光と水のダフネ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『光と水のダフネ』(ひかりとみずのダフネ)はアニメ、漫画、インターネットラジオからなるメディアミックス作品である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
本作品は、何らかの理由で陸地のほとんどが水没してしまった未来の地球を舞台とし、そこで活躍する女性達を描くSF冒険活劇である。本作品には下記のとおりアニメ版と漫画版があり、それぞれ異なる時代を描いている。
- 『アイ~光と水のダフネ~』(漫画版)
- 『光と水のダフネ -DAPHNE IN THE BRILLIANT BLUE-』(アニメ版)
- 人類が再び海上に浮上を果たしてから100年後の世界で、海上都市カムチャッカを舞台に、主人公・水樹マイアの活躍を描く作品。
- (中部日本放送、テレビ神奈川、テレビ埼玉、千葉テレビ放送、毎日放送で2004年1月から7月まで全24回で放映された(中部日本放送の場合2004年1月15日から同年6月30日まで放映。尚、日付が合わないのは4月7日放送分から放送曜日が水曜に変更された為である。毎日放送の場合、前番組の『住めば都のコスモス荘 すっとこ大戦ドッコイダー』ネット遅れを引きずっていた上に、オリンピック中継によるアニメシャワー枠自体の休止が重なって最終回は他局より約2ヶ月余り遅れて放送された)。また、同時期にチャンネルNECOでも放映された(一度に4本をまとめて放映し、それを1ヶ月間リピートするという変則形態)。なお、2005年9月からAT-Xでも一度に二本という形態で放送された)
この他、主にアニメ版の視聴者を対象としたファンサービスとして『中原麻衣・岩田光央のラジオネレイス』というインターネットラジオが配信(2004年2月11日~9月4日までの計30回)されていた。
[編集] アニメ
[編集] 概要
本作品は、上記のとおり未来の海上都市で活躍する女性達を描くSFアニメである。放映前はタイトルのイメージと事前の番宣映像から、本作品は一見海中の遺跡か何かを探索することを生業とした女性達を描いたものと思われたが、実際にはB級テイストなギャグが基本のスラップスティックコメディであった。
物語は放映前のシリアスなイメージとは裏腹に(良い意味ではあるが)馬鹿らしい内容であったため、3話辺りまではどういうコンセプトのアニメなのかが見えにくく、早々と視聴を打ち切った者が多かったようだ。しかし、主要メンバーの一人であるグロリアが登場する4話で、このアニメが実はコメディであることが明らかになり、それ以降、やや懐かしいB級テイストなギャグや安易な萌えに頼ろうとしない姿勢が一部の人々に受け、さらにインターネットラジオの面白さなどから、コアな人気が付いた。
話が進むにつれ、次第にマイアの失われた過去とそれを巡る海洋庁の暗躍といったシリアスな展開を見せるようになり、それまでのコメディテイストを好んでいたファンからは賛否両論の意見が出たが、結果としては上手く話をまとめることに成功した。また、最終話において明かされた事実は少なからずファンに感動を与え、全体として見ると、作画のあまりの酷さを除けば、脚本やキャラクター、音楽など、質の高い作品であったと言える(作画の酷さすら、ときとしてギャグとして許容されていたことから、このアニメが如何にファンに愛されていたかが窺える)。
ちなみにこのアニメは前貼りアニメなどと称されることがある。これは、女性キャラクター達が着用する水着のあまりにも露出過多なデザインに由来している。実際には前貼りと呼べる形状なのは主要メンバー5人の内、レナ、静香の2人(ゆうは前貼りというよりは紐)であるが、それにも拘らずこのような呼称が誕生したのは、この2人の水着のデザインが如何に衝撃的であったかを如実にあらわしているといえるだろう。
しかしこのアニメが真にすごいところは、その衣装の過激さについて物語中において誰一人として言及せず当たり前のように着用し、さらに普通のアニメなら当然用意されているであろう、あざといアングルのサービス等もほとんど皆無であったことだ。つまりこの前張りはエロを売りにしたものではなく、そのシュールさ自体が一つのギャグとして成立するものであった(ちなみに、この衣装は公式には水着ということになっているが、後にインターネットラジオで勝負服という通称が与えられた)。
[編集] あらすじ
海上都市で中心的な役割を担う海洋庁の入庁試験に失敗した天涯孤独の主人公・水樹マイアは、合格後の入寮を見通して家も引き払っていたため、住む場所も失い途方に暮れて街を彷徨っていた。そんな折、マイアは逃走中の犯罪者に人質とされてしまい、それを追っていた何でも屋・ネレイス社の本城レナに犯人ごとショックガンで撃たれてしまう。ネレイス社の事務所で正気に返ったマイアは、今度は犯人の仲間をおびき寄せるための餌としてレナに使われてしまい、このことから結局そのままネレイス社カムチャッカ支店の住み込み社員として働くことになる。この支店にはレナの他にも変わり者の女性社員が多く、マイアは彼女達に振り回される生活を送ることになる。
[編集] 主な登場人物
- 水樹マイア (声:中原麻衣)
- 本城レナ (声:大原さやか)
- 葉山静香 (声:植田佳奈)
- グロリア (声:浅野真澄)
- 朴ゆう (声:甲斐田裕子)
- 花岡勉 (声:岩田光央)
- 花岡ゆかり (声:小清水亜美)
- 高城つかさ (声:野川さくら)
- ミリィ (声:野田順子)
- アイ・マユズミ (声:広橋涼)
- 水樹翔 (声:麦人)
- ケビン・ウェイ (声:藤原啓治)
- クレア光永 (声:柚木涼香)
- 八木浩輔 (声:中村秀利)
- 森克也 (声:関智一)
- 高橋健太 (声:釘宮理恵)
- リー (声:西村知道)
- ウォン (声:乃村健次)
- チャン (声:川田紳司)
- メイ (声:生天目仁美)
- トニー・ロン(声:千葉進歩)
- ウィルフレッド・キム (声:中村大樹)
[編集] スタッフ
- 原作:NeSKeS
- 監督:池端隆史
- シリーズ構成:水上清資
- 脚本:水上清資、山田靖智、砂山蔵澄
- キャラクタ-原案:士貴智志
- キャラクターデザイン:岩倉和憲
- プロデュース:ジェンコ
- アニメーション制作:J.C.STAFF
- 企画協力:高山文彦
- 総作画監督:中山由美
- デザインワークス:武半慎吾
- 美術監督:谷村心一
- 色彩設計:安藤智美
- 撮影監督:大河内喜夫
- 音響監督:明田川仁
- 音響制作:マジックカプセル
- 音楽プロデューサー:伊藤善之
- 音楽:大谷幸
- 音楽制作:ランティス
[編集] 主題歌
- 明日のBlue wing (オープニングテーマ)
- あなたと言う時間 (エンディングテーマ)
[編集] 放送リスト
各話には元ネタとなった映画作品がある。
[編集] テレビ放映タイトル
話数 | サブタイトル | 元ネタとなる作品 |
---|---|---|
#01 | マイアのいちばん長い日(前編) | 『日本のいちばん長い日』(岡本喜八 , 1967) |
#02 | マイアのいちばん長い日(後編) | 同上 |
#03 | ネレイスほど素敵な商売はない? | 『ショウほど素敵な商売はない』(ウォルター・シーゲル, 1949) |
#04 | チャカチャカバンバン | 『チキチキバンバン』(ケン・ヒューズ, 1968) |
#05 | 帰ってきた暴れん坊 | 『帰ってきた若大将』(小谷承靖, 1981) |
#06 | 夜の大捜査戦 | 『夜の大捜査線』(ノーマン・ジェイソン, 1967) |
#07 | オール・ザット・パパ | 『オールザットジャズ』(ホブ・フォッシー, 1979) |
#08 | スピードに体を張れ! | 『現金に体を張れ』(スタンリー・キューブリック, 1955) |
#09 | オレだけに明日はない | 『俺たちに明日はない』(アーサー・ペン, 1967) |
#10 | シベリア超特休 | 『シベリア超特急』(MIKE MIZNO, 1996) |
#11 | かくも長き滞在 | 『かくも長き不在』(アンリ・コルピ, 1960) |
#12 | 世界が浮上した日 | 『世界が燃えつきる日』(ジャック・スマイト, 1977) |
#13 | 怒りを上げて | 『錨を上げて』(ジョージ・シントニー, 1945) |
#14 | 老人とUMA | 『老人と海』(ジョン・スタージエス, 1958) |
#15 | 大波動 | 『ダイ・ハード』(ジョン・マクティアナン, 1988) |
#16 | 大波動2 | 『ダイ・ハード2』(レニー・ハーリン, 1990) |
#17 | 赤ちゃんに完敗 | 『赤ちゃんに乾杯!』(コリーヌ・セロー, 1985) |
#18 | 静香なる葛藤 | 『静かなる決闘』(黒澤明, 1949) |
#19 | 潜水艦よもぎ一号浮上せず | 『原子力潜水艦浮上せず』(デイヴィッド・グリーン, 1978) |
#20 | ワンス・アポン・ア・タイム・イン・シベリア | 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(セルジオ・レオーネ, 1984) 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』(ツイ・ハーク, 1991) |
#21 | 何がマイアに起ったか? | 『何がジェーンに起ったか?』(ロバート・アルドリッチ, 1962) |
#22 | アイと追憶の日々 | 『愛と追憶の日々』(ジェームズ・エル・ブルックス, 1983) |
#23 | エスケープ・フロム・カムチャッカ | 『ニューヨーク1997』(ジョン・カーペンター, 1981) 『エスケープ・フロム・L.A』(ジョン・カーペンター, 1996) 『エスケープ・フロム・アフガン』(ティムール・べクマンべトフ, 2002) |
#24 | 光と水のダフネ | 『光と水のダフネ』(池端隆史, 2004) |
なお、公式サイトでの第20話サブタイトルは「ネレイスから遠く離れて」だった。この元ネタは『ベトナムから遠く離れて』(アラン・レネ, 1967)である。
[編集] テレビ未放送DVD特別編のタイトル
サブタイトル | 元ネタとなる作品 |
---|---|
私をネレイスにつれてって! | 『私を野球につれてって(バスビー・バークレイ '49)』 |
THE LIGHT STAFF(らいとすたっふ) | 『ライトスタッフ (The Right Stuff)』(フィリップ・カウフマン, 1983) |
[編集] その他
作中で、旭橋、秋月橋、花咲大橋など、北海道旭川市に実在する橋梁名を呼称しているが、その関連性は不明である。
[編集] 漫画
こちらはアニメの前の時代が舞台であり、主人公はアイ・マユズミ
[編集] インターネットラジオ
『中原麻衣・岩田光央のラジオネレイス』(通称、ラジオネレイス)は、その名のとおりアニメ版の主人公・水樹マイア役の中原麻衣と同じく花岡勉役の岩田光央がパーソナリティーを務めるインターネットラジオである。中原麻衣のグダグダトークと岩田光央の勢いに任せたお下劣トークが混じり合って何とも言えない雰囲気を持つ番組であった。
主な内容は聴取者からのメール・葉書に応えるというものであるが、稀に回答の中で漫画版の作者・士貴智志などから作品の設定を説明させるということもあった。また、パーソナリティーの二人の他にも出演声優を代わる代わる登場させ、ファンサービスを図っていた。なお、荒鷲こと浅野真澄(グロリア役)が登場すると番組の下品さがエスカレートする場合が多くなり、聴取者を喜ばせていたりした。
なお2004年7月10日に配信された第22回からは、ラジオドラマを中心とした構成となっていた。
番組の詳細は当該項目を参照のこと。
[編集] 関連商品
[編集] DVD
- 光と水のダフネVOL.1
- 光と水のダフネVOL.2
- 光と水のダフネVOL.3
- 光と水のダフネVOL.4
- 光と水のダフネVOL.5
- 光と水のダフネVOL.6
- 光と水のダフネVOL.7
- 光と水のダフネVOL.8
- 光と水のダフネVOL.9
- 光と水のダフネVOL.10
- 光と水のダフネVOL.11
- 光と水のダフネVOL.12
[編集] 外部リンク
- 光と水のダフネ 公式サイト
- WRENCH STUDIO(漫画版作者のWebサイト)
- 中原麻衣・岩田光央のラジオネレイス(thedaphne.jp)(配信終了)(配信ページ移転後、移転先のページが別内容に変更)
- 中原麻衣・岩田光央のラジオネレイス(te-a.jp)(配信終了)
カテゴリ: 書きかけの節のある項目 | アニメ作品 ひ | 中部日本放送のテレビアニメ | 深夜アニメ | UHFアニメ | J.C.STAFF | 漫画作品 ひ | ヤングキング | 漫画関連のスタブ項目 | アニメに関するスタブ