三連休パス
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三連休パス(さんれんきゅうぱす)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が発売する、期間指定でJR東日本全線と、JR北海道線一部区間、東北地方、関東地方の一部第三セクター線が乗り放題となる特別企画乗車券(トクトクきっぷ)である。
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[編集] 概要
JR東日本は「ウィークエンドフリーきっぷ」や「親子スーパーパス」を廃止する際、それまでゴールデンウィークや休み期間中に発売していた「GO・GOフリーきっぷ」(普通車自由席利用)を普通車指定席利用にしてあらたに「GOGO3DAYSフリーきっぷ」として販売を開始した。2001年頃に現在の「三連休パス」に名称を変更した。
一時期は金曜~月曜までの連続する3日間であれば平日の時でも使用できたが、現在は元に戻り、次のようなケースの日に限って販売している。
- 暦(カレンダー)の上で3連休となる日
- 土曜・日曜・月曜の祝日(ハッピーマンデー制度に該当する日、月曜日に祝日がある、振替休日)
- 金曜の祝日・土曜・日曜(例・2006年11月3日=文化の日・4日=土曜日・5日=日曜日)
- 木曜あるいは火曜が祝日で平日の金曜あるいは月曜をはさむ木・金・土あるいは日・月・火
- 前者の例・2006年11月23日=勤労感謝の日・24日=平日の金曜日・25日=土曜日、この場合広告ポスターでは平日となる金曜日は「この日を休もう」と書かれる。
当初は何回でも指定券を発行することができたが、一部の鉄道愛好家が乗りもしない指定券を大量に発行する事態が相次いだため、指定券の発行を4回までに制限した(但し、1度発券した指定券を他の列車に変更する場合は回数制限はなく、あくまで「指定券は最大で4枚発行できる」という訳ではない)。
その後、値段改定を数回繰り返し、2005年から北越急行線や伊豆急行線もフリー区間に入った。現在では、いわて銀河鉄道線、青い森鉄道線、津軽海峡線(JR北海道)もフリー区間となっている。
指定券発行回数が4枚までのため、極力、全席指定席である「はやて」「こまち」の乗車時に限り指定券を発行するなどの傾向にあり、「やまびこ」や在来線特急の自由席が混雑するなどの影響をもたらしている。また登場時に比べフリー区間が広くなり設定金額が高くなったため、割引率が著しく低下し東北方面からの東京往復には使い勝手が悪くなった。
普通車指定席が4回利用可能なきっぷと、グリーン車指定席が4回利用可能なきっぷの2種類が設定されている。前者は大人、中高生、子供、後者は大人と子供の区分で価格設定がされている。
[編集] フリーエリア
※ 東海道新幹線と、上記以外の鉄道会社は利用できない。
[編集] 利用できる列車・設備
特急(新幹線を含む)・急行・普通列車(快速を含む)の普通車自由席が乗り降り自由となる。あらかじめ指定を受けることにより、「三連休パス(+普通車4回)」は普通車の指定席を4回まで、「三連休パス(+グリーン4回)」はグリーン車も含めて指定席を4回まで利用できる。ただし、指定席を5回以上利用する場合または事前に指定を受けずに指定席を利用した場合は、運賃のみ有効となり、別にグリーン料金・特急料金等が必要となる。
普通列車(快速を含む)のグリーン車自由席・ホームライナー・寝台車・個室などを利用する場合は運賃のみ有効で、別に特別料金券が必要となる。立席特急券の発行を受けて寝台車を利用することは可能だが、この場合は指定を受けるのと同様の扱いとなり1回に数えられる。「三連休パス(+グリーン4回)」に限り、普通列車(快速を含む)のグリーン車自由席が乗り降り自由となる(この制度はグリーン車4回制限になった際に一旦廃止されたが、グリーン車用利用者からの批判が相次いだため復活した)。
三連休パスは自動改札機に通すことができ、本券と新幹線指定券を重ねて改札機に投入することで、車内改札が省略される。
[編集] はやて号とこまち号の特例
- はやて号(普通車自由席連結列車を除く)の盛岡~八戸間と、こまち号の盛岡~秋田間の立席の利用は、1回として数えない。ただし、この区間を越えて「はやて号」「こまち号」を利用する場合は、指定席(グリーン車も含む)の回数として数えられる。
- 回数として数えられない例
- 雫石駅 - (こまち6号立席)- 盛岡駅 - (はやて5号立席) - 二戸駅
- 新花巻駅 - (はやて95号自由席) - 二戸駅
- 新花巻駅 - (はやて95号自由席) - 盛岡駅 - (こまち1号立席) - 田沢湖駅
- 仙台駅 - (やまびこ41号自由席) - 盛岡駅 - (はやて1号立席) - 二戸駅
- 回数として数えられる例
- 仙台駅 - (はやて1号立席) - 二戸駅
- 仙台駅 - (はやて1号立席) - 盛岡駅 - (こまち3号立席) - 田沢湖駅
- ※仙台駅~盛岡駅間の「はやて1号」のみ回数としてカウントされる。
[編集] 発売期間と有効期限
- 発売期間:指定された利用開始日の1ヶ月前から前日まで。当日発売はしない。
- 使用期間:週末とその前後(金曜日もしくは月曜日)の国民の祝日の、連続した休日3日間(金・土・日または土・日・月)。
- 木曜日や火曜日に祝日が入る場合、平日となる金曜日や月曜日を含んだ3日間(木・金・土または日・月・火)が設定されることがある。
[編集] 条件など
- 指定席の変更:指定列車の出発時刻まで、回数無制限で変更できる。
- 利用開始日の変更:使用開始日の前日までに1回に限って変更ができる。
- 利用開始日までに未使用に限り払い戻しができる。手数料として630円がきっぷの金額から徴収される。
- 列車の延滞や運行不能での払い戻しはできない。
[編集] 外部リンク
- 三連休パス(+グリーン4回)(JR東日本ホームページ)
- 三連休パス(+普通指定4回)(同上)