日野・ブルーリボン
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ブルーリボン(Blueribbon)は、日野自動車が販売している大型バスの名称。1951年~1975年、1982年~の製造。現在の生産会社は、日野車体工業からいすゞ自動車との合弁会社であるジェイ・バスへ移行したが、製造拠点は旧日野車体工業の工場(小松事業所)が引き続き担当している(ただし、後述の通りジェイ・バスの販売車種統一の一環として、2005年秋以降はいすゞエルガと共通モデルとなり、現在小松ではハイブリッドバスのみ生産されている)。
なお、RU60・63系観光バスについてはセレガを参照。
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[編集] センターアンダーフロアエンジンバス
1953年にセンターアンダーフロアエンジンバスBD系に日野自動車がブルーリボンと名付けたのが始まりである。BD系はその後様々な派生系列が登場し、1961年にBT系にモデルチェンジする。
センターアンダーフロアエンジンバスとは車両中央部の床下にエンジンを配置する方式のことで、日野が多く製造していた。前後2扉の扉配置とする場合、後部扉を最後部に配置することができるのが特徴である(右の画像を参照)。なお、中乗り・前降り仕様も仙台市交通局や伊予鉄道などに納入されている。
BT系は1970年にBT100系(DS60型・155PS)に統一され、1975年まで路線バスとして製造されたが、保守に難があることや前中2扉の扉配置には不向きであったことなどから路線バスはリアエンジンのRE/RC系に移行し、センターアンダーフロアエンジン車は献血車など一部の車種となる。
導入事業者は生産終了まで指定形式として納入していた大阪市営バスをはじめ、近畿日本鉄道(現・近鉄バスや南海電気鉄道(現・南海バス)など後乗り・前降り方式で運行される地域が過半数を占めている。
ブルーリボンの名称は1960年頃まで使われていたが、それ以降あまり使われていない。
[編集] RE/RC系
[編集] RB10/RC100系
現在のブルーリボンHT/HU系の直系の前身である、RB10-P型(ホイルベース4.8m・エアサス)が1960年に登場する。翌1961年、リーフサス仕様のRB10型が追加されている。エンジンは予燃焼室式のDS80型(160ps)である。国産初で世界的に見ても最初期のリアアンダーフロアーエンジンバスである。また日野自動車初のフレームレス構造を採用した。
リアアンダーフロアーエンジンは、エンジンを水平式にして直上まで座席を設けることが出来る方式で、直列6気筒エンジンを用いた大型バスでは、2000年頃まで主流となる方式である。
1961年にはRB系の高出力版としてRC10-P型(ホイルベース5.5m・エアサス)が登場する。エンジンは195psのDK20型である。RC10-P型は1962年にRC100-P型となった。その後、ホイルベース4.8m仕様のRC120(-P)型や、5.5mのホイルベースのRB120(-P)型が追加されている。さらに1966年にはRC140-P型(ホイルベース5.0m)が追加されたが、翌年にはRE100/RC300系へモデルチェンジされたため生産実績は多くない。
RC系にはエンジンに過給器を取り付け230psとした高速仕様車(RC100PT型)も存在する。
RB/RC系とも観光用路線用双方の車体を架装している。車体メーカーは帝国自動車工業、金沢産業→金産(きんさん)自動車工業がメインだが、富士重工業や西日本車体工業、川崎重工業製のボディー架装実績もある。
[編集] RE100/RC300系
1967年にRB系はモデルチェンジしRE系となる。エンジンは新開発の予燃焼室水平式EB200型(175ps)で、ホイルベースはRE100(4.8m)、RE120(5.2m)、RE140(5.67m)の3種類が用意され、エアサスは型式末尾に-Pが付く。RC系も同時にモデルチェンジを行い、DK20型エンジンの出力アップが行われ、205psとなった。またターボエンジン(DK20-T型)も出力アップされ260psとなった。
ホイールベースはRC300(5.2m)、RC320(5.67m)の2種類が用意され、エアサスは型式末尾に-Pが付く。また山間部など全長10m、ホイルベース4.8mで高出力エンジンを望むユーザー向けに改造扱いでRE100と同じボディにDK20型エンジンを搭載した(言い換えるとRC300型のホイールベースを4.8mに短縮した)RC300(-P)改型が設定されている。
RE系は路線バスに主に使われたが、RC系は路線バス以外にも観光バスにも広く使われ、帝国、金産以外にも富士、西工、川崎(1972年まで)なども車体を架装している。帝国、金産は1969年以降共通の設計でバスを製造しており、細部のわずかな違い以外のデザインはほぼ同じである。
なお帝国、金産の両社は1975年4月に合併し、日野車体工業となり、合併後RE/RC系などの大型バスは旧帝国の横浜工場で生産されている。
[編集] RE101/RC301系
1977年秋にRE/RC系はエンジンの出力アップを中心としたモデルチェンジが行われた。RE系はEB400型(190ps)となり、RC系は直噴式ER200型(225ps)となった。従来のサブエンジン式の冷房から、直結冷房(エンジンに冷房の動力を送るためのコンプレッサーを設置する方式)搭載を考慮して、これらのエンジン出力アップが行われた。
ホイールベースはRE101・RC381(4.8m)、RE121・RC301(5.2m)、RE141・RC321(5.67m)の3種類が用意され、エアサス車には型式末尾に従来と同様にPが付く。なおホイールベース4.8mのRC系は当初設定されておらず1978年に追加された(しかし、エアサス車は型式認定を取得せず1982年まで改造扱いとなり、RE101P改型もしくはRC381改型となった。実質的にはRC381P型)。
また、全長11.7m・ホイールベース6mの都市用3扉低床車のRE161型(エアサス車は設定無し)が同時に登場した。しかし、混雑した道路での機動性に欠けるなどの問題で、納入事業者は極端に少なく1980年には発売は中止されている。なお実際の発注・納入は1978年以降無いと思われる。なお、1982年に近鉄自動車局(現近鉄バス)が、RE161型都市型低床シャーシをベースとした2階建てバスを試作し、RE161改型と呼ばれている。なお、試作車のため正式な型式は存在しない。
長尺のRE141・RC321(P)の発注・納入事業者はこのころから大都市圏に代わり、ニュータウン輸送や北海道の事業者が主力となっていった。
1979年にはターボ車に代わる高出力車として、RC701P(5.2m)・721P(5.67m)系が登場した。エンジンはEK200型(270ps)を搭載しており、エアサス車の設定のみだった(ただし、国鉄バスなど、ごく一部の事業者ではリーフサスのRC701が導入されたことがある)。なおRC7系の路線ボディは純正の日野車体の場合、RE/RC系と同じボディを架装しており外観に変化はない。また高出力エンジンを搭載しているため、観光バスや長距離バスとして使われるケースも多く、観光バス専用のハイデッカーボディを架装した例もある。
1980年に昭和54年排出ガス規制適合車となりK-RE/RC系となった。排ガス対応以外での変化は少なく、外観の変化はほとんど無い。
車体は純正の日野車体製以外に、富士と西工が存在した。富士は3Eと5Eで架装例(北海道中央バス、小湊鉄道、遠鉄バス、京都バス等)がある。西工ではモノコックの53MCでの架装例以外に、末期にはスケルトンボディの58MCでの架装例がわずかに存在する。
RE/RC系は本格的なスケルトンボディのRT/RU22系の登場以後もモノコックボディのまま並行して製造されたが、スケルトンボディを持つリアアンダーフロアエンジンのHT/HU22系の登場により1984年に製造を終了した。
[編集] RD系
[編集] RD100系
1967年、前記のRE/RC系が発表されてからもBG系とともに特装車の架装ベースとして生産された全長9m未満のBT51系が継続されていたが、これに代わってRE/RC系と同じリアアンダーフロアエンジンに改められたのがRD100系である。
[編集] RD300(K-RD301)系
197x年、エンジンを中型バスRL100系のモデルチェンジ版であるRL300系と共通化したうえで、それまでの水平型から縦置きに変更して登場したのがRD300系である。
[編集] RU60・63系観光バス
日野・セレガを参照
[編集] ブルーリボンRT/RU、HT/HU
1982年に、観光バスRS系で好評を得ていたスケルトンボディを、路線バスにも採用し、RU6系観光バスと同じブルーリボンの名称が与えられた。
RT/RU22系と呼ばれるこのシリーズは、従来のRE/RC系に変わる都市型路線車両として登場したが、垂直搭載された小排気量エンジンのEM100型が嫌われ、RE/RC系が並行生産されていた関係で販売が伸びず、1985年のHT/HUマイナーチェンジに際して製造打ち切りとなっている。RT/RU22系で問題になったEM100型は、RC3系のER200型11.6L(225ps)に対し、省燃費を目指し9.4L(225ps)という小排気量(RE系のEB400型9.8L(190ps)よりも排気量が少ない)であったが、小排気量ゆえ回さないとパワーが出ず、そのため騒音が大きく実用燃費が悪いという問題があった。また従来のRE/RC系は水平式エンジン(リアアンダーフロアーエンジン)を採用していたが、水平式エンジンはバス専用部品が多く、コスト削減を目指しトラックと共通の垂直式エンジンを採用したが、車内後部にデットスペースが発生し、エンジン直上、車体最後端まで座席を設けることが出来ず、保守面からも水平エンジンに慣れた現場からは不評であった。
ボディーは日野車体製が圧倒的に多かったが、西工製が大阪市交通局や長崎県営バスなど西日本の一部事業者に納入されている。多くがスケルトンボディの58MCだが、初期にはモノコックボディの53MCに架装された例も存在する。富士重工製の架装は数えるほどしかなく、小湊鉄道向けの2台が唯一の例と推測される。
その後、1984年にRE/RC系の後継車両として,従来RC3系が搭載していたER200型エンジンを、そのままRT/RU22系のスケルトンボディに搭載したリアアンダーフロアーエンジンのHT/HU22系が登場し、販売のメインはこちらに移るが、RT/RU系との兼ね合いからか、製造期間は短い。車体は日野車体以外に、富士製と西工製が存在する。
そして、1985年、RT/RU22系とHT/HU22系を統合する形でHT/HU23系が登場する。エンジンはRT/RU系のエンジン、EM100型を改良し水平式にしたM10U型9.9L(230ps)である。このエンジンは改良されたとはいえ、小排気量で回さないとパワーが出ないエンジンであった。純正の日野車体製のボディはリアスタイルの変更が行われ、角張った形状から丸みを帯びた形状となる。
ほぼ同時に、電気と空気圧を使用したフィンガーコントロールシフトの「FFシフト」が設定され、その軽いシフトチェンジ操作で運転者の負担軽減につなげた。特にシフトチェンジ時のエアー音がその後の日野製バスの特徴ともなった。
さらに、イージードライブ化をめざし、電子機械式オートマチックの「EEドライブ」を1986年から追加し、近畿日本鉄道を皮切りに、京王帝都電鉄、関東バス、京都バス、明光バス、西日本鉄道、東京都交通局、横浜市交通局、京都市交通局、大阪市交通局、神戸市交通局などに投入された。トルクコンバーター式のオートマチックとは異なり、マニュアルシフトをベースにシフトチェンジを自動化したもので、高トルク仕様のみの設定であった。実際には運転者の意図するシフトチェンジが行われないなどの欠点も多く、上記の事業者を除けば少数の採用にとどまる程度で普及はしなかった。また、採用事業者でも通常はHOLD段に入れておいて、手動でシフトチェンジを行うことが一般化し、その際にショックが起きるなど、経年変化による乗り心地の悪化も招いた。なお、KC-HT/HU2M系にもEEドライブを搭載されている車両が存在するが、こちらは横浜市営および大阪市営に数台が在籍しているのみだと思われる。そして1998年、KC-HT/HU2M系の小改良時に、EEドライブの設定は抹消された。
HT/HU23系はその後、排ガス規制への対応に伴い、1990年にU-HT/HU2M系,1995年にKC-HT/HU2M系(230psエンジン)に車型名が変更され、2000年6月まで製造された。なお、日野車体のボディーの場合、U-以降は前面方向幕部分両端の形状が前絞りになり、またKC-以降はヘッドライトが角目4灯に統一されている。
HT/HU系については高出力エンジンも用意されており、HT/HU22系と同時に、RC7系のEK200型エンジン13.3L(270ps)を搭載したHT/HU27系が登場した。1990年にEK200型エンジンは呼称がK13U型に変更され、HT/HU3K系となった。なお出力には変化はない。
ノンステップバスについては後述。
[編集] リフト付超低床バス・京急型ワンステップバス
1991年に東京都交通局向けに初めてワンステップ超低床車が試作車として登場する。後部までワンステップ低床で、3ドアが最大の特徴であった。
1992年製からは2ドア化され、中ドアには車いす用のリフトが取り付けられる。いわゆるリフト付超低床バスと呼ばれる車両である。特注の高価な車両のため、都営以外の納入例はごくわずかである。1995年まで製造された。
車体の構造が通常のツーステップバスと大幅に異なり、エンジン配置が垂直配置で後部までの低床に対応している。当初は組立自動車扱いのため排ガス規制記号が付かず、型式は「HU2ML」
なお、1989年に京浜急行向けに、都市型低床車をベースにした前中扉間のワンステップバスを改造車扱いで納入している。いわゆる京急型ワンステップバスと呼ばれる車両である。当初は改造扱いで型式末尾に「改」が入っていたが、1993年からは正式発売された(当初はHT系のみ、HU系は1996年に追加)。
[編集] HIMR
1991年に本格的な電気ディーゼルハイブリットバスとして、HIMR(ハイエムアール)が試作される。公営交通などで試験運行が行われ、1994年からは正式発売された。エンジンは通常のHT/HU2M系と同じM10U型を用いていた。当初改造扱いのため、「U-HT2MLA改」と型式末尾に「改」の文字が入る。なお正式発売後に型式は「U-HT2MLAH」となる。
1995年にHIMRは平成6年排出ガス規制適合に併せ第二世代へ移行し、中型用エンジンを用いたバスに変更された。従来の大型車と共通のM10U型エンジンから、中型車用のJ08C型(240ps)に過給器を取り付け使用している。そのため、エンジンが垂直配置になり、型式も「KC-RU1JLCH」(名古屋市交通局向けはホイールベースが4.8mから5.2mに変更され「KC-RU1JMCH」となる)となった。
[編集] 9m大型バス
ブルーリボンシリーズの全長9m、車体幅2.5mの9m大型バスは1984年にRD系の後継としてRK系(型式:P-RK172AA)が登場する。RK系は中型車レインボーRJ系のシャーシ(車輪やサスペンションなど)を広げて用い、9m大型バスというより2.5m幅中型バスという方が正しいバスであった。RU17系登場後も、1990年まで設定された。エンジンは中型車用のH07C型(175ps)を用いている。
1986年にRT/RU17系(型式:P-RT174AA/P-RU174AA)が登場する。シャーシは通常の大型車の物を使い、エンジンはRK系と同じ中型車用のH07C型(180ps)を用いている。RT/RU17系は平成元年排出ガス規制(U-)にあわせて1990年にRU3H系(型式:U-RU3HJAA)に変更される。リーフサスの設定が無くなり、エアサスのみの設定になる。エンジンは中型車と共通のH07D型(195ps)を用いている。
さらにRU3H系は1995年に平成6年排ガス規制にあわせ、RU1J系(型式:KC-RU1JJCA)に変更される。エンジンは排ガス規制に適合したJ08C<J-II>型(215ps)に変更された。この世代に作られたRU1J系で、1996年秋に北海道中央バスに納入された車両には、富士製路線ボディー(17E系)を架装した車両が1台のみ存在している。
2000年の平成11年排ガス規制適合に際しては、大型車に併せてボディスタイルの変更が行われ、ブルーリボンシティの車体デザインとなった。型式はKL-HU1JJEAとなり、エンジンはそのままJ08C型が搭載され垂直配置にもかかわらずHUとなった。設定がツーステップ車のみで交通バリアフリー法への適合が行われず、自家用も含め2002年で製造中止となった。路線車向けの車両も、北海道中央バスが十数台程導入した程度である。
[編集] 型式
- 型式例 K-RT223AA P-HT235BA U-HU2MPAA
- 排気ガス規制 P-HT235BA
- K- 昭和54年排出ガス規制
- P- 昭和58年排出ガス規制
- U- 平成元年排出ガス規制
- KC- 平成6年排出ガス規制
- エンジン配置 P-HT235BA
- RT/RU 垂直配置
- HT/HU 水平配置
- サスペンション P-HT235BA
- HT/RT リーフサス(板バネ)
- HU/RU エアサス
- エンジン P-HT235BA
- RT22 EM100型
- HT22 ER200型
- HT27 EK200型
- HT23/2M M10U型
- HT3K K13U型
- RU1J J08C<JT-III>型(HIMR)
- RU1J J08C<J-II>型(ショート車)
- RU17/RK17 H07C型(ショート車)
- RU3H H07D型(ショート車)
- ホイルベース P-HT235BA U-HU2MPAA
RT/RU22系・HT/HU22系・HT/HU23系・HT/HU27系
- 2 4.2m(ショート車)
- 4 4.4m(ショート車)
- 3 4.8m
- 5 5.2m
- 7 5.67m
HT/HU2M系・HT/HU3K系・RU1J系
- J 4.4m(ショート車)
- L 4.8m
- M 5.2m
- P 5.67m
- ブレーキ・前輪サスペンション(すべて前輪車軸懸架) P-HT235BA
RT/RU22系・HT/HU22系・HT/HU23系・HT/HU27系
- AA 初期生産型・フルエアブレーキ
- BA 改良生産型・エアオーバーブレーキ
HT/HU2M系・HT/HU3K系・RU1J系
- AA 平成元年排出ガス規制適合車・エアオーバーブレーキ
- CA 平成6年排出ガス規制適合車・エアオーバーブレーキ
- AH HT/HU2M系HIMR
- CH RU1J系HIMR
(注)リフト付き超低床バスを除く
[編集] ブルーリボンシティ
ブルーリボンシティは2000年6月にブルーリボンHT/HU2M系とHT/HU3K系に平成11年排ガス規制適合を行いモデルチェンジする形で登場。
車種は路線車としてはワンステップバスとノンステップバス(後述)が設定されている。ツーステップバスはガイドウェイバスなど向けに初期に路線車として製造されたが、2002年以降は自家用および高速用にのみ納入されている。
HT/HU2M系からのモデルチェンジ内容は前面の変更および、エンジンを水平式のM10U型から垂直式過給器付きのP11C型に変更している。
車体の前面下部のドア側に今までオプション扱いだった小窓(視野拡大窓・セイフティウィンドウ)が標準装備され、今までの直線的な形状から曲線の多い形状になり、バンパーとヘッドライトが一体化されている。前面下部以外の変化はHT/HU2M系から、ほとんどされていない。
エンジンは従来のM10U型が排ガス規制に対応できなくなったため、従来ノンステップバスに使われていたP11C型が、垂直縦置き搭載されている。P11C-TI<PT-I>型は排気量10.5L、出力250psの過給器付きエンジンである。
垂直搭載されたため、車体後部にデットスペースが生じているが、エンジンの小型化により、車内へのエンジンの張り出しはそれほど大きくない。日野自動車としては低床化が進んだため、水平式のリアアンダーフロアエンジンエンジンのメリットが薄れたとして、垂直式エンジンをRT/RU系以来久々に路線バスへの採用した。
なおHT/HU3K系に対応する高出力エンジンも、過給気圧変更した最高出力300psのP11C-TI<PT-V>型が用意されている。
型式はKL-HU2PLEAとなり、エンジンが垂直配置にもかかわらずHT/HU系となった。またホイルベースはHT/HU2M系から変わり、HU2PLが4.8m、HU2PMが5.2m、HU2PRが5.915mとなった。
なお、2004年9月にブルーリボンIIの登場後も製造されていたが平成16年新短期排出ガス規制より2005年8月31日に次節で記述するハイブリッド車を除き製造を終了した。これはブルーリボンIIに高出力車、自家用車、教習車が2005年9月1日まで設定していなかったためである。
[編集] HIMR/ブルーリボンシティハイブリッド
ブルーリボンシティへの移行から1年3ヶ月後の2001年9月、HIMR車もラインアップされた。エンジンは前モデル(KC-)に引き続きJ08C-1M型(TI付、240PS)を搭載するが、形式がHM-HU1JLEP(ホイールベース4.8m)、HM-HU1JMEP(同5.2m)となり、再びHUに戻された。
ブルーリボンIIに平成16年新短期排出ガス規制適合車が登場した2005年1月、ブルーリボンシティHIMRはノンステップバスへと進化し、セレガRとともにHIMRから「ハイブリッドバス」へと名称変更した。バッテリーとインバータユニットを小型化し、屋根上へ搭載することにより、前輪から中扉間のノンステップ化が実現した。エンジンは引き続きJ08C-1M型(TI付、240PS)を搭載し、形式はACG-HU8JLFP(ホイールベース4.8m)、ACG-HU8JMFP(同5.2m)で、平成17年新長期排出ガス規制に適合している。ブルーリボンシティが生産中止となった現在でも、ジェイ・バス小松事業所で引き続き生産されている。
[編集] ノンステップバス
1997年のモータショーに日野自動車初のノンステップバスが出品される。当初は組み立て自動車扱いで一部事業者に販売される。その後、1998年10月に排ガス規制に適合し、正式に型式証明を取得し発売された。
車体構造は前年に登場した、日産ディーゼルUAノンステップに近く、エンジンを最後部に垂直横置き、リヤオーバーハング部分を短縮、かつホイールベースを延ばすことでホイルベース間のノンステップバスエリアを拡大しているが、その影響で中扉より後ろは3列13席しか配置できず、前後の間隔を詰めて4列にすることもできない。型式はKC-HU2PMCEが全長10.52m(ホイルベース5.11m)、KC-HU2PPCEが全長10.98m(ホイルベース5.57m)である。エンジンはそれまでトラック専用であったP11C-TI(250ps)を搭載、トランスミッションはZF製オートマチックトランスミッション"ECOMAT"を採用している(2000年以降はワンステップ・ツーステップのエアサス車にもオプション設定)。
2000年に排ガス規制に併せて改良が行われた。登場から2年あまりのため、駆動系などの構造面では大きな変更は行われず、車体の一部の改良にとどまり、他のブルーリボンのワンステップバスモデルなどと共通で前面下部の変更が行われ、セイフティウィインドウが標準装備となった。型式はKL-HU2PMEEがホイルベース5.11m、KL-HU2PPEEがホイルベース5.57mで、エンジンは排ガス規制対応以外は前モデルから変化無く、P11C-TI<PT-I>(250PS)を車体の最後部に垂直横置きで搭載している。
[編集] ブルーリボンII
日野自動車には、ワンステップバスの前ドアから中ドアまでをノンステップとして、ワンステップバスとエンジンなどの駆動系周りを共通化しコスト削減したモデル(別名:お手軽ノンステ・ワンステップバスベースのノンステ)がなかったため、これを補完すべく、2004年9月からいすゞ自動車よりエルガノンステップtype-AのOEM供給を受け、ブルーリボンIIとして販売されている。外観・仕様はエルガと同一で見分けはつかない。2種類のホイールベースが設定され、KL-KV280L1がホイルベース4.8m、KL-KV280N1が5.3mとなる。
こちらの生産会社は、ブルーリボンシティと同じくジェイ・バスであるが、製造拠点はブルーリボンシティとは異なり、旧いすゞバス製造の工場(宇都宮事業所)にて行なわれている。
さらに、平成16年新短期排出ガス規制に合わせ、超低PM車が追加されたのに伴い、2005年1月14日からエルガノンステップ(旧・type-A)とワンステップの超低PM車がジェイ・バスからいすゞ・日野の統合モデルとして供給を受けている。後にツーステップ(自家用のみ)及び高出力車が追加された。ノンステップバスは2種類・ワンステップバス・ツーステップは3種類のホイールベースが設定され、PJ-KV234L1がホイルベース4.8m、PJ-KV234N1が5.3m、PJ-KV234Q1(ワンステップ・ツーステップのみ)が5.8mとなる。都営バスを始め全国で見かけるようになった。
KL-のノンステップバスのエンジンは路線バスでは、珍しいV形8気筒の8PE1形(出力は240psおよび285ps)を搭載していた。
PJ-(超低PM車)のツーステップ、ワンステップおよびノンステップバスのエンジンは中型車(レインボーII)と同じ6HK1形に過給器搭載して使用している(260psおよび300ps、ただしツーステップは300psのみ)。
[編集] ブルーリボンカラー
センターアンダーフロアエンジンバスのデモストレーションカラー(メーカーのカタログ塗装・「サンプルカラー」とも)が、各地のバス事業者で採用され、ブルーリボンカラーなどと呼ばれている。
白にしま模様の青帯が描かれている塗装で、現在でも国際興業貸切色(岩手県交通、山梨交通、秋北バスなどグループを含む)で採用されている。またブルーリボンカラーをアレンジした塗装も、十勝バス、仙台市交通局などで見られる。
また、富山地方鉄道(旧色、在籍車有り)、北海道北見バス、斜里バス、網走交通、茨城観光自動車(廃業)などでもかつてブルーリボンカラーが採用されていた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 青いリボン ブルーリボンHT/HU系 (ファンページ)
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