東海・南海・東南海連動型地震
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東海・南海・東南海連動型地震(とうかい・なんかい・とうなんかいれんどうがたじしん)とは、東海地震、南海地震、東南海地震の3つの地震が同時発生した場合を想定した超巨大地震のこと。
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[編集] 概要
地質調査や文献資料から、この連動型地震は80年~150年(200年との説もある)間隔で発生していることが分かっており、今後も同じような発生パターンをとると推測されている。
繰り返す巨大地震になかに混じって異常な巨大地震をおこすことが指摘されており、東海・南海・東南海連動型地震がこれに該当する。約300年前の宝永地震がそれである。
今後発生が予測されている連動型地震のうち最大のものは、2004年12月に大規模津波災害を引き起こしたスマトラ沖地震(マグニチュード9.1)のエネルギーの約3分の1に当たるマグニチュード8.7とされ、破壊領域は長さ800km程度、津波も最大で30mを超えるとされている。過去、江戸時代以前まで歴史を遡ると東海地震・東南海地震・南海地震は連動して発生したことが確認されており、揺れと巨大津波により甚大な被害を被っている。
この3つの地震が一挙にまたは連続して起きた場合は、太平洋ベルト地帯全域に長周期と地震動による被害が及び、地域相互の救援・支援は実質不可能となると見られている。
[編集] 過去の例
- 参考:地震の年表
- この間約200年
- この間約210年
- この間約100年
- 1200年ごろ 南海・東南海・南海地震が発生したと推定されている。
- この間約160年
- この間約140年
- この間約100年
- この間約100年
- この間約150年
- この後150年以上連動型地震は発生していない。また、東海地震も150年以上発生していない。
[編集] 発生した場合の被害予想
(最も被害が大きいと考えられている早朝5時に発生した場合・中央防災会議資料による)
- 建物全壊棟数・・・・約51万3000~56万8600棟(阪神・淡路大震災 約24万9000棟)
- 死者数・・・・・・・約2万2000~2万8300人 (同 6432人)
- 経済被害・・・・・・約53~81兆円 (同 約13兆円)
静岡県、愛知県などで最大震度7を観測すると思われる。 豊橋市、浜松市などで震度7、名古屋市、四日市市で震度6強~6弱を観測するなど、都市部でも非常に強いゆれを観測する。また、北は茨城県、南は鹿児島県まで、広い範囲で津波が観測され、愛知県、静岡県には平均して4~5m、高知県など四国太平洋側には平均して10~12m、最大で30m近い波が観測される。
[編集] 沖縄トラフ連動型地震
2004年スマトラ沖地震発生後、日本でもマグニチュード9程度の地震が起きるのではないかとの指摘がある。すなわち、東海・東南海・南海地震と、沖縄トラフのプレート境界で発生する地震が同時に起こるとする考えである。破壊領域は駿河湾から八重山諸島南方沖におよび、その長さはおよそ2000kmである。
文献などにはこの規模の地震の記録はないが(そもそも沖縄トラフにおけるプレート境界型地震の記録がない)、数千年に1度しか発生しないためだと説明されている。今後、沖縄トラフの海底地殻変動観測によって、その可能性の有無が明らかになると期待されている。
仮にこの地震が発生した場合、関東以西の広い地域で大きな揺れがあり、太平洋ベルト地帯は壊滅することが予想される。また、静岡県沖から八重山諸島沖の広い範囲で津波が発生し、本州・四国・九州の太平洋側および南西諸島に高さ10~30m以上の津波が押し寄せると言われる。さらに東シナ海を経て、上海など中国沿岸の都市でも甚大な被害が予想される(南西諸島が防壁となって、東シナ海には大きな津波が進入しないという説も有力)。
[編集] 参考文献
- 防災システム研究所 東海道、南海道の地震