共通語
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共通語(きょうつうご)とは、ある地域ないし集団間で共通に使われる言語をいう。実質上標準語と同義語として用いられているが、言語学的な定義は異なる(これについては標準語の項参照)。
共通語はその位相によって以下の二種に分かれる。
[編集] 地域内の共通語
方言的関係のある地域内で、誰でも共通に理解しあえる言葉を共通語という。英語のcommon languageの訳語。例えば、東北方言話者と沖縄方言話者がそれぞれの方言で会話しようとすると相互理解が困難であるが、どちらにもよく知られている東京方言を話せばお互いの意思疎通を容易にすることができる。
日本国内には現在も様々な方言があり、また少数の外国人のコミュニティーの言語も存在するが、日本全国で共通に通じる言葉が教科書や放送アナウンスの言葉を基礎として自然に使用されている。人為的に整備された標準語とほぼ同じであるが、強制的響きのある標準語とは区別している。
[編集] 特定関係者間の共通語
貿易関係者などある特定関係者の文字や文法など全く異なった言語の話者間で、意思疎通を図るために共用される言語を共通語という。その地域内の全員が話せるわけではなく、一部の人間が仕事上などの関係者において意思疎通のできる言語。たとえば日本人とスペイン人の一部が、相手の言葉を理解できず英語で意思疎通を図った時、お互い共用しているこの英語が共通語となる。
古くは東アジアの漢文、インドのサンスクリット、紀元前後の地中海世界におけるギリシャ語、中世ヨーロッパのラテン語から、東南アジアのマレー語、北アフリカのアラビア語、東アフリカのスワヒリ語などはリンガフランカと呼ばれ、特定の人々の間で広く用いられた。音楽、特に楽譜表記におけるイタリア語も似たような働きを持っている。19世紀にはイギリス、20世紀にはアメリカが国際社会で大きな影響力をもったことなどから、現在では国際的な集まりにおいては英語がその役割を果たす場合が圧倒的に多い。このような国際的な共通語を国際共通語と言い、国内国際を問わず法的に認められた共通語を公用語と言う。
主な歴史的「共通語」;
- アラム語
- 漢文
- マレー語
- サンスクリット語
- アラビア語
- スワヒリ語
- ギリシャ語
- 教会スラブ語
- ラテン語
- リンガフランカ
- サビル語
- ヘブライ語 (ユダヤ教徒の間で)
- イディッシュ語 (ユダヤ教徒の間で)
- ラディノ語(ジュデズモ) (ユダヤ教徒の間で)
- 英語