ナメック星
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ナメック星( - せい)は、漫画『ドラゴンボール』(またはアニメ『ドラゴンボールZ』)に登場する架空の惑星の名前である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ナメック星
ナメック星人の故郷の惑星。「アジッサ」という苗木が育っている。ほとんどの家はナメクジのような形をしている。
地球からの距離は、ブルマの父・ブリーフ博士の宇宙船だと4339年と3ヶ月かかるらしい。なお、ブルマ・クリリン・孫悟飯が乗っていった宇宙船では34日、悟空が乗っていった宇宙船では6日で到着した。地球からの方位はSU83の9045YX。
複数の恒星(3重連星)の周りを回っているため、夜がないという特徴がある(ナメック星から見ると3つの太陽がそれぞれ昇ったり沈んだりする)。
大昔惑星規模の異常気象がおき、最長老と宇宙に逃れた者を除く全てのナメック星人が滅んだ。その為か木々もまばらで地球に比べると生物の数が遥かに少ない。また、蛙のような生物や両生類のような水生生物も作中確認できる。
このナメック星は悟空とフリーザの闘いの末、爆発してしまい、ナメック星人達は違う星へと移住する事になった。新ナメック星の詳細については不明。
[編集] ドラゴンボール
ナメック星にも地球と同様にドラゴンボールがあり、このドラゴンボールはナメック星人の特殊能力で作られたもので、「ポルンガ(夢の神という意味)」と呼ばれる怪物の形をした神龍が登場する。ナメック星のドラゴンボールはスイカほどの大きさである。
ナメック星の神龍は3つの願いを叶えてくれるが、1つの願いにつき1人しか生き返らせる事が出来ないなどの制約がある。しかしこれは後にムーリが最長老に新任してから死者の複数蘇生が可能になった。
ポルンガは、ナメック星の言葉・ナメック語でないと願いを受け付けない。ただし、話す言葉は地球・宇宙での共通語である。 ポルンガを呼び出すための呪文は、「タッカラプト・ポッポルンガ・プピリット・パロ(地球語での「出でよ神龍、そして願いを叶えたまえ」)」。
[編集] ナメック星人
ナメック星に住むナメック星人は、ナメクジを擬人化した外見をしており、体色が緑色である。腕は伸縮自在。体力を消耗するが体の一部分を切断されても頭部が無事であれば自由に再生できる。巨大化する能力も確認されている。戦闘タイプとそれ以外のタイプに分けられる。戦闘タイプは戦闘力が高く、それ以外のタイプは龍族と呼ばれ体力の回復能力を持つ。食料を必要とせず、水を飲むだけでよい。(神様は食料が必要であることをほのめかしていた。それにナメック星人にも「食べる」ということも可能であったり、「食べる」という言葉自体も浸透している。)
性質は例外を除いては概して温厚で親切で礼儀正しい。15代前界王神によるとまじめさでは宇宙屈指の種族だそうである。
すべてのナメック星人は、原作では4本指だが、アニメ版では放送コードのために5本指になっている。また、血液が紫色であるのもナメック星人の特徴。(Z以前のアニメではたびたび赤色の場合がある。)
緑色の体色、水を飲むだけでよいこと、そしてナメック星の特徴的な気候から、ナメック星人は光合成で栄養を得ているのではないかと考えるファンもいる。
言語については、専用の言語(作中ではナメック語)の他、クリリンやフリーザ一味にも理解できる言語を話すことが出来る。ちなみにピッコロはナメック語で「違う世界」という意味である。ナメック語はアニメ無印版ではテープの逆再生と文字テロップで表現されている。また、原作でもナメック語表記は一定の法則に沿って書かれているので、よく見ると「神」や「自害」と言った言葉を表す表記が確認できる。
ナメック星人は卵により繁殖する。地球の人間でいう口に相当する器官から白色の卵を排出し、その卵から新たなナメック星人が誕生する。単性生殖であるため、雌雄の別、恋愛という概念もない。また、一人称などから性格は地球人で言う「男性」の性格がほぼ100%を占めている。
また、2人以上のナメック星人が融合を行う場合がある。融合した場合、新たなナメック星人の1個体となる。基本的にはベースとなった者の記憶や性格が優先されるが、融合された者の記憶も同時に引き継ぎ、性格もベースになった者に影響を与える事になる。ネイルと同化した際のピッコロのセリフから、他者同士で融合したナメック星人では分離が可能とも考えられるが、同じくピッコロが神との再融合を果たした後のセリフから、いったん分離した者同士の融合では再び分離することはできないとも思われる。融合によって、それぞれのナメック星人が持つ能力を総合し、強化を図ることが可能である。
[編集] 主なナメック星人
[編集] 神様(地球の神)
声:青野武
ナメック星の異常気象で地球に降り立ったナメック星人で、カタッツの子。異常気象時に最長老以外で唯一生き残ったナメック星人。ドラゴンボール、神龍を作った張本人。最長老いわく龍族の天才児で後の分離さえなければ戦闘力でも相当な実力を持っていたとされる。地球に降りた際に事故で記憶の多くを失っていた。本来ナメック星人は善の存在だが、人間に会ったことにより、僅かな悪の心が芽生える。それを先代の神に見抜かれ、神になるため悪の心であるピッコロと分離。
同一人物でありこちらのほうがオリジナルであるため、初代ピッコロ大魔王よりも遙かに強いが、ピッコロを殺せず、神として葛藤する。カリン塔のさらに上空の神殿に住み、悟空やクリリン・ヤムチャ・天津飯・餃子・ヤジロベーなどを神殿で特訓させた。人造人間編(セル編)で再びピッコロと融合した事で結果的に戦士型のナメック星人として生まれ変わった。
[編集] カタッツ
名前のみの登場。神様とピッコロ大魔王が分裂する前のナメック星人の親。ナメック星の異常気象の時、宇宙船に我が子を乗せて脱出させた。その後、恐らく死亡したと思われる。
大全集では、カタッツは神様の親であるとされているが、一部では、最長老の「カタッツの子だ」を、ナメック星人が生んだ子という意味ではなく、カタッツという名の子供という意味に取り、「神様とピッコロ大魔王の分裂する前のナメック星人、つまり神様とピッコロ大魔王の元々の本名」と考える意見もある。
名前の由来は、カタツムリ。
[編集] デンデ
龍族タイプのナメック星人の子供。ナメック星人の中ではかなり優秀。最長老108番目の子供。フリーザ一味に襲われるところを悟飯に助けてもらう。後に先代の神がピッコロと融合したため新たな地球の神となり、神龍とドラゴンボールを管理することになる。ほかの者に手で触れることで、どんな重傷を負った者でも完治させることができる能力を持つ。
名前の由来は、デンデンムシ。
[編集] カルゴ
声:鈴木富子
デンデの弟。原作ではフリーザに殺されたが、アニメではドドリアに殺される。後にドラゴンボールで生き返った。
名前の由来は、エスカルゴ。
[編集] ネイル
声:森功至
ナメック星の戦士で、ピッコロと瓜二つ。唯一の(アニメでは複数いる中で最強の)戦闘タイプのナメック星人で、戦闘力は42000。最長老を護衛している。悟飯とクリリンにポルンガを呼び出させるため、時間稼ぎとしてフリーザと対決。敵わず重傷を負ったものの、時間稼ぎとしての役目を充分に果たす。その後、通りかかったピッコロと同化することになる。以後はピッコロとして地球に移住し人造人間等と戦い、地球の神となっていたカタッツの子とも同化し、地球の神殿で新たな神となったデンデや付き人のミスター・ポポと暮らす。
一部のファンの間には、ピッコロがナメック星の最強戦士・ネイルと瓜2つであるのは、ピッコロ大魔王が死ぬ間際、本能的に最強の戦士型としてピッコロの卵を産み落としたからと考えるものもいる。
名前の由来は、snail(英:カタツムリ)。
[編集] 最長老
かつてナメック星が異常気象に襲われた際、ただ一人生き残った龍族のナメック星人で当時はまだ7人の長老の内の1人だった。その後自ら100人以上のナメック星人を生み、最長老となり再び繁栄に導いた。人の潜在能力を引き出すことが出来る。ブルマ達がナメック星に来た時には死期が近づいており、手と口以外は動かさなかった。他のナメック星人に比べて身体が非常に大きい。
デンデがポルンガに3つ目の願い事を言おうとした時に死亡したが、地球のドラゴンボールにより、わずかに縮んだ寿命の分だけ復活。デンデ等ナメック星人と共に地球に脱出した後、ムーリに最長老の任を委ねて再度死亡。2度目の死は1度目とは違い、自分を尊敬する多くのナメック星人に見取られながらのものだった。天寿を全うした数少ない人物。
[編集] ムーリ長老
声:あずさ欣平
元々はデンデの村の長老で、最長老が異常気象で殆どのナメック星人が死に絶えた後、最初に生んだ子供。フリーザ一味に村が襲われた時、スカウターでナメック星人の居所を探っている事を見抜き、スカウターを全て破壊し、その後のフリーザたちのドラゴンボール探しに支障をきたさせた。最長老の没後、次代の最長老となった。
名前の由来は、カタツムリ
[編集] ツーノ長老
声:龍田直樹
ナメック星の長老の1人。ベジータに村を襲われ、村人全員が皆殺しにされた。「フリーザ一味」に含まれないベジータに殺されたため、この村の人々はのちにドラゴンボールで皆が生き返った際に誰も生き返っていない。
[編集] 魔族
[編集] ピッコロ大魔王
声:青野武
神から分裂した僅かな悪の心が成長した姿。かつて亀仙人と鶴仙人の師、武泰斗の魔封波によって封印されたが、第22回天下一武道会終了後にピラフ一味によって解放された。ドラゴンボールによって、若返ることを願っていた。
詳しくはピッコロ大魔王を参照のこと。
[編集] ピアノ
声:平野正人
ピッコロ大魔王が復活して最初に生み出した部下。プテラノドンに似た顔をしている。戦闘員ではなく、従者的な役割を担う。そのためか、ピッコロ大魔王の下敷きになっただけであっさり死亡した。余談であるがドラゴンクエストIII そして伝説へ…に登場するバラモスは彼によく似ているといわれる。
名前の由来はピアノ(楽器)から。
[編集] タンバリン
声:中尾隆聖
同じくピッコロ大魔王に生み出された部下。半魚人に羽が生えたような身体をしている。天下一武道会の歴代出場選手殺害を目的に生み出され、クリリンをはじめ多くの選手を次々に殺害。原作中で判明しているのはクリリンの他、ギラン・ナムであるが、アニメでは男狼・バクテリアン・パンプット・チャパ王も襲っている。悟空に「ぶっ殺してやる」とまで言わせた唯一のキャラである。次の標的としてヤムチャを襲おうとした時(アニメでは実際に戦っている途中)に大魔王に呼び出され、孫悟空と戦うことになる。戦闘力は118。
ヤジロベーはシンバル(後述)がよほど美味だったらしく、「こいつ倒したら食わせろ」と言っていたが、悟空がかめはめ波で粉々にしてしまったため「これじゃ食えねぇじゃねぇか」と怒っていた。
声を担当した中尾は、後にフリーザの声も演じた為、「役の中でクリリンを2度殺した」として一部のファンの話題となった。
名前の由来はタンバリン(楽器)から。
[編集] シンバル
声:郷里大輔
ドラゴンボールを集める目的のため、ピッコロ大魔王が生み出した部下。ドラゴンに似た風貌。戦闘専門ではないためヤジロベーにあっさりと斬られ、その後焼いて食べられてしまった。ヤジロベー曰く、かなりの美味。戦闘力112。
名前の由来はシンバル(楽器)から。
[編集] ドラム
声:郷里大輔
ピッコロ大魔王が、ドラゴンボールで若返った後に初めて生み出した部下。かなり太い体型。魔封波を体得し、ピッコロとの心中を覚悟していた天津飯の前に立ちはだかる。戦闘力は200と、部下の中では最高の能力を持つ。
名前の由来はドラム(楽器)から。
[編集] ピッコロ(マジュニア)
初代ピッコロ大魔王が死ぬ前に吐き出した卵から孵った、ピッコロ大魔王の生まれ変わり。当初は悟空たちと敵対するが,その後孫悟飯の師匠となり、仲間となる。詳細はピッコロを参照。
名前の由来はピッコロ(楽器)から。
[編集] 劇場版オリジナル
[編集] スラッグ
Z劇場版『超サイヤ人だ孫悟空』に登場した悪のナメック星人。過去にナメック星が危機に瀕した際、神様と同じように、星を脱出することで生き延びた。しかしナメック星人には極めて稀な、悪の心しか持たず、そしてそのまま成長した突然変異体(名前は移住先のスラッグ星からとったもので、恐らく本名ではなく、スラッグ星の先住民も絶滅させたと思われる)。界王様の見立てでは、フリーザや超サイヤ人をも上回る、と。性格も残虐で、意に沿わぬ発言をした部下を、即処刑するという一面が描かれる。名前の由来はナメクジ(英訳でスラッグ)。
地球には、地球そのものを惑星クルーザーにするために来訪、侵略を開始し地球の軌道を変え地球を寒冷化させた。しかしそこでドラゴンボールを目にし(侵略に抵抗する悟飯の頭には、ドラゴンボール〔四龍球〕が付けられていた)、永遠の若さを得る野望を抱く。そのとき、アンギラ(声:難波圭一)、ドロダボ(声:郷里大輔)、メダマッチャ(声:堀之紀)、ゼエウン(声:戸谷公次)、カクージャ(声:飯塚昭三)、ギョーシュ(声:)、他技術者(ロボット?)や多数の一般兵を従えていた。部下たちはほとんどが魔族だが、スラッグが産んだ戦士もしくはガーリックJr.たちと同じ魔凶星人かどうかは不明だが、「太陽光線に弱い」という弱点を持っていた。永遠の若さを手に入れたスラッグは悟空を圧倒、さらにはナメック星人の特殊能力である巨大化や腕を伸ばす攻撃などを利用して悟空を苦しめる。が、同じナメック星人であるピッコロは、自身の弱点でもある口笛で突破口を切り開く。
『ナメック星人は口笛が弱点』という設定は、原作には登場せず、この劇場版での設定で鳥山自身が提案したアイデア。
ピッコロ大魔王の強化版キャラとも言われている。
[編集] ゲームオリジナル
[編集] ウクレレ
ピッコロ大魔王の部下で魔族。ガーゴイルのような容姿。ドラゴンボール アドバンスアドベンチャーに登場。
[編集] コンガ
悟空伝に登場。ドラムに似ている。
[編集] その他
[編集] ハーモニカ
シンバルがヤジロベーに倒された回の週刊少年ジャンプの次号予告に、ピッコロ大魔王が放つ第3の刺客として名前だけ登場した魔族。しかし、本編で生み出される事はなかった。
[編集] 関連項目
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