自走砲
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自走砲(じそうほう、Self-propelled artillery, Self-propelled gun)とは、大砲を自走可能な車体(装輪車・半装軌車・装軌車)に射撃可能な状態で搭載したものである。
装備する大砲の種類によって自走歩兵砲、自走榴弾砲、自走臼砲などと呼ばれる。また用途によって自走対戦車砲、自走対空砲などと呼ばれる。また、運用部隊によって書類上の分類から突撃砲や砲戦車などと呼ばれることもあった。
砲は戦線において重大な役割を担っており、砲による敵陣地への準備射撃の結果がその後の攻撃の成果を大きく左右した。それだけに、戦線の移動とそれに伴う砲の軽快・迅速な移動は重大な問題であった。車輪付きの大砲は馬や車輌で牽引することができるが、車載した場合に比べ牽引中の速度は制限され、また不整地での機動力が低下する。また牽引状態から射撃状態に移行するには時間がかかる物も多く、これではスピードが求められる近代の戦闘に差し支える。自走砲は、このような問題を解決するために生まれたものであり、小型トラックに砲を載せただけの物から、重量120tを超える怪物じみた巨大な物まで、多種多様な物が開発された。
戦車と自走砲を分ける境界線は曖昧である。機械的・構造的にほとんど同じ物であっても、国や時代が異なれば違う分類になることも珍しくない。戦車は本来、防御された陣地の突破を目的に開発され、自走砲は大砲に機動力を与えるため開発された物であるが、機能的には戦車も自走砲の一種と言えるからである。むしろ、それを運用する兵科や開発目的こそが分類の根拠(例えば第二次大戦のドイツ軍では、駆逐戦車は戦車兵、突撃砲は基本的に砲兵が運用)であるといえるが、これも変化しやすく明確な分類法とはいえない。なお、軍事に疎い一般人やマスコミの場合、自走砲という呼称が知られていないため、何でも「戦車」と呼ばれることが多い。
なお、日本語では戦車を「輌」と数えるのに対し、自走砲の数え方は「門」である。しかし、対戦車自走砲と突撃砲と駆逐戦車、対空自走砲と対空戦車のように、前述のように分類の線引きが曖昧であるため、どちらの数え方が正しいとも断定できない。
[編集] 第二次世界大戦時の自走砲
- アメリカ
- M7(プリースト)
- M8(スコット)
- M10
- M12(ロングトム)
- M18(ヘルキャット)
- M36(ジャクソン)
- M37
- イギリス
- ビショップ
- ディーカン
- アーチャー
- ウルヴァリン
- アキリーズ
- アベンジャー
- ドイツ
- イタリア
- セモベンテL40
- セモベンテM40
- セモベンテM41
- セモベンテM42
- セモベンテda149
- 日本
- 四式十五糎自走砲 ホロ
- 一式砲戦車 ホニI車
- 一式十糎自走砲 ホニII車
- 二式砲戦車 ホイ
- 三式砲戦車 ホニIII車
- 試製十糎半砲戦車 ホリI
- 試製十糎半砲戦車 ホリII
- 試製五式4.7cm自走砲 ホル
- 試製七糎半対戦車自走砲 ナト
- 試製十糎半対戦車自走砲 カト
- 試製十二糎自走砲 ホト
- 試製加農砲戦車 ホリ
- 短十二糎自走砲
- 試製五式十五糎自走砲 ホチ
- ソビエト
- SU-122(СУ-122)
- SU-45(СУ-45)
- SU-57(СУ-57)
- SU-76(СУ-76)
- SU-85(СУ-85)
- SU-100(СУ-100)
- SU-152(СУ-152)
- ISU-122(ИСУ-122)
- ISU-152(ИСУ-152)
- ZSU-37(ЗСУ-37)
- カナダ
- セクストン
- ベルギー
- T-13
- ハンガリー
- 43Mズリーニィ
- ルーマニア
- TACAM R-2
- TACAM T-60
[編集] 第二次世界大戦後の自走砲
- イギリス
- FV433 アボット
- AS90
- 日本
- ドイツ
- アメリカ
- フランス
- Mle.61
- Mle.F3
- GCT
- イタリア
- パルマリア
- ロシア(旧ソ連)
- スウェーデン
- バンドカノン
- 中国
- 83式
- 83式
- スロヴァキア
- ダナ
- ズザナ
- アルゼンチン
- VCA155
- 南アフリカ
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