カスパル

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この項目では大阪府の団体について説明しています。新約聖書に登場するカスパールについては東方の三博士をご覧ください。

特別救済活動カスパル（CASPAR）・アジアの性虐待と貧しさに苦しむ子どもたちを救う会（とくべつきゅうさいかつどう・ - せいぎゃくたいとまずしさにくるしむこどもたちをすくうかい）は、大阪府池田市に本部事務局を置く任意団体。以前は特定非営利活動法人（NPO法人）であったが2006年夏頃までに法人解散手続を行い、現在は任意団体となっている。

名称は新約聖書に登場する東方の三博士の一人・カスパール（CasparまたはCasper）に由来すると思われる。大阪府によるNPO法人認証は1999年 4月14日だが、任意団体としての活動開始は1989年10月。

1996年、静岡市立中央図書館に所蔵されていた『タイ買春読本』（データハウス）の廃棄を要求し、表現の自由・知る権利を擁護する観点からこれに反対した静岡市の図書館をよくする会と激しく対立する。

その後は外務省や旧・郵政省から補助金の交付を受けフィリピンやタイで施設の建設事業を行っていたが、この事業は2002年頃より中断している。

2003年、税制上の優遇措置を受けられる認定NPOの資格を得るが「書類の提出手続が煩雑で本来の業務に支障をきたす」「年度末に多額の寄付を受けても翌年度に繰り越せないのはおかしい」との理由で2005年に資格を返上した（内閣府によると、このような事例は現在のところカスパルが唯一だと言う）。また、2006年夏頃までにNPO法人の資格そのものも返上して任意団体となり「特別救済活動」を団体名に冠するようになった。

2004年初頭から「アダルトゲーム撲滅」を主張するようになり、ベクターが運営するアダルトゲーム情報サイト「Galge.com」に閉鎖を要求し、その様子を基に関西テレビで特集番組を組ませたり他団体と共同で野田聖子衆議院議員らに対してロビイングを展開するなどの攻勢を開始。また、2005年には高崎小1女児殺害事件の遺族宅や女児が通っていた小学校へ一方的に押しかけて署名を強要したことをサイト上で報告し（遺族・学校とも署名への協力は拒否）、インターネット上を中心に「非常識だ」と言う非難を浴びた（現在は、関連するコンテンツは削除されている）。さらに、複数のゲームメーカーや出版社に対し「子どもたちのイノセントを守りましょう」と題する申入書を送付。アダルトゲームの発売や関連書籍の出版を直ちに停止するよう要求した。しかし、送付対象には既に倒産している新声社やアダルトゲーム開発から撤退して20年以上経っているスクウェア・エニックスも含まれており、いかなる基準により送付対象を決定したのかは不明。この疑問について代表者・近藤美津枝は「なにぶん一人でやっているのでよくわからない。もし反論があれば返事をすればよいのに（送付先から）回答は一つもない」と話している。

カスパルのこうした行動に対しては、環境犯罪誘因説を無批判・無条件に肯定していることを始め批判が極めて多いが、カスパルはこうした批判は「オタクによる一方的な誹謗中傷」であると主張している。

なお、カトリック中央協議会によると、カスパルの活動は近藤の個人的な活動であり、教区・教会・修道会の単位でもカトリックの組織とは無関係との事。また、近藤は大阪府池田市のカトリック池田教会に所属するカトリック信者ではあるが、ここ数年間は所属協会に顔を出しておらず、カトリック教会とは疎遠になっているとの事である。

[編集] 地方支部の動向

1996年に静岡市で『タイ買春読本』の廃棄を要求した静岡支部は後にカスパルを離脱し「子どもの命を守る会・ひまわり」と改称。図書館の蔵書廃棄に失敗したことから1999年、静岡県の青少年保護育成条例に基づく有害図書指定を同書に対して行うよう県に陳情し、指定が行われた。なお、既に絶版となっている出版物の有害図書指定は極めて異例のことである。
名古屋支部は2005年に学習会「命を買われる子どもたちと日本の子どもポルノ」を主催するなど活発な動きが見られるが、代表者の近藤はこうした活動には顔を見せていない。