エレクトロキューショニスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

エレクトロキューショニスト

性別	牡
毛色	鹿毛
品種	サラブレッド
生誕	2001年
死没	2006年9月9日
父	レッドランサム
母	エルバーハ
生産	Compagnia Generale Srl.
生国	アメリカ
馬主	Earle I.Mack →ゴドルフィン
調教師	Valfredo Valiani（イタリア） →Saeed bin Suroor（UAE）
競走成績	12戦8勝
獲得賞金	￡3,160,432
■Template （■ノート）

エレクトロキューショニスト（Electrocutionist、2001年 - 2006年）は、イタリア、UAE、イギリス等で走った競走馬である。ドバイに本拠地を構えるゴドルフィンに所属する。主戦騎手はL.デットーリ。馬名の意味は電気死刑執行人。

[編集] 戦績

2004年4月7日、サンシーロ競馬場でのアンジェロガルデンニ賞に、鞍上にE.ボッティを向かえデビュー、6馬身差で快勝する。続く準重賞のイタリア大賞、ジュゼッペファサッティ賞とデビューから3連勝を飾り、初のGI、ジョッキークラブ大賞に出走する。9頭立ての6番人気ながら、ハナ差の2着にはいる健闘を見せる。ちなみにこのときの優勝馬はシロッコであった。7ヶ月の休養をはさみ、GIIのカルロダレッシオ賞を勝ち重賞初勝利を飾ると、続くGI、ミラノ大賞典を勝ち、ついにGI制覇を成し遂げる。この勢いに乗って初の海外遠征を行い、インターナショナルステークスに出走する。このレースから鞍上がM.キネーンに乗り代わるが、当時日本最強と言われた武豊騎乗のゼンノロブロイをクビ差抑えてGI連勝を果たす。最後の直線で5頭が並ぶ激しい叩き合いであった。続くカナディアンインターナショナルステークスでは、これまでの実績を評価され1番人気に押されるが、人気に応えられず4着に敗れる。しかしグレイスワローの降着処分により3着昇着となった。

2005年を終え、その素質を高く評価されたエレクトロキューショニストはUAEのゴドルフィンへトレードされる。2006年初戦は、ドバイワールドカップを見据え、マクトゥームチャレンジラウンド3に出走。本競走から、ゴドルフィンの専属騎手であり、現役騎手の中で世界一の騎乗技術を持つと言われるL.デットーリが鞍上を務める。レースでは初のダートながら7馬身差をつけて圧勝。カネヒキリも出走したドバイワールドカップでも危なげなく勝利し、GI3勝目を飾る。次のプリンスオブウェールズステークスではウィジャボードに半馬身差及ばず2着に終わる。

そして欧州最高峰レースのひとつ、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスに出走。ゴドルフィンは2頭出しで、エレクトロキューショニストのラビット（ペースメーカー）にチェリーミックスを起用した。ただ、チェリーミックスもラビットとはいえ、タップダンスシチーが挑戦した凱旋門賞ではバゴの2着で、先のウィジャボードに先着しており、GIも勝っている実力馬である。レースはニジンスキーが勝った1970年以来の6頭立てという小頭数で行われ、人気もハリケーンラン、ハーツクライと人気を3分し、3強といわれた。予想通りチェリーミックスが逃げ、ついでハリケーンラン、ハーツクライと続き、エレクトロキューショニストはその後ろに控え、先に抜け出したハーツクライ1頭に照準を合わせ馬体を寄せていったが、それによってできたラチとの間をハリケーンランに突かれ、半馬身差及ばずの2着と惜敗した。

2006年9月9日に心臓発作で死亡したと馬主のゴドルフィンがウェブサイトで声明を出した。10月14日のチャンピオンステークスを目指している最中だった。

[編集] 競走成績

年月日	競馬場	競走名	格	着順	騎手	1着（2着）馬
2004年4月7日	サンシーロ	アンジェロガルデンニ賞		1着	E.ボッティ	（Herakles）
2004年6月27日	サンシーロ	イタリア大賞	準重賞	1着	E.ボッティ	（Kaypen）
2004年9月19日	サンシーロ	ジュゼッペファサッティ賞		1着	E.ボッティ	（Distant Way）
2004年10月17日	サンシーロ	ジョッキークラブ大賞	G1	2着	E.ボッティ	Shirocco
2005年5月22日	カパネッレ	カルロダレッシオ賞	G2	1着	E.ボッティ	（Fielding）
2005年6月19日	サンシーロ	ミラノ大賞	G1	1着	E.ボッティ	（Vol de Nuit）
2005年8月16日	ヨーク	インターナショナルS	G1	1着	M.キネーン	（Zenno Rob Roy）
2005年10月23日	ウッドバイン	カナディアン国際S	G1	3着	M.キネーン	Relaxed Gesture
2006年3月2日	ナドアルシバ	マクトゥームチャレンジIII	G2	1着	L.デットーリ	（Chiquitin）
2006年3月25日	ナドアルシバ	ドバイワールドC	G1	1着	L.デットーリ	（Wilko）
2006年6月21日	アスコット	プリンスオブウェールズC	G1	2着	L.デットーリ	Ouija Board
2006年7月29日	アスコット	キングジョージVI&クイーンエリザベスDS	G1	2着	L.デットーリ	Hurricane Run

[編集] 競走馬

エレクトロキューショニストの血統
父 Red Ransom 1987　鹿毛	Roberto 1969　鹿毛	Hail to Reason	Turn-to
			Nothirdchance
		Bramalea	Nashua
			Rarelea
	Arabia 1977　鹿毛	Damascus	Sword Dancer
			Kerala
		Christmas Wind	Nearctic
			Baly Free
母 Elbaaha 1994　栗毛	*アラジ Arazi 1989　栗毛	Blushing Groom	Red God
			Runaway Bride
		*Danseur Fabuleux	Northern Dancer
			Fabuleux Jane
	Gesedeh 1983　栗毛	Ela-Mana-Mou	*Pitcairn
			Rose Bertin
		Le Melody	Levmoss
			Arctic Melody F-No.23