1NZ-FE
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1NZ-FEは、トヨタ自動車の主力エンジンの内の一つ。直列4気筒1500cc横置き前輪駆動用DOHC16バルブ自然吸気エンジンで同じく1500cc、直列4気筒DOHC16バルブガソリンエンジン5E-FEの後継にあたる。また、1NZ-FEエンジンから高膨張比(アトキンソン)サイクル仕様化されたのが1NZ-FXE型(プリウスに搭載されたエンジン)である。なおこのエンジンのスケールダウン版として1300ccの2NZ-FEがある。
右の写真から分かるように、連続可変バルブタイミングシステム、VVT-iを採用する。主な搭載車種はカローラシリーズ、プレミオ、アリオン、ヴィッツ、ist、ポルテ、プロボックス等と幅広く搭載されている。1999年8月30日登場のファンカーゴ、プラッツに搭載されたのが最初。バルブ駆動に関しては直動方式とローラー・ロッカーアーム方式の仕様が混在する。
ローラー・ロッカーアーム方式はシエンタの前輪駆動車、9代目カローラ・シリーズ(E12#系、カローラスパシオを除く)の前輪駆動車の4速オートマチックトランスミッション車(2004年4月のマイナーチェンジ以降)、10代目カローラアクシオ(セダンの今回からの呼び名)および同10代目カローラフィールダー(ワゴン。フィールダーとしては2代目)の1500cc全車、2代目(CP9#系)ヴィッツの1500cc車、ラクティスの1500ccの前輪駆動車が搭載する(2006年10月現在)。それ以外の搭載車種はすべて直動方式を搭載する。
かつてのトヨタエンジンの命名法則では「F」の付く型番はハイメカツインカム搭載であったが、この世代のエンジンでは既にハイメカツインカムは採用されておらず、1NZ-FEも一般的なDOHCエンジンである。この世代では、5A-FEなどのハイメカツインカムとの差異はシザーズギア(例として「5A-FE」の場合はカムシャフトはタイミングベルトによる駆動方式)を用いず、狭角バルブはそのままに本来のDOHCと同じ機構(例として「1NZ-FE」の場合はタイミングチェーンによる駆動方式)を採用している点にある。
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[編集] スペック
[編集] 2000年8月28日発売のカローラセダン、カローラフィールダー搭載時
- 排気量 1496cc
- ボアストローク 75.0×84.7
- 圧縮比 10.5
- 最高出力 110ps/6000rpm(四輪駆動車は105ps/6000rpm)
- 最大トルク 14.6kg-m/4200rpm(四輪駆動車は14.1kg-m/4200rpm)
- 平成12年排出ガス基準25%低減レベル達成(前輪駆動車、四輪駆動車共に)
[編集] 2001年12月25日発売のプレミオ、アリオン搭載時
- 排気量 1496cc
- ボアストローク 75.0×84.7
- 圧縮比 10.5
- 最高出力 109ps/6000rpm
- 最大トルク 14.4kg-m/4200rpm
- 平成12年排出ガス基準75%低減レベル達成
- 平成17年排出ガス基準50%低減レベル達成
[編集] 2003年9月29日発売のシエンタ搭載時
- 排気量 1496cc
- ボアストローク 75.0×84.7
- 圧縮比 10.5
- 最高出力 110ps/6000rpm(四輪駆動車は105ps/6000rpm)
- 最大トルク 14.4kg-m/4400rpm(四輪駆動車は14.1kg-m/4200rpm)
- 平成12年排出ガス基準75%低減レベル達成(四輪駆動車および2005年7月生産分までの前輪駆動車)
- 平成17年排出ガス基準75%低減レベル達成(2005年8月生産分以降の前輪駆動車)
[編集] 2006年10月10日発売のカローラアクシオ、カローラフィールダー(同年10月23日発売のオーリスを含む)搭載時
- 排気量 1496cc
- ボアストローク 75.0×84.7
- 圧縮比 10.5
- 最高出力 110ps/6000rpm(四輪駆動車は105ps/6000rpm)
- 最大トルク 14.3kg-m/4400rpm(四輪駆動車は13.8kg-m/4200rpm)
- 平成12年排出ガス基準75%低減レベル達成
- 平成17年排出ガス基準75%低減レベル達成
- 平成22年度燃費基準達成
[編集] 搭載車種(過去のものも含む)
- ヴィッツ(初代~)
- ファンカーゴ
- プラッツ
- bB(初代)
- ist
- ポルテ
- サクシード
- プロボックス
- ラクティス
- シエンタ
- WiLL Vi
- WiLL VS
- WiLLサイファ
- ラウム(2代目~)
- カローラシリーズ(9代目~)
- アレックス
- オーリス
- アリオン
- プレミオ