池乃めだか
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池乃めだか(いけのめだか、1943年7月3日 - 、本名:中井 昭彦(なかい あきひこ))はお笑い芸人。吉本興業所属。愛称は池やん。兵庫県の淡路島出身で、大阪府守口市育ち。血液型はB型。
フリーライターでヤマケンこと山本健治とは小学校時代の同級生で同じクラス。
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[編集] 略歴
三洋電機に数年間勤務した後、芸能界入り。1968年に正司玲児らと音楽ショー「ピスボーイ」で「中井次郎」の芸名でデビュー。その後「海原めぐる」と芸名を変え、三洋電機時代に知己を得ていた海原かける(海原小浜の息子で、海原やすよ・ともこの父)と漫才コンビ「海原かける・めぐる」を結成。ケーエープロダクションの本拠地であった寄席劇場・梅田トップホットシアターを中心に活躍していたが、1977年(昭和52年)に解散した。同年吉本興業へ移籍し吉本新喜劇に入団、「池乃めだか」に改名した。(名付け親は桂三枝)
新喜劇入団後、長い間セリフのほとんどない脇役ばかりを演じていたが、間寛平との掛け合い(猫vs猿の喧嘩)で人気に火がつき、その名が知れ渡るようになった。1980年代後半、吉本本社による「新喜劇やめよっカナキャンペーン」で看板役者が次々と降ろされていく中、桑原和男、中山美保らと共に残留、その後若手育成の為座長に就任した。1995年、内場勝則、辻本茂雄、石田靖の3名がニューリーダー(1999年から吉田ヒロも加えて「座長」と呼び方を変更)に就任したのを受け、座長を卒業したものの、その存在感や人気は現在でも現座長たちに決して引けを取らない必要不可欠な存在の重鎮である。借金過多で吉本新喜劇を追放された帯谷孝史とともに、すでに99年には新喜劇の行く末を案じていた。(40周年記念本「ゲラゲラ・ハッピィ」での発言による)
その後も重鎮として活動し続け、新喜劇では2006年に小籔千豊が新座長が就任。その小籔のメインイベント「コヤブ新喜劇」のフリートークコーナーでは、「もう新喜劇も引退かなと思ってたところに小籔みたいなのが出てきたから、あと2、3年頑張ってみようと思う」と、ファンにとっては衝撃的な発言をしており、今後の動向に要注目である。
[編集] エピソード
- 身長は公称150cmであるが、実際には149cmであるという説もある。大阪道頓堀のくいだおれ人形(くいだおれ太郎)よりも低く、自分の娘が小学生の時に身長を追い抜かれてしまったという。
- 事務所の後輩であるナインティナインの岡村隆史と、誕生日・血液型が同じであり、背が低いところまで同じだと言っている。
- 宮川大助やメッセンジャー黒田、田村裕(麒麟)らと並んで、吉本でも指折りの極貧経験を持つ。(中学時代から一人暮らしを始めた、etc)
- 人柄の良さや温厚な性格から多くの後輩に厚い信頼を寄せられており、今田耕司は「年の離れた親友」とめだかのことを慕っている。また、自身の経営するバーに、新喜劇の若手の山本奈臣実を雇っていることからもその人柄の良さがかいま見える。
- ただし、新喜劇に対しては一家言があり、前述の今田耕司ら「ヤメよっかなキャンペーン」で共演し卒業したタレントについては、『最後まで交われることはなかった』と述懐している。
- プロゴルファー横峯さくらの父横峯良郎は、めだかの熱狂的なファンであることで知られている。自身の経営する居酒屋の店名に「いけのめだか」、同じく経営するジュニアゴルファー育成練習場にも「めだかクラブ」と名付けているほどで、「めちゃ²イケてるッ!」でめだかと共演した時にはその喜びを露にしていた。また、めだか自身も横峯さくらの応援に駆けつけるなど、現在でも親交は深い。
- 2002年、安部公房作・鴻上尚史演出の舞台「幽霊はここにいる」の主役に抜擢された。2005年からは、陣内智則と共に「歌笑HOTヒット10」(日本テレビ)にレギュラー出演、全国区に進出している。
- 「歌笑HOTヒット10」に猫ひろしがゲスト出演した時、ネコのモノマネ対決をした。
- 2006年4月4日のオリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンズでのセレモニーで国歌斉唱をした。因みにこの日の始球式は、同じ吉本興業のレイザーラモンHGこと住谷正樹が出た。
- 2006年、ケツメイシの「旅人」のプロモーションビデオにて、ゲスト出演。
- 特技はドラムスでごく稀に腕前を披露する機会がある。
- 2006年に芸能生活40周年記念イベントとして「ちっさいおっさん祭り」が行われ、無重量状態を体験した。
- 2006年10月28日放送のエンタの神様で、桜塚やっくんが名探偵コナンの紙芝居をしていて、「今日はこれくらいにしたろうか。えーん(泣)」と池乃の物真似をしていた。
[編集] ギャグ
他の芸人たちより頭一つ小さい体の小ささを生かした「ちいさいおっさん」ネタと、猫の形態模写を生かした芸に特徴がある。吉本一ギャグが多いといわれている。
- 開演しばらくの間のノリツッコミ
- 真顔で何気なく発する爆笑セリフ
- 「ミクロマン」(吉田ヒロとの掛け合い)
- 「ちっちゃな頃からちっちゃくて、15で背丈が止まったよ♪」(「ギザギザハートの子守歌」の節で)
- 発作を起こして苦しむふりをして、心配そうに近づいた女性を両足で挟み込んで苦しませる。「…かかりましたな?飛騨の山中に篭る事十余年、あみ出したるこの技、名づけてカニバサミ。もがけばもがくほど身体にくい込むわ!どうや!?動けるもんなら動いてみぃ~!!」(しかし、女性が立ち上がって、そのまま引きずっていく)
- 「はっさくと書いて発作や」
- 猫の真似。最初はボールを相手にじゃれている真似をするが、最後は便を出す真似になる。間寛平と共演する時は、間の猿の真似との掛け合いも見られる。
「なにわ人情コメディ 横丁へよ~こちょ!」では、喧嘩している出演者を交通整理のように笛で取り締まり、いろいろなポーズをするが、最終的に猫になり、便を出す。
- 他の役者に首根っこを掴まれると「人をシャム猫(アメリカンショートヘアー)みたいに」。「そんなええもんとちゃうやろ」と突っ込まれる。
- 酒を呑んで「小さいから、酔うのも早いわ。けど、さめるのも早いで~」
- 喧嘩でボコボコにやられたあと「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ」
- 喧嘩でボコボコにやられたあと酔っ払ったふりをして「ほなもう一軒いこか~」「さあ、□□へ飲みに行こか~」(□□には、長居公園や千林や堺東や神崎川などの大阪の地名が入る)
- 「僕ね、お父さんがギリシャ人でお母さんがイギリス人のハーフ、だから僕、キリギリスなの」
最近は、「お父さんがカナダ人でお母さんがイタリア人、だから僕、カナリアなの」が多い。
- 「村長(めだか)はいずこ、声はすれども姿は見えず」(坂本九の歌の節で)「見下げてごらん」
- この手のネタは、身長がほぼ同じの中山美保も使っている。
- 自己紹介のとき「保安官のロバートです」(「なにわ人情コメディ 横丁へよ~こちょ!」では必ず使う)
- 「はじめまして、NASAの池乃です」「ロスからきた池乃です」「FBIの池乃です」(共演者)「NASAってアメリカ航空宇宙局の!?」「ロスってロサンゼルスですか?」「いや、中村さつまいも店や」他にも「中山酒店」「六本木のスーパーや」「藤原(F)弁当(B)板橋(I)店です」
- 人質をとった犯人を説得しながら最後は「最近孫に気付かれた、じいちゃんなんで小さいの?俺はどう答えたらいい!?」となぜか犯人に問いかける。
- ヤクザに脅されて言い訳しているうちに、次第に時代劇調なせりふに変わっていき、最後に「お願ぇでございますだ。お代官様!」と叫んですがる
- 言い争いをしているときに「もういい!もういい…いつからだ、いつからだ言ってみろ!昔のお前はそうじゃなかったはずだ。昔のお前はそんな分らず屋じゃなかったはずだ。」と洋画の説教口調で台詞を言い、最後に「わかったなぁ~(そうだろ)、△△」(△△にはピッコリーノ・ハーゲンダッツ・ロッテリア・セブンイレブン・ブロッコリー・クローゼットなどが入る。)(「なにわ人情コメディ横丁へよ~こちょ!」では、最後にオール巨人に向かって「すまんが、コーヒー(もしくはブランデー)をいれておくれ、モンスター」と言う)
- (↑)このネタに対して突っ込んだ出演者に「黙ってろ、○○!」と言い返す。(○○には、サンスター・ボラギノール・ヘッドライト・パブロン・ウィリアムなどが入る)
- 謎解きをはじめて、「あれは間違いない!UFOだ」「そうだろ、保安官?」と、外国のUFO目撃談にすり替わったところで、「何の話をしとんねん!」と突っ込まれる。
- ものすごく慌てて何かあったかのように振る舞い、周囲が騒然としたところで『なんかあったんか?』ととぼける。
- 他の出演者に小さいことを言われたり、肩車から降ろされたりした後、「俺思ってたより小さかってんな~」または「これが普段の見慣れた景色やがな」と言った後、笑ってごまかし、泣く真似をする。
大金や高価なもの(皿など)を奪って逃げようとしたとき、椅子や台の上で手を上げて取れないようにするが、背の高い出演者に取り返された後泣くというパターンもある。劇のエンディングで行うことが多い。
- 会話中、次第に声が小さくなっていき、「何喋っとるかわからんわ!なんかオロオロ、オロオロと・・・」と突っ込まれる。(小籔千豊や烏川耕一相手に使われることが多い)
- マドンナ役がトラウマを持っているという事情を知ったときに、『そやから、貴乃花はやせたんやな~』『それで最近多摩川にタマちゃんでてけへんのやな~』など意味不明な発言をする。
- 喧嘩の前に背広を脱いで、また着る。
- ネクタイを外し「俺がネクタイ外したらどうなるかわかるか…長さが(身長と)一緒や」
「なにわ人情コメディ 横丁へよ~こちょ!」の北海道ロケでは、弓矢の体験をしたとき、弓と身長が同じだったので、このネタを使った。
- 膝立ちになった石田靖や小籔千豊に「ひざまずいてわしと同じ身長かい」「なんか腹立つなぁ」
- 共演者が誰かに惚れているという設定のときに「コシヒカリやがな、いやちがう、ササニシキ、はえぬきのま、いやあきたこまち、ええと~~ひとめぼれやがな~~」などと米の名前をいう。
- ちっさいおっさん、といわれると、歌いだす。『ちっさいおっさん、ちっさいおっさん~♪、ちっさいちっさいちっさいちっさいちっさいおっさん~♪、はい、なんでっか?なんでっか?ちっさいおっさんここだっせ~♪ちっさいちっさいちっさいちっさいちっさいおっさん~♪はい、最近孫が気ぃつきよった、じいちゃん何でちっさいの?やかましぃわ!』(他にも吉田ヒロとのミクロマンでも同じようなやりとりがされる。)この後は客の拍手が飛ぶと同時に泣くフリ。
- (共演者)「池やん、パチンコいったって、勝たれへんでしょう?」 (池やん)「いいや、買ったり負けたり!・・・・・パチンコ屋が勝ったり、俺が負けたりな」 (共演者)「ほな、あんた全部負けてるやん」
等々、枚挙に暇がない。なお、猫の形態模写は中学生の時からのレパートリーである。
[編集] 出演番組
- 「なにわ人情コメディ 横丁へよ~こちょ!」(ABCテレビ)
- 「歌笑HOTヒット10」(日本テレビ)
- 「よしもと新喜劇」(MBSテレビ)
- 「家族善哉」(毎日放送・TBSドラマ30、2006年11月27日~)