イヴァーン・マゼーパ

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イヴァーン・マゼーパ

イヴァーン・ステパーノヴィチ・マゼーパ(イヴァン・ステパノヴィチ・マゼッパ、イワン・マゼッパ；ウクライナ語:Іван Степанович Мазепаイヴァーン・ステパーノヴィチュ・マゼーパ；ロシア語:Иван Степанович Мазепаイヴァーン・スチパーナヴィチュ・マズィェーパ、1639年?3月20日 - 1709年 9月21日)は、ピョートル1世時代のウクライナ・ヘーチマーン国家のヘーチマーンである(在位1687年 - 1709年)。大北方戦争に参戦した。ロシア帝国の支配に対するウクライナ・コサック最後の大反乱を起こした人物として知られ、現代ではボフダン・フメリニツキーに次ぐウクライナ第二の英雄と考えられている。

[編集] 概要

ウクライナ貴族のウクライナ・コサックの子として生まれ、父のステパーン・アダーム・マゼーパ(Степан-Адам Мазепа)は、ポーランド王国に仕えながらも、ボフダン・フメリニツキーの反乱（大洪水時代）に加わった。マゼーパは、父の影響下の元で、ポーランド王の小姓となった。1659年 - 1663年には、外交官にもなっている。1665年まで西欧で軍事教育も受けている。

1663年、マゼーパは、ポーランドの宮廷を離れ、故郷ウクライナへと帰郷した。彼がウクライナへ戻った事について、バイロンが詩にしているが、マゼーパの同世代人による創作である。彼については、後にヴォルテールやダニエル・デフォーの詩や著書になるなど、伝説と伝承に彩られたコサックの英雄となっていった。

マゼーパは1687年にヘーチマンとなったが、ロシア帝国とは、必ずしも悪い関係ではなかった。大北方戦争への参戦は、一説によると、モスクワにおいて、酒に酔ったツァーリ・ピョートル1世に侮辱された事があり、ウクライナへの帰途において、反乱を決意したと伝えられている。自らの野望の為に大ロシアの地へスウェーデン王カール12世を引きずり込んだとも言われている。

マゼーパは、3万のコサック兵と補給をもってスウェーデン軍と合流する予定であった。しかしピョートル1世は、マゼーパの反乱を察知し、ロシア軍を差し向けた。1708年の事である。コサック兵は、ロシア軍の急襲によって壊滅したのである。マゼーパはからくも逃れ、カール12世の本軍と合流した。

1709年、マゼーパのいるスウェーデン軍は、ポルタヴァでロシア軍と会戦した。ポルタヴァの戦いである。しかしロシアの焦土作戦によって疲弊したスウェーデン軍は、ロシア軍の前に壊滅に帰した。マゼーパは、カール12世と共にオスマン帝国に逃亡した。しかしマゼーパは、病を患い、志し半ばで病没した。

マゼーパの悲劇は、早くから伝説化された。ヴォルテールやダニエル･デフォーなどが伝え、ジョージ・バイロンやヴィクトル・ユゴーが詩にしている。またハンガリーのピアニスト、フランツ・リストによって交響詩「マゼッパ」が書き上げられた。