年（平成8年）3月16日には東海道本線特急「（ワイドビュー）東海」・飯田線特急「（ワイドビュー）伊那路」、快速「ムーンライトながら」に進出し、同所の165系を淘汰した。

2000年（平成12年）には、予想以上の好評により車両不足となった「セントラルライナー」にも313系増備車の落成までの間、一時的に運用されたことがある。

また、普通列車としても1日1往復、東海道本線の東京～静岡間で使用されている。これは「ムーンライトながら」の間合い運用である。2006年10月からは平日のみ大垣～米原間で午前中の2往復（全て3両編成）でも運用を開始した。また、身延線でも普通列車として運用されていた時期があったが、こちらは313系の投入と引き換えに消滅している。

全14編成（編成番号：F1～F14）のうち最初に登場したF1～5編成は、「ふじかわ」専用ということでJR東日本管内への乗り入れに必要なATS-P形は準備工事であった。1996年3月のダイヤ改正用に製造されたF6編成以降は当初からATS-P形を搭載しており、運用が分けられていたが、後にF1～F5も順次ATS-P形を搭載して共通運用となった。

[編集] 特急列車運用

• （ワイドビュー）東海：東京～静岡（東海道本線）1日2往復　
• （ワイドビュー）ふじかわ：静岡～甲府（東海道本線・身延線）1日7往復

• （ワイドビュー）伊那路：豊橋～飯田（飯田線）1日2往復

[編集] 快速・ホームライナー運用

• 夜行快速ムーンライトながら：東京～大垣1日1往復
• ホームライナー（大垣・豊橋・浜松・静岡・沼津）

普通列車としては以下の列車で運用されている（2006年10月1日改正時刻）。

• 東京発静岡行321M（東京 5:20発、静岡 8:26着）（9両編成。「ムーンライトながら」からの折り返し運用）
• 静岡発東京行338M（静岡19:35発、東京22:42着）（9両編成。「ムーンライトながら」への送り込み運用）
• 大垣発米原行209F（大垣 7:31発、米原 8:07着）（3両編成。平日のみの運行）
• 米原発大垣行202F（米原 8:32発、大垣 9:05着）（3両編成。平日のみの運行）
• 大垣発米原行213F（大垣 9:22発、米原10:02着）（3両編成。平日のみの運行）
• 米原発大垣行208F（米原10:44発、大垣11:16着）（3両編成。平日のみの運行）

[編集] 関連商品

TOMIXがNゲージの鉄道模型を製品化している。MODEMOがHOゲージを製品化している。

[編集] 関連項目

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[編集] 外部リンク

• Gマーク受賞概要 - 1995年度グッドデザイン賞を受賞している。