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桃花台新交通桃花台線 - Wikipedia

桃花台新交通桃花台線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

桃花台線(とうかだいせん)は、愛知県小牧市のほぼ中央部にある小牧駅から同市東部にある桃花台ニュータウン桃花台東駅までを結んでいた、桃花台新交通2006年11月17日解散)が運営していた新交通システム路線である。愛称は、一般公募から選出された「ピーチライナー」。1991年3月25日に開業し、2006年10月1日廃止された。


桃花台新交通100系電車
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桃花台新交通100系電車
桃花台東駅のループ線を行く100系電車。営業運転用の運転台が編成の片側にしかないため、折り返しはループ線を使って行なわれた。
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桃花台東駅のループ線を行く100系電車。営業運転用の運転台が編成の片側にしかないため、折り返しはループ線を使って行なわれた。
桃花台東駅に停車中の100系電車車内。片側のみの扉、2-1配列のクロスシートなどが印象的
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桃花台東駅に停車中の100系電車車内。片側のみの扉、2-1配列のクロスシートなどが印象的

目次

[編集] 路線データ

  • 路線距離(営業キロ):7.4km
  • 案内軌条:中央案内式
  • 駅数:7駅
  • 複線区間:全線
  • 電気方式:直流750V
  • 閉塞方式:車内信号式

[編集] 概要

小牧市のほぼ中央にある市街地と、同市東部に広がる桃花台ニュータウンを結ぶ交通。1991年より2006年まで営業。小牧駅~小牧原駅間は、名鉄小牧線の同区間と並行し、小牧原駅北側で同線を西から東へまたぎ、その後国道155号線上に設けられた高架軌道により桃花台ニュータウンへ。その後は県道明治村小牧線をたどり、篠岡信号の直前で方向を変えて同地を半周し、中央自動車道桃花台バスストップ直前でまたぎ、桃花台東駅へ。

小牧駅と桃花台センター駅の2駅のみに駅員が配置され、残りの5駅は無人駅。有人駅にのみ、エスカレータートイレが設置されている。桃花台センター駅のみが地下にホームがあり、残りの6駅は高架駅。全ての駅にホームドアが設置されている。起終点駅である小牧駅と桃花台東駅にあるループ線を回って折り返すしくみのため、営業運転中の車両は同一方向のみに進む。全駅とも乗降口が進行方向右側となるため、車両の乗降扉はこの側のみに設けられる。しかし、車両基地から桃花台東駅への移動には、営業運転では最後部である車両が先頭となる(その為、普段はカバーで覆われているが、最後部の車両にも簡易運転台がある。)。千葉県佐倉市にある山万ユーカリが丘線と同じく中央案内軌条式を採用している。

桃花台東駅が終着駅となっているが、計画では、JR東海高蔵寺駅まで延伸する予定だった(一部区間は用地確保がされている)。しかし多額の負債を抱えている現状と延伸には多額の費用(県の試算では約1000億円)がかかることから、計画は凍結されてしまった。

[編集] 運行形態(廃止前)

すべて小牧~桃花台東間の運転で、昼間以降はおおむね20分間隔であった。ワンマン運転を実施。

[編集] SFカード

桃花台線の改札口。一台だけトランパスカード対応の自動改札が導入されており、それ以外は非対応であった。(桃花台東駅)
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桃花台線の改札口。一台だけトランパスカード対応の自動改札が導入されており、それ以外は非対応であった。(桃花台東駅)

SFカードとして、全線でトランパスが利用可能であった。ただし、コストを抑えて導入したため、他のトランパス加盟各社局とは異なる点がいくつかある。

  1. 自社の券売機は一切非対応 …カードの購入、積み増しなどおろか、カードを利用しての切符購入なども一切出来ず、これらの利用は駅員のいる小牧駅、桃花台センター駅に限られる。この結果小児用にも対応していない。
  2. 利用改札機が限定 …トランパス対応の改札機は各駅一台のみで、それ以外は利用できない。
  3. 乗り継ぎ割引不可 …他路線やバスとの乗り継ぎ割引などにも一切対応していない。


[編集] 歴史

  • 1971年(昭和46年)3月15日 - 愛知県は「中京圏陸上交通整備調査会議」を設置。中京圏鉄道網計画を審議し、その中で、「小牧~高蔵寺間を結ぶ中量ガイドウェイシステムによる公共輸送路線」が検討される。
  • 1971年(昭和46年)5月 - 桃花台ニュータウン都市計画が策定。計画人口は、5万4000人。
  • 1972年(昭和47年)4月27日 - 桃花台ニュータウン都市計画事業の認可が下りる。
  • 1974年(昭和49年)3月 - 愛知県地方計画推進プロジェクト会議で、新交通システムを導入する事が検討される。
  • 1974年(昭和49年)4月1日 - 愛知県庁企画部交通対策室に、桃花台線を担当する部署が設置される。
  • 1974年(昭和49年)8月 - 愛知県は「桃花台線(仮称)建設計画会議」を設置。
  • 1976年(昭和51年)3月25日 - 桃花台線(仮称)建設計画会議で、桃花台線の基本計画が決定。1975年度に事業着手、1982年度に完成予定。初めに「小牧駅~桃花台間」、次に「桃花台~高蔵寺駅間」と言う2段階での建設計画。総建設費245億円。1日辺りの利用者予想は4万3000人で、ピーク時には1時間に7000人を想定。開業初年度は、1日1万人を想定。
  • 1976年(昭和51年)4月 - 愛知県企画部交通対策室に、桃花台線担当課設置。
  • 1978年(昭和53年)8月 - 愛知県は「桃花台線技術調査会」設置。基本仕様の検討を行なう。
  • 1978年(昭和53年)12月6日 - 桃花台新交通の第1回発起人会開催。
  • 1978年(昭和53年)12月26日 - ニュータウンの計画人口が、4万7000人に下方修正。桃花台線の1日の利用者予想、最大2万3000人に下方修正。
  • 1979年(昭和54年)1月 - 基本仕様決定。
  • 1979年(昭和54年)6月 - 軌道事業特許申請。
  • 1979年(昭和54年)10月 - ニュータウンの宅地分譲開始。
  • 1979年(昭和54年)12月3日 - 愛知県と小牧市と名鉄などが出資して、桃花台新交通株式会社設立。
  • 1980年(昭和55年)4月 - 愛知県土木部道路建設課に、桃花台線担当課設置。
  • 1980年(昭和55年)4月26日 - 小牧~桃花台間の軌道事業の特許取得。
  • 1980年(昭和55年)7月 - 桃花台線都市計画が決定。桃花台ニュータウンの都市計画が変更(車両基地などの追加)。
  • 1980年(昭和55年)8月 - ニュータウンの入居開始。桃花台線の代行バス運行開始(小牧駅-桃花台ニュータウン間)。
  • 1981年(昭和56年) - 桃花台西駅前に、商業施設「エステ」開業。
  • 1981年(昭和56年)2月 - 東田中~小牧間の第一次分割工事施行認可を申請。
  • 1981年(昭和56年)4月 - 東田中~小牧間の第一次分割工事と東田中~桃花台東間の第二次分割工事の、施工認可申請期限伸張許可を申請。
  • 1981年(昭和56年)5月 - 東田中~小牧間の第一次分割工事と東田中~桃花台東間の第二次分割工事の、施工認可申請期限伸張許可取得。
  • 1981年(昭和56年)11月13日 - 東田中~小牧間の第一次分割工事と東田中~桃花台東間の第二次分割工事の施工認可申請。
  • 1981年(昭和56年)12月 - 高架軌道着工。
  • 1982年(昭和57年)1月29日 - 着工祝賀式開催
  • 1982年(昭和57年)4月 - 桃花台線都市計画変更。駅や車両基地の区域変更。
  • 1982年(昭和57年)10月 - 小牧~東田中間の第一次分割工事施行認可取得。
  • 1983年(昭和58年)10月 - 桃花台ニュータウンの都市計画変更。計画人口が、約4万人に下方修正。桃花台線の1日の利用者予想、約2万人に下方修正。車両基地の区域変更。
  • 1983年(昭和58年)10月 - 代行バスが岩倉駅まで延伸。
  • 1984年(昭和59年)4月 - 桃花台ニュータウンの都市計画事業変更認可取得。
  • 1984年(昭和59年)10月 - 愛知県は「桃花台線デザイン検討会義」設置。
  • 1985年(昭和60年)1月 - 代行バス増便。小牧市が、代行バスの回数券および定期券に対する補助を開始。
  • 1985年(昭和60年)2月 - インフラ外部工事着手
  • 1986年(昭和61年)1月 - 竣工期限の延長を申請(1986年3月31日→1991年3月31日)。
  • 1986年(昭和61年)3月 - 竣工期限延長申請認可取得。
  • 1987年(昭和62年)5月 - 線路および工事方法書記載事項変更の認可申請(システムの有人化など)。
  • 1988年(昭和63年)3月 - 線路および工事方法書記載事項変更の認可取得。
  • 1989年(平成元年)8月 - 車両デザインと愛称公募。
  • 1991年(平成3年)1月 - 運賃認可申請。
  • 1991年(平成3年)2月 - 運賃認可取得。
  • 1991年(平成3年)3月24日 - 代行バスの営業終了。
  • 1991年(平成3年)3月25日 - 桃花台線(小牧~桃花台東間)開業。総事業費313億円。運賃は初乗り180円、小牧駅~桃花台東間が300円。ダイヤは1時間当たり、ラッシュ時5本、昼間4本、早朝・深夜3本。1日片道70本、休日は64本。 名鉄小牧ホテルで、開業式典開催。
  • 1991年(平成3年)4月12日 - 桃花台センター駅前に、商業施設「ピアーレアピタ桃花台店)」開業。
  • 1992年(平成4年)6月1日 - 第2期路線(桃花台~高蔵寺駅間)の代替路線として、名鉄バスが桃花台センター~高蔵寺駅間の路線バスの運行開始。
  • 1995年(平成7年)9月 - 小牧駅前に、商業施設「ラピオ」開業。
  • 1997年(平成9年)4月1日 - 運賃値上げ(小牧~桃花台東間:300円→350円)。
  • 1999年(平成11年) - 愛知県は「桃花台新交通株式会社経営改善委員会」を設置。桃花台線の再建策を検討する。
  • 1999年(平成11年)3月 - ニュータウン開発事業終了。
  • 1999年(平成11年)4月1日 - ダイヤ改正。土休日ダイヤ実施。1日片道64本を53本に削減。
  • 2000年(平成12年)4月 - 桃花台新交通が「経営改善計画」を策定。愛知県と小牧市が、約10億5000万円の追加融資を決定。
  • 2000年(平成12年)4月1日 - ダイヤ改正。毎時3本に減便。
  • 2001年(平成13年)3月25日 - 開業10周年の記念式典開催
  • 2001年(平成13年)5月 - 小牧市で「公共交通利用促進協議会」が発足。桃花台線の利用促進や啓蒙活動などを開始。
  • 2002年(平成14年)7月31日 - 国土交通省中部運輸局を中心に、「尾張北部地域を中心とした公共交通サービス向上対策プログラム検討会」が発足。上飯田連絡線開業後の名鉄小牧線と桃花台線の利用促進などを図る。
  • 2003年(平成15年)2月27日 - 「尾張北部地域を中心とした公共交通サービス向上対策プログラム検討会」が、「尾張北部地域を中心とした公共交通サービス向上対策プログラム」を策定。
  • 2003年(平成15年)3月27日 - 上飯田連絡線開業。運賃値下げ(小牧~桃花台東間:350円→250円)。共通乗車カードトランパス」の導入。
  • 2004年(平成16年) - 桃花台新交通は経営改善策の結果、総額8億5600万円の経費削減を実現。
  • 2004年(平成16年)7月22日 - 愛知県が桃花台線の存廃を含めた検討を行なうため、有識者による「桃花台線のあり方検討会」を立ち上げる。
  • 2004年(平成16年)7月26日 - 第1回桃花台線のあり方検討会開催。
  • 2004年(平成16年)11月2日 - 第2回桃花台線のあり方検討会開催。
  • 2005年(平成17年) - 桃花台西駅前にある商業施設「エステ」が閉店。
  • 2005年(平成17年)3月15日 - 第3回桃花台線のあり方検討会開催。「運行の仕組みをIMTSに変更して、存続の可能性を探る」旨の提言がまとめられる。
  • 2005年(平成17年)3月30日 - 桃花台線のあり方検討会が、答申を愛知県に提出。
  • 2005年(平成17年)11月 - 愛知県は「IMTSを導入しても存続は困難」との検討結果を公表。大学教授が、新聞で建設段階での需要予測に問題があった事を発表。
  • 2005年(平成17年)12月 - 一部報道機関が「愛知県が廃止の方針を決定した」と報道。
  • 2006年(平成18年)1月14日 - ニュータウン内(東部市民センター)で、住民説明会開催。ニュータウンの整備費用が桃花台線の建設費用に流用されていた事が明るみに出る。
  • 2006年(平成18年)1月15日 - 小牧市中央部(中部公民館)で、住民説明会開催。
  • 2006年(平成18年)2月 - 小牧市議会と篠岡区長会は、愛知県に対し結論延期を要請。小牧市議会は、愛知県に対し結論延期を求める意見書提出。
  • 2006年(平成18年)2月25日 - ニュータウン内(東部市民センター)で、住民との意見交換会開催。
  • 2006年(平成18年)3月28日 - 愛知県と小牧市が、「存続の為の支援を断念する」旨を発表。廃止が決定する。
  • 2006年(平成18年)4月28日 - 桃花台新交通の株主総会で廃止が決議。
  • 2006年(平成18年)6月7日 - 軌道運輸事業廃止許可申請を国土交通省中部運輸局に提出。
  • 2006年(平成18年)9月5日 - 国土交通省中部運輸局が廃止を許可。
  • 2006年(平成18年)9月19日 - 代替バス(ピーチバス)運行開始。
  • 2006年(平成18年)9月30日 - 最終営業日。桃花台東駅で式典。最終営業日限定の1日乗車券が発売。ヘッドマークを付けた特別列車が運行。この日一日だけで、約2万人が乗車。
  • 2006年(平成18年)10月1日 - 全線廃止。
  • 2006年(平成18年)11月17日 - 桃花台新交通解散。

[編集] 駅一覧

駅名 営業キロ 接続路線 所在地
小牧駅 0.0 名古屋鉄道:小牧線 小牧市 中央1丁目
小牧原駅 1.28 名古屋鉄道:小牧線 大字小牧原新田
東田中駅 2.15   大字東田中
上末駅 3.73   大字上末
桃花台西駅 5.47   古雅4丁目
桃花台センター駅 6.49   古雅1丁目
桃花台東駅 7.43   城山3丁目

[編集] 諸問題

[編集] 存廃問題

[編集] 累積赤字の原因

開業以来予測を大幅に下回る利用者数のため、多額の累積赤字を抱える結果となり、開業15年目(2006年)にして廃止が決定する。累積赤字の原因としては、下記の理由が挙げられている。

  • 接続路線の名鉄小牧線が、名古屋方面へと向かう場合に不便であったこと。具体的には、名古屋市営地下鉄に乗り換えるために、終着駅の上飯田駅から名古屋市営地下鉄の平安通駅まで、バスまたは徒歩で移動しなければならなかった。この問題は、桃花台線開業から13年目の2003年名古屋市営地下鉄上飯田線が開通したことで、改善される。
  • 建設前に行なわれた需要予測(利用者数の予測の試算)で、JR中央線などの競合路線をまったく考慮していなかった※ 。
  • 計画段階における桃花台ニュータウンの予想人口と、実際に移住した人数に差があったこと。計画では5万人だったのに対し、2005年時点で約2万7千人。最終的には約3万人に留まる試算が出されている。ただし5万人の段階では、利用者の数は1日約3万人(延べ人数)と試算されている。これは、「桃花台ニュータウンの住民のうち、約30%の人が利用する」計算となる。これに対し現在(2005年度)の1日の利用者数の割合は、約6%。割合から見ても、5分の1程度である。
  • 桃花台線開通以前も以後も、桃花台ニュータウン住民の実態として、桃花台線を利用するよりも、バスまたは自家用車で春日井駅まで行きJR中央線で名古屋方面へ向かう人の方が、圧倒的に多い。国土交通省の調査によると、1日辺り約1万3千人(延べ人数)が中央線を利用している。その為、住民が小牧市にJR春日井駅行きのバスを嘆願したが、桃花台線を理由に認可されず。結果JR春日井駅行きのバスは、住民自からの手によって、会員制バスとして運行が始められる。その会員制のバスは、現在はあおい交通(株)に委託され、路線バスとして運行されている。
  • 近年桃花台ニュータウンの住民の動向として、小牧市内に通勤・通学する人が増えている。
  • 中央道経由の栄・名古屋方面直通高速バスが開設されるなど、競合路線が増えたこと。
  • 沿線に、施設やショッピングセンターなどがほとんどない(沿線に大学や施設があるにはあるが、駅からかなり離れている事や車など他の交通機関を利用した方が利便性が高い為、それらの施設へ行き来する目的では、ほとんど利用されていない)。
  • 小牧市内のみで完結する路線であるため、沿線地域以外に住む人による利用が、極めて少ない。
  • 一般的な電車とは異なるシステムを採用しているため、車両本体や設備の部品を大量生産することができない。結果、それらの製造コストが下がることはなく、一般的な電車よりも維持費用が高い。
※この問題に関しては、下記に詳しい記載あり(→#建設前の需要予測の問題)。

[編集] 経営改善策

2000年4月に、桃花台新交通は経営改善計画(経費削減・リストラなど)を策定する。その後愛知県と小牧市は約10億5000万円の追加融資を行なった。そして上飯田連絡線の開通(2003年)と前後して、行政とともに様々な方策が行なわれた。具体的には、下記の通り。

  • 運賃の値下げ(桃花台東駅-小牧駅間を、「350円」から「250円」に)
  • 名鉄小牧線と同時に共通カードシステム「トランパス」を導入する。
  • 沿線の市役所職員に、通勤時の利用を義務付ける。
  • 桃花台ニュータウンを巡回する、こまき巡回バスの路線を設ける。
  • こまき巡回バスとの接続改善や料金の割引を行なう。具体的には、桃花台線を利用した人には、こまき巡回バスを無料で乗れるようにする。またこまき巡回バスを利用している人には、桃花台線の運賃を割り引く。
  • 無料レンタサイクリング(自転車の貸し出し)の実施
  • 小牧駅近くにあるイトーヨーカドー小牧店での「買い物の割り引き」
  • 桃花台ニュータウンや小牧駅周辺で行なわれる「祭」や「イベント」で、利用者にプレゼントを渡す。
  • 路線利用の啓発活動(写真・絵画コンクールなど)
  • 沿線企業への営業。具体的には、企業向け一括割引定期券などの販売。
  • 様々な割引キップを発売する。具体的には、年末年始特別割引切符とファミリーとくとく往復きっぷ、キッズきっぷ。
  • 学生向けの学期定期券の販売。

これらの経営改善計画によって総額8億5600万円の経費削減を実現する。利用者数も1日辺り1000人近く(延べ人数)増えることとなった。しかし運賃の値下げが原因で、運賃収入はごくわずかしか増えなかった。そのため赤字は増える一方であった。

※参照資料:桃花台線への新システム導入に関する検討状況 - 2006年1月に開かれた住民説明会で配布された資料。

[編集] 廃止が決定するまでの流れ

2004年7月、愛知県は、有識者による「桃花台線のあり方検討会」を組織する。この会では、存廃を含めた議論が行なわれた。2005年3月、同会は提言をまとめ、愛知県に提出する。その内容は、「存続のために愛・地球博愛・地球博線で採用された磁気誘導式無軌条交通システム(IMTS)へと運行システムを切り替えること(システムを切り替えることで運行を無人化し、人件費の削減を図ること)」だった。しかしこの案は、同会が出した試算よりも実際にはさらに費用が嵩むこと、更にシステムの開発元であるトヨタ自動車での開発が遅れていることなどから、事実上頓挫してしまった。

同年12月、愛知県が「桃花台線の営業を停止し、事実上廃止する方針を固めた」と一部報道機関で報じられる。また代替交通機関としては路線バスの運行を想定しており、「2社に運営の打診が行なわれている」とも報じられた。

一方新たな問題として、2006年1月に行なわれた住民説明会で、桃花台ニュータウンの整備費用の一部(115億円)が桃花台線の建設費用に流用されていたことが明らかになった。結果的に、桃花台ニュータウンにある分譲住宅の価格や賃貸アパートの家賃には、桃花台線の建設費用が上乗せされていたことになる※ 。

また、この会で愛知県側から出された存続のための提案は、次のようなものだった。

  • 現行運賃を2.5倍にする。かつ、年間約2億5千万円の税金投入。
  • 桃花台ニュータウンに住む全世帯に対して、年間数万円の負担を求める。

そして、次のような試算も示された。

  • 2006年9月には、運営資金が底をつく状態である。
  • 利用者が今後増えることは期待できず、逆に減る恐れがある。
  • 車両などの老朽化に伴う設備投資や、橋脚・走行路面などの改修費用(おそらく現行のシステムをそのまま更新した場合)として、約70億円が必要。
  • 耐震補強費用として、約28億円が必要。
  • 廃止した場合駅や高架橋などの施設を撤去するのに、約100億円必要。またその工期は、1年半から2年かかる。

この住民説明会(約300人が出席)と2月に行なわれた沿線住民との意見交換会(約200人が出席)では、出席した人達の多くは廃止に反対する人達であった為、廃止に反対する意見が多数出た(その一方で、「廃止は止むなし」と言った意見もあった。)。反対意見が多数出た事で、小牧市議会議員と地元地区長は、愛知県に対し廃止の結論を延期するよう求めた。その後小牧市長も、愛知県知事に廃止の結論延期を求めた。 しかし廃止に反対する人達がいた一方で、検討会が立ち上げられ廃止を含めた議論がなされ、一部報道機関によって「廃止決定」と報じられても、沿線住民の手による存続運動や利用促進活動は、まったく行なわれる事はなかった。 さらに新聞記事の報道では、「廃止に関する問い合わせや励ましの電話も、一本もなかった」(桃花台新交通常務談)とも報じられている。

同年3月28日、愛知県と小牧市は、存続の為の支援を断念する旨を発表。また同年9月をもって廃止することを、正式に発表した(廃止は、10月1日。最終営業日は、9月30日)。

※この問題については、下記にに詳しい記載あり(→#桃花台ニュータウン整備費用の流用問題)。

[編集] 廃止決定後

2006年4月28日、桃花台新交通株式会社の株主総会が開かれ、廃止が決議される。この会議で、廃止が正式に決定される。同年6月7日、愛知県は国土交通大臣への廃止許可申請を行い、同年9月5日にその許可が降りる。

桃花台線の累積赤字は、2005年度分までで、65億円以上である。そして愛知県は、桃花台線の建設に当たって国から得た補助金約89億円のうち減価償却分を除いた約38億円の返還を、国土交通省から求められている※1 。

また愛知県と小牧市は、株主の企業17社に対し、約13億円の債権放棄を求めている。

代替交通機関としては、桃花台ニュータウンと小牧駅を結ぶバス(ピーチバス)が、廃止前の同年9月19日から、運行を開始している(運行会社は、小牧市に本社のあるあおい交通)。

また同年10月には、名鉄バスが桃花台線廃止に合わせて、ニュータウンとJR春日井駅を結ぶ路線バスを新設し、既存の名古屋市内行きの高速バス(名古屋・桃花台線)を増便している※2 。そのため「ニュータウン住民の一部には、『(桃花台線が)廃止になって、むしろ便利になった』と言う人もいる」とも報じられている。

※1.この問題に関しては、下記にも記載あり(→#補助金返還
※2.参考資料1:小牧市役所桃花台線の廃止に伴なう路線バスの運行
※2.参考資料2:小牧市役所>バスルート図(PDF)

[編集] 建設前の需要予測の問題

2005年11月、名古屋大学大学院の森川高行教授の調査によって、桃花台線の建設計画段階での需要予測が、JRなどの競合路線をまったく想定していなかったことが明らかとなった。調査によると、愛知県が行なった需要予測では1979年は最大1日3万人、桃花台ニュータウンの人口予測が下方修正された1983年は最大1日約2万人とされていた。そのいずれの場合も、沿線住民の名古屋方面への移動に用いられる公共交通機関は、桃花台線以外の利用が想定されていなかった。

一方実際の利用者数は、1991年の開業年度が1日3281人。計画段階の1日9300人を大きく下回った(この時の計画人口は、14800人。実際は、前年に15000人を突破している。)。さらに翌年には、1日3000人台を大幅に割り込み、どんどん利用者数は減っていった。計画段階では桃花台ニュータウンの事業終了予定だった1998年度は、1日2547人。桃花台ニュータウンへの移住人口が当初の計画を大きく下回った(計画:4万人→実際:2万5千人)ものの、計画段階の1日2万人を大きく下回るものとなった。そして開業10年目の2001年度には、1日2182人まで落ち込んでいる。

ちなみに国鉄特定地方交通線廃止基準の一つは、「輸送密度が4,000人/km/日未満」。桃花台線は、開業から廃止になるまで、一度もこの基準を上回ることはなかった(最大は、開業初年度と2005年度の1日3500人)。

森川教授は愛知県を批判するとともに、「黒字計画を出さないと建設に許可が出ないシステムにも問題がある」と指摘している。森川教授の批判に対し、愛知県は「調査はきちんと行なわれた」と主張している。

※参照資料1:小牧市役所桃花台線にあり方に関する提言(PDF)
※参照資料2:「桃花台線建設誌:第6節 システムの段階的整備と工事方法書記載事項の変更:2.需要予測(99p)」

付記: 需要予測に関しては、愛知県が発行した書籍「桃花台線建設誌」と、2006年1月に行なわれた住民説明会で配布された資料「桃花台線への新システム導入に関する検討状況」(愛知県と小牧市、桃花台新交通による作成)では、数字が大きく異なる。前者では最終的に1日2万人とされているが、後者では1日1万2千人となっている。

[編集] 桃花台ニュータウン整備費用の流用問題

桃花台ニュータウンの整備費用(1112億円)の一部(115億円)が、桃花台線の駅や周辺整備事業の費用に流用されていた。この額は、桃花台線の建設費用(313億円)の約3分の1に当たる。この問題は、以前から愛知県議会や小牧市議会などで指摘されていたようだが、公になったのは2006年1月の住民説明会のときである。

ニュータウンの整備費用が流用されたことで、販売された住宅の価格には、桃花台線の建設費用が含まれていることになる。その額は、共産党小牧支部の試算によると1戸辺り約100万円。一方賃貸アパートの場合は、家賃に上乗せされる形で桃花台線の建設費用を負担させられていた事になる。

この問題で焦点となっているのが、「ニュータウン整備の範囲を規定した法律」である。一部の議員は「ニュータウンと桃花台線の建設費用はまったくの別物。整備の範囲を超えている。明らかに法律違反だ」と主張しているのに対し、愛知県側は「桃花台線の駅なども当然ニュータウンの一部として考えられる」と主張している。

[編集] 廃止後の問題

[編集] 施設や設備

廃止後に残された駅舎高架などの施設の処理が、問題となっている。高架に関して、愛知県は、他への転用は非常に難しいが撤去に莫大な費用がかかることから、「撤去はしない方針」としている。そして企業などが行なっている開発中の実験線の誘致を、検討している。いっぽう一部の沿線住民からは、歩道自転車道に転用する案などが出ている。また車両に関しては、インターネットオークションでの売却が検討されている。

なお2006年1月に行なわれた住民説明会で公表された愛知県の試算によると、「駅舎や高架を全て撤去した場合約100億円かかる」とされている。またその工事期間は、「約1年半~2年かかる」とされている。 それに対し社有地の売却益は、約10億円とされている。

いずれに関しても、運営会社の桃花台新交通から業務を移行された清算会社によって、2007年2月以降に処理が行なわれることだけは決まっているが、「どのように処理するか」などの具体的な処理方法については、まだまったく何も決まっていない。

[編集] 補助金や債権の問題

[編集] 建設時の補助金の問題

愛知県は桃花台線の建設に当たって、国から約89億円の補助金を受けている。そのため国土交通省中部運輸局から、減価償却分を除いた約38億円の返還を求められている。それに対し愛知県は、「補助金は目的通りに使われた」として、返還の免除を求めている。

[編集] 債権の問題

筆頭株主である愛知県と小牧市は、その他株主の企業17社に対して、約13億円の債権放棄を求めている。

[編集] 備考

  • 一部の沿線住民の間では、昼間はほとんど乗客が乗っていない事から、「(昼間は)空気を運んでいるだけだ」と揶揄されていた。また開業からずっと赤字である事から、愛称(「ピーチライナー」)をもじって「ピンチライナー」と呼ばれていた。

[編集] 関連項目

[編集] 関連書籍

  • 「桃花台線(仮称)新交通システム計画の概要」 - 愛知県編(1974年)
  • 「桃花台線(仮称)建設計画会議報告書」 - 桃花台線(仮称)建設計画会議編(1976年)
  • 「新交通システム桃花台線計画誌 発想から着工まで」 - 愛知県土木部編(1984年)
  • 「桃花台線建設誌」 - 愛知県編(1992年)

[編集] 外部リンク

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