天城型巡洋戦艦
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天城型巡洋戦艦(あまぎがたじゅんようせんかん)とは、日本海軍が計画した巡洋戦艦である。建造途中で計画が中止、2隻が空母に改装が検討されるが、後述するように天城は破棄された。
性能諸元(計画値) | |||||||
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基準排水量 | 36,500t | ||||||
公試排水量 | 41,300t | ||||||
全長 | 260.67m | ||||||
全幅 | 31.32m | ||||||
吃水線長 | 250.36m | ||||||
出力 | 133,000hp | ||||||
最大速力 | 31.2kt | ||||||
巡航速度 | 16kt | ||||||
航続距離 | 8200浬 | ||||||
乗員 | 2000名 | ||||||
兵装 |
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[編集] 計画の経緯
第一次世界大戦中に発生したユトランド沖海戦を元に、日本海軍は、かねてより思案していた戦艦8隻、巡洋戦艦(当時は装甲巡洋艦)8隻の八八艦隊を計画。8隻建造予定であった巡洋戦艦としての最初に計画されたのが本艦である(4隻は天城級であるが、もう4隻は十三号艦型と呼ばれる新規設計となる予定であった)。なお本型は、日本海軍が(当初からそのように)建造した唯一の国産巡洋戦艦である。加賀型戦艦と同等の攻撃力をもちながら最大速度30ノットを実現するため、装甲をやや犠牲にした設計となっている(ただし長門よりも防御力は向上している)。
ワシントン海軍軍縮条約により、建造を中止(天城、赤城は1922年、愛宕、高雄は1924年にそれぞれ中止となっている)となるが、改装によって空母にすることは認められていたため1番艦天城、2番艦赤城を空母に改装することになった。
天城は、関東地震の影響で船台からキール(竜骨)が落ち損傷、修復困難とされそのまま解体となった。代用としては加賀が選ばれている。空母としては赤城のみが完成することとなり、数度の改装を繰り返した後、太平洋戦争初期に活躍した。
[編集] 同形艦
- 天城(1921年12月16日横須賀海軍工廠にて起工。1922年建造中止、翌年空母改装が決定するも同年9月1日に発生した関東地震で大破。後解体処分される)
- 赤城(空母の項を参照のこと)
- 愛宕(1921年11月19日長崎造船所(三菱)にて起工。1924年条約締結により建造中止。翌年解体処分)
- 高雄(当初の計画艦名は愛鷹)(1921年11月22日川崎造船所(神戸)にて起工。1924年条約締結により建造中止。翌年解体処分)
大日本帝国海軍の戦艦 |
創設から日露戦争終結まで |
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日露戦争後からド級戦艦まで |
香取型:香取 | 鹿島 薩摩型:薩摩 | 安芸 筑波型:筑波 | 生駒 鞍馬型:鞍馬 | 伊吹 |
ド級戦艦建造から第一次世界大戦まで |
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八八艦隊計画 |
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太平洋戦争 |
大和型:大和 | 武蔵 | 信濃 | |
日本が保有した他国の戦艦(戦利艦) |
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