特急形車両
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特急形車両(とっきゅうがたしゃりょう)とは、主に特別急行列車の運用に充当する鉄道車両のこと。
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[編集] 概要
21世紀初頭の現在における各社の特別急行列車は、目的により2つに分けられる。ひとつは運行区間を最短時間で結ぶ高速列車であり、他方は観光路線などで快適な空間を提供する居住性を重要視した列車である。
元来特別急行列車とは、後者の要素が重要であった。日本での特別急行列車の英語表記は"Limited express"が用いられるが、これは限定された上流客が利用する急行列車的な意味合いが強い。また、旧国鉄が運行させた最初の特別急行列車であった1・2列車は国際連絡列車を意図したことから、単なる車両の寄せ集めではなく、当時の新式車両により組成していた。また、乗客もそれを意識し、一等・二等車のみとし、展望車でもいわゆる日本趣味とした内装となっていたとされる。
但し、その後3・4列車では座席車を三等車のみで編成を組成し、のちに「特ハ」と通称される特急用三等車を設計・製作したこともあることから、必ずしも豪華さのみが強調される訳ではなかった。このあたりは高速列車を意識した部分が多分にあり、又一方方向のみに向いた腰掛けを用いるなど乗客のサービスにもそれが現れている。
これらのことから、特別急行列車に使用される車両も、高速性能を追求した車両と、豪華な空間を提供する車両が存在する。現在の前者の代表は新幹線電車であり、後者の代表は「トワイライトエクスプレス」や「カシオペア」に代表される豪華客車が上げられる。
但し、一般的にはその棲み分けははっきりしておらず、一般車両に比べて高速性能を追求したり、ある程度の居住性を確保したものが使用されることが多い。
[編集] 国鉄・JR
※車両一覧は国鉄・JRの車両形式の一覧を参照のこと。
戦後、マロネ40・マロネ41・マシ35・スロ54・スハ44等が特急用客車として登場し、その後のこの種の車両の基本となり、固定編成の電車、気動車、客車に受け継がれていった。
客車に限ると「軽量客車」といわれる10系客車の設計を元に、サービス電源を供給する電源車を要するが、居住性が高い固定編成を組むことを前提としていた20系客車が特急専用車の緒と言える。2005年現在も明確な区分は無いものの以下のものが特急用客車と言える。
電車では、151系電車が最初とされている。尚、新幹線車両についてもその目的からこれに分類される場合がある。国鉄では151系設計時から、特急設計の車両は車体床面を一般車両より約20cm下げるなど、内装だけではなく、車体の構造自体がそれ以外の用途のものとは異なっていた。これは、当時の最新鋭車両であった小田急電鉄3000形「SE」車等、座席指定制列車を運行する際に当てはまる設計上の思想といえる。
気動車で最初のものは、キハ80系気動車とされている。2004年現在では非電化区間を経由する昼行特急列車を運行していない東日本旅客鉄道以外の各社が保有している。
[編集] 私鉄
私鉄においては、必ずしも有料列車を運行している会社のみが専用車両を保有している訳ではない。
有料特急としては、東武鉄道「スペーシア」や小田急電鉄「ロマンスカー」、西武鉄道「レッドアロー」、京成電鉄「スカイライナー」、近畿日本鉄道「伊勢志摩ライナー」(近鉄特急)、南海電気鉄道「ラピート」の様に観光地や空港を結ぶ路線の場合にはその会社の顔として特急形車両を保有している。
無料特急では、京浜急行電鉄、京阪電気鉄道や阪急電鉄、西日本鉄道など競合するJR等に対抗するための列車として特急電車を運行している場合には、その他の電車に比して車内設備・高速性能が良いものを保有している場合がある。このうち京急2100形、京阪8000形は、有料特急に匹敵する居住性を有し、一部の運行の合間に他の種別で運転される例外を除き、特急列車以外に使用されることはない。但し、これらの車両も通勤形車両として分類される事もある。
また、名古屋鉄道では、名古屋本線と常滑線・空港線で主として利用される一部特別車特急が運行されている。これは車両性能としては同一であるが、車内設備が大いに異なるという点での差違であるが、それ故「違う車両」と認識されることがある。これについては、名鉄特急の項も参照されたい。
[編集] 外国の特急形車両
外国、特にヨーロッパでは、昔から特別急行列車の運行はさかんであり、ドイツの「ラインゴルト」やフランスの「ミストラル」などは、みな専用の豪華客車によって運転されてきた。しかし、日本の新幹線同様に、TGVやICEの登場後は、特別な専用客車を利用した豪華列車は影を潜めた。ただし、TGVやICEの居住性は、日本の新幹線電車よりははるかに優れている。
[編集] 参考リンク
- ロマンスカー(私鉄車両で称された例が多い)