有志連合
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有志連合(ゆうしれんごう)は、アメリカ合衆国が行なった対テロ戦争に参加した諸国を呼ぶ場合に用いられる語。
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[編集] 有志連合の興り
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカはアルカーイダをはじめとするテロリストとの戦争を行なうと宣言した。その戦争に際して、イギリスはじめ、多くの国がアメリカに賛同し、対テロ戦争に参加したが、それらの戦争は国際連合で承認されたものではないため、参加国軍は国連軍ではないことはもちろん、アメリカと特に同盟関係にはない国も参加していること、本来の同盟関係の国が参加していないことなど、多くの特徴を持ち合わせていたため、戦争に参加した国々とその連合的軍隊を呼ぶ適当な言葉はなかった。特にこの語が使われるようになったのはイラク戦争後である。
しかし、この有志連合の性格はすでに湾岸戦争によって現れており、この戦争ではアメリカを中心に、エジプト、シリア、サウジアラビアなどのアラブ諸国を含めて30ほどの国が多国籍軍を結成してイラクに攻め入った。ただ、湾岸戦争は国際連合の決議に基づいて行われたものであるので、これは有志連合とは呼ばれていない。
[編集] 団結の緩み
イラク戦争後のイラク政策行き詰まりを受け、有志連合から離脱する国が現れた。コスタリカは有志連合に名を連ねていたが、2004年9月に有志連合のリストから削除するようアメリカ政府に要請した。列車爆破テロを受けたスペインも政変が起こって全部隊を撤収、フィリピンも駐留部隊を攻撃されたことを理由に撤収を一ヶ月早めた。2004年11月現在で6ヶ国が離脱を表明している。
[編集] 有志連合の戦争
[編集] イラク戦争参戦国
イラク戦争とその後のイラク占領政策に参加した国、派兵国。2004年のイラク暫定政権発足後は国際連合下の多国籍軍となった。ほとんどがアメリカの同盟国、または被援助国。
- アメリカ合衆国
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