米韓相互防衛条約
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米韓相互防衛条約(べいかんそうごぼうえいじょうやく)は、アメリカ合衆国と大韓民国の間で結ばれた軍事同盟に関する条約。1953年8月調印。
アメリカとソビエト連邦を中心とした冷戦は、1950年に朝鮮半島を舞台とした朝鮮戦争となってついに火を噴いたが、1953年7月に国際連合と朝鮮民主主義人民共和国・中華人民共和国の間で一応の休戦となった。しかし南北朝鮮は和解したわけではなく、戦争再発の危険性は十分に考えられた。アメリカと韓国の間には1950年1月に締結した米韓軍事協定があったが、韓国の北進を防ぐ目的から、韓国軍には不十分な兵力しか与えられず、北朝鮮の南進には全く無力であった。この反省から、新たに結ばれた条約は、米韓間の集団防衛同盟であると共に、韓国軍の兵力増強を目的とした。また韓国内での米軍の駐留を認めるほか、韓国軍は米韓連合軍司令部の指揮下となった(韓国特殊部隊と首都防衛司令部隷下の部隊は指揮下に無い)。米韓連合軍の指揮権は、冷戦終結後1993年12月に、平時に限って韓国軍に移された。
韓国はこの条約を根拠として、ベトナム戦争へも積極的に参加し、イラク戦争の復興支援も行っている。また、米韓合同軍事演習「チームスピリット」をほぼ毎年行ってきたが、冷戦終結と南北朝鮮の緊張緩和によって、行われない年も増えてきている。
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