フリーザ
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フリーザは、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』及びアニメ『ドラゴンボールZ』『ドラゴンボールGT』に登場する架空のキャラクター。アニメでの声優は中尾隆聖。
漫画での初登場は其之二百四十七「暗雲うずまくナメック星」、アニメでは『ドラゴンボールZ』第44話「あらたな強敵! 宇宙の帝王フリーザ」。名前の由来は冷凍庫を英訳したフリーザー。
父にコルド大王（後述）、兄にクウラ（劇場版『ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強』、次作『ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち』に登場）、息子にクリーザ（ネコマジンZに登場）がいる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
登場時、宇宙最強の存在として描かれ、数多くの部下を持ち、環境の良い星の生命体を絶滅させ他の異星人に売り飛ばす「星の地上げ」などの悪事を行っていた宇宙人。
普段は底の見えない落ち着いた物腰であり、圧倒的な余裕からか、部下に対しても丁寧語を使う。怒ると言動が乱暴になるが、自分の実力に絶対の自信を持っているため、相手に余裕を見せる態度は変わらない。
絶対的な力を持ち、多くの部下を持った帝王然としたキャラクター。生命をなんとも思っておらず、大量虐殺を繰り返し、部下も平気で捨て、星を爆破することを「花火」と呼び狂喜乱舞して楽しむ性格。本人は人には優しくしてると言っている。「宇宙最強」であることにこだわり、どんな手を使っても自分より強いものを排除しようとする姿勢などから、しばしば、マンガ・アニメにおける「悪」の代名詞、カリスマとして扱われる。また、数々の名台詞を残し、読者の少年たちが頻繁に模倣する光景も多々見られた。
[編集] ストーリーへの絡み
「星の地上げ」をサイヤ人とグルになって行っていたが、彼らの潜在能力・連携能力を将来的に自らの邪魔になるものとみなし、警戒するようになる。部下に命令してサイヤ人たちの殺害を開始、フリーザの裏切りに気付いたバーダックの抵抗も全く影響は無く、一部の手駒として使える者や遠くの星に送り込まれた者を除いて、彼らの故郷「惑星ベジータ」ごと消滅させる（このとき、多くの自分の部下も巻き込んでいるが、全く意に介す様子は見られなかった）。
数十年後、生き残ったサイヤ人の会話の盗聴から、銀河系では伝説とされていたナメック星の「ドラゴンボール」の実在を確証し、不老不死の肉体を手に入れるべく部下数十人とともにナメック星に向かい、多くのナメック星人を虐殺してドラゴンボールを強奪してゆく。その後、事態はフリーザとその部下によるチームとギニュー特戦隊・ブルマやクリリンら地球からのZ戦士のチーム・反逆者ベジータ・そしてナメック星人を交えてのドラゴンボール争奪戦へと発展してゆき、ついには孫悟空との直接対決を迎える。
それまで、自分の軍をこれほどまでに苦しめたものは殆どおらず、侵略によって部下がほぼ全滅した状態になったことや、ギニュー特戦隊を最前線へと投入したのはこのときが最初で最後であるとされている。
フリーザは悟空が現れた時点では既に最終形態となっており、当初はフルパワーである界王拳20倍で戦っていた悟空さえも圧倒。だが悟空の元気玉の直撃を喰らい、初めて命の危機を感じ、その怒りから悟空の親友であるクリリンを爆殺。しかしこのことが逆鱗に触れ、悟空を超サイヤ人へと覚醒させてしまい敗北。
騙し討ちも失敗に終わり止めを刺されたかに思えたが、一命を取りとめ、体の大部分を機械化してパワーアップ。復讐のため、父コルド大王とともに地球に攻めてくる。だがそこで謎の少年「トランクス」に討たれ、父のコルドともどもあっけない最期を遂げる。
[編集] 形態
フリーザの一族には4つの形態があり、サイヤ人やザーボンの一族のように変身することによってパワーアップすることができる。それぞれの形態で身長は120cm〜180cmくらい。フリーザ個人は一人称や口調までがらりと変わるが、アニメでは中尾が演じ分けていた。
- 第1形態
- パワーを抑えて普通に生活できる形態。サイヤ人以上に少数民族で、その個体数が少ないと言われるフリーザら一族の基本形態と思われる。それでもフリーザ自身の戦闘能力はMAXで53万。小柄な体躯、短い円錐型の黒い2本の角、穏やかで貴族風の口ぶりなどが特徴。一人称は「わたし」で、激昂すると口調こそ変わるが一人称は変わらない。フリーザ自身も飛行可能だが、移動時はパワー消費を抑えるためか専用の乗り物で移動する。
- 第2形態
- 父親のコルドに似た大きな体躯で、角が伸び、曲がっている。口ぶりも粗野になる。一人称は「オレ｣。この状態になると戦闘力のコントロールも出来るようになる。戦闘力は推定100万以上。ちなみにこの形態になる際、フリーザ自身は必要性が無いという判断から戦闘ジャケットを破壊する。
- 第3形態
- パワー・スピードがさらに向上し、精神的にも落ち着きを取り戻した形態。言葉遣いも穏やかに戻る。他の形態では肩は丸いが、この形態になると戦闘ジャケットのように尖る。頭部はエクレア状に後ろに伸び、最も不気味な容姿になる（映画『エイリアン』シリーズにおけるエイリアンの様な姿）。一人称は｢わたし｣。
- 第4形態（最終形態）
- 最終変身だが、これがフリーザ個人の本来の姿でもあり、4形態中最もヒューマノイドタイプに近い。外見は角や殻など余計な器官が全て取り除かれたすっきりとしたもので、体躯も小柄になる。この一族の先祖は皆この形態だったが、進化の過程で無駄なパワー消費を抑える為に、カラダに様々な器官を付けることで防御機能を持ったという説がある。変身時には、変身以前に切れた尻尾の再生をも伴い無傷の姿となる（第2形態から第3形態になった際は切れた尻尾は再生されなかった）。
- 精神的には最も落ち着いた状態で、言葉遣いは子供っぽいものとなる。一人称は「ボク｣が基本であるが自身が逆上した場合は「オレ」になる。戦闘力は1億2000万（ただしフルパワー状態になると、戦闘力は徐々に低下していく）。この形態の際に「オレは宇宙空間でも生きられる」という発言をしているが、他の形態でも生存可能かどうかは不明。
- 100%フルパワー
- フルパワーフリーザとも呼ばれる。最終形態から筋肉を増大させ、すべてに力を発揮した姿。一人称は「オレ」。
- メカフリーザ
- 孫悟空との戦いで身体の大部分を失ったため、それを機械で補完した姿。悟空との戦いの時よりも更にパワーアップしているとの設定。だが、トランクスにあっという間に斬殺された（その時は父親のコルドも一緒だった）。
[編集] 技
技自体は原作に登場するが、全ての技名は原作に登場せず、ほぼバンダイによるゲームで命名されている。
- デスビーム
- 人差し指の先から光線を出す。ヒット効果は貫通する場合と爆発する場合がある。
- 技の出が非常に早く、ピッコロに『ただ何かが光ったとしか見えなかった』と言わしめるほどである。
- この技で多くの命を奪ってきた事と、戦闘における主力であった為か、超サイヤ人と化した悟空にことごとく避けられ怒り狂い（通常時の悟空も片手で跳ね返していたが、その際は驚いてはいたが冷静を保っていた）、「当たりさえすれば貴様など！」と叫ぶ。それに対し悟空は「当ててみろよ」と挑発、これに乗ったフリーザはこの技を放つが、そこに在ったのは血が少し出た程度で平然と佇む悟空の姿であった。読者とフリーザに超サイヤ人の恐ろしさをこれ以上になく伝える事となった技である。なお、フリーザの細胞を有するセルもこれを使用している。
- 作中でこの技を使って初めて殺した人物はデンデの弟・カルゴ。その後、デンデやベジータを殺した技でもある。他にも元気玉を喰らった後にこれでピッコロを倒した。
- 技のパターンとしては、貫通する場合は「デスビーム」、爆発する場合は「エネルギーショット」、連続で出す場合は「フリーザビーム」、１度に数発の光線を出す場合は「フレックスレーザー」とゲーム版その他で分類されている。
- 爆発波
- 自分の周囲を吹き飛ばす技。第二形態に変身した直後に使った技。ゲームによってはすべての形態で使えるが、原作では使えたのかどうか不明。「ただの挨拶代わり、これくらいサイヤ人にもできる」と言っていることからもわかるように、ナッパが地球に到着した時に使った「挨拶」と同じ。
- スーパーノヴァ
- 人差し指の先に小さな光の玉を宿し、それを直径数10～数100メートルにまで巨大化させて対象に投げつける。惑星べジータ含め、この技で多くの星を「花火」にしてきた。劇場版やゲームではクウラも同様の技を使い、劇場版では悟空のかめはめ波によって打ち返されている。
- デスボール
- スパークを纏った黒い球状の気を作り放つ。指先で作る場合と両手の平で作る場合とがある。この技でナメック星を爆発寸前にした。ゲームによっては「エビルエナジー」とも称される。
- デスウェーブ
- 片手で扇ぐようにして気の塊を放出する。
- サイコキネシス
- 超能力で岩の欠片をぶつける技。本人は軽い脅しのつもりで使っているため、それ程の威力はないと思われる。
- 悦楽のフリーザタイム
- 第2形態の時に使用する技。角で対象を串刺しにし、揺さぶったあと、投げ捨てる。そして、最後に止めのエネルギー波を放つ。原作ではクリリンに使用した（ただし最後のエネルギー波は無し）
- クレイジーフィンガービーム
- 第3形態の時に使用する技。「ひゃひゃひゃひゃひゃ…」の奇声とともに目にも見えない光線を両手の人差し指と中指から連射する技。
- サイコビーム
- 最終形態のときに使用する技。特殊なエネルギー波で相手を金縛りにした後、爆破する。
- ゲーム『超サイヤ伝説』では、相手を動けなくするだけでダメージは与えなかった。
- フリーザカッター
- 最終形態の時に使用した技。指先にエネルギーを集め、振りかざすことで対象を切り裂く。悟空たちの前でナメック星を切り裂いた技。ドラゴンボール大全集では「大地裂斬」とも。
- デスクラッシャー
- 最終形態フルパワーの時に使用した、渾身の力を込めて体当たりする技である。悟空のかめはめ波と衝突するも、上手く避けて悟空にダメージを与える事に成功。
- 追跡気円斬
- ゲームによっては「エネルギーカッター」とも称される。最終形態の時にスーパーサイヤ人の悟空に使用した技。円盤状のエネルギー波で対象となる相手を追跡し、切り裂く技。技の外観はクリリンの「気円斬」に酷似しているが関連は不明(使用前に気円斬で尻尾を切られるシーンがある)。この技はその昔、第23回天下一武道会でピッコロが放った追跡エネルギー弾とよく似ている。その経験からか悟空に見損なったと言われた。悟空にうまく技の欠点を見破られ、無惨にも自滅し敗れた。
- のちのドラゴンボールGTでもこの技を使ったものの「クリリンの技のまね」と酷評されたあげくに皿回しの感覚でこの技を悟空に跳ね返されて、また自滅した。
[編集] 補足
それまでの「ボス」としての概念は、「デカイ」事が当然であり、変身すればそれこそ異形の姿となるのが「お約束」であった。しかし第3形態まではそれに則りながら最後に大きく覆し、小型化・シンプル化を極めたフリーザのデザインは、後々の漫画やゲームに大きい影響を与えることとなった。
その絶対の自信と余裕から、「サービス」と称して相手にハンディキャップを与えることがある（左手だけで戦う、両手を使わない等）。ただし自分が不利に陥ると、独自の判断でそのサービスを終わらせる。また、惑星を一つ軽々と破壊できるほどの戦闘力を持ち、自分が他のものに倒されてしまうぐらいであれば星ごと消滅させることも辞さない。作中ではその印象の強さから「フリーザ」が以後の敵のある種のスタンダードとされ、「フリーザよりもとんでもない敵」や「フリーザぐらいの戦闘力のものならば･･･」と言った具合に悟空たちサイヤ人の超サイヤ人のレベルと同じく敵の強さのバロメーターとしても働いていた。
鳥山自身は、ピッコロ大魔王親子を作品最大最後の宿敵として描くという当初の予定が延びた為、このフリーザこそその位置に持っていくつもりであったことから、サイヤ人篇から続く多くの物語の首謀者として描き(もっと言うならば作品で語られなかった過去を含めた首謀者でもある)、全てフリーザとの戦闘において収束するように設定されていた。鳥山自身も「これ以上の強さの描写は難しい」と発言していたが、当時のドラゴンボール人気から完結は許されず、結果的にさらに再生能力や同一技の使用という新たな概念を持ったフリーザ以上の強敵「セル」が生まれることとなった。
アニメ版では死後、あの世一武道会編で地獄に落ちた際、父親のコルド大王、そして部下のギニュー特戦隊（ギニュー隊長はいなかった）と一緒に支配者となったセルの部下に成り下がり（表情から察するに嫌だった模様）、更にパイクーハンにコルド大王と共にたった一撃で倒されてしまったり、魔人ブウ編では地獄から界王神界での悟空達とブウの戦いをコルド大王や部下などと共に観戦し悟空を罵倒したり、ベジータに対し皮肉を言うなど、異様に情けない死後の描写が多々存在した。これらは当初のカリスマ性とは対照的であり、違った味を出している。またこの時のフリーザの口調は第1形態のものになっている。
劇場版「ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ」では地獄から部下を率いて復活するものの通常形態の悟飯に一撃で倒される。
原作で登場する家族は父のコルド大王のみだが、劇場版アニメでは兄のクウラ、ネコマジンZでは息子のクリーザが登場している。クウラは第5形態まで変身可能であり、弟以上の戦闘力を誇った（コルド大王もできるという意見もある）。また、息子の頭の形は名の通り栗である。しかし、息子は第2形態までしか変身出来ない。ただしその外見は、フリーザの第4形態に酷似している。
コルドの事は「パパ」と呼ぶが、クウラに関しては媒体によって違う、ゲームでは「クウラさん」。OVA「サイヤ人絶滅計画」では「クウラ」。
秋本治の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』には、部下のザーボン・アプールと共にフリーザが1コマ出演、両津勘吉と共演したことがあり、その後も『こち亀』30周年記念本『超こち亀』で2度目の共演果たした（後述#関連項目参照）。
最近では、データカードダス「ドラゴンボールZ」のCMにてべジータに続いて驚き役となっており、ギャグキャラ化が進んでいる。
ドラゴンクエストシリーズには、彼をモチーフとしたような敵キャラクターも存在する（Vのゲマ、VIIのオルゴ・デミーラなど）。
[編集] ドラゴンボールGT
ドラゴンボールGTでは、あの世とこの世が混ざった際、地獄でセルと共に悟空を襲来。合体技「ヘルズバスター」を繰り出すも、結局悟空に敗れており、完全に噛ませ犬としての登場だった。
また氷付けになった悟空に対し、「イチゴシロップをかけて食べる」旨の発言をするなど、それまでのアニメ版以上に色物キャラ化・ギャグキャラ化が進み、もはや「宇宙の帝王」と恐れられていた威厳は皆無。
[編集] 新たな必殺技
- ヘルズバスター
- 悟空を大地獄に送るためにセルと使用した合体技。地獄でセルと一緒に考えた技と発言。
[編集] 関連項目
- 「トリビアの影ナレ」という副音声版にて、中尾がフリーザの声で担当した（第1形態のシルエットも表示、2006年5月17日放送分の前半）
- 69巻『新たなる旅立ちの巻』においてキャラクターとして1コマだけ出演。
- また、「超こち亀」という連載30周年記念本の合作漫画にも登場した。こちらではまともに攻撃を仕掛けたが、何度本気で攻撃してもすぐに無傷になる両津（ギャグマンガの登場人物ゆえの特性）を怖れて宇宙船で逃亡するという情けない役割で出演。しかも逃亡した後には「私は何も見ていない・・・」と現実逃避までしていた。
- 長らく忘れ去られていた太郎の再登場のシーンで、構図からコマ割、セリフまでそっくりそのまま流用されて、パロディ化されている。
