鈴木邦男

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鈴木邦男（すずきくにお、1943年 8月2日 - ）は、民族主義活動家、新右翼団体「一水会」顧問・評論家。

福島県郡山市生まれだが、税務署勤務だった父親の都合で高校生の頃まで東北地方を転々とした。1967年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。生長の家学生連合を経て学生右翼団体「全国学生自治会連絡協議会」「全国学生協議会連合」（全国学協）の指導者を務めたが、内部抗争に巻き込まれ除名。

1970年春、同大学院博士前期課程を中退してサンケイ新聞社に入社、主に販売局や広告局に在籍し、一旦は政治活動から離れていたが、1970年11月の三島由紀夫事件で大学在学中に知り合った森田必勝が三島と共に自殺したことに衝撃を受け、1973年に退社。「一水会」を創設し、代表として言論の立場から同会を指揮し続けた。

代表時代井上ひさしに脅迫電話をかけたが稀代の博覧強記振りに退散してしまったと後に自著で明かしている。（※　井上ひさしの項目も参照されたい。）

1999年に一水会代表を退任。退任後は河合塾現代文講師も勤めた。

進学塾河合塾主催の左右討論会の右翼側常連でもある。冷戦終結後は、宿敵・左翼の崩壊を危惧し、左右の超越を訴えるなど既成右翼との決別が見られる。国旗・国歌、愛国心等の諸問題においては、論敵である左翼或いは身内である右翼に対する皮肉・揶揄・褒め殺し目的で、ともすれば左寄りと受け取られかねない主張を展開。それ故に、彼の主張を短絡的に額面通りに解釈した他の右翼からは、「似非右翼」との非難・中傷を浴びせられる場合も（一水会代表辞任の一因でもある）。しかしながら彼は明確な転向を経てはおらず、主義主張の源流は今尚、一貫して右翼思想。

自分には友達が居ないと言った嘆き節の発言を幾度か講じるものの、実際には左右の政治活動家・思想家・文筆家・音楽活動家・芸人・格闘家・元公安警察等、幅広き交友範囲と人脈を有し、そうした事情を活用して種々の文筆活動・講演・討論・対論・取材・トークライブをこなしている。上記の理由で、私生活についても本人の言葉を字義通りには受け取り難い。

格闘家の前田日明、佐山聡、須藤元気らと親交を持ち、格闘技に対する造嗜も深い。自身も柔道の有段者。

青年時代は政治運動に忙殺され、異性交遊の機会に乏しかったと語っている。

ひと月に30冊の読書をノルマとしている読書家でもある。執筆等の仕事で多忙な月には達成できないこともあるが、年間平均ではこのノルマを大きく達成している。

過去の過激派運動の経験を踏まえ、公安警察はしばしば合法活動家を非合法活動へと追いやっており、治安維持の面ではかえって逆効果だと指摘。公安警察の姿勢或いは存在そのものに対する批判的態度を崩さない。

討論番組の朝まで生テレビに数度出演しており、その度に討論内容の詳細や裏話を、自身のサイトの日記上で明かしている。

赤報隊事件との関係を疑われ、当局から家宅捜索を受ける。直接関与は否定しながら、真犯人の情報を握る旨を匂わせ、沈黙を守り続ける（事件に絡み、放火被害を被った経験も）。真犯人を庇っているとの指摘を元公安警察からされた折は、鋭い読みと評している。

イラク日本人人質事件の際は、イラク国内にパイプを持つ、一水会現代表の木村三浩が、事件解決に貢献したとして高評価。同時に人質自作自演説を展開した産経新聞を批判。更に加えるに、日本政府や、人質にされた3人と拘束された2人（内、片方は一水会在籍歴あり）に苦言を呈してもいる。

鈴木の主張・論点は日本国内の問題が中核をなしており、その為、各国の民族主義勢力の連帯を訴える一水会の対外活動路線とは多少の距離感がある。また、一水会は反米色を含む団体なれど、鈴木自身の思想は必ずしも一致しない。まして反中国・反朝鮮姿勢も露わでなく、特定の国家を敵視していない。批判や叱咤の矛先は主に国内に向けられている。

上述の通り、何者かに放火された経験の有る借家アパート（みやま荘）にて、現在も独りで細々と生活している。