平安装束
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平安装束(へいあんしょうぞく)は、平安時代の皇族・貴族の衣服。
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[編集] 概要
平安時代の日本の衣服については、源氏物語絵巻、年中行事絵巻、伴大納言絵詞などの絵巻物に描かれた人物像が重要な資料である。日本後紀、続日本後紀、日本三代実録、日本紀略、そして物語・日記などの書物も当時を知る資料である。しかし、平安時代の衣服は現在もわからないことが多い。
菅原道真により遣唐使が廃止された。中国大陸では10世紀のはじめに唐が滅んだ。その後の日本では中国大陸の文化の影響を離れて日本独自の国風文化が盛んになった。国風文化は衣服にもあらわれた。平安時代の貴族の儀式行事が定着したことで、貴族の衣服が実用性に乏しい装飾的なものになった。平安時代は、794年に平安京に遷都してから12世紀までであるが、その間に日本の衣服は変化した。11世紀末頃から、庶民以外の人たちの間で、強装束(こわそうぞく)または剛装束(こわそうぞく)と呼ばれる様式の衣服が増えてくる。
[編集] 考証による復元
現在、平安時代以前の衣服と比べれば、平安時代の衣服のほうが、より詳しくわかっている。しかし、現在の専門家が考証する場合であっても、平安時代の衣服を復元する試みにおいては、推定により作っている部分が多い。現在、京都府京都市下京区に、風俗博物館があり、そこでは平安時代の日本の衣服を中心に、考証により復元された服が展示されている。現代において、源氏物語をもとにして大衆向けの娯楽作品を制作する人や、源氏物語または源氏物語をもとにして作られた作品を愛好する人たちが少なくない。このため、専門家でない人たちが平安時代の衣服を「復元」して不特定多数に公開することがある。しかし、そのような衣服は専門家から見れば間違いだらけのことも多い。
[編集] 現代における人気
現代においては、平安時代に由来する、叉は平安時代を復元した祭りの時代行列、曲水の宴等、デパート、和服の業界団体や着付け教室主催の各種行事、等で見られる場合が多い。
叉、最近は『萌え』ブームの対象にもされている。
[編集] 男性の装束
- 文官束帯
- 最高の男性の装束。天皇、文官、四位以上の武官が着用。構成は内側から、小袖(こそで)、大口袴(おおぐちばかま)、単(ひとえ)、表袴(うえのはかま)、下襲(したがさね)、裾(きょ)、縫腋の袍(ほうえきのほう)、石帯(せきたい)。身分が高いほど裾が長い。
- 武官束帯
- 上記に次ぐ男性の装束。五位以下の武官が着用。構成は内側から、小袖(こそで)、大口袴(おおぐちばかま)、表袴(うえのはかま)、単(ひとえ)、半臂(はんぴ)、下襲(したがさね)、闕腋の袍(けってきのほう)、石帯(せきたい)。文官束帯と違い裾は下襲や袍と一体になってる。
- 衣冠
- 男性の略礼装。構成は内側から、小袖(こそで)、単(ひとえ)、指貫(さしぬき)、下襲(したがさね)、縫腋の袍(ほうえきのほう)。
- 直衣
- 狩衣
- 水干
- 狩衣と、ほぼ同じ形であるが、襟を止めるための長い紐が付いてる点と菊綴が2個づつ4ヶ所に付いてる点が異なる。着方も、裾を袴の中に入れる場合と入れない場合、襟を狩衣と同様にする場合とV字型にする場合がある。
[編集] 女性の装束
- 唐衣裳装束
- 十二単と通称され、現在では最高の女性の装束とされる。構成は内側から、小袖(こそで)、長袴(ながばかま)、単(ひとえ)、五衣(いつつぎぬ)、打衣(うちぎぬ)、表衣(うわぎ)、唐衣(からぎぬ)、裳(も)。物具装束(もののぐしょうぞく、平安末期までの正装)では上記に比礼(ひれ)、桾帯(くんたい)を追加、髪の毛を結い上げ、宝冠(ほうかん)を追加、奈良時代の風俗を残す。小袖の色は常に白、袴は捻襠(ねじまち)仕立てで、色は平安時代には未既婚にかかわらず常に緋とされたが江戸時代以降は未婚者は濃紫(こき)、既婚者は緋とされた。
- 唐衣(からぎぬ)
- 唐衣を参照。
- 裳(も)
- 裳を参照。
- 袿袴
- 袿を参照。
- 采女装束
- 水干
- 男性の水干と同様であるが必ず白になる。裾を緋の長袴(唐衣裳装束と共通)の中に入れ、金の烏帽子を被る。
[編集] 少年少女の装束
- 半尻
- 狩衣の少年版。後身頃が尻の半分くらいまでであることが名前の由来。
- 水干
- 男性の水干と同様であるが菊綴が5ヶ所となり、背中の菊綴が両肩に付く点が異なる。又、袴にも菊綴が付く。
- 細長
- 現行の細長は袿に似てるが衽(おくみ)が無い点が異なる(その下の単には衽がある)。小袖、袴、単、共に濃紫になる。細長の袍(闕腋(けってき)の袍の少年版、袴は表袴)を指す場合もある。
- 汗衫
- 本来は下着のこと。現在は絽、紗、等の薄物で単と同様に仕立てた袿の一種。小袖と袴は共に濃紫になるが単は汗衫と共に明るい華やかな色彩になる。薄物で仕立てた細長の袍を指す場合もある。
[編集] 神職・巫女・稚児装束
- 男性神職装束:平常には主に浄衣(じょうえ)と呼ばれる白い狩衣が用いられるが、大きな儀式では身分に応じた袍を身に着ける。
- 女性神職装束
- 神楽装束
- 巫女装束
- 稚児装束
[編集] 平安装束が見られる祭り、イベント、等
[編集] 外部リンク
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