沖縄社会大衆党
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
沖縄社会大衆党(おきなわしゃかいたいしゅうとう)とは沖縄県にある地域政党。略して社大党(しゃだいとう・しゃたいとう)と呼ばれる。戦前存在した、社会大衆党とは関係ない。
目次 |
[編集] 概要
1950年に沖縄群島知事の平良辰雄が中心となって結成された。当初は比嘉秀平(後の行政主席)や西銘順治(後の沖縄県知事)などの保守系政治家も在籍しており、幅広い階層からの支持を受けていた。その後、比嘉秀平や西銘順治が相次いで離党したことで革新色を強めていき、沖縄人民党とともに沖縄本土復帰運動の中心に立っていった。しかし人民党との共闘については党内でも批判があり、度々路線対立が起きた。
1970年の国政参加選挙で、衆議院に安里積千代が当選し、国会に議席を得た。1972年の本土復帰を前に、日本社会党への合流が提案された(このとき、沖縄人民党は1973年に日本共産党に合流した)。また、当時の安里積千代委員長は党解散の上、各人それぞれが移籍先を選ぶべきだと主張した。安里は復帰後の1972年の総選挙に出馬し、当選すると民社党に移籍した。しかし結局、党はどちらにも合流せず沖縄地域政党として存続することになった。
綱領自体は「左右の全体主義を排する国民政党」など民社党に近いものだったが、政策・活動は革新色の強いものとなってゆく。選挙では、民社党は自民党に味方することが多く、両党は間接的ではあるがしばしば対決することになった。
批判者の中には、党と北朝鮮との関係を指摘する者も居る。[1]
現在、沖縄県会議員の喜納昌春を委員長に、前参議院議員・副委員長の糸数慶子、比嘉京子書記長ら4人の県会議員と各市町村の議員が活動している。沖縄の革新勢力をまとめる存在として、根強い影響力を持っている。
[編集] 他党との選挙協力
社大党は、民主党・社民党・日本共産党・自由連合・新社会党と各種選挙で協力している。沖縄で限定的ながら、社共共闘が生き残っているのは社大党の力が大きい。しかし、1998年の知事選をきっかけに公明党が革新勢力から離れ、自民党に与してからは苦戦が目立つ。また、革新色が薄く、共産排除を望む民主党と、独自行動の多い共産党との間で苦慮する場面も見られる。
国政選挙では復帰後に安里積千代が当選したあと衆議院選挙では社会党・公明党・共産党の公認候補を推薦、参議院選挙では社会党・共産党・公明党と一緒に革新統一の公認候補を擁立(その場合公式には「諸派」扱い、党派は「革新共闘会議」としていた)または革新統一の無所属候補として4党相乗りで推薦したが(公明党は支持にとどまるほうが多かった)、1992年の参院選で当時の島袋宗康委員長が党公認(革新統一候補・社会党などと一緒に3党の推薦・支持)で立候補し、現職の自民党系候補を破り当選(これにより沖縄県の自民党参議院議員は県選出が、1995年から比例代表県出身を含め2001年の選挙まで一人もいなかった)。党として安里積千代以来の議席を獲得、第二院クラブの会派に入った(その間社大党は二院クラブの沖縄支部も兼ねていた)。
[編集] 最近の動向
小選挙区比例代表並立制が初めて導入された1996年の総選挙では党顧問仲本安一が共産党と新社会党の推薦を得て党の公認候補(公式には「諸派」扱い、また共産党は当初は公認候補擁立を検討していたが仲本推薦により擁立を回避した。小選挙区導入後2003年の総選挙まで同党が公認候補を立てなかったのはこの回のこの選挙区のみ)として沖縄県第2区から立候補し、当時の新進党のベテラン候補に善戦しながらも次点で落選した。また2001年の参院選で、当時の書記長新垣重雄が新社会党・第二院クラブの推薦を得て東京都選挙区から無所属で出馬、党にとって初の県外進出となったが大差で落選した。
2004年の参院選では、勇退する島袋の後継者として糸数慶子が立候補し当選、島袋の議席を守った(1992年の沖縄県議選でも糸数は島袋の地盤を引き継いでいる)。しかし第二院クラブ等、適当な会派がないため無所属で活動をしている(選挙前には民主党の候補者研修にも参加しており、当選後は喜納昌吉を通じて民主党会派入りの打診もあった。しかし社民党や共産党の推薦も受けており、特に共産党は特定政党の会派に入らないよう要求していたため、純粋無所属となっている)。
2005年の総選挙では沖縄県第1区において元自民党で無所属の下地幹郎(後に政治団体「そうぞう」を結成)と共産党公認の赤嶺政賢の両候補者を支援し、小選挙区で下地が公明党公認の前職を破ると共に赤嶺が比例で当選した。これにより、2007年の参院選では民主・共産・社民にそうぞうも加わる形で統一候補擁立を模索すると見られる。
[編集] 所属議員
*参議院 *地方選挙区 沖縄県 04・糸数 慶子、
[編集] 党勢の推移
[編集] 衆議院
選挙 | 当選/候補者 | 定数 | 備考 |
---|---|---|---|
(結党時) | 0/- | 467 | 米国占領下のため出馬できず |
第33回総選挙 | 1/1 | 491 | 民社党へ移籍-1 |
第40回総選挙 | 0/1 | 500 |
[編集] 参議院
選挙 | 当選/候補者 | 非改選 | 定数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
(結党時) | 0/- | - | 250 | 米国占領下のため出馬できず |
第16回通常選挙 | 1/1 | 0 | 252 | |
第18回通常選挙 | -/0 | 0 | 252 | 無所属として出馬、当選1 |
第20回通常選挙 | -/0 | 0 | 242 | 無所属として出馬、当選1 |
(参考文献:石川真澄(一部山口二郎による加筆)『戦後政治史』2004年8月、岩波書店・岩波新書、ISBN 4-00-430904-2)
- 当選者に追加公認は含まず。追加公認には会派に加わった無所属を含む。
- 『戦後政治史』にない追加公認は2 国会議員会派別議員数の推移(召集日ベース)(衆議院)、(2) 参議院(2002年まで)(2) 参議院(2004年まで)にある、選挙直後の国会召集日の会派所属者数から判断した。ただし、第20回通常選挙直後の召集はない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 社大党(公式サイト)
カテゴリ: 日本の政党 | 日本の政治団体 | アメリカ施政権下の沖縄 | 沖縄県の歴史