雪の女王 (NHKアニメ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『雪の女王 ~THE SNOW QUEEN~』(ゆきのじょおう ザ・スノウクイーン)は、アンデルセン生誕200年(2005年4月2日)を記念して制作されたテレビアニメ作品。同名のアンデルセン童話『雪の女王』を元に構成された。
目次 |
[編集] 概要
2005年5月22日から2006年2月12日までNHKアニメ劇場枠(毎週日曜19:30~19:55)で放送された。全36話(製作発表時は39話予定)。2006年5月4日と5月5日(10:05~11:20)に総集編が放送された。総集編は全6話。
全体的に劇画風な絵柄になっている。特徴として静止画が挿入されたり(1話に3、4回使われることもある)、画面を二分割にしたり、キャラクターをたくさん並べる演出が毎話のように使われている。インターネット上の評判はおおむね悪くなかったが、視聴率は前番組の『アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル』より1~2%ほど下回った。
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
ストーリーはアンデルセン童話『雪の女王』をベースとしながら、アンデルセン童話と比較してゲルダの年齢が高めに設定されていたり、ゲルダが自分の明確な意志でカイを探し求める旅に出る、雪の女王を善意の人として描いている、などの改変がある。また、ゲルダと旅をする吟遊詩人のラギは、どのアンデルセン童話にも登場しないアニメオリジナルのキャラクターである。
『悪い王様』や『赤い靴』、『あの女はろくでなし』、『マッチ売りの少女』、『パラダイスの園』、『人魚姫』などの他のアンデルセン童話の要素も数多く織り込まれている。第19話「マッチ売りの少女」ではアンデルセン童話を忠実に描く一方、第11話「赤い靴」ではカーレンが両足首切断するストーリーをアニメでは燃え上がり倒れかかる木からカーレンの父親が彼女をかばい下敷きになって亡くなる展開にするなど、アンデルセン童話のストーリーが改変されていたり、第24話「月夜の人魚姫」のようにアンデルセン童話の『人魚姫』を伝説として紹介した上でアニメオリジナルのストーリーを加えることもある。完全にアニメオリジナルのストーリーも多い。
[編集] スタッフ
- 監督・絵コンテ:出崎統
- 制作統括:冨永慎一、塩浦雅一
- シリーズ構成:十川誠志
- 脚本:十川誠志、富田祐弘、島田満、中村誠
- 時代考証:舛田啓介
- 音楽:千住明
- キャラクターデザイン:杉野昭夫
- 美術監督:河野次郎
- 色彩設計:伊藤純子
- 撮影監督:白尾仁志
- 編集:森田清次、佐野由里子
- 音楽監督:鈴木清司
- 音響監督:山田知明
- 音響効果:糸川幸良
- アニメーションプロデューサー:宮本秀晃
- アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
- 共同制作:NHKエンタープライズ
- 制作・著作:NHK
[編集] キャスト
- 雪の女王:涼風真世
- ゲルダ:川澄綾子
- カイ、春の国の王子:夏樹リオ
- カール(カイの父):高嶋政宏
- ニナ(カイの母):日高のり子
- ヨハンネ(カイの妹)、春の国の王女:城雅子
- マティルデ(ゲルダの祖母):翠準子
- 赤トロル:後藤哲夫
- 青トロル:鈴木琢磨
- アザラシ:佐久間レイ
- アモール:長沢美樹
- 街の男:宝亀克寿
- よっぱらい:二又一成
- カスパ:井上順
- ダニエル:田村亮
- トーマス:たてかべ和也
- アーニャ:勝生真沙子
- グロブ王:家中宏
- 魔法使い:池内淳子
- 川の精:島本須美
- バラの清:潘恵子
- クラウス:水谷優子
- カーレン:小林沙苗
- 猟師:大川透
- 魚屋の主人:橘U子
- ハンス:関口知宏
- ルービン:田中健
- ヘレーネ:こだま愛
- ラスムス:雪野五月
- マリア:大谷育江
- ヴィロム:玄田哲章
- 魔女:村上はるみ
- リリー:かないみか
- マーレン:定岡小百合
- パルメ:中村秀利
- マティアス:池田勝
- クリスティーネ:渕崎ゆり子
- バーテル:高橋直純
- エリック:坂本千夏
- アルフレッド王:錦織一清
- モーリー:矢尾一樹
- フリーダ:横山智佐
- アマンダ:草笛光子
- ガイオン:内海賢二
- べー:菅原文太
- 賢者:川原亜矢子
- 風使い:小原乃梨子
- 風の化身/愚か者/魔王:大塚明夫
- ラギ(吟遊詩人)、語り:仲村トオル
[編集] 配役の序列
川澄綾子演じるゲルダは、雪の女王に次ぐ準主役であり、雪の女王が毎回は出なかったこともあって、ほぼ主役の回もあったのだが、新聞の番組表に川澄の名前が載ったことは一度もなかった。たいてい載っていたのは高嶋政宏や仲村トオル、あるいはゲストの芸能人の名前で、監督の出崎統の名前が載ったこともある。この点については、アニメ雑誌の読者ページで指摘されたこともあった。
但しキャスティングに関しては前作「ポワロ」と同様有名芸能人を起用しているものの、「ポワロ」に比べると主演の涼風真世は女優としてだけではなく『るろうに剣心』において2年近く主演をつとめるなど声優としての実績もあり、里見や八千草に比べると上手いのでキャスティングについての批判は殆ど見られなかった。また仲村トオルも本作出演前にナレーションとして声だけの演技では実績がありもともと声色に定評があったので語り部としては最適なキャスティングだった。
新聞欄や雑誌のキャスト欄では、NHKの見解としては涼風真世は主演なので筆頭で載るのは当然としている。 仲村と川澄に関しては後半はどちらも同じくらい出演していたので同格の扱いをしていたようだが、芸能的・広報的には仲村トオルのほうが川澄綾子よりもキャリアが上で膾炙も圧倒的に上なので仲村のほうが優遇されている。新聞のキャスト欄やネット上に仲村の名前ばかりが載るのも仲村が語り役でストーリーテラーだからという見方をすると妥当でないともいえない。
[編集] 本編サブタイトル
- 第1話 ゲルダとカイ
- 第2話 オーロラの街
- 第3話 鏡のかけら
- 第4話 旅立ち
- 第5話 はじめての道
- 第6話 えんどう豆と少女
- 第7話 悪い王様
- 第8話 花園の魔法使い
- 第9話 バラの妖精
- 第10話 クラウスの夢
- 第11話 赤い靴
- 第12話 幸運の梨の木
- 第13話 白い馬車
- 第14話 道づれ
- 第15話 ハンスの挑戦
- 第16話 吟遊詩人ラギ
- 第17話 あの女はろくでなし
- 第18話 氷の海へ
- 第19話 マッチ売りの少女
- 第20話 カイへの手紙
- 第21話 3つのくるみ
- 第22話 サーカスの奇跡
- 第23話 パラダイスの園
- 第24話 月夜の人魚姫
- 第25話 王家の鍵
- 第26話 ホルガー伝説
- 第27話 大氷河の危機
- 第28話 不思議なカラス
- 第29話 山賊の娘
- 第30話 山賊の掟
- 第31話 山賊の絆
- 第32話 賢者と風使い
- 第33話 氷の城
- 第34話 ラギの復活
- 第35話 迫る魔王
- 第36話 故郷(ふるさと)へ
[編集] 総集編サブタイトル
- 第1話 鏡のかけら
- 第2話 旅のはじまり
- 第3話 新しい仲間
- 第4話 オーロラの下で
- 第5話 悲しみをこえて
- 第6話 ふたりのバラ
[編集] 関連書籍
- NHKアニメ劇場 雪の女王 (文:中村誠)NHK出版
- 鏡のかけら 2005年10月8日発行 ISBN 4140360976
- 氷の城へ 2006年3月16日発行 ISBN 4140360984
- 雪の女王/ピアノ・ソロ・アルバム ドレミ楽譜出版社 2006年1月30日発行
[編集] 外部リンク
NHK総合 NHKアニメ劇場 | ||
---|---|---|
前番組 | 雪の女王 | 次番組 |
アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル | ジミー・ニュートロン 僕は天才発明家! |