1/6の夢旅人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1/6の夢旅人(ろくぶんのいちのゆめたびびと)は、シンガーソングライターである樋口了一が北海道テレビ放送(HTB)制作のバラエティ番組「水曜どうでしょう」の為に制作した楽曲。
略称は「1/6」など。関連する楽曲も取り上げる。
目次 |
[編集] 1/6の夢旅人
「1/6の夢旅人」(以下、「1/6」)は「水曜どうでしょう」の企画「ヨーロッパ21ヵ国完全制覇」(1997年)の際に作られた。1997年当時、どうでしょう出演者の鈴井貴之はエフエム北海道(愛称「Air-G'」)でラジオ番組『GO・I・S』のパーソナリティーを担当。ヨーロッパロケの為に1週間近く番組を離れることとなり、その時のパーソナリティー代理として『モザイクな夜』を通じて鈴井と親交のあった樋口了一が担当した。このときにどうでしょうの応援歌として作られたのが「1/6」である。
その後、1999年から始まった「水曜どうでしょう」の再放送版である「どうでしょうリターンズ」のエンディングテーマ曲として採用された。
[編集] 樋口と「どうでしょう」の出会い
樋口と「水曜どうでしょう」の出会いは同番組の企画「サイコロ3」にはじまる。大泉洋を東京に連れて行くため、ロケ前日の『GO・I・S』にゲスト出演した「樋口了一のお宅訪問」を東京に行く名目とすることにした。それを大泉に明かすため、大泉とどうでしょうディレクター2名の3人がAir-G'で鈴井の密着取材を行い、その時に明かすこととした。大泉は『GO・I・S』生放送中のスタジオで見学。鈴井と樋口のトークが行われ、その際にお宅訪問とそれによる東京行きが明らかにされた。
[編集] 「リターンズ」エンディングテーマに採用
「どうでしょうリターンズ」のエンディングテーマとして採用されたため「水曜どうでしょうのエンディングテーマ」と認識されることが多いが、「リターンズ」のみのエンディングテーマである。「水曜どうでしょう」では番組内の挿入歌として、番組内で大泉が「1/6」を口ずさむシーンなどで登場した。
[編集] 権利問題の発生
「1/6」の権利が移行する問題が発生した。樋口が「1/6」の曲部分(メロディ)を1998年に発売したV6のシングル「Be Yourself!」のカップリング曲(B面)「Always」の曲として提供、採用された。このことにより、著作権の管理がジャニーズ事務所とエイベックスの音楽出版子会社扱いとなった。番組内での使用に許可が要るなどの問題が生じた。「リターンズ」のエンディングテーマとしては採用されていたが、「水曜どうでしょう」本編では使用されなくなってしまった。
樋口がすでに番組が終了していたと思い、曲をそのまま提供してしまったためと思われる。(番組が終了してしまったと思った、はCD「1/6の夢旅人2002」特典映像の発言から推測)
この権利問題解消まで、該当場面のカットや曲の差し替えなど、各種改編をせまられることとなった。
[編集] 1/6の夢旅人2002
2002年、新たに作曲しなおした「1/6の夢旅人2002」を発表。これまでの権利問題を解消するため、さらには「水曜どうでしょう」の終了がほぼ決まったことなどから、詩の部分はあまり手直しをせずに新たに作曲しなおした。
2002年9月に「1/6の夢旅人2002」として「原付ベトナム縦断1800km」最終夜のエンディングで放送された。
「リターンズ」では西日本制覇(北海道で2002年・レギュラー終了後に放送)で大泉が「1/6」を口ずさむシーンの挿入歌として「2002」バージョンを使用、これ以降は「2002」を使用している。
[編集] 鳥の鳴き声が入ったマスター音源を渡した
2002年9月25日の番組レギュラー最終回で放送され、その後DVDにもなった「1/6の夢旅人2002」には、樋口が飼っているインコのポーちゃんの声が入っている。本人がCDエクストラの中で暴露した(どうでしょうDVD第4弾「サイコロ3」の特典映像にも収録)。通称「インコバージョン」。
これは樋口が自宅で製作作業を行っていた際、ラインでドラムの打ち込みを録音する際、マイクで拾ったポーちゃんの鳴き声を誤って一緒に録音してしまったためである。ところが樋口は「まぁいいか」と、そのポーちゃんの声入りドラムトラックをそのまま使って曲を完成させ、番組ディレクターの藤村忠寿に渡してしまった。番組ディレクターや音響効果担当の工藤哲也は編集時、曲の途中で入る「シーシーシー」という音には気づき、疑問をもちつつも「多分これはシンセサイザーか打楽器か何かの音で、樋口さんのアレンジのひとつなのだろう」と思い、そのまま番組に使用し電波に乗せてしまった。それを知った樋口は「北海道の人たちは本当のことを何も知らないで大喜びしている」と語っている。
後に本人の口から番組へ、あの音はインコの鳴き声であることが明かされたが、偶然にも該当部がコスタリカの幻の鳥「ケツァール」が枝から飛び立つ場面で流れていたため、樋口は、藤村Dたちが鳥の鳴き声と気づいた上で使ったのだと思っていたという。
ちなみに、CD盤「1/6の夢旅人2002」は最終回で放送されたものとは違い、アレンジに手を加えて改めて札幌のスタジオで作り直されたもので、当然ポーちゃんの声は入っていない。
[編集] 水曜どうでしょう同窓会
CD EXTRAで樋口と水曜どうでしょうの出演者とスタッフによるトークが収録されている。冬の平岸高台公園にコタツを用意し、樋口と鈴井・大泉が談笑するというもの。どうでしょうの前枠・後枠のスタッフが撮影し、ディレクターの藤村忠寿もトークに参加。樋口のインコの件など「どうでしょうらしい」エピソードを披露した。
大泉はインコの件には「樋口さんに急遽依頼したので―」とテロップで付け加えて樋口を擁護、加えて「あんたのそういういいかげんなところ(のせい)で、こっちゃあいろいろ苦労してんだよ」と抗議した。前述の「1/6の夢旅人」権利問題を暗喩しているという見方がとれる。
[編集] 1/6の夢旅人2002~Saicorne Ver.~
DVD第4弾のシークレット映像「ミスターのいいじゃないか!踊り」のテーマソング。樋口了一のアルバム「Lives」に収録されたラテン風バージョンである。
この曲は、フィーチャリング大泉洋、ということで大泉も参加している。これは、1/6の夢旅人2002のCDエクストラ映像内で大泉が印税(カネ)かなんかにからみたい(藤村D・説)としつこく発言したことが、参加の理由に少しでも入っていると思われる。作品内で大泉はラテン系のアレンジに合わせ、叫び声などの合いの手を入れ陽気な楽曲を盛り上げているが、よく聴くとどうでしょう班の名前や、彼らにまつわることを連呼しているのがわかる。
その後、2005年10月に行われたどうでしょう祭のメインテーマ曲として使用された。
[編集] 著作権問題の解消、CD発売
その後、メロディ部分の著作権問題が解消された。「Always」のメロディを「1/6」として使用できるようになった、というもの。これによって2005年にCD化した。さらに「どうでしょう」放送内で再び使用できるようになった。
マスターテープを持っていなかった樋口は、この機会に再アレンジの上、アコースティックギターをメインに据えて再レコーディングを行い、更にHTBのライブラリにあったどうでしょうで使われたオリジナルバージョンも収録されたCD「1/6の夢旅人/二度目のありがとう」を発売した。その直後の5月11日にHTBで放送された水曜どうでしょうclassic「サイコロ4 第3夜」の中でも挿入歌としてこの曲が久々に放送され、その後も番組内で使用されている。
[編集] 発売されたCD
- 1/6の夢旅人2002 2003年3月発売
- lives 2004年発売 (Saicorne Verを収録)
- 1/6の夢旅人/二度目のありがとう 2005年発売
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
どうでしょう班 |
---|
鈴井貴之 - 大泉洋 - 藤村忠寿(チーフディレクター) - 嬉野雅道(ディレクター) |
放送した企画 |
水曜どうでしょうの企画 - 水曜どうでしょうの企画 (海外) - 水曜どうでしょうの企画 (2003年以降) |
派生企画 |
四国R-14 - 水曜天幕團 |
関連商品など |
水曜どうでしょうDVD全集 - どうでしょう本 - 水曜どうでしょう写真集 |
その他 |
水曜どうでしょう official website - 安田顕(準レギュラー) - 四宮康雅(プロデューサー) - 樋口了一 - onちゃん(HTBマスコット) - 1/6の夢旅人 - 1/6の夢旅人2002 - ミスターのいいじゃないか!踊り - ミスターのいいじゃないか!運動 |