筆坂秀世
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筆坂 秀世（ふでさか ひでよ、昭和23年（1948年）2月28日 ‐ ）は、平成期における日本の政治家。
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[編集] 概要
兵庫県出身。兵庫県立伊丹高等学校卒業。
[編集] 経歴
[編集] 共産党入党まで
兵庫県川辺郡六瀬村（現・猪名川町）柏原の農家に、5人兄弟の末子として生まれる。高校卒業後、三和銀行勤務。その傍ら日本民主青年同盟の活動を経て、日本共産党に入党。筆坂自身と同じ銀行員という経歴を持つ作家の小林多喜二を尊敬していたことも、日本共産党の活動に尽力していく要因となった。
[編集] 国政への参加
25歳で銀行を退職し[1]、日本共産党国会議員秘書となる。旧中選挙区東京一区候補、政策宣伝委員会責任者を経て、1995年（平成7）に参議院議員（比例代表区）初当選。政策委員長となり、書記局長市田忠義の病気により書記局長代行を兼務。「共産党のナンバー4」と目されることもあった。
[編集] セクハラ事件と離党
2期目の任期途中だった2003年（平成15）6月、いわゆる「筆坂セクハラ事件」で参議院議員辞職、中央委員罷免、常任幹部会委員・幹部会委員解任。その経緯について「被害者のプライバシー保護」を理由に、日本共産党は具体的な説明をせず、筆坂本人に対しても弁明の機会を与えなかった。そのため、さまざまな臆測を呼ぶこととなる。後に筆坂本人の告白という形で、『週刊新潮』に事件の経緯が掲載され、酒宴の席で女性職員の腰に手を回したり、チークダンスを踊ろうと頬を擦り付けたと発表された。
また、党内処分として、一旦は「警告」にとどめることが決まっていたが、党中央委員会総会で問題にするとの匿名ファクスに慌てた上級幹部らが覆し、議員辞職、役職解任に至った経緯も述べられている。その後、兵庫県委員会勤務員に左遷された後、中央委員会政策委員会に勤務員として復帰。機関誌『前衛』に反省文とともに経済に関する論文を掲載、一勤務員として理論面で活動していくものと見られていたが、2005年（平成17）7月に日本共産党を離党。その後、『日本共産党』という本を執筆した。
ちなみに、議員辞職後は与党側から、日本共産党に対する批判の声がほとんどあがらなかった。その背景には、ほぼ同じ頃に自民党では幹事長山崎拓の女性スキャンダル疑惑がくすぶり続け、太田誠一のスーパーフリー擁護発言（「レイプは元気があって良い」）があった。わずかに、内閣官房副長官上野公成が「事実をもっと明らかにするべきだ」と述べている。
[編集] 現在
新潮新書の一冊として、セクハラ事件や党内事情について、自身の見解を論述した『日本共産党』を出版。党名・路線・政策の変更、民主党への譲歩などが訴えられている。共産党の元最高幹部が離党後に、党の内状を公表するのは袴田里見以来で、近年では異例のこともあり、話題となった。
日本共産党側は、『しんぶん赤旗』紙上に不破哲三前議長（常任幹部会委員）や党幹部名の反論文[2]を掲載し、同書に激しく反論し、筆坂を出演させコメントを求めたテレビ番組に対しても抗議[3]を申し入れた。
『日本共産党』では同党に対し、なお未練の残っているような記述が目立つが、2006（平成18）年6月には、保守系オピニオン誌『正論』に寄稿し日本共産党の体質を批判、財界団体からも講師として呼ばれるなど、共産党批判の論客として活動の範囲を広げている。
[編集] 著書
- 『日本共産党』（新潮新書/新潮社 2006年）ISBN 4106101645
- 筆坂秀世・佐藤優「（特別対談）度し難きかな、共産党と外務省：その共通性を斬る(上)」『月刊正論』7月号（通号412）、産經新聞社、54～69ページ、2006年。
- 筆坂秀世・有田芳生「2人の料理人を抱える不破議長の生活、会議で口を閉ざす志位委員長… 赤い共産党の黒い内幕(上) 」『週刊朝日』111(22) (通号 4748)、朝日新聞社、22～25ページ、2006年。
- 筆坂秀世・有田芳生「赤い共産党の黒い内幕(下)北朝鮮拉致問題で犯した「罪」」『週刊朝日』111(23) （通号 4749）、朝日新聞社、129～131ページ、2006年。
- 筆坂秀世「特別手記 日本共産党への「弔辞」」『週刊新潮』50（37）（通号2515）、新潮社、44～48ページ、2005年。
共産党離党前の著作
- 『前衛2004年12月号 No.785』（日本共産党 雑誌）内「財界は日本をどう変えようとしているのか―財界戦略の背景とねらいをさぐる」
- 『前衛2005年2月号 No.787』（日本共産党 雑誌）内「国財界の根深い対米従属と憲法改悪路線の淵源をえぐる」
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
日本共産党関係者の発言
論評・解説
