菅原文太
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菅原 文太（すがわら ぶんた 1933年8月16日 - ）は、日本の俳優。1970年代の日本映画を代表するトップスター。
宮城県仙台市出身。長男に故菅原加織がいた。他に娘が二人いる。妻の文子はマネージャーを務めている
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[編集] 概要
宮城県下トップの進学校から早稲田大学に進学。退学後インチキ神主のバイトを経て雑誌のメンズモデルに。モデルとして活躍していた時代に喫茶店でスカウトされ、東宝で1955年に映画デビュー。1958年には新東宝からスカウトされ“ハンサムタワーズ”の一人として、吉田輝雄、高宮敬二、寺島達夫らと共に同社の主演スターとなったが、当時の新東宝は経営不振で低予算のエログロ映画が主力だったため、世間的な知名度は高くなかった。この時代の映画としては、新東宝エログロ路線でも1、2のキワモノの一本と言われる『九十九本目の生娘』や1960年の正月大作「女奴隷船」に主演した際の丹波哲郎とのアクション対決が映画ファンには有名。1961年に新東宝が倒産したため松竹へ移籍。ホームドラマが多い松竹では脇役ばかりで辛酸を舐める（だが、後年、菅原の出演作もある松竹の映画監督・木下恵介の葬式には列席している）。
松竹にいた俳優の安藤昇に勧められ1967年にヤクザ映画の東映に移籍。当時、既に不況だった日本映画界において東映は最も観客を集めている映画会社であり、凄みのある俳優を求めていた。セリフのほとんどない役からスタートしたが、1969年には東映初の主役として「現代やくざ 与太者の掟」に出演。この「現代やくざ」シリーズは72年まで続く作品群で、ヤクザを美化した従来の任侠映画の常識を覆す現実的なワルを主人公にしたものであり、後の生々しい実録映画の先駆けとなった。
続いて同年より「関東テキヤ一家」シリーズ、1971年よりコメディ｢まむしの兄弟」シリーズ、1972年には「木枯し紋次郎」シリーズに主演。
当時の映画界を震撼させた1973年から始まる『仁義なき戦い』シリーズは特に有名で、菅原は一躍、映画史に残るスーパースターになった。菅原のドスの聞いた広島弁が、あまりにも堂に入ってうまかったため、菅原を広島出身だと思い込んでいる人も多いほど。
この大ヒットで東映は仁侠映画から実録映画へ方向転換。これにより東映のトップスターだった高倉健は1975年に東映を退社。1974年末より始まる｢新・仁義なき戦い」シリーズも大ヒット。1975年に始まるコメディトラック野郎シリーズの大ヒットで名実共に東映のエースとなり、70年代映画界トップのドル箱スターとなった。
1980年にNHK大河ドラマ「獅子の時代」に主演するためしばらく映画界を離れる。これにより盆と正月の風物詩であった東映の看板映画トラック野郎シリーズも終焉。一つの時代が終わった。1981年に2本の映画に主演。その後、TVで刑事物等いくつかの連続ドラマに主演した後は主演することが少なくなる。
近年はアニメの声優もこなすなど、幅広く活躍しており、日本を代表する映画スターである事には変わりない。
1998年頃に岐阜県の飛騨地方に移住。近年は農業政策等に高い関心を示し、多数の講演活動も行っている。また2005年の衆議院議員総選挙では広島6区に出馬した国民新党の亀井静香の応援に登場。亀井の唱える農業政策等に支持し、同じく広島6区に出馬した対立候補の堀江貴文を批判。「向こう(堀江陣営)は仁義なき戦いをしているが、こちらは仁義ある戦いをしましょう」と亀井を激励した。その甲斐あってか、亀井は堀江を破って当選を果たした。この選挙区は広島になぞらえて、「広島死闘篇」と呼ばれた。これは菅原主演「仁義なき戦い」の第二部作副題である。
2001年に長男の菅原加織を事故で亡くし、周囲に「もう仕事したくない」と漏らしていたが、2003年公開の映画、「わたしのグランパ」で復活。9年ぶりの主演を果たす。
映画監督の深作欣二の臨終を家族以外で看取った唯一の人物。今の若い世代にとってはヤクザ映画のイメージよりも、大ヒット映画『千と千尋の神隠し』で声優を務めた釜爺役のイメージが強い。
現在も活躍する内外の多くの有名人に多大な影響を与え続け、俳優の宇梶剛士やプロレスラーの新崎人生は元付き人だった。またタレントの明石家さんまは自他ともに認める菅原の大ファン。『仁義なき戦い』第一部の土居組組長を射殺するシーンが特に好きで、冷たい雨の中、肩をすぼめて眉間に皺を寄せ、煙草を吹かし標的を待つシーンをよく真似た、と語っている。まだ若手だった頃に空港で菅原に会い、サインを頼んだところ「俺が代わりに欲しいくらいだよ」と言われた話は、後年さんまによって何回も披露されている。ビートたけしはその話を「百回以上聞いた」と話している。 父親としての一見を持ち「げんこつおやじの会」を立ち上げた。その一方、子息の通う幼稚園に対する批判をマスコミを通じて行い、結果的に同園は閉鎖に追い込まれた。 演歌歌手の北島三郎とは兄弟分というエピソードは山本譲二がダウンタウンDXの番組中に語っている。 伊丹十三監督のミンボーの女をやくざを侮辱の対象としか見ていないと批判したという。
[編集] 出演作品
[編集] 映画・ビデオ
- 『哀愁の街に霧が降る』 1956年
- 『海女の化物屋敷』1959年
- 『太平洋戦争』 1960年
- 『東京さのさ娘』 1962年
- 『香華』1964年
- 『太陽を抱く女』 1964年
- 『兄弟仁義 逆縁の盃』 1968年
- 『関東テキヤ一家』 1969年
- 『日本暴力団 組長』 1969年
- 『不良番長』 送り狼 1969年
- 『血染めの代紋』 1970年
- 『関東テキヤ一家』喧嘩仁義 1970年
- 懲役太郎『まむしの兄弟』 1971年
- 『不良番長』 やらずぶったくり 1971年
- 現代やくざ『人斬り与太』 1972年
- 『人斬り与太』狂犬三兄弟 1972年
- 『仁義なき戦い』 1973年
- 『仁義なき戦い』広島死闘篇 1973年
- 『仁義なき戦い』代理戦争 1973年
- 『まむしの兄弟』恐喝三億円 1973年
- 『山口組外伝 九州進攻作戦』 1974年
- 『仁義なき戦い』頂上作戦 1974年
- 『仁義なき戦い』完結篇 1974年
- 『新仁義なき戦い』 1974年
- 『県警対組織暴力』 1975年
- 『トラック野郎』御意見無用 1975年
- 『新仁義なき戦い』 組長の首 1975年
- 『トラック野郎』爆走一番星 1975年
- 『バカ政ホラ政トッパ政』 1976年
- 『新仁義なき戦い』 組長最後の日 1976年
- 『トラック野郎』望郷一番星 1976年
- 『トラック野郎』天下御免 1976年
- 『日本の首領シリーズ』 1977年
- 『日本の仁義』 1977年
- 『トラック野郎』度胸一番星 1977年
- 『トラック野郎』男一匹桃次郎 1977年
- 『ダイナマイトどんどん』 1978年
- 『トラック野郎』突撃一番星 1978年
- 『トラック野郎』一番星北へ帰る 1978年
- 『太陽を盗んだ男』 1979年
- 『トラック野郎』熱風５０００㌔ 1979年
- 『トラック野郎』故郷特急便 1979年
- 『黄金の犬』（ノンクレジットの客演） 1979年
- 『制覇』 1982年
- 『修羅の群れ』 1984年
- 『ビルマの竪琴』 1985年
- 『鹿鳴館』 1986年
- 『映画女優』 1987年
- 『鶴』 1988年
- 『YAWARA!』 1989年
- 『鉄拳』 1990年
- 『ビッグボス』 1992年
- 『復讐は俺がやる・Distant Justice』 1992年
- 『民暴の帝王』
- 『やくざ道入門』 1994年
- 『どら平太』 2000年
- 『千と千尋の神隠し』（声優・釜爺） 2001年
- 『わたしのグランパ』 2003年
- 『ゲド戦記』(声優・大賢人ゲド役) 2006年
[編集] TV
- 1980年 『獅子の時代』(主人公・平沼銑次役)
- 1981年 『警視庁殺人課』
- 1983年 『パパ、スカートはいてよ』
- 1984年 『東大一直線 もう高校はいらない』
- 1986年 『武蔵坊弁慶』(源頼朝役)
- 1987年 『武田信玄』（武田家宿老 板垣信方）
- 1992年 『北の国から'92巣立ち』
- 1993年 『世にも奇妙な物語－ガード下の出来事』
- 1994年 『警部補 古畑任三郎（最後のあいさつ）』（犯人・小暮音次郎役）
- 1998年 『徳川慶喜』(徳川斉昭役)
- 1998年 『先生知らないの？』
- 2000年 『晴れ着ここ一番』
- 2002年 『利家とまつ 加賀百万石物語』(前田利昌役)
- 2002年 『サムライジャック』（アク役） ＊声優
- 2003年 『高原へいらっしゃい』
- 2004年 『4TEEN フォーティーン』
- 2005年 NHKアニメ劇場 『雪の女王』（べー役） ＊声優
[編集] CM
[編集] ラジオ
- 菅原文太 日本人の底力（ニッポン放送、2003年より『菅原文太 ホーホーふくろう』として開始）
[編集] 学歴
- 宮城県仙台第一高等学校全日制課程普通科卒業
- 早稲田大学第二法学部（夜間部 現社会科学部の前身）中退
[編集] 関連項目
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