ノシロ語
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ノシロ語(NOXILO) | |
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話されている国、地域: | 無し |
全使用者数: | 極めて少ない |
使用者ランキング: | ??位 |
言語の分類 (語族・語派) |
人工言語 21世紀の国際言語 |
文字 | ローマ字またはノシロ文字 |
合理的な数の勘定 | 可能 |
使用状況 | |
公用語として使われている国、地域: | 無し |
自称の使用団体(将来?) | 欧州連合、アジア連合(ノシロ語考案者以外からの使用報告は無い) |
言語コード | |
ISO 639-1: | 無し |
ISO 639-2: | 無し |
SIL: | 無し |
ノシロ語(のしろご、NOXILO)とは、水田扇太郎によって発案された人工共通語案。 「SOV・SVOの2つの文型の併用が可能である」ということを売り文句としている。(併用といっても同じ文章内での併用はできず、話者がSOVまたはSVOの語順を選択できるという意味である。)
人工言語であるため無駄な変化や古い文化の踏襲も無い。
ノシロ語は21世紀の人工国際言語であり、同じ人工言語であるエスペラント語と目的はほぼ一致している。
ノシロ語がエスペラント語と異なる点はエスペラント語がヨーロッパ発でヨーロッパ系の人々に圧倒的有利であり不公平、不平等な人工言語なのに対し、ノシロ語は日本発で世界中の人々に、ほぼ平等である。
ノシロ語は平成元年(1989年)頃から考案がはじまり、平成9年(1997年)に泰流社から書籍「ノシロ -- 日本で生まれた共生時代の国際簡易言語」ISBN 4-8121-0221-9(現在は絶版)の発売とホームページでの発表がはじまる。
発音、文法、単語、文字など全ての項目で非常に選択肢の多い言語であり、このように選択肢の多い言語は他に例をみない。
発音は日本語のカタカナの発音でも良く、英語のような閉音節の発音でもよいとされる。
単語は約300個のノシロ基本単語と約4000個のノシロ友好単語と将来作成予定のノシロ国際標準単語があるが、これらのノシロ語の単語を覚える必要はなく、使用者の母語の単語や世界各国語の単語を使ってかまわないとされる。
考案者によると習得が簡単な言語とされているが、これだけ選択肢が無限にあると一生をかけても習得が不可能な世界一難しい言語だといえる。
選択肢が多いというのは、別の言い方をすると統一されたルールが無いということであるため、ルールの統一が期待されている。
ノシロ友好単語は広く東西の諸言語 (中、印、英、仏、日、独、韓 、露、タイ、アラビア、ケチュア ...) から採用してある。
発案者によると特定の言語圏の人だけが有利になったり不利になったりする不平等は殆ど無いとされる。
欧米至上主義、人種差別、男尊女卑の思想が全く無く、短い学習時間で習得が可能とされている。
各国語に正確に翻訳できる言語としてもアピールされていて、ノシロ語を利用すれば常時100%の翻訳精度を実現できる 国際携帯電話やメールソフトを作ることも可能だとされる。
文字はローマ字を用いて記述されるが、独自に考案されたノシロ文字で記述することも可能であり、コンピューター用のノシロ文字フォントも作成されているらしいが公開されていない。
このように発案者によると大きな利点がある言語とされているが、現時点ではノシロで書かれた文章は極めて短い例文しか見ることができずノシロ文字についても使用例がない。従って、現在の話者の数はほぼゼロだと思われる。また、ノシロ語の使用例が皆無に等しいことから作者自身も話者でないと思われる。
作者自身、ホームページの一部をノシロ語で書いたり、ノシロ語で何かの簡単な説明をした経験が全くない。
それにも関わらず、作者はノシロ語を最先端の学術論文や国際条約文まで難なく処理してしまう21世紀の人工国際言語と謳い、EU(欧州連合)のための言語、AU(アジア連合)のための言語という。(実際にはAUはアフリカ連合なので作者のいうアジア連合は架空の団体なのかも知れない。)
EUがノシロ語を採用する前提で「ノシロ語はアジアからヨーロッパへの歴史的なプレゼントです。」とも発言している。EUもAUも全くノシロ語の採用を決めていないどころか検討すらしていない、というかたぶんノシロ語の存在自体知らないので作者の発言と現実が一致していない。
翻訳精度100%のメールソフトが簡単に作成でき、そのメールソフトの販売数が2億本?3億本見込めるという発言など、根拠のない発言が多い。
ノシロ語は個人がインターネットを利用して自由に情報を発信できることから起きる問題点を考えさせてくれるという見方もあり、言語学的な見地からではなく、ウォッチング、あるいは一種のジョークとしての「ノシロ語ファン」が存在する。
ノシロ語はインターネット上でも様々な議論が展開している。世界語として今後どのような形で消滅するかは分からないが、エスペラントに続き様々な試みが今でも続けられている。
目次 |
[編集] ノシロ語のテキスト
- 「ノシロ -- 日本で生まれた共生時代の簡易言語」泰流社 ISBN 4-8121-0221-9 1997年6月刊行
- 「人工言語ミニ事典 ノシロ語(水田扇太郎)」 『月刊言語』2006年11月号(特集 人工言語の世界 -- ことばを創るとはどういうことか)所収、大修館書店・発行
[編集] ノシロ友好単語の数値の一例
数 | ノシロ友好単語 | 読み方 | 語源 |
0 | XUNyA | [シューニャ] | サンスクリット |
1 | WAn | [ワン] | 英語 |
2 | NI | [ニ] | 日本 |
3 | SAM | [サム] | 朝鮮 |
4 | SII | [スィー] | タイ |
5 | LIMA | [リマ] | マレーシア |
6 | ZEKS | [ゼクス] | ドイツ |
7 | SABAA | [サバー] | アラビア |
8 | WIT | [ウィトゥ] | フランス |
9 | KOO | [コー] | ビルマ |
10 | TIO | [ティオ] | スウェーデン |
100 | STO | [スト] | ロシア |
1,000 | MILA | [ミラ] | イタリア |
10,000 | MAn | [マン] | 中国 |
100,000,000 | OK | [オク] | 朝鮮 |
1,000,000,000,000 | QO | [チョ] | 朝鮮 |
10,000,000,000,000,000 | KyOn | [キョン] | 朝鮮 |
(注)数値9は2004年2月25日にNineからKOOに変更、数値1は2005年4月16日にIIからWAnに変更。
[編集] ノシロ文字一覧
ノシロ語は通常、ローマ字で記述されるがノシロ文字という独自の文字もある。
[編集] 外部リンク
- 「ノシロ語」 のホームページ
- PLAYARAnS -ノシロ語を広めよう - (ブログ)
- 人工言語野 ノシロ語
- 「ノシロ 日本で生まれた共生時代の国際簡易言語」の書評
- The problem of Language(ノシロ語も紹介している英文の言語系サイト)