斎藤貴男
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斎藤 貴男(さいとう たかお、1958年 - )はフリーのジャーナリスト。東京都生まれ。東京都立北園高等学校、早稲田大学商学部卒業後、英国・バーミンガム大学で国際学修士。『日本工業新聞』、『プレジデント』編集部、『週刊文春』の記者を経てフリーになる。主に時事、社会、経済、教育問題を取り上げる。格差社会や政府による情報統制などへの激しい批判で知られている。
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[編集] 著書
[編集] 単著
- 『国が騙した――NTT株の犯罪』(文藝春秋、1993年)
- 『夕やけを見ていた男――評伝梶原一騎』(新潮社、1995年/新潮文庫、2001年)
- 『源泉徴収と年末調整――納税者の意識を変えられるか』(中央公論社[中公新書]、1996年/改題『大増税のカラクリ―サラリーマン税制の真相』筑摩書房[ちくま文庫], 2006年)
- 『カルト資本主義――オカルトが支配する日本の企業社会』(文藝春秋、1997年/文春文庫、2000年)
- 『プライバシー・クライシス』(文藝春秋[文春新書]、1999年)
- 『精神の瓦礫――ニッポン・バブルの爪痕』(岩波書店、1999年/講談社[講談社文庫]、2003年)
- 『機会不平等』(文藝春秋、2000年/文春文庫、2004年)
- 『外資系で働けますか――あなたを待ち受ける人生』(光文社、2000年)
- 『人間破壊列島』(太陽企画出版、2001年/改題『国家に隷従せず』筑摩書房[ちくま文庫]、2004年)
- 『サラリーマン税制に異議あり!』(NTT出版、2001年)
- 『経済小説がおもしろい。――日本の未来を解く30冊』(日経BP社、2001年)
- 『ビジネスマン、必読。――会社と国、そして自由を考える100冊』(日本経済新聞社 日経ビジネス人文庫、2001年)
- 『小泉改革と監視社会』(岩波書店、2002年)
- 『斎藤貴男 起業家に会いにゆく』(日本実業出版社、2002年)
- 『空疎な小皇帝――「石原慎太郎」という問題』(岩波書店、2003年/筑摩書房[ちくま文庫], 2006年)
- 『日本人を騙す39の言葉』(青春出版社、2003年/改題『不屈のために――階層・監視社会をめぐるキーワード』筑摩書房[ちくま文庫]、2005年)
- 『希望の仕事論』(平凡社[平凡社新書]、2004年)
- 『教育改革と新自由主義』(子どもの未来社、2004年)
- 『人を殺せと言われれば、殺すのか――自由のための書評&ルポ集』(太陽企画出版、2004年)
- 『安心のファシズム――支配されたがる人びと』(岩波書店[岩波新書]、2004年)
- 『絶望禁止!』(日本評論社、2004年)
- 『「非国民」のすすめ』(筑摩書房、2004年)
- 『人間選別工場』(同時代社, 2005年)
- 『ルポ改憲潮流』(岩波書店[岩波新書], 2006年)
- 『分断される日本』(角川書店, 2006年)
- 『みんなで一緒に「貧しく」なろう――斎藤貴男対談集』(かもがわ出版, 2006年)
- 『住基ネットの〈真実〉を暴く――管理・監視社会に抗して』(岩波書店[岩波ブックレット], 2006年)
[編集] 共著
- (宮台真司・宮崎哲弥・網野善彦・姜尚中・辛淑玉・加納美紀代・藤井誠二・樹村みのり・太田昌国・沢田竜夫・梅野正信)『リアル国家論』(教育史料出版会、2000年)
- (魚住昭)『いったい、この国はどうなってしまったのか!』(日本放送出版協会、2003年)
- 『文筆生活の現場』(中公新書ラクレ 2004年)
- (高橋哲哉)『平和と平等をあきらめない』(晶文社、2004年)
- (鈴木邦男・森達也)『言論統制列島――誰もいわなかった右翼と左翼』(講談社、2005年)
- (小谷野敦・栗原裕一郎)『禁煙ファシズムと戦う』(ベストセラーズ, 2005年)
- (林信吾)『ニッポン不公正社会』(平凡社, 2006年)
[編集] 共編著
- (田島泰彦・山本博)『住基ネットと監視社会』(日本評論社、2003年)
- (東京管理職ユニオン)『成果主義神話の崩壊』(旬報社、2005年)
- (沢田竜夫)『「治安国家」拒否宣言――「共謀罪」がやってくる』(晶文社、2005年)
- (高橋哲哉)『憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本』(日本評論社, 2006年)
[編集] 思想性
上記の著書でも分かるように、経済界に密着し、保守系の『日本工業新聞』や『週刊文春』に所属していたがゆえに保守系評論家などの本音を聞き著書「機会不平等」で実は右派が「ゆとり教育」の名のもとに階級社会を構築しようとしていることを著したあたりから、いわゆる「左派」カテゴリに属すると見られる人との親和性が強くなっていった。結果、朝鮮民主主義人民共和国、中華人民共和国の発言には常に好意的であり、また、朝鮮総連に好意的であると見られる人との共闘も多い(以下のサブ項目も参照)。これと関係があるのか不明であるが、『サンデー毎日』に連載するコラムなどでは反小泉純一郎の旗幟を鮮明にしている。当の斉藤も自分が左派と見られていることを認めつつも「右派」カテゴリに属すると見られる人でも評価できるものは評価していると反論している。実際、勝谷誠彦、小林よしのりなど、右派に属すると思われる評論家やコラムニストらとも個人的に親しくしている人間が多数いる。
斎藤は、これまでマスメディアが煽り立てることで「北朝鮮に対しては何をやってもいい」という風潮がつくられ、日本国民の不満もピークに達し、好戦的な雰囲気も生まれているとした。これは、自分より弱い立場の人や民族を差別することで心のバランスを取る、つまり「差別が癒し」になっていると主張。冷静な対応が必要としながら、人間一人ひとりを尊重しなければならないとした。一方で斎藤のこういった態度は、北朝鮮に対するかつてのマスコミの姿勢と変わらないとして批判されている。外部リンク
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