美鳥の日々
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美鳥の日々 | |
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漫画 | |
作者 | 井上和郎 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
連載期間 | 2002年42号 - 2004年34号 |
巻数 | 全8巻 |
テレビアニメ | |
監督 | 小林常夫 |
アニメーション制作 | studioぴえろ |
製作 | 小学館、その他 |
放送局 | チバテレビ他 |
放送期間 | 2004年4月 - 6月 |
話数 | 全13話 |
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『美鳥の日々』(みどりのひび)は、井上和郎作の漫画作品及びこれを原作とするテレビアニメ番組の名称である。原作のモデルとなったのは、神奈川県藤沢市の近辺だという説がある。
目次 |
[編集] 概要
小学館の少年漫画雑誌「週刊少年サンデー」で2002年42号(9月25日発売)から2004年34号(7月21日発売)までの間、連載されたラブコメ漫画。単行本は週刊少年サンデーコミックから全8巻で出版されている。
また、本作品はCDドラマを経てアニメ化もされ、アニメ版は独立UHF放送局のチバテレビの他、tvk・テレ玉・KBS京都・テレビ愛知・サンテレビの計6局、及び、アニマックスでも放送された。
全13話で、チバテレビでは2004年4月4日~同年6月27日の23:30~24:00、アニマックスでは2004年5月9日~同年8月8日の期間放送された。
なお、アニメ連動企画でラジオ番組「美鳥のLOVEダイアリー」も、アニメ版の放映開始に先駆けて開始された(この番組の詳細については、「美鳥の日々 美鳥のLOVEダイアリー」の項を参照のこと)。
[編集] あらすじ
喧嘩に明け暮れる荒んだ日々を送る高校生の沢村正治は、その強さと凶暴さから「悪魔の右手」を持つ「狂犬」と仇名され、周りから恐れられていた。彼自身は彼女がいるバラ色の高校生活を送ることを夢見ているのだが、その悪評ゆえに女性は皆恐れをなして逃げてしまうため、まともに女性と話すこともできず悶々とした日々を送っていた。
そんなある日正治の右手が突然女の子に変わってしまう。その彼女は春日野美鳥という正治に片思いをしていた女の子であった。内気な彼女は正治と付き合いたいという思いを長い間遂げられないまま過ごしており、そんな自分から逃げるように魂だけ正治の右手に乗り移ってきたのである。
右手の美鳥は、正治への想いを隠すことなく表現するといった、本当の自分とは正反対の明るく積極的な女の子であった。また、この美鳥に最初こそ困惑していた正治も、彼女との生活に安らぎを感じるようになり、次第に彼女を必要不可欠な存在として捉えることになる。
その一方で、正治達は「右手が恋人」という状態で学園生活を送ることになり、そのため色々なトラブルを引き起こしたり巻き込まれたりしてしまう。また、正治は喧嘩早いものの男気のある性格であるため、他の女性達からも次第に好かれるようになっていくが、これも美鳥を含む彼女達と正治とのトラブルの元になっていく。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
[編集] 共通する登場人物
- 春日野 美鳥(かすがの みどり) (声優:中原麻衣)
- 沢村正治の右手となってしまう高校生の女の子。正治の右手にいる間、自分自身の体は昏睡状態になっている。自分自身の体にいた頃は、沢村正治に三年間片思いをしていたがそれを告白することが出来なかった内気な女の子であった。しかし、正治の右手となってからは素直に自分の想いを正治に表す元気で積極的な女の子となる。ただ、正治の恋人(妻)として空回り気味の頑張りを見せたり、他の女性への嫉妬を見せたりすることで、正治を振り回すことも多い。
- 沢村 正治(さわむら せいじ) (声優:谷山紀章 幼年期:斎藤千和)
- 「悪魔の右手」を持つ男、「狂犬サワムラ」と恐れられる高校生。ある日突然右手が春日野美鳥となってしまい、それから美鳥との共同生活を余儀なくされ彼女に振り回されてしまう。三白眼で喧嘩早くいかにも不良といった外見ながら、義侠心に厚く優しさも持ち合わせた人間で、美鳥以外の女性からも好意を寄せられている。しかし、女性経験の乏しさから、それに気がつかない朴念仁でもある。
- 綾瀬 貴子(あやせ たかこ) (声優:高木礼子)
- 沢村正治の同級生でクラスの(事実上の)委員長。当初は正治を嫌っていたが、不良に絡まれていたところを正治に助けられたことに加え、舎弟のオサムを助ける為に体を張るという正治の男気のある行動を目にしたことにより、彼に好意を抱くようになる。しかしながら自分の気持ちを素直に表現することが出来ず、正治につい高飛車に接してしまい後悔することを繰り返している。因みに多少妄想癖がある。
- 真行寺 耕太(しんぎょうじ こうた) (声優:釘宮理恵)
- 美鳥の幼馴染で同じ高校に通う男の子。謎の昏睡状態に陥った美鳥を助ける為、正治に対して色々と協力を求めていく。ただ、漫画版ではその過程で彼に惚れてしまったスケバングループに女装を強要された事が始まりではあったが、正治に対して特別な感情を抱くという怪しいキャラになり、果ては女装までしてしまうというお笑い要員の要素が強くなる。尚アニメ版では、美鳥の想いを成就することを助けるキーパーソンとして活躍することになる。
- 高見沢 修一(たかみざわ しゅういち)(声優:上田祐司)
- フィギュアやパペットが好きな典型的なオタク。特に劇中アニメの「うるとらまりん」関連のそれを好んでいる。美鳥に興味を持ち詮索した為、沢村正治にバックドロップを決められてしまい、一時期性格が変わるもののすぐに元に戻る。結局、彼は美鳥の正体を突き止め、その事実を糧に美鳥にコスプレをさせたり、美鳥パペットを作ったりしてしまう。
- 沢村 凛(さわむら りん)(声優:湯屋敦子 幼年期:高橋美佳子)
- 沢村正治の姉。元暴走族で今でも多くの舎弟を抱えている。ふらふらと外をほっつき歩き、たまに家に帰ってきては正治から生活費を巻き上げるというとんでもない姉であるが、実は弟思いである。正治以外で美鳥の正体を知った最初の人間で、その後は美鳥に正治の過去を教えてやったりと、よく接している。
- 月島 栞(つきしま しおり) (声優:田村ゆかり)
- 正治の家の近所に住む少女。多少ませていて、正治が彼氏であるかのように振舞っていた。それは、家で継母との問題を抱えていることの反動であったが、正治に諭されて継母と和解する。また、同級生の男の子から告白された時も正治に諭され、それを受け入れることとなる。
- 宮原 オサム(みやはら おさむ) (声優:野島裕史)
- 正治に心酔し舎弟となっている高校生。漫画版ではルーシィなどの女性に積極的にアタックするも無残に振られるという役回りで描かれることが多い。
- 春日野 遥(かすがの はるか) (声優:大原さやか)
- 美鳥の母親。昏睡状態となった美鳥を救う為に、最先端医療から呪術の類まで、様々な手段を試みる。最終的には、呪術師のアドバイスに従い、美鳥自身が自分の体に魂を戻すことを選ぶ日を待ち続けることになる。
- 執事 (声優:土屋利秀)
- 春日野家に仕える執事。氏名は不明。
- 塚本 牧絵(つかもと まきえ) (声優:大本眞基子)
- 春日野家に仕えるメイド。
- 岩崎 紅子(いわさき べにこ)(声優:桑谷夏子)
- 美鳥と同じく小倉橋高校に通う女子高生。美鳥に好きな人に気持ちを伝える事の大切さを教えた友人であり、彼女が元気になるのを待っている。ラクロス部所属。
- 後の連載作品「あいこら」にもチョイ役で登場。
- 滝口 由真(たきぐち ゆま)(声優:小林沙苗)
- 外見は「うるとらまりん」にそっくりな女子高生。このため高見沢が一目惚れをして、正治の協力を得てヤンキーに扮してナンパを試みることになる。しかし、彼女は実は春原高のスケ番であり、その本性を目のあたりにしたのが原因で高見沢は避けるようになってしまう。それでもお構いなしに高見沢を追いかけていた描写からも、余りにも二人の関係が上手く行き過ぎた事を懸念した正治の介入でボコボコにされていた高見沢の本質を見抜いた上で惚れていたと思われるフシが見られる。
[編集] 漫画のみの登場人物
- ルーシィ・ウィンラッド
- アメリカからやって来た留学生。来日早々トラブルに巻き込まれていたところを正治に助けられ、正治を現代ニッポンに残る数少ないサムライと勘違いし、好意を抱くことになる。非常に積極的で美鳥や貴子の心配をよそに正治に対する激しいアプローチを繰り返していく。
- 槙葉 奈緒(まきのは なお)
- 正治と同級生の天才少女。無口で何を考えているか分からないところがあるが、何故か右手の美鳥に好意を抱いている(正治に対しても微妙に?)。勉学運動何をやらせても完璧であり、正治も金の為に女装して出場した泥レス大会で対戦して全く手も足も出なかったほど(最終的には正治の正体に気付いてわざと棄権するのだが)。父の史郎に対しては美鳥を狙っている為か、かなり冷たい態度を取る事が多い。作品中で凛と最強キャラの座を争うと思われる。
- 槙葉 史郎(まきのは しろう)
- 奈緒の父親。いわゆるマッドサイエンティストで、右手の美鳥を実験材料にするべく様々な手段で捕獲を試みる。が、その度に奈緒に妨害されて失敗に終わり、お仕置きされてしまう。遂には奈緒を模したアンドロイドまで作り、その二体目は「ナオング」として正治と美鳥を追い詰めるが、奈緒の精神をコピーしていた事が災いして暴走し大破、またまた奈緒の怒りを買ってその修理を命じられる。
- 向坂 久(さきさか ひさし)
- 凛の恋人でトレジャーハンター。財宝を求めて世界を飛び回っている。
- 猫部 美紅(ねこべ みく)
- 耕太にのっぴきならぬ好意を抱くスケバングループリーダー(他に3人のメンバーがいる)。耕太の女装の師匠でもあり、耕太を女装させることにこの上ない喜びを感じている。ちなみに名前のとおり猫顔である。由真とは犬猿の仲である。
- 鎌木 梨奈(かまきりな)
- 桜田門高校の生徒会長で、その表裏を支配する存在。通称「カマキリ夫人」であるが、その名を呼ばれると怒る。正治にベタ惚れで、彼に対する妄想癖を全開させる事が多い。
- スズカ
- 梨奈の付き人で、木刀使い。梨奈に惚れており、最終的に結ばれる(?)。
- 鮫島 哲夫(さめじま てつお)・鮫島 葵(さめじま あおい)親子
- 外見的には哲夫がコワモテ親父、葵が女性と見まがうヤサ少年であるが、実は葵が父親(38)で、哲夫が息子(17)である。葵に惚れ込む門下生(葵が男とは知っているが、余りにも女性並みの風貌と体つき等の魔性の虜にされたらしい)の多さに哲夫の苛立ちは募る一方で、成り行きから正治により葵を鍛え直す事になる。
- 浅野 ゆきな(あさの- )
- 正治の小学生時代の初恋の相手。現在は同人誌制作に入れ込むオタク(腐女子)である。
[編集] その他
- 森山 みるく(もりやま- )
- 劇中の巨乳AV女優。代表作「みるくボンバイエ」、モデルは森下くるみ。
- ジゴロウ(声優:上田祐司)
- アニメ版のみ登場。正治の家付近に出没する丸々と太った野良猫。何かと酷い目に遭うことが多い。
[編集] 漫画
本作品は、上記のとおりラブコメ作品であり、正治が美鳥との暮らしの中で遭遇する出来事をコメディ調で描くというのが基本的な筋である。また、美鳥と正治の関係についても、コメディのためか遅々としたものではあるものの次第に深まっていくように描かれている。
また、本作品の特徴としては、通常のラブコメでは他のサブヒロイン達と主人公を巡って対立する役割を与えられるメインヒロインが、その役割を制限されているということがある。それは、メインヒロインの美鳥が正治の右手という他人には隠しとおすべき存在であるため、表立って貴子やルーシィとの主人公争奪戦に参加させることができないということである。このため、ラブコメであるにも関わらず三角関係等が発生せず、サブヒロインの貴子やルーシィらは専ら空回りの目立つドタバタ要員として描かれることとなった。
また本作品は、好評のせいか「右手が恋人」というダブルミーニングからなる特異なネタを元とした漫画としては長期の連載となっており、このためか単純に変なキャラクターを登場させてドタバタ劇を描くという場合も多い(つまりネタが枯渇しつつあると考えられる)。これは上記の特徴とともにこの漫画のドタバタコメディ色を強めている。
しかしながら、本作品も既に終盤に差し掛かると、サブヒロインを含む余剰要員の退場が始まり、美鳥と正治の関係をシリアスに描く傾向が強くなった。そこでは、各々の退場に際して美鳥が自分の現状を省みるという描写を含んでいる。ちなみに、貴子以外の女性キャラクターはそのまま退場し、貴子は正治に勇気を振り絞って告白したがふられるという形で退場することとなった。なお、この貴子の告白と、それを振り切って美鳥を選んだ正治の態度は、美鳥を強く刺激し、美鳥が自発的に自分の体に戻るきっかけとなる。また、最後の2回においては、正治、美鳥ともに自分の想いを相手に伝えるという展開となっており、正治が最後まで消極的であったアニメ版とは異なる展開であった。
[編集] アニメ
[編集] 特徴
- ※アニメ版の方が原作(漫画版)よりも先に終了している。
アニメ版は、UHFアニメにありがちな1クール(3ヶ月間)番組として製作されたため、短い枠に合わせて原作から適宜エピソードを拾って物語を構成するというコラージュのような作品となっていることが特徴である。ただし、拾った各々のエピソードは台詞回しに至るまでかなり忠実に再現されており、原作の色を反映させるという点ではかなり忠実なものとなっている。
また、それぞれの回は特定のキャラクターを中心にするべくエピソードがかき集められて構成されることが多くなっており、このためドタバタコメディ色が原作と比べて一層強くなっている。これもアニメ版の特徴である。
しかしながら、このような特徴を持ちつつも、アニメ版は本作品をラブコメとして描ききることに成功した。これはアニメ版のオリジナルエピソード「右手noセイジ」によるところが大きい。これは原作が描くことを避けていた美鳥が「究極的には自分から逃げているという」現状に対して疑念を持つことを描いたことで、その後の展開、つまり美鳥が自発的に魂を自分の体に戻し、本当の自分として勇気を出して正治に告白をするという展開につなげていったためである。これがアニメ版の最大の特徴であると言っても過言ではない。
また、原作がドタバタ要員として扱っていた貴子にも正治に告白をさせる舞台を与え、同時にそれによって正治の美鳥に対する想いを正治と貴子の両者に認識させるという展開を加えたことにより、サブヒロインたる貴子というキャラクターも活かすことに成功しており、これも上記の成功に資することとなったと考えられる。
ただ、1クールと言う短期構成が為に、原作で登場したキャラがアニメで未登場に終わった者が少なくなく、ファンの中には2クール構成でなかった事を惜しむ意見もある。
この他、アニメ版の特徴として湘南モノレールが毎回登場した。これは小林常夫監督が神奈川県鎌倉市の生まれであり、小林の強い要望からである。そのため、一部の鉄道ファンにも好評を得た。
[編集] サブタイトル
- 右手no恋人
- 二人no想い
- 発見no日々
- 秘密no発覚!?
- アイnoチカラ
- 栞noラブラブ大作戦!
- はじめてnoデート
- 右手noセイジ
- タッキーno日々
- ココロno距離
- 運命no出会い
- 突然no別れ
- 二人no日々
[編集] スタッフ
- 原作:井上和郎(小学館「少年サンデーコミックス」刊)
- エグゼクテイブプロデューサー:亀井修(小学館) 川城和実(バンダイビジュアル) 藤原正道(東宝) 布川郁司(ぴえろ)
- 企画プロデューサー:植田文郎(小学館) 上埜芳被(バンダイビジュアル) 斎春雄(東宝) 本間道幸(ぴえろ)
- 原案協力:都築伸一郎 三上信一 畭俊之(小学館「週刊少年サンデー」編集部)
- 脚本:池田眞美子 佐藤卓哉 阪口和久 須間雅人 川端信也
- キャラクターデザイン:楠本祐子
- サブデザイン:もりやまゆうじ 佐光幸恵 宇佐美皓一 三好和也 杉藤さゆり 井上敦子
- メインアニメーター:松坂定俊
- 美術監督:東潤一(スタジオイースター)
- 色彩設計:佐藤祐子
- 撮影監督:松本敦穂
- 編集:森田清次
- 音楽:平野義久
- 音響監督:菊田浩巳
- 音響効果:森川永子(サウンドガーデン)
- 録音制作:楽音舎
- 音楽プロデューサー:伊藤善之 櫻井優香
- 音楽制作:ランティス
- アニメーションプロデューサー:松井将司
- プロデューサー:山崎敏文(小学館) 河野聡(バンダイビジュアル) 村田祐一(東宝) 押切万耀(ぴえろ)
- 監督:小林常夫
- 製作:小学館 バンダイビジュアル 東宝 ぴえろ
- 著作:(C)井上和郎/小学館・バンダイビジュアル・東宝・ぴえろ
[編集] 主題歌
- センチメンタル (オープニングテーマ)
- 歌:CooRie
- 作詞・作曲:rino
- 編曲:鈴木雅也
- もう少し…もう少し… (エンディングテーマ)
- 歌・作詞・作曲・編曲:アツミサオリ
- 小さな手紙 (7話挿入歌)
- 歌:CooRie
- 作詞・作曲:rino
- 編曲:大久保薫
- 一雫 (8話挿入歌)
- 歌:CooRie
- 作詞・作曲:rino
- 編曲:大久保薫
[編集] CDドラマ
- 『CDドラマ 美鳥の日々「はじめまして」』(2004年1月21日、ランティス LACA-5243)
[編集] 外部リンク
チバテレビ 日曜23:30~24:00枠 | ||
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