スワヒリ語
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スワヒリ語 Kiswahili |
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話される国 | タンザニア、ケニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ルワンダ、ブルンジ、ソマリア、コモロ、モザンビーク、マラウィ、マヨット |
地域 | 東アフリカ |
話者数 | |
順位 | |
言語系統 | ニジェール・コンゴ語族 Atlantic-Congo Volta-Congo Benue-Congo Bantoid Southern Narrow Bantu Central G スワヒリ語 |
公的地位 | |
公用語 | ケニア、タンザニア |
統制機関 | - |
言語コード | |
ISO 639-1 | swa |
ISO 639-2 | sw |
ISO/DIS 639-3 | |
SIL | SWH |
スワヒリ語(Kiswahili)は、アフリカ東岸部で(国を越えて)多く使われている言語。ケニア、タンザニアでは公用語となっている。キスワヒリとも言われるが、ki-は言語を含む名詞クラスを示す接辞であり、国名・地域名・民族名等と組み合わされると言語名となる(kijapani = 日本語、kiingereza = 英語 など)。したがって「キスワヒリ語」は畳語である。
スワヒリという語は、アラビア語で「海岸に住む人」を意味する「サワーヒリー sawāhilī」に由来する(サワーヒリーは「サーヒル sāhil」(岸辺)の複数形「サワーヒル sawāhil」の派生語)。
アフリカ東岸では、アラブ人との交易が盛んだったため、アラブ文化と交じり合い、元々使われていたバントゥー語などがアラビア語の影響を受けて、普及した言語である。
かつてはアラビア文字が使われたが、現在ではローマ字表記をしている。q と x は使用されない。
スワヒリ語アルファベット | |||||||||||||||||||||||||||||
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A | B | Ch | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | N | O | P | R | S | T | U | V | W | Y | Z | ||||||
/a/ | /b/ | /tʃ/ | /d/ | /e/ | /f/ | /g/ | /h/ | /i/ | /dʒ/ | /k/ | /l/ | /m/ | /n/ | /o/ | /p/ | /r/ | /s/ | /t/ | /u/ | /v/ | /w/ | /j/ | /z/ | ||||||
dh | gh | ng' | ny | sh | th | ||||||||||||||||||||||||
/ð/ | /γ/ | /ŋ/ | /ɲ/ | /ʃ/ | /θ/ |
- ch: c は単独で使われることはなく、常に ch と書かれる。
- ng': /ŋ/ と一音だが、ng のようにアポストロフィがないと /ng/ の二音である。
(バントゥー語全体の特徴)
名詞はいくつかの部類に分類され、部類ごとに特定の接頭辞が付く。その部類を名詞クラスと称する。さらにどの部類の名詞を形容するかによって形容詞が変化し、 どの部類の名詞を主語あるいは目的語にするかによって動詞が変化する。
このため、文脈上明らかな場合は 主語や目的語を省略できる。
スワヒリ語では普通の人の名詞クラスは「人」だが、盲人などの障害者は「もの」で表現される。これに対して一部の障害者などは、障害者を「人」クラスで表す。
有名なスワヒリ語はJamboがあるが、「物事」の意味で、"Hujanbo.", "Hamjanbo." のように人称接頭辞をつけることで、挨拶の言葉となる。