KTX
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KTX | |
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各種表記 | |
ハングル: | 한국고속철도 |
漢字: | 韓國高速鐵道 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
ハングク=コソクチョルト |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
英語: | Korea Train Express(KTX) |
KTX(Korea Train eXpress)は、韓国の高速鉄道システムである。フランスのTGVの技術を導入しており、最高営業速度は300km/hである。
1990年に事業計画・路線が確定し、1992年6月に着工、12年の歳月と、国家予算の2割に達する総額22兆ウォン(約2兆円)とも言われる事業費をかけて、2004年4月1日に暫定開業した。高速新線は日本・フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・スウェーデン・ベルギー・英国・米国・中国に次いで世界で11番目、高速鉄道車両の営業運転は、上記10ヶ国に加え、フィンランド・ノルウェー・スイス・ポルトガル・スロベニアに次ぎ、世界で16番目となる。
計画段階では「京釜高速鉄道」と呼ばれていたが、現在は「KTX」の呼称が定着している。
なお、韓国新幹線あるいは韓国版新幹線と呼ばれることもあるが、システムが大きく異なる事もなり、この呼称は適当とは言えない(新幹線を参照のこと)。
目次 |
[編集] 歴史
- 1983年頃:韓国政府,京釜高速鉄道建設の妥当性に関する調査を開始する
- 1989年5月:京釜高速鉄道建設方針決定
- 1990年:事業計画・路線決定
- 1992年3月:KTX公団が発足
6月:KTX高速新線建設着工 - 1993年8月:車両の入札を実施、フランスTGVを基本とした車両に決定
- 1994年7月:仏アルストム社と車両供給契約及び技術移転契約を締結
- 1997年5月:フランスでKTX第1編成が落成
11月、仏国内で試験運転開始 - 1998年7月:高速鉄道建設基本計画変更段階別開通(1段階…ソウル-釜山2004年4月開通 2段階…2010年開通)
- 1999年12月:湖南線電車化推進計画樹立(韓国鉄道庁)
- 2002年7月:天安-鳥致院間の試験運行で309km/hを記録
- 2003年5月:在来線直通運転区間での試運転を開始
10月:高速区間(ソウル~東大邱間)での試運転開始
11月、ソウル~釜山間での試運転開始 - 2004年4月1日:営業運転開始
[編集] 路線概要
[編集] 駅一覧
[編集] 京釜高速線
駅名 | 朝鮮語駅名 | 営業キロ | 駅等級 | 駅種別 | 接続路線 | 所在地 | |||
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幸信駅 | 행신역 | 14.7 | 無配置簡易駅 | 京義線 | 京畿道 | 高陽市 | 徳陽区 | ||
ソウル駅 | 서울역 | 0.0 | 特級 | 地域管理駅 | 京釜線、京義線、京釜電鉄線、1号線(133)、4号線(426) | ソウル特別市 | 中区 | ||
始興連結線分岐 | 시흥연결선분기 | 17.7 | 分岐点 | 京釜線 | 衿川区 | ||||
光明駅 | 광명역 | 22.0 | 1級 | 普通駅 | 京畿道 | 光明市 | |||
天安牙山駅 | 천안아산역 | 96.0 | 1級 | 普通駅 | (長項線、長項電鉄線) (P171) (予定) | 忠清南道 | 牙山市 | ||
大田操車場 | 대전조차장 | 155.1 | 2級 | 操車場 | 湖南線、湖南高速線 | 大田広域市 | 大徳区 | ||
大田駅 | 대전역 | 159.8 | 1級 | 地域管理駅 | 京釜線、大田線、大田都市鉄道1号線 | 東区 | |||
東大邱駅 | 동대구역 | 293.1 | 1級 | 地域管理駅 | 京釜線、大邱線、大邱地下鉄1号線 | 大邱広域市 | 東区 | ||
密陽駅 | 밀양역 | 2級 | 普通駅 | 京釜線 | 慶尚南道 | 密陽市 | |||
亀浦駅 | 구포역 | 425.2 | 2級 | 普通駅 | 京釜線、釜山地下鉄3号線(314) | 釜山広域市 | 北区 | ||
釜山駅 | 부산역 | 441.7 | 1級 | 地域管理駅 | 京釜線、釜山地下鉄1号線(113) | 東区 |
[編集] 湖南高速線
駅名 | 朝鮮語駅名 | 営業キロ | 駅等級 | 駅種別 | 接続路線 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
幸信駅 | 행신역 | 14.7 | 無配置簡易駅 | 京義線 | 京畿道 | 高陽市 | 徳陽区 | ||
龍山駅 | 용산역 | 3.2 | 1級 | 普通駅 | 京釜線、京釜電鉄線 (135)、中央電鉄線(京元線)(K110) | ソウル特別市 | 龍山区 | ||
始興連結線分岐 | 시흥연결선분기 | 17.7 | 分岐点 | 京釜線 | 衿川区 | ||||
光明駅 | 광명역 | 22.0 | 1級 | 普通駅 | 京畿道 | 光明市 | |||
天安牙山駅 | 천안아산역 | 96.0 | 1級 | 普通駅 | (長項線、長項電鉄線) (P171) (予定)) | 忠清南道 | 牙山市 | ||
大田操車場 | 대전조차장 | 155.1 | 2級 | 操車場 | 京釜線、京釜高速線 | 大田広域市 | 大徳区 | ||
西大田駅 | 서대전역 | 160.8 | 2級 | 普通駅 | 大田線 | 中区 | |||
豆渓駅(鶏龍駅) | 두계역(계룡역) | 180.5 | 3級 | 普通駅 | 忠清南道 | 鷄龍市 | |||
論山駅 | 논산역 | 205.9 | 2級 | 普通駅 | 論山市 | ||||
益山駅 | 익산역 | 243.0 | 1級 | 普通駅 | 全羅線・群山線 | 全羅北道 | 益山市 | ||
金堤駅 | 김제역 | 260.7 | 2級 | 普通駅 | 金堤市 | ||||
井邑駅 | 정읍역 | 286.5 | 2級 | 普通駅 | 井邑市 | ||||
長城駅 | 장성역 | 318.9 | 2級 | 普通駅 | 全羅南道 | 長城郡 | |||
北松汀信号所 | 북송정신호장 | 339.1 | 信号所 | 光州広域市 | 光山区 | ||||
光州駅 | 광주역 | 352.8 | 1級 | 普通駅 | |||||
松汀里駅 | 송정리역 | 340.8 | 2級 | 普通駅 | 慶全線・光州線 | ||||
羅州駅 | 나주역 | 356.6 | 2級 | 普通駅 | 全羅南道 | 羅州市 | |||
木浦駅 | 목포역 | 407.6 | 1級 | 普通駅 | 木浦市 |
[編集] 2004年の開業当初の営業路線
[編集] 京釜線
:ソウル - 釜山間(経由地は大田、大邱) - この路線はソウルから南東へ下る。
[編集] 湖南線
:ソウル - 木浦間 - この路線は上記路線の大田より分岐、南西へ下る。
[編集] 京義線
:ソウル - 高陽間 - この路線はソウルから北西へ上る。車両基地への引込線として使われている路線で、独立された運行はされていなく、京釜・湖南線の一部列車が幸信まで乗り入れるほか、回送列車が走っている。
高速鉄道の専用路線は、全区間の一部のみで、ソウル-光明(クァンミョンGwangmyeong=厳密には始興【シフン】駅付近)間や大田市内、大邱市内、東大邱-釜山間、西大田-光州・木浦間など大部分は在来路線と線路を共有するが、最初の開業によりソウルから釜山までの移動時間は4時間20分から2時間40分へと大幅に短縮された。
[編集] 拡大計画
2010年には、ソウル近郊と釜山近郊を除く全区間が高速路線に移行し、ソウル-釜山間は1時間56分に短縮される計画であった。しかし、慶州市街地の地下化、および周囲の山へのトンネル建設をめぐって自然保護などの立場から反対運動が起こり、トンネル計画の中止などの理由により当初の計画の2時間以内の走行は不可能になってしまった。 大邱から慶州を経て釜山につながる部分の専用路線を建設する第2期工事は、2002年6月に始まった。 2006年8月、建設交通部は大田市内及び大邱市内の専用線増設について、地下短絡化ではなく、在来線と並行する高架化を正式決定。 それぞれ1兆ウォン超の費用で高架化、沿線道路立体化、沿線の緩衝緑地の設置などの事業が始まり、2010年の完成を予定している。 また五松、金泉亀尾、新慶州駅の新設とあわせて、全通後の所要時間は現行より約30分短縮の2時間10分を予定している。
さらに韓国鉄道公社としては、2010年をめどに全羅線の全線と慶全線の三浪津から晋州までを電化・複線化させ、国産高速鉄道車両(下記)を直通させる予定である。
一方、2010年の第二段階開業時に、高速線に駅を新設することが決定したが、この設置場所をめぐって沿線自治体同士の誘致合戦や軋轢が熾烈さを増している。
また、湖南線の高速新線建設については2006年8月に、京釜高速線の五松駅から分岐し南公州、益山、井邑、光州、木浦に至る230.9kmのルートでの着工が決定した。光州以北については2015年、光州以南については2017年の完工を予定している。事業費は10兆5417億ウォン、 完成後の所要時間はソウル-木浦間で1時間46分となる。
遠い将来には、ソウル江南地区へのKTX乗り入れや東方面の江陵へ向かう路線の構想がある。
[編集] 車両
座席は2両の自由席を除き指定席で、一般席の指定は追加料金なしで利用できる。4両が特室車(グリーン車に相当)で、リクライニングシートが備わっている。一般車は欧州などに見られる形式の座席が回転しない固定式で、高速列車にも拘らず後ろ向きに着席する席が半数あることなどが、不満の理由に挙げられた。現在は後ろ向きの座席の場合は割引運賃を適用するなど工夫している。座席を含む内装はアルストム社との契約で開業から2年間(2006年3月まで)改修できないことになっている。既にこの期間は過ぎた為、開通当初からの要望であったが契約上不可能であった座席の回転式への改良が検討されている。
一方、ロテム社と韓国鉄道技術研究院は、純国産の韓国型高速鉄道車両として、最高速度が350km/hとなる「G7/HSR350X」の開発を進めており、試験は順調に行われている。2004年12月の試運転では352.4km/hを記録した。
[編集] 運行
2004年10月には定時運行率99.1%に達していた(ただし、10分以内の遅延は全て定時扱いとなる)が、2006年6月までの平均定時率が91%に落ちていることが判明した。
また、韓国の旧正月及び秋夕(チュソク=旧盆に相当する休み)時期には特別輸送期間として、別途列車の予約期間が設定される。この時期の予約は、通常の予約ができず、1人4枚までの購入に制限されたり、鉄道会員を優先して予約させるなどし、外国から来た観光客は特にこの時期は注意しなくてはならない。しかしながら、現状はKTXが従来からの特急・セマウル号、急行・ムグンファ号などに比べ割高で、KTXを敬遠する傾向があり、KTXの空席が目立っているのが実情であるが、航空機からシフトする客は増加しつつある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
韓国鉄道公社の車両 |
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現用車両 |
高速鉄道用:100000系 電気機関車:8000形,8100形,8200形 ディーゼル機関車:7500形,7300形,7200形,7100形,7000形,4400形,2100形 蒸気機関車:901形(運行休止中) 電車(電動車、電気動車)1000系,2000系,3000系,5000系,6000系 気動車(ディーゼル動車):101系(DHC),111・251系(DHC),9201系(DEC),9211系(NDC),9501系(CDC) 客車:セマウル形,ムグンファ形 |
過去の車両 |
ディーゼル機関車:6300形,6200形,6100形,6000形,5000形,4300形,4200形,4100形,形,4000形,3200形,3000形,2000形 電車(電動車、電気動車):9900系ムグンファ形(EEC) 気動車(ディーゼル動車):日本製動車 客車:トンイル形,ピドゥルギ形 |