岩波書店
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1913年、岩波茂雄が神田神保町に開いた古書店として出発。正札販売方法を採用し、注目を集めた。翌年に夏目漱石の『こゝろ』を刊行し出版業にも進出。漱石没後に『夏目漱石全集』を刊行し、躍進する。看板は漱石の筆による。
多くの学術書を出版するだけでなく、岩波文庫や岩波新書を出版するなどして古典や学術研究の成果を社会に普及させることに貢献、文化の大衆化に多大な影響を与えた。また、雑誌「世界」を出版しリベラル系の著書を多く送り出している。
1933年にミレーの絵画『種まく人』を題材にとったマークの使用を開始(実際のマークはデザイナーによってかなり加工されている)。1949年に株式会社に改組。社長も岩波家の世襲から脱した。
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[編集] 特徴
岩波書店は他の出版社の用いる返品制をとっておらず全て書店の買い切りで、かつ高正味(=出版社側の取り分が多い)であるため値下げもできず、不良在庫となっても処分が難しい。そのため書店の岩波新書の多くは隅のコーナーでありながら日焼けしていたり、小さな書店ではほとんど取り扱っていない事が多い。この事が岩波書店の取扱量の多い取次の老舗鈴木書店の経営を窮地に追いやったことは、業界内では有名な話となっている。
業界内では最も高い給与体系としても知られていたが、現在は中堅出版社並みである。
[編集] 会社情報
[編集] 雑誌
- 世界 - 言論誌。
- 科学 - 自然科学の雑誌。
- 思想 - 人文科学と社会科学の雑誌。
- 文学 - 文学の雑誌。
- 図書 - 新刊案内・エッセイ雑誌。客に無料で配布する書店もある。岩波は「読書家の雑誌」と形容している。
[編集] 叢書
- 岩波文庫 1927年7月10日創刊
- 岩波新書 1938年創刊
- 岩波現代文庫
- 岩波少年文庫(児童文学の叢書)
- 岩波ジュニア新書(小中学生向けの叢書)
- 同時代ライブラリー(終刊) 同時代ライブラリー リスト
- 岩波アクティブ新書(2002年1月 - 2004年12月終刊)
- 岩波ブックレット
- 岩波科学ライブラリー