俺たちに明日はない
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俺たちに明日はない Bonnie and Clyde |
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監督 | アーサー・ペン |
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製作 | ウォーレン・ビーティ |
脚本 | デヴィッド・ニューマン ロバート・ベントン |
出演者 | ウォーレン・ビーティ フェイ・ダナウェイ ジーン・ハックマン マイケル・J・ポラード エステル・パーソンズ |
音楽 | チャールズ・ストラウス |
撮影 | バーネット・ガフィ |
編集 | ディディ・アレン |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 | 1967年8月4日 モントリオール |
上映時間 | 111分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
制作費 | 250万ドル(当時) |
興行収入 | 2250万ドル(米国内) |
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『俺たちに明日はない』(おれたちにあすはない、Bonnie and Clyde)は、1967年のアメリカ映画。1930年代、世界恐慌時代の実在の銀行ギャング・ボニーとクライドの出会いと死に至るまでを描く、アメリカン・ニューシネマ第1号作品。ラストで87発の銃弾を浴びて絶命するボニーとクライドの姿が、当時若者の話題を呼んだ。
1967年度のアカデミー賞では助演女優賞(エステル・パーソンズ)、撮影賞を受賞した。
目次 |
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
1930年代のクライド・バーローとボニー・バーカーの実話を元に描かれている。
クライド(ウォーレン・ビーティ)がボニー・バーカー(フェイ・ダナウェイ)の母親の車を盗もうとする場面から映画は始まる。ボニーはクライドの非合法的な振る舞いに興奮させられ、そして、彼は彼女の面前で店から掠奪をすることで、彼女をさらに刺激する。クライドはボニーを引き連れて車を掠奪し、彼らの伝説的な犯罪を行い放題が始まる。2人は町から別の町まで渡り歩き小さい強盗をやってのける。
彼らがクライドの兄バック(ジーン・ハックマン)と彼のけたたましい妻ブランチ(エステル・パーソンズ)、頭の鈍いガソリンステーションの店員C.W.モス(マイケル・J・ポラック)がメンバーに加わり、この新しいギャング団は銀行強盗をはたらく。その中で銀行の客にお金を頼りにされると支払ってやる。こうしてクライドたちは大恐慌時代でのロビン・フットとして人気は広まる。
警察の方も警備を強化しても、彼らは絶えず逃走を続ける。ある時は、テキサス・レンジャーのメンバーを誘拐し、手錠をかけ、いかだで彼を漂流させる。しかし、アイオワでテキサス・レンジャーは彼らを襲撃し、バックは虫の息、ブランチは旦那のそばにいたいとして、2人をその場に残すが、ボニーもクライドも負傷する。ボニーの母親に会った後、隠れ家を求めてC.W.は彼らと共に自分の父親が住んでいる牧場を訪ねる。C.W.の父はC.W.の身を守るためにテキサス・レンジャーと司法取引をする。
こうして、隠れ家から出てきたボニーとクライド2人は、警察側の集中砲火を浴び、絶命した。
[編集] スタッフ
- 監督 - アーサー・ペン
- 製作 - ウォーレン・ビーティ
- 脚本 - デヴィッド・ニューマン/ロバート・ベントン
- 撮影 - バーネット・ガフィ
- 音楽 - チャールズ・ストラウス
[編集] キャスト
- クライド・バロー - ウォーレン・ビーティ
- ボニー・パーカー - フェイ・ダナウェイ
- C.W.モス - マイケル・J・ポラード
- バック・バロー - ジーン・ハックマン
- ブランシュ - エステル・パーソンズ
[編集] エピソード
- フランソワ・トリュフォーがウォーレン・ビーティの最初の監督候補だったが、断念した。
- 最初に選んだフランソワ・トリュフォーはこのプロジェクトに対して鋭く興味を示し、脚本に関連しいくつか指摘をした(たぶん、実像のクライド・バローがバイセクシュアルということを映画から消すようにした)。しかしながらも、撮影が始まる際にトリッフォーは長年念願だった『華氏451』の撮影が決まり、彼はこのプロジェクトを放棄せざるを得なかった。
- フランソワ・トリュフォーがこのプロジェクトから去ったために、製作者たちはジャン=リュック・ゴダールに接近した。しかし、ある情報によると、ゴダールがハリウッドを信用せず断ったというし、またある情報では、ボニーとクライドを日本のティーンエイジャーに置き換えて映画化しようとして、製作者側から映画化を断ったという。
- ワーナー・ブラザースは、最初この映画を限定館向けへのB級映画としか最初考えておらず、ドライブ・イン用の映画か、より少ない映画館で上映しようとした。ところが、映画批評家に絶賛され、若者が次々上映館に集まりだし、これが良い宣伝になり、より多くの映画館で上映され、大規模なヒットになった。
- ジーン・ワイルダーの最初の出演作である。
- 最後の虐殺シーンでフェイ・ダナウェイは、車から落ちないように足をギア・シフトに固定して撮影した。
- この映画でフェイ・ダナウェイが着用するためのベレー帽が何千と世界中から集められた。
- ウォーレン・ビーティはこの映画では製作者だけに専念しようと思っていた。というのも彼の姉であるシャーリー・マクレーンが強くボニーの役を願っていたからである。しかしウォーレン・ビーティがクライド役に決定してマクレーンは役から降りた。
- C.W.モスのキャラクターは2人の実在の強盗団のメンバーを合わせたキャラクターであった。
- ボニー・パーカーは身長は150cmしかなく、フェイ・ダナウェイより27cmも低かった。
- ワーナー・ブラザースは、この映画の成功をほとんど信じていなかったので、前代未聞の条件をウォーレン・ビーティを提示した。最小限の給料で儲けの40%を支払うという条件だった。結局この映画は5000万ドル以上を売り上げた。
- 「俺たちは銀行を盗む("We rob banks.")」はアメリカ映画協会(AFI)の名台詞100選の中の第41位である。