敷島型戦艦

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敷島型戦艦（しきしまがたせんかん）は日本海軍の戦艦。同型艦は「敷島」、「朝日」、「初瀬」、「三笠」の4隻。本型は日本海軍がロシア海軍に対抗するために日清戦争後イギリスに発注した戦艦で1900年から1902年にかけて竣工した。敷島型戦艦は当時世界最大の戦艦であった。（なお、朝日、三笠を準同型艦とする資料もある。）

本型はイギリスのマジェスティック級戦艦の改良型である。主砲と副砲は富士型戦艦と同じ40口径30.5cm砲と40口径15.2cm砲である。速力は18ktで富士型よりは若干低下している。「敷島」、「朝日」、「初瀬」の3隻にはハーヴェイ鋼（ハーヴェイ・ニッケル鋼）が使われ、富士型の半分の装甲厚となり（防御力は強化）、また4番艦の「三笠」はクルップ鋼（クルップ・セメントクロム・ニッケル鋼）が使われ他の3隻に比べ防御力が強化されている。

4隻とも日露戦争に参加した。「初瀬」は1904年5月15日に旅順港外で触雷により沈没したが、残り3隻は黄海海戦、日本海海戦に参加した。その後「三笠」は記念艦となり、「敷島」は練習艦として、「朝日」は工作艦として太平洋戦争にも参加した。「朝日」は1942年5月26日米潜水艦により撃沈されたが「敷島」は終戦まで海軍に在籍していた。

「三笠」は太平洋戦争後いったん荒廃したが、その後再び整備された。

敷島

[編集] 艦歴

[編集] 敷島

ジェーン海軍年鑑1906年版における要目
敷島および朝日

1897年3月29日イギリス、テームズ鉄工所で起工
1898年11月1日進水
1900年
- 1月16日竣工
- 4月17日呉に到着
1904年第1艦隊第1戦隊所属で日露戦争に参加
- 2月6日から旅順港閉塞作戦に参加
- 8月10日黄海海戦に参加
1905年5月27日、28日日本海海戦に参加
1920年尼港事件で沿海州沿岸警備に従事
1921年9月1日一等海防艦
1923年4月1日練習特務艦
1945年11月20日除籍
1947年佐世保で解体

[編集] 朝日

朝日

1897年8月18日イギリス、ジョン・ブラウン社で起工
1899年3月13日進水
1900年
- 7月31日竣工
- 10月23日横須賀に到着
1904年第1艦隊第1戦隊所属で日露戦争に参加
- 2月6日から旅順港閉塞作戦に参加
- 8月10日黄海海戦に参加
1905年5月27日、28日日本海海戦に参加
1918年第一次世界大戦でウラジオストック作戦に参加
1921年9月1日一等海防艦
1923年4月1日練習特務艦
1937年8月16日工作艦
1940年5月29日から11月7日上海方面の警備に従事
1941年カムラン湾に進出、太平洋戦争に参加
1942年
- 3月11日シンガポールのセレター軍港に入港
- 5月22日シンガポール出港
- 5月26日南シナ海で米潜水艦「サーモン」の雷撃を受け沈没
- 6月15日除籍

[編集] 初瀬

初瀬

1898年1月10日イギリス、アームストロング社で起工
1899年6月27日進水
1901年
- 1月18日竣工
- 4月15日横須賀に到着
1904年第1艦隊第1戦隊所属で日露戦争に参加
- 2月6日から旅順港閉塞作戦に参加
- 5月15日旅順港沖で2度触雷し轟沈
- 5月21日除籍

[編集] 三笠

ジェーン海軍年鑑1906年版における要目
三笠

1899年1月24日イギリス、ビッカーズ社で起工
1900年11月8日進水
1902年
- 3月1日竣工
- 5月18日横須賀に到着
1904年第1艦隊第1戦隊所属で日露戦争に参加
- 2月6日から旅順港閉塞作戦に参加
- 8月10日黄海海戦に参加
1905年
- 5月27日、28日日本海海戦に参加
- 9月11日午前3時佐世保で爆発事故を起こし着底
1906年8月8日浮揚され修理開始
1908年4月24日修理完了
1918年第一次世界大戦に参加、ウラジオストック・北樺太方面で警備活動に従事
1920年尼港事件でアレクサンドロフスク港、デカストリ湾上陸の支援
1921年
- 9月1日一等海防艦
- 9月16日アスコルド海峡で濃霧の中を航行中座礁
- 10月1日ウラジオストックで仮修理
- 10月22日修理完了
1923年
- 9月1日関東大震災で損傷し浸水
- 9月20日除籍
1926年11月12日記念艦となる
1960年4月20日復元工事開始
1961年5月27日工事完了

[編集] 主要目（新造時）

[編集] 敷島

常備排水量：14850t
全長：133.5m
全幅：23.0m
吃水：8.3m
速力：18kt
乗員：836名
武装
- 40口径30.5cm連装砲2基
- 40口径15.2cm単装砲14基
- 40口径7.6cm単装砲20基
- 47mm単装砲12基
- 45cm水上魚雷発射管1門
- 45cm水中魚雷発射管4門
装甲
- 水線：229mm
- 甲板：102mm

[編集] 朝日

常備排水量：15200t
全長：129.6m
全幅：22.9m
吃水：8.3m
速力：18kt
乗員：836名
武装
- 40口径30.5cm連装砲2基
- 40口径15.2cm単装砲14基
- 40口径7.6cm単装砲20基
- 47mm単装砲12基
- 45cm水上魚雷発射管4門
装甲
- 水線：229mm
- 甲板：102mm

[編集] 初瀬

常備排水量：15000t
全長：131.9m
全幅：23.4m
吃水：8.2m
速力：18kt
乗員：836名
武装
- 40口径30.5cm連装砲2基
- 40口径15.2cm単装砲14基
- 40口径7.6cm単装砲20基
- 47mm単装砲12基
- 45cm水上魚雷発射管4門
装甲
- 水線：229mm
- 甲板：102mm

[編集] 三笠

常備排水量：15140t
全長：131.7m
全幅：23.2m
吃水：8.3m
速力：18kt
乗員：859名
武装
- 40口径30.5cm連装砲2基
- 40口径15.2cm単装砲14基
- 40口径7.6cm単装砲20基
- 47mm単装砲16基
- 45cm水上魚雷発射管4門
装甲
- 水線：229mm
- 甲板：76m