メークドラマ

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メークドラマ(Make-Drama)とは、「読売ジャイアンツ（巨人）がペナントレースで大逆転を演じる」という意味合いの言葉で、巨人の元監督であった長嶋茂雄がつくり出した造語（和製英語）である（正しい英語では「Make It Dramatic」となる）。「メイクドラマ」と記述される場合もある。

[編集] 概説

[編集] 誕生経緯

メークドラマという言葉が生まれたのは1995年のことで、低迷する巨人のナインに奮起を促すため、或いはマスコミに対して逆転の意志を表すために、長嶋監督（当時）によって使われはじめた。しかしこの年は結局ペナントを逃し、この年優勝したヤクルトの監督だった野村克也によってメーク（Make）をローマ字読みし「マケドラマ（負けドラマ）」と揶揄されるだけであった。

[編集] 1996年のメークドラマ

翌1996年、この年のシーズンは中盤まで首位が広島東洋カープで、巨人は首位に最大11.5ゲーム差をつけられていた。

しかし、11ゲーム差で迎えた同年7月9日に札幌市円山球場で行われた対広島戦で、2回2アウトランナーなしから9者連続安打で一挙7点を奪って勝ったのを機に巨人の快進撃が始まった。7月16日の中日ドラゴンズ戦でチーム40勝を達成、その後もじわりじわりとゲーム差を縮めていき、遂に10月6日、ナゴヤ球場での中日戦に勝利し優勝。11.5ゲーム差をひっくり返し、ここに「メークドラマ」が完成、この年の流行語大賞にも選ばれ、巨人の大逆転を表す言葉として定着することとなる（11.5ゲーム差の逆転優勝は、現在もセ・リーグ記録として残っている）。

ちなみに日本シリーズでは、「がんばろう神戸」をスローガンに掲げたオリックス・ブルーウェーブの前にいきなり3連敗。4戦目にようやく1勝を挙げ「メークドラマ再び」と期待されたものの、次戦であっけなく敗退した。当時の「週刊ベースボール」には「初勝利をあげた翌日の巨人ナインからは『俺たちは11.5ゲーム差を逆転してきた。だから今回もこれから逆転するんだ』というムードが漂っていた」「堀内ヘッドコーチが『3連敗は予定通り』と言って長嶋監督から『そんなこと軽々しく言うものじゃない』と注意される」といった内容の記述がなされており、長嶋以外のジャイアンツナインはメークドラマを軽々しく見ていたことがうかがえる。

[編集] 1997年以降

1997年、前年以上にゲーム差が開くと、今度は“メークミラクル”（Make-Miracle）という言葉が誕生し、メークドラマを上回る大逆転劇をと話題になったが4位に終わっている。

以後ジャイアンツがペナントレースで首位に大きく遅れをとるとマスコミなどが必ずといって良いほどメークドラマをはやし立てることとなり、11.5ゲーム差までは優勝圏内あたり前、それ以上に離されても札幌遠征で勝てば十分優勝可能、或いは（下位に低迷しているのに）あたかも優勝争いをしているかのように報じるが、1度も逆転優勝はない。いまだに、「札幌はメークドラマの発祥の地」と強調する巨人のOBやファンがいるほどである。そのため、一部のプロ野球ファンからは過剰報道するマスコミを批判する声も聞かれる。

最近では、11.5ゲーム差を「限界点」「絶望の数字」などと表現するマスコミも現れ始めている。