島木譲二
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島木 譲二(しまき じょうじ、1946年9月13日 - )は、日本の芸人。吉本興業所属。兵庫県尼崎市出身。本名は浜伸二(はま しんじ)。
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[編集] 来歴・人物
私立興国商業高等学校(現・興国高等学校)卒業。元プロボクサーであり、ミドル級で西日本新人王を獲得したこともある。芸人になる前はMBS千里丘放送センター(大阪府吹田市、現在の千里丘スタジオ)の警備員でもあった。その時に知己を得た間寛平の紹介で吉本新喜劇に入団する。吉本興業屈指のいい人(その優しさを利用して、池乃めだかが浅香あき恵に「喫茶店で待ってます」と島木に電話をかけさせ、何も知らないでほくほく顔で延々喫茶店で待っている本人を見て笑うといったイタズラの標的になっていた。テレビでの暴露や新喜劇関連の著書による)。チュートリアルの徳井義実が真の男前として紹介した。
吉本新喜劇のメンバーの一人。持ちネタがかなり多いが、特別面白いというわけではなく、むしろ拍手が来るまでパチパチパンチを続けたり、「どうや!どうや!」と客を煽ったりして無理矢理笑わせている。それを内場勝則などに「無理矢理盛り上げるのやめてください」「拍手要求すんのやめてください」などとツッコまれることもしばしば。この芸風の後継に、なかやまきんに君がいる。大抵はヤクザ役として数分間のワンマンショーのあと舞台から消えるが、ごくまれにストーリーに大いに関係する役をこなすこともある。その場合、しばしば台詞等で失敗する(一度酔っ払って隠れていた箱の中で嘔吐し他の出演者を困らせた事がある。他、正月の舞台上で井上竜夫に楽屋で飲まされた酒のせいで酔っ払って大いびき)。最近は他の出演者にネタを見破られたり言おうとしていたセリフネタを先に言われたりすることが多い。烏川耕一、辻本茂雄、内場勝則がよく先に言う。吉田ヒロ座長の場合は池乃めだか。
田代まさしの様に駄洒落が得意で、駄洒落を用いたギャグも使っている。
芸名の島木譲二は、石原裕次郎が主演した映画『俺は待ってるぜ』の主人公・島木譲次に由来しており、生前の石原裕次郎に直接使用許可を求めに行ったらしい。また「吉本の渡哲也」と称されるが、大半に「どこがや!」と突っ込まれる。
鬼平犯科帳(おにへいはんかちょう)第7シーズンにて妖盗葵小僧を快演。
離婚して現在は独身であり、元妻との間に出来た一人娘がいる。
1989年公開のハリウッド作品「ブラック・レイン」にはヤクザ役で出演している。
警備員時代に、犬に吠えられて転倒し骨折したことが原因で、犬が苦手である。
[編集] 持ちネタ
[編集] 体を張ったネタおよび道具を使ったネタ
- 大阪名物パチパチパンチ
- 上半身裸になり平手で叩く。同じ部位を叩き続けて毛が生えたため、この数年は叩く部位を変えている。またこのギャグにて末成由美に年々迫力がなくなってるからやめろと公演中にいわれたのだがまだやっている。内場勝則などに「パチパチパンチ?でも音はペタペタやな」とツッコまれる事も。なお翌日には青黒くなっていることから最近では強くしていない傾向も見られる。2006年3月31日放送の「NGKにバファローズがやってきた!」では(「このパチパチパンチ、怖そうやろ」と言い)、清原和博選手に、「こわぁないわ!」と突っ込まれた。このとき清原選手に、平手で殴られた。
- 「カンカンヘッドは、男のロマン」
- 1斗缶を頭に叩きつける。なお“男のロマン”は烏川耕一によく先に言われる。
- このネタの続きとしては、「角でガツーンいかな」と言われると、「やったるわ!」と言い返すものの、実際には、本気で1斗缶の角で頭を叩くふりをして、最後に「できるか!」と言い返すオチのものがある。
- キック&キック
- ロシアのコサックダンスをし、ある程度やったらこける。その後、島木「今のはちょっとバランスを崩したんや」烏川「顔のバランスは最初から…」島木「やかましいわい!!」
- 「わしのな、マスコットのキュウキュウキュウベェの裏の声聞かしたる、これ見たらびっくりするでぇ」
- (表の声は?)
- 「表の声もあるがな!(鳴るのは赤ん坊のオモチャのようなブヒブヒ音)」(池乃めだかが言っていたが、自転車のゴムを鳴らしているらしい。このゴムは100円均一のものといううわさもある)
- スピードハット
- 帽子のゴムの部分をつかんだまま飛ばして脅す。その際、「わしの飛び道具のスピードハットや!」と言う。2回目でキャッチされ、サッカーボールのように手荒く扱われ、取り返そうとすると「ピーッ、ハンド!」と言われる。これをしばらく繰り返す)
- 「このロープでお前らの首絞めたらぁ」
- (自分の首絞めてますやん)
- 「あほ!サンプルや!よう見ぃ!」(ロープは首からするりと抜けて、観客から拍手喝采が来る)
- 爆弾チョップ
- ドンドンドン…と手踊りで暴れたかと思いきや、キーッと軽くうめくだけ。
- また、イライラした時にも、「爆弾チョップ」のキーッとうめくポーズを取る。
- ポコポコヘッド
- アルミの灰皿を2枚重ねて頭を叩く。
- このネタには続きがあり「角でガツーンいかな」と言われ尻込み。内場や辻本に先に「うわ、灰皿出す気やな」とネタバレされた時は灰皿のかわりによさこい祭りの鳴子を使うこともある(この場合は「いい音鳴子」と言って出す)。また、鳴子を使ったときは(いつも使っている灰皿を持っていないため)、他の出演者からいつも使っているものよりも見た目にも堅そうな(実際に堅い)灰皿でやって自滅することもある。2006年3月31日放送の「NGKにバファローズがやってきた!」では、石田靖に言われ、灰皿1枚で頭を叩いた。しかし、1枚で痛そうにしていたこともあり、「恥じかかすなアホんだら」と言った。
2004年の新春公演では冗談で渡された占いの水晶玉を上空に放り投げ、頭にぶつけ流血する事態が起こった。
[編集] いじられネタ
[編集] 熊ネタ
- 座長(主に内場):「あっ、熊や!死んだふりせえ」
- (全員が死んだふりをする)
- 島木「誰が熊やアホー、わしゃ人間や人間、みな起きぃ、起きんかい!…(桑原和男がいる場合)こら、そこのおばはん!トビウオみたいな変な格好すな!」「おい、○○(ヤクザ役の場合、子分役の名前)、お前まで死んだふりして」
- 子分役「すんません、急に見るとつい」
- 島木「やかましわ!」
- 内場が声を殺してゆっくり死んだふりをするバージョン
- 内場(島木の顔を見て気絶するような感じで死んだふりをする)
- 共演者「どないしたん?」
- 内場「熊です。死んだふりを」
- 共演者「そんな熊て・・・アァ~ッ(島木を見て声を殺しながら倒れる)」
- (全員が死んだふりをする)
- 島木「どないしはったん?」
- 内場「熊です。死んだふりを」
- 島木「えぇ~っ、熊。危ない、死んだふりしよ」(死んだふりをする)
- 内場「いや、熊はあんたや」
- 島木「えぇっ、わたし熊!?う~ん、譲二ショック…ってわしゃ人間やアホ!みな起きぃ!起きんかい!/そりゃなんのこっちゃ抹茶に紅茶」
-
- 島木「熊なんて言われたん久しぶりや。わしは町内会ではバンビちゃんて言われとんねんぞ」
- 内場「え?ゾンビちゃん?」
- 島木「やかましいわい!誰がゾンビじゃ!調子乗ったことぬかしおったらどえらい目遭わすぞ…」
- 内場「どえらい目ってどんな目?」
- 島木(まぶたを広げる真似をして)「こんな目や・・・アホッ!!」
- (島木がポケットに手を突っ込む)
- 内場「ははーん、灰皿やな?」
- 島木「やかましいわい!今日は何出るか分からんで」
- (といいつつ灰皿あるいはいい音鳴るぞなどの小道具を取り出す。灰皿以外を取り出してショーをする)
- 内場「でもみんな灰皿を見たがってるやろ」
- (観客拍手)
- 内場「あ、ここに灰皿がある」(2枚の灰皿の底を叩き合わせる)
- 内場「あ、でもこれいつものより硬いわ~。やめとき」
- 島木「アホ!貸せ!」(灰皿を奪い取る)
- 内場「あ、今硬さ調べたやろ」
- 島木「やかましいわい!やったらぁ!やったらぁ!!」(観客拍手)
- (頭を灰皿で叩いて自滅)
- 島木「あー、何か頭の中がボーっとしてきた・・・頭の中が」
- 内場「チンチラポッポ」
- 島木「言うな!」
このシチュエーションの後、大抵は、内場の持ちネタである「えっ、そんなんできるんですか?」に続く場合も多い。
- なお、以前は、熊ネタから、「えっ、そんなんできるんですか」に移行して、
- 内場「しっぽは?」
- 島木「取れました♪ アホッ、わしゃ人間や!」
- あるいは、島木が「わしゃ、人間や」と言った後、
- 内場「すいません。ここには、ハチミツは置いてないんですが」
- などと続くパターンも見られた。
[編集] たこ焼きネタ
「なにわ人情コメディ 横丁へよ~こちょ!」にゲスト出演した際には、陣内智則やフットボールアワーらに「たこ焼き」(「たこ焼きのお化け」、「巨大たこ焼き」)として貶され、たこ焼きソース、マヨネーズ、青海苔、かつお節を頭や顔に塗りかけられることも多い。
[編集] 最近では見られないもの
- 会話の揚げ足を取られる。
- 池乃めだか「あなたの名前は?」
- 島木「島木譲二といいます」
- めだか「島木の"しま"はどんな字かね」
- 島木「淡路島の"しま"です」
- めだか「鹿児島の"しま"ではあかんねんな」
- 島木「そんなもんどっちでも一緒やろ!」
- めだか「じゃあ、島木の"き"はどんな字かね」
- 島木「月火水木の"もく"です」
- めだか「火木土の"もく"ではあかんねんな」
- 島木「そんなもんどっちでも一緒やろ!」
- めだか「なんや、さっきから怒ってからに」(島木の怒るポーズを真似る)
- (中略)
- めだか「お父さんの名前は?」
- 島木「つねきちです」
- めだか「お母さんの名前は?」
- 島木「しまこです」
- めだか「どこに住んではるんですか?」
- 島木「武庫之荘です」
- めだか「お母さんの名前は?」
- 島木「さっき言うたやろ!」
[編集] セリフネタ
[編集] 持ちネタ
- わしなあ、町内会ではバンビちゃん言われてんねんど(え、ゾンビちゃん?)
- 渡哲也いわれてんねん(渡哲也いうか不渡手形みたいな)
- かえるぽこぽこ…(早口言葉が言えないことをいじられる)
- 頭の中がチンチラポッポ~(よく先にいわれる)
- 困った困ったこまどり姉妹(よく先にいわれる)
- う~ん(又は愛を込めて)、チューイングボーン
- う~ん、譲二ショック
- すっきりきりきり、キリマンジャロ(または、「すっきりきりきり、きりたんぽ」 「すっきりきりきり、キリンレモン」)
- ごめりんこ
- ビックリシャックリルルルンパ
- しまったしまった島倉千代子(よく先にいわれる)
- ワンダフルフル、フルーツポンチ
- 頭がかいかいカイワレ大根
- まいったまいったマイケルジャクソン(よく先にいわれる)
- なかなか言えない(出来ない)中村美律子(え?あんた中村美律子?と聞かれる)
- ホップステップボブサップ(よく先にいわれる)
- 久しぶりぶりブロッコリー(よく先にいわれる)
- ひどい、ひどいわっ!
- (パチパチパンチなどの体を張って相手を威圧するネタを披露した後、ボクシングのパンチの真似で更に相手を威圧しようとして、逆に相手に平手打ちを食らわされたりした時に言う)
- ひえ~~ざん、延暦寺、あぁ~滋賀~県(同上)
- もう悪い事は青森県の下、飽きた(秋田)
- (わしの人生も)愛知県、名古屋、終わり(尾張)(よく先にいわれる)
- あ~えらいこっちゃ、何のこっちゃ抹茶に紅茶(よく先にいわれる)
- I can not 能登半島(よく先にいわれる)
- 待って待って松田聖子(よく先にいわれる)
- よかったよかった吉永小百合
- 分かった分かった若乃花(よく先にいわれる)
- 結構結構コケコッコー(よく先にいわれる)
- 結構日光東照宮
- 体がブルブルブルドッグ
- モロキュー、オバQ、肩脱臼(よく先にいわれる)
- あれしろこれしろ八代亜紀(または、「ラッキークッキー八代亜紀」)
- びっくりくりくり、栗ようかん(または、「びっくりくりくり、栗まんじゅう」)
- あらあらあらあら、新珠三千代
- ソーリーアイムソーリー安倍総理
- ごめん、ラーメン、チャーシューメン
- 限界限界、玄界灘
- びっくりしゃっくり、ごゆっくり(または、「びっくりしゃっくり、ルルルンパ」)
- 島田一の介に「このテッペンハゲ!」と罵り、島田に「アンタ全面ハゲやん!」と返される。その後「俺のはファッションハゲや!」と言う。その後周りの共演者に「うわっ、すごいけなし合い(毛無しとかけてある)やな」といわれる。
- はい、パパラッチ(写真を撮られるとき)
- 痛~み(伊丹)、尼崎、兵庫県
など多数。
なお、これらのセリフの前半を島木が言った後、他の出演者が先にオチのセリフを言うと、島木は必ず「(先に)言うな!」と突っ込む。
ちなみに、2005年7月9日放送分『一日だけの親孝行』では、辻本・烏川・安尾の3人にセリフネタ10連発(「久しぶり…」「困った…」「しまった…」「おまえらの頭は…」「待って待って…」「分かった…」「なんのこっちゃ…」「俺の人生は愛知県名古屋…」「アイキャンノット…」「結構…」)を先に言われた。