三國志11
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三國志11 | |
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ジャンル | 歴史シミュレーション |
対応機種 | Windows2000/XP Playstation2 |
開発元 | コーエー |
発売元 | コーエー |
人数 | 1~8人 |
メディア | CD-ROM DVD-ROM[PS2] |
発売日 | 2006年3月17日 2006年4月17日(修正版) 2006年9月8日パワーアップキット 2006年9月28日Playstation2 |
価格 | 10,800円(税抜き) PK=5,800円 Playstation2=8,800円 |
三國志11(さんごくし・イレブン)はコーエーから発売された歴史シミュレーションゲームで、三國志シリーズの第11作。パソコン用で発売された後、プレイステーション2に移植された。また第10作目まではローマ数字での表記(三国志Xなど)だったが、11作目となる本作はアラビア数字に変更になった。
目次 |
[編集] 概要
『三國志X』では武将プレイだったが、再び君主プレイに戻った。『三國志IX』・『X』と同様にマップは1枚マップだが、今作では3Dとなった。そのため、高性能のビデオカードを要求するスペックとなっている。
今作は内政の概念が今までと異なり、各都市に存在する空き地に農地や市場などを建設することで金や兵糧の収入を高めることとなる。また、兵の雇用や武器の生産もそれに対応した施設を開発して初めて生産できるようになる。
時間の進行は『IX』と同様に10日ごととなっており、戦略フェイズで武将に指示を出した後、進行フェイズで指示を受けた武将が行動を実行するというシステムになっている。遠方の都市を探索したり外交に行ったりすると、距離に応じた日数を消費するため、それを見越した上で指示を出す必要がある。
戦争は自分のターンで部隊を動かし、通常の攻撃や計略、戦法を駆使して敵部隊を壊滅させていくという形式である。戦法は各兵科および部隊に編成されている武将の兵科に対する適性によって発動できるものが変わってくる。また、戦法や計略の発動には気力が必要なので、計画的に戦闘する必要がある。
また、敵の攻撃に備えてマップ上に障害物や攻撃施設を建設したり、気力や攻撃力を増加させる施設を建設することができる。また、罠を仕掛けておき、相手をうまく嵌めるという考えた戦闘ができる。
[編集] シナリオ
[編集] 評価
今作では今まででは考えられないようなゲームバランスを崩すほどのバグや低レベルなAIが指摘されており、公式掲示板でさえも不満の声が噴出した。
以下にその一例を挙げる。
- 6万の大兵力が籠もる城に5,000程度しか兵のいない部隊1部隊で攻めてくる。
- 忠誠度が100なのに君主との相性が悪いと容易に裏切る。
- 豊作の都市が変わらない。
- 投石器で自勢力の都市を落とすことができ、しかも捕虜にすることさえ可能(但し、何故か一部武将が登用出来なかったりする)。
- 委任すると褒美や治安が無視されるため、委任軍団の武将が次々と裏切り、都市には賊が次々と発生する。
この他にもいくつかの不満が出ている。このうち豊作の都市が変わらない点は少しテストプレイすればわかるバグであり、その点もさらにユーザーの不満を募らせている。
また、ゲーム中に出る声が中国語(北京語)である点も不満に思っている人が多い。なぜ日本で発売するのに中国語にする必要があるのか、それよりも内容をもっと凝ったほうがいいのではないかと各種電子掲示板で言われている。中国語の音声については、台湾での発売を見越して中国語の音声を入れたとの見方も出来る。
今作が3月に発売され、出来が非常に悪いことから「今回はβ版どころではなくα版ではないか」、「決算にあわせるために不備を承知で発売したのではないか」という憶測も出ている。
2006年4月10日に修正パッチが発表された。このパッチでは既存のバグを修正し、バランス調整を図った物だったが、今だ多くのユーザーが満足する出来では無いとしている。また、初期製品版では上級モードでさえ、コンピューター勢力がまともに攻めて来なかったため批判が多かったのに対応して、このパッチではコンピューター勢力が自国の残存兵力をほとんど無視し兵が尽きるまで(逆ギレしたように)攻め続けるようになってしまったため、掲示板などではこのパッチの事を「逆ギレパッチ」と通称している。
問題点としては、自城に兵5,000程度を残して突撃し続け、守りを全く考慮しないため、部隊を無視して敵城を攻撃するだけで簡単に陥落させる事が出来る。敵が関所前に居ると、そちら側に出陣する事が出来ないので計略や弩での攻撃以外では倒す事が出来ないことなどが残っている。
なお、通常コーエーの出す修正パッチは、中古対策のためにゲームのシリアルナンバーを入力してユーザーズページに登録しなければダウンロードすることができないが、今作のVer1.1パッチは登録していなくても修正パッチを落とすことができる。
ユーザーからの不評があまりにも大きかったためか、コーエーはバグの修正パッチ配布だけでなくディスク交換も希望すれば無償で応じるという対策を採った(ただ、ディスク交換は後述の糞藝爪覧を隠すためではないかとの憶測もある)。同年4月17日にはバグを取った状態で改めて三國志11を発売する。このことは決算期に合わせるため無理に発売したのであろうというユーザーの確信を強めるものとなった。
[編集] 糞藝爪覧
ゲーム内に糞藝爪覧(フンゲイソウラン)なる武将の名前が存在していることが2ちゃんねるの歴史ゲーム板のスレッドに報告された。TS000001.s11というファイルをInternet Explorerなどで開くとその中に糞藝爪覧なる名前が存在するということである。この名前は「クソゲーつまらん」と読めることや、列伝が「あーつまらん」としか書かれていないことから、これは開発者の叫びではないかなどとの憶測も出ている。
また、同ファイルには毛沢東や周恩来、鄧小平などの近代中国史に登場する人物が存在することや、TS000000.s11には「武富士」(読みはあこむとなっている)が存在することから、これはコーエーの会社自体が問題となるのではないかなどと言われている。
公式掲示板にはこのことを指摘する書き込みが何回か為されているが、コーエーによって全て削除されていることから、コーエーもこの事実には気付いているようである。公式掲示板の禁止事項に「GAMECITYやその他メディアで公式発表されていない情報および出所不明の情報に関する発言」があるものの、にゅーあきばどっとこむに記事として載っており、これは禁止事項には該当しないはずであり、それにもかかわらず削除して書き込みがなかったことにする姿勢から、コーエーは事実を隠蔽しているという指摘がされている。
なお、無料で公開されている体験版にもこれらの名前が入っていたが、現在では削除されている。