讃岐弁
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讃岐弁(さぬきべん)は、四国の香川県内で使用される方言。四国方言の一種。アクセントは京阪式を基本とする。県内では西と東で若干語彙が異なるため、東讃弁・西讃弁と区別する場合がある。
![塩江町(現・高松市)のバス停](../../../upload/thumb/0/01/Sanuki-dialect_Shionoe.jpg/220px-Sanuki-dialect_Shionoe.jpg)
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[編集] 特徴
[編集] 独自の特徴
四国方言に分類されるが、徳島弁と同様、関西弁に近い傾向がある。それ故、四国方言やその他の西日本方言を聞きなれない人が讃岐弁や徳島弁を聞くと、関西弁であると勘違いする場合がある。また、関西弁話者にとってはいわゆる「エセ関西弁」に聞こえる場合もある。
讃岐弁のアクセントは京阪式の一種ではあるが、平安以来の古形がよく保存されているといわれ、京阪式アクセントの亜種扱いする向きもある(観音寺市の伊吹島では、このアクセント上の特徴がとりわけ顕著であり、それのみにとどまらず平安末期に京都で使用されていたとされる語彙表現が多く保存されている)。
このアクセント上の特徴は隣の徳島弁や伊予弁では殆ど見られないが、紀州弁などでは確認できる。この分布からも京阪式アクセントの古形をよく保存していることが証明できるのだという。 なお、県庁所在地である高松地区は転勤族が多く、完全な東京式アクセント又は完全な京阪式アクセント、もしくはそれらの中間のアクセントを使うものが多く、讃岐独特の古形京阪式アクセントを使う者は少ないと言われている。
一方で、讃岐弁や伊予弁は、徳島弁などに比べると語彙や言い回しにおいて中国方言と共通する表現が多い(これは関西方言の一種播州弁においても同様である)。
他の主な特徴としては、「…だから」に当たる「…やけん(東讃弁)/…やきん(西讃弁)」を用いることが挙げられる(「~けん」の使用も中国方言と共通といえる)。 また、北日本の方言・東部中国方言・播州弁を中心として、全国の若者に広がりつつある、母音「アイ」の「エー」化は、全くと言っていいほど浸透していない(転勤者が多い高松市域を除く)。
徳島弁や播州弁、神戸弁、岡山弁にも共通することだが、動詞の疑問で「~しとるん?・~しよるん?(~しているの?)」の形となる場合、「る」を抜くことが多い(例:何やっとるん?→何やっとん? 宿題やっとるんか?→宿題やっとんか?)。また、地域によって差はあると思われるが、「アウ」などの連母音を嫌う傾向もみられる。この場合、例えば関西では「~ちゃうん?(~じゃないの?)」という言い回しが用いられ、「アウ」はそのまま発音されるが、讃岐弁のそれに対応する表現では連母音が簡略化し、「~ちゃん」や「~ちゃあん」に近い発音となる。
全国の他地域同様、東京を中心としたメディアの発達に伴い、若い世代を中心に言葉の東京弁・共通語化が進んでいる。特に香川県は支店経済都市である高松市を抱えている為、首都圏からの転勤者や単身赴任者が多く、東京との繋がりが強い。この事がさらに言葉の共通語化に拍車をかけているものと考えられている。
また、古来より瀬戸内海を通した海上交通が盛んであったため、関西方面ほか各地からの影響を常に受けてきた。
他の方言にもよくあることだが、前後の文から意味を取らないと意味が解らないほど音節が短くなる事がしばしばある。 例)「何言いよん?」→「なにょん?」 「何でそうやって言うん?」→「なんさってゅん?」
因みに、プレーンなうどんの事は大抵「かけ(うどん)」と言い、「素うどん」と言うのは稀。
[編集] 四国方言や関西弁に共通する特徴
- 名詞の否定(~ではない)の表現。「~と違う」「~ちゃう」などと表現する。
- 1拍1音節の語が2拍化する。(例)蚊を「カァ」、木を「キィ」と発音する(紀伊国も参照)。
- 「よう」+動詞の否定形で、能力が無くて出来ない意味を示す。(古語の「え~ず」)
- 動詞の否定 (原則)未然形+「ん/へん」
- 断定の助動詞「や」但し、正式な讃岐弁は「じゃ」 (例)あれが屋島や。
- 強調の助詞「んや」「ねや」 (例)あれが屋島なんや。(「ねや」は否定の強調に使われる場合が多い。関西ではどちらも「ねん」となる)
- 動詞の過去を示す助詞「た」に「んや」「ねや」が付いた場合は、「~したんよ」「~したんや」と話す。(関西では「~てん」)
- 仮定に「ば」はあまり使わず、「たら」を使う場合が多い(関西では「ば」は全く使用されない)。
- シク活用の形容詞に否定の助詞「ない」をつける場合、「ク」が消え、直前の母音が長母音化する(但し、地域によっては長母音化しないこともある)。(例)楽しくない→楽しぃない おもしろくない→おもしろぉない
- 中国方言、播州弁・神戸弁と同様、「~しとる」(現在完了アスペクト)と「~しよる」(現在進行アスペクト)を区別して会話に用いている。
- 例1:「うわ、雪ふっとるやん!」・・・発話の時点で雪が降り始めてから時間が経っていることを発話者が意識している場合を表す
- 例2:「うわ、雪ふんりょる/ふりよる/ふっりょる/ふっぢょる(西部沿岸地域)やん!」・・・今まさに雪が降っている状態
- 例3:「宿題やっとん?」・・・もう既に宿題が終わっているかどうか質問している
- 例4:「宿題やんりょん/やりよん/やっりょん/やっぢょん(西部沿岸地域)?」・・・今まさに宿題をしている最中なのかを質問している(普段から宿題をする習慣があるのか質問している)
[編集] 東讃弁・西讃弁
東讃地域(高松市・三木町・さぬき市・東かがわ市など)と西讃地域(丸亀市・多度津町・観音寺市など)とでは、若干語彙や用法が異なり、東讃地域讃岐弁を東讃弁、西讃地域讃岐弁を西讃弁と言う。
これを大まかに二分する境界線は丸亀市等を流れる土器川とされる。
また、中讃地域(坂出市・綾川町など)ではその中間の方言が使われている。
東讃弁と西讃弁の違いで特徴的なのが、語尾につく「の」と「な」の違いである。
例) あれはね(共通語)→あれはの(東讃岐弁) / あれはな(西讃岐弁)
[編集] 分布の境界
県内で使用される方言のため、県境が方言の境界であると言われている。 しかし、岡山県の瀬戸内海沿岸部や島嶼部では、讃岐弁同様の京阪式アクセントが用いられるところもあり(いわゆる岡山弁は讃岐弁と共通の語彙表現はかなり多いものの、東京式アクセントを基調とする)、これらは讃岐弁と大差がない。
[編集] 表現
[編集] あ - か
- あおい 青色の/緑色の
- あかい(明い) 暖色の
- あかん 駄目だ(いかん) 関西弁の影響。若者が時々使用する。「~せなあかんのぅ」
- あずる 【動】苦労する。「あずんじょったんなぁ?」「がいにあずったがぁ」
- あななん あんなもの 「あななんいかんわ。」
- あほ 馬鹿 「お前あほやのぉ。」
- あんじゃるい 【形】気持ち悪い、気味悪い
- いいかげん 【副】たくさん。多く。中讃での表現。「これまでした旅の記録調べたら、意外にいいかげん方々行っとったわい」
- いかさま 【形】ものすごく 「いかさま、おとっちゃまやのぉ」
- いごく 【動】動く。「なんいごっきょん?」
- いた ください。 東讃地域で使用。西讃地域では「つか」。「これ持ってっていた(これを持っていってください)」「これいた(これをください)」
- いで 【名】道の端などにある細く浅い水路(溝)のこと。
- いぬ 【動】帰る。「ぼちぼちいぬんな?」「そうやなぁ、いのか」
- いまさっき つい先程やまさに今の意味。「いまさっき帰ったとこじゃが」
- うれしげな 調子に乗っている。「うれしげにしとるのぉ」(不用意に使うともめ事の発端になるので注意)
- うまげな 素敵な「うまげな車やのぉ」(西讃方言)
- えらい 【形】疲れた。しんどい。「えろぅて動けんわ」
- おがっしゃげる ぶん殴る。「ちゃっしゃげる」→「くらっしゃげる」→「おがっしゃげる」の順に強くなる。
- おきた 【動】腹が膨れた。「腹おきてもぅ食えんわ」「腹、おきたんな?(=「お腹、いっぱいになりましたか?」)
- おじゅっさん 【名】お坊さん。
- おとっちゃま 【名】臆病者 「いかさま、おとっちゃまやのぉ」
- おどれ お前 「おどれなめとんか。」
- おび 魚(幼児語)
- おらぶ 【動】叫ぶ。「何おらんびょんな?」
- おもっしょい 面白い。
- おもろげな 面白そうだ。 「おもっしょげな」と同意語。
- (用言)+が((体言)+やが) …し(…だし) 「それ、うるさいが(それ、うるさいし)」 「アホやが(馬鹿だし)」
- がいな 【形】すごい。きつい。強い。「がいに飛ばすなぁ」「あの人はがいな」。
- 香川オリーブガイナーズ(四国アイランドリーグ)の名称は、この讃岐弁(がいな)が由来している。また、愛媛では「意外な」の意味で使われる。
- かく 【動】かつぐ。「ちょっとそっちかいてくれん?」
- …かいのぅ? ~かなぁ? 「この時計、めげとんかいのぅ?」
- かど 【名】(漠然と)家の外。玄関先。標準語の「表(おもて)」。「かどんとこに、誰かおるで」
- かまへん(かまん) 構わない。~でも良い。
- …きん 【助】…から。西讃・中讃での表現。「暑いきん、クーラーつけようで」「かかんきんこん、こんきんかかん(〔手紙を〕書かんきん来ん、来んきん書かん)」
- く 家。「友達んく遊びに行った(友達の家に遊びに行った)」
- くらっしゃげる 殴る。ちゃっしゃげる・くらっしゃげる・おがっしゃげるの順に強くなる。
- けっこい 【形】きれいな。美しい。「あの子いかさまけっこい子やの」「けっこにしてどこ出かけるん」
- …けん 【助】…から。「…きん」と同意。「明日早いけん、もう寝まい。」
- ごじゃはげ 無茶苦茶。”ごじゃ”とも「もうごじゃはげじゃわ。」
- こらえん 【動】承知しない。許さない。「…したらこらえんぞー」
- こんこ たくあん
- ごんな ~してください。極西讃で使われる。「廻ってごんな、見てごんな。」
- こんぴらさん 【固名】 金刀比羅宮
[編集] さ - た
- さいさい たびたび。よく。「あの人さいさい来よるで」
- さきおととい 一昨日。
- …しい …する人。主に悪い意味で使われる。「お前いらんことしいやな。」
- …しいまわる …して回る 「訳分からんことしいまわらんの!」
- …していた …して下さい。東讃での表現。「それ取っていた」
- …してつか …して下さい。西讃での表現。「あれ取ってつか」
- …しな …の途中に。「いきしな」=行く途中に。「帰りしな」=帰る途中に。「ちょっと、ついでに」の意味を暗に含む。用例:「帰りしなにパンこぅてきて」=帰る途中に、(ついでに)パンを買ってきて。
- …しますな …するな、…しないほうがいいよ。「そななことしますな!」「そなんめんどげに言いますな」
- しゃんしゃん 手際よく、てきぱき、元気よく、など。「しゃんしゃんしまい」
- じゅるい【形】(地面が)ぬかるんでいる(西讃。伊予弁起源。「地緩い」の転訛か。)
- しよい やりやすい、しやすい。「こなんしたらしよいで」「そっちのほうがしよいやろ」
- しょうたれ 見苦しい、締まりがない、だらしがない、体裁が悪い、愚鈍な、など。「あれはいかさましょうたれげなやっちゃの」
- …じょる …ている。動詞の語尾につけると現在進行形になる。「作んじょる」=作っている。「売んじょる」=売っている。(西讃沿岸部)
- じょんならん 役に立たない。どうしようもない。手に負えない。「じょんならんやっちゃのぉ(役に立たない奴だなぁ)」「最近暑くてじょんならんわ~。」
- しんや 新家。分家のこと。
- すい 酸っぱい。「この漬け物ちょっとすいんちゃん」
- すかん 好かない。嫌い。「私納豆すかんのや」「俺あいつのことほんますかん」
- ずんやり 引き続いて。ずっと。「あいつ、ずんやりあれにはまってすんだわ」
- たく 煮る。標準語と同じ意味だが、ご飯以外におかずにも用いる「おかずをたく」
- たる 【動】飽きる。「そのおもちゃもぅたったわ」
- つい 似ている、同じ。 似ている度合いは 「つい」<「まっつい」<「まっつくつい」
- つか ください。西讃地方で使う。東讃では「いた」。用法は「いた」に同じ
- ちっか 【名】竹輪。阿波弁でも使われているが、西讃で多く使われるという
- ちみきる (爪の先くらいで)つねる。痛さ度合いは「ひにしる」<「ちみきる」
- ~ちゃう ~じゃない。の意味。否定で用いる。「それ鉛筆ちゃうわ」
- ちゃっしゃげる 叩くの意味。ちゃっしゃげる・くらっしゃげる・おがっしゃげるの順に強くなる。
- ~ちゃん ~じゃないの?の意味。否定の疑問で用いる。「お前アホちゃん?」
- ちょっとこま 少しの間。「ちょっとこま出てくるわ」
- てがう 【動】からかう、あやす、遊んでやる。「なにあいつのことてがいよんな?」「うちの犬もてごてやって」
- どくれる 【動】ふくれる。不満げにする。「何どくれとんな?」
- どせこむ 転落する。「田んぼにどせこんで泥まみれになる」
- どっかしゃん どこかしら。どこか。「オモチャがどっかしゃんいった」「あの子やったらさっきどっかしゃん行ったで」
- どっちゃこっちゃ どうにもこうにも。どうしようも。多く、後ろに否定語を伴う。「ここまでごじゃやとどっちゃこっちゃならん」
- どな どう(どのように) 「どなしよん?」
- どななんな? 状況とか様子とか調子を確認する質問文。標準語だと「どんな様子(状況/調子)ですか?」
- どんどろさん 【名】雷。「どんどろはん」とも。
[編集] な - は
- 何がでっきょんな 時候のあいさつ。そのままの意味である「何を作っているのですか?/何をしているのですか?」という質問文で用いることもある。
- 植松おさみアナウンサーが「ズームイン!!朝!」でキャスターを務めていた頃、地元の人にインタビューする時の第一声は必ずこの言葉だった。
- なんちゃでっきょらん 時候のあいさつとして「何がでっきょんな」と聞かれた場合の定型的な返答句。そのままの意味は「(別に)何もしていません」。
- なし 無く 「全部なし(ん)なってもうた」
- なに【名】あれ。あのもの。(第一音節に高アクセント)(例:あの、なにがもうなかったやろ?(あのう、あれがもう足りなくなっていたでしょう?))
- …なんだ …なかった 否定の過去形。 「知らなんだ」
- …なんちゃ 何にも 「なんちゃ無いやん。」
- なんな 声をかけられた時の返答。標準語の「なにか御用ですか?」に相当。
- なんぼ いくら(数)物の数を聞くときに使用される。 「テストなんぼやったん?」「なんぼなんでもそれは・・」
- …なんや(…なねや) …なの。 「私、抹茶が好きなんや」
- なんや… 何だか… 「なんやアホみたいやのぅ」
- ねき 側・近く 「駅のねきのうどん屋」
- ねぶる 舐める、舐め回す。「そなんねぶりまわりますな(=そんなに舐め回してはいけませんよ)」「飴ちゃんでもねぶっじょりな(=飴でも舐めておきなさい)」
- はがい はがゆい 「あいつは、はがいなあ。」
- はじかい ちくちく、むずむずする様子。「痒い」とはニュアンスが違う。「このセーター、ウールやきん、はじかいわ」「藁の上に横になってみたけど、はじかかった」
- はみ 【名】まむし、毒蛇。
- ばんげ 夜。夕飯後くらいの時間。「ばんげに来まい(=今晩いらっしゃい)」
- ぴっぴ 【名】うどんの赤ちゃん言葉。東讃では「つっつ」とも。
- ひにしる (指の腹で)つねる。痛さ度合いは「ひにしる」<「ちみきる」
- ひろげさがす 散らかしている
- ぶいぶい コガネムシ。
- ふが悪い 体裁が悪い。格好が悪い。
- ぶる 【動】漏れる。 「 ぶっじょる」
- ベエスケ あなご。
- へらこい 【形】ずるい。「あんた、へらこいわ!」/「小才が利く」の意味で、讃岐人(時に阿波人)気質を示す表現としても用いられる。
- ぼしこむ 押し込む。
- ほっこ 【名】ばか、あほ。「ほっこやのう」
- ほんま 本当 「ホンマによん?」
[編集] ま - や
- …まい …しなさい/…してみてください。強く発音すると前者、やさしく言うと後者の意味になる。「食べまい」
- まける 【動】こぼれる。「汁がまけよるが」
- まけまけいっぱい 【形】(器に入れた水などが)こぼれそうなほど、いっぱいに入っている様子。「ちょっと水入れすぎた。まけまけいっぱいやわ。」
- まちごうとる(まっちゃいよる) 間違えている。「それ、まちごうとるで。」
- まっちゃう 間違える。 「まっちゃうこともあるわ。」
- まっつい とても似ている、同じ。 似ている度合いは 「つい」<「まっつい」<「まっつくつい」
- まっつくつい ものすごく似ている、同じ。 似ている度合いは 「つい」<「まっつい」<「まっつくつい」
- …まへ =…まい。 「そななもん我がでにしまへ。(そんなこと自分でしなさいよ。)」
- まんで 全部。「泥棒にやられて、まんで持っていかれた」
- まんでがん 全部
- …みい …みろ。(命令) 「走ってみい」
- むつごい 【形】あぶらっこい。くどい。食べ物以外にも用いる。「天かす入れすぎてむつごいが」「この絵むつごいわ。」
- めぐ、めいだ 【動】(1)壊す。「あんたはよう物めぐ子やのぉ」「まためいだんか?」 (2)両替する。「この千円、百円にめいでいた」
- もうた (1)貰った。「お土産もうたん?」 (2)しまった。(関西弁の影響)「壊してもうた」
- もっかい もう一回
- もろた 「もうた」に同じ。
- …や …なんか。「姉ちゃんやどっか行ってしまえ!」
- …やかし …なんか。…なんて。 「…や」と意味は同じだが強調の度合いがより強い。「私やかしなぁ、昨日熱が40度もあったんで。(私なんてね、昨日熱が40度もあったのよ。)」
- …やで …だよ。 「あいつアホやで」
- やむ 【動】湿気る。「そのお菓子やんどるが」
- …ゆうとる(ゆっとる) ~言っている(現在完了) 「あの人何ゆうとん?」
- …よぉる(ゆーよる) ~言っている(現在進行) 「何よぉるんかサッパリ分からん」
- よっけ 【副】たくさん。 「人がよっけおんのぉ」
- …よん(…ゆん) ~言っているんだ。 「お前によんや。」
[編集] ら - わ
- わがでに 自分で。
- わや 無茶苦茶 「台風で家が、わやなってもうたわ。」
- わやくちゃ (無茶苦茶をさらに強く言った言葉)「お前の髪型わやくちゃやな。」
[編集] ん
[編集] 関西弁との区別
- 前者が関西弁、後者が讃岐弁である。
- 「~へん」(否定) → 「~ん」
- 「~ねん」 → 「~んや」「~ねや」
- 「~てん」(「ねん」の過去) → 「~たんや」「~てんや」
- 「~してみてや」(~してみてよ)→「~してんな」
但し、関西方面からの転勤者が多い地域では、関西弁に影響されて上記の違いが無くなってきている場合がある。
- 関西弁化した例 (「」内は現在讃岐の若者が使う言葉()内は本来の讃岐弁【】内は共通語)
- 「~やん」(~でん)【~じゃないか】
- 「あかん」(いかん)【ダメだ】
- 「なんでやねん」(なんでなんな)【何故なんだ】 (「~ねん」という表現はそれほど広まってはいないものの、「なんでやねん」に限定しては使う若者が多い)
[編集] 比較表
共通語 | 讃岐弁 | 関西標準 | |
~だ | ~や | ||
~なんだ | ~なんや | ~やねん | |
~のだ | ~のや ~ねや |
~ねん ~ねや |
|
~している | ~しょうる・~しとる | ~しよる・~しとる ~してる |
|
駄目だ | いかん あかん |
あかん | |
馬鹿 | あほ | ||
疲れた 気分が悪い |
えらい | えらい しんどい |
|
おもしろい | おもっしょい | おもろい | |
~かな? | ~かいの? | ~かいな? | |
~から(~だから) | ~けん | ~から ~さかい |
|
~じゃない(否定) | ~ちゃう ~と違う |
||
~じゃないの? | ~ちゃん? | ~ちゃうん? ~ちゃう? |
|
どう(どのように) | どな | どない | |
言っている | ゆうとる・よおる | ゆうとる・いいよる ゆうてる |
|
してみろ | してみい したれ してん |
してみい | |
たくさん | よっけ・ようけ | よっけ・ようけ ぎょうさん・ようさん |
|
~してしまう | ~してしまう | ~してまう | |
~してしまった | ~してもうた ~してしもた |
||
間違っている | まっちゃっとる・まっちゃいよる | まちごうとる・まちがいよる まちがえてる |
|
本当に | ほんま | ||
いくつ | なんぼ |
[編集] 関連項目
[編集] その他
- 芦原すなおの小説「青春デンデケデケデケ」(香川県西部の観音寺市が舞台)は、ほぼ全編讃岐弁(西讃弁)で書かれているが、映画版においてはどうしても東京出身の役者陣のアクセントやイントネーションが京阪式には成っておらず、京阪式アクセントである讃岐弁(西讃弁)を知っている人々や地元観音寺市の人々が聞けば相当違和感がある。
ただし、出演している関西地区出身の役者陣は元々京阪式アクセントの為、そのままパーフェクトなアクセント、イントネーションとなっている。 - 植松おさみアナウンサーが「ズームイン!!朝!」で香川担当キャスターを務めていた当時、讃岐弁でインタビューをしていた。