ロベルト (競走馬)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
性別 | 牡 |
---|---|
毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1969年 |
死没 | 1988年8月2日 |
父 | ヘイルトゥリーズン |
母 | ブラマリー |
生産 | ダービーダムファーム |
生国 | アメリカ合衆国 |
馬主 | John W. Galbreath |
調教師 | マイケル・ヴィンセント・オブライエン |
競走成績 | 14戦7勝 |
獲得賞金 | 124,751ポンド +93,000フラン |
ロベルト(Roberto)は、アイルランドの競走馬。父はヘイルトゥリーズン(Hail to Reason)、母はコーチングクラブアメリカンオークス優勝馬ブラマリー(Bramalea)である。1972年のエプソムダービーが主な勝ち鞍で、歴史的名馬ブリガディアジェラード(Brigadier Gerard)に唯一土をつけた馬としても有名。産駒に種牡馬として成功したブライアンズタイム、クリスエス等がいる。
目次 |
[編集] 戦績
[編集] 称賛無きダービー馬
2歳時は遠征したフランスのグランクリテリウムこそ4着に敗れたが、アイルランドでの3連勝が評価されアイルランド最優秀2歳馬に選ばれた。3歳になるとヴォクスホールトライアルステークスを叩いてイギリス2000ギニーに出走、ハイトップの2着になり、続いて出走したエプソムダービーでは見事勝利し第193代エプソムダービー優勝馬になった。しかし、本国に帰ったアイリッシュダービーステークスでは12着に惨敗してしまう。
エプソムダービーの勝者であるにも関わらず、ロベルトの人気は悪かった。最も大きな理由として、ダービーにおける騎手の乗り替わりがある。前走2000ギニーにおいて、鞍上を担当したビル・ウィリアムソンは健闘を見せたと評価され、ダービーにおいても任されるであろうと思われていたが、体調不良を理由に鞍上を降ろされてしまった。代役は名手レスター・ピゴットに決定したものの、ダービー挑戦のチャンスを潰されたウィリアムソンに対して同情の声、ひいてはロベルト陣営への批判の声も大きくなっていった。結果ダービーには勝ったが観客からの祝福は拍手ひとつなかった。
[編集] 世紀の悪役
名誉挽回を期して出走した新設競走ベンソン&ヘッジズゴールドカップであったが、このレースには当時のイギリス最強馬でデビュー以来の15連勝中だったブリガディアジェラードが出走し、リボーの16連勝の記録に王手を掛けていた。圧倒的な人気を集めていたブリガディアジェラードが勝って新記録を樹立する、そんなイギリス中の期待が集中したこのレースを、ロベルトはレコードタイムをつけてブリガディアジェラードを破ってしまった。この歓迎されない勝利で、ロベルトは完全に悪役としてのイメージが付いてしまった。
その後、その名に相応しい活躍をしたとは言えず、悪役から主役へと転じることはできなかった。凱旋門賞に出走するも惨敗を喫し、コロネーションカップには勝ったがそれ以降の勝利はなかった。キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスでの11着を最後に引退した。
[編集] 引退後
引退後はアメリカで種牡馬入りした。Touching Wood(タッチングウッド セントレジャーステークス、アイリッシュセントレジャーステークス勝ち)が代表産駒である。産駒には種牡馬として成功した馬も多く、ブライアンズタイム、クリスエス、リアルシャダイ、シルヴァーホークらが各国で成功し、ヘイルトゥリーズンの血統を広めた意味では悪役の名を返上したとも言えよう。
[編集] 評価
[編集] 主な勝鞍
- 1971年 - アングルシーステークス、ナショナルステークス
- 1972年 - エプソムダービー、ベンソン&ヘッジズゴールドカップ
- 1973年 - コロネーションカップ
[編集] 年度代表馬
- 1971年 - 愛最優秀2歳牡馬部門受賞
[編集] 血統表
ロベルトの血統 (ヘイルトゥリーズン系/Blue Larkspur4×4 Nearco4×4=12.50%他) | |||
父
Hail to Reason 1958 黒鹿毛 |
Turn-to 1951 鹿毛 |
Royal Charger | Nearco |
Sun Princess | |||
Source Sucree | Admiral Drake | ||
Lavendula | |||
Nothirdchance 1948 鹿毛 |
Blue Swords | Blue Larkspur | |
Flaming Swords | |||
Galla Colors | Sir Gallahad | ||
Rouge et Noir | |||
母
Bramalea 1959 黒鹿毛 |
Nashua 1952 鹿毛 |
Nasrullah | Nearco |
Mumtaz Begum | |||
Segula | Johnstown | ||
Sekhmet | |||
Rarelea 1949 鹿毛 |
Bull Lea | Bull Dog | |
Rose Leaves | |||
Bleebok | Blue Larkspur | ||
Forteresse F-No.12-c |
カテゴリ: 1969年生 (競走馬) | 1988年没 | サラブレッド | アメリカ合衆国生産の競走馬 | アイルランド調教の競走馬