関氏
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関氏（せきし）は関を姓とする一族。いくつかの血流があり、伊勢国の豪族で桓武平氏の平姓関氏及び、常陸国で藤原秀郷を祖とする藤姓関氏、清和源氏の系統摂津源氏を祖とし、後に河内源氏流若槻氏族の森氏の一門に組み込まれた源姓関氏がある。
[編集] 平姓関氏
伊勢国鈴鹿郡を本拠とした豪族。出自には諸説あり、伊勢平氏平維衡の五世の孫、関信兼（出羽守）をもって祖とする説など、一定していない。 鎌倉の御家人、関実忠が伊勢国鈴鹿郡関谷を賜り、関氏を称したのが初代であるとされるが、その後数代の事跡は明らかでない。
北条氏滅亡後、1333年（元弘3年）に実忠六世の孫関盛政が関東から関谷に移り住み、関一党の基礎を築いた。 盛政には五人の子があり、長男盛澄を神戸に（神戸氏の祖）、二男盛門を国府（こう）城に、三男盛繁に本家を継がせ亀山城に、四男盛宗を鹿伏兎（かぶと）城に、五男政実を峯城に、それぞれ配して勢力を伸ばした。
延元二年（1337年）、陸奥にあった北畠顕家が義良親王を奉じて西上したとき、これに従い、伊勢では北朝方の有力豪族長野氏や雲出川に構えた高師泰の軍と戦ったという。
室町時代は幕府の支配に帰服するが、伊勢国司北畠満雅が皇位継承における問題で、大覚寺統・持明院統両統が交互に皇位を継承する取り決めを北朝・幕府が反故にしているとの不満から挙兵すると、関氏も北畠家の求めにより幕府軍と戦って降伏した。
戦国の動乱期には、中・北伊勢地方にまで勢力を伸ばしていた。しかし、やがて織田信長が次期将軍として足利義昭を奉じて西上してくると、関一党はつぎつぎと信長に降り、離散することとなった。
関盛信の子である関一政は豊臣家重臣・蒲生氏郷の麾下となり、豊臣秀吉の九州征伐や小田原征伐に出陣するなど、家名存続のため豊臣家の命を受けて転戦する。やがて、蒲生氏郷の会津転封によって、関一政もそれに従って白河城に赴き、陸奥国白河城五万石を与えられた。
関が原の戦いでは、はじめ西軍で、のち東軍に属し、戦後旧領亀山城を与えられる。その後伯耆黒坂5万石に移封されたが、家中内紛のため元和四年（1618年）改易された。子関氏盛が近江国蒲生郡において五千石を与えられて寄合に列し、家名を伝えたという。
[編集] 藤姓関氏
常陸国関城の城主の家系で、鎮守府将軍・藤原秀郷の血を引く名門 結城氏の一族にあたる。結城家二代結城朝広の四男朝泰が関氏を称した。その居城 関城は、南北朝時代の初期、北畠親房が拠点とするなど、常陸国における南朝の中心となった城である。南朝方の武将 常陸国関城城主 関宗祐、関宗政親子は康永2年、足利尊氏の重臣高師冬の大軍に攻められ、討死、北畠親房は吉野に戻っている。
(結城氏には早くから源頼朝御落胤伝説があり、事実ならば源姓関氏に収録されるところである。現に結城一族には源姓を称した者も少なくない。しかし、公的には藤原氏として扱われている。)
[編集] 源姓関氏
- 山縣氏流関氏
美濃国武儀郡関村に興る。摂津源氏山縣氏氏族。家祖は山縣氏頼（兵庫頭）の三男が関氏昌（彦三郎）。八世孫、関長重（十郎右衛門尉）は伊勢国北畠氏の後、織田信長に仕官する。織田氏の家臣で尾張国一宮に拠点を置くが、近江桜馬場の陣や、対浅井戦で武功を飾ったという。これによりそれまでの拠点であった尾張一宮より、晴れて美濃国鴻野城主となり城持ちへと昇進した。元亀三年（1572年）に同じ織田家臣で兼山城城主 森可成の娘と結婚したことにより、森家の傘下に入った。その子、森長可と行動をともにし、長可亡き後は弟の忠政がその跡を継ぎ、関家は森家の家臣筋となる。忠政の跡は姉関成次室の生んだ長継を養子とした。関家は長継実弟の長政が継いだが、弟長政に後継がいなかった為、兄 長継の子 森長治を養子とする。江戸時代は森氏の支藩としてその分家の待遇を受ける。明治に子爵を受ける。
山縣氏頼－関氏昌---六代略---関成重－関成政－関成次－関長継＝関長政(実弟)
