スズキ・ジムニー
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ジムニー (Jimny) は、スズキが市販している軽自動車である。 軽量で小型ボディのパートタイム4WDであり、オフロードでの走破性が高いとされている。また、オフロード車でもモノコックフレームの採用が進む今日にあってラダーフレームを採用し続け、乗り心地や車重増と引き替えに極めて高い車体強度を有している。
2000年に2WD(FR)車が発売されたが現在は4WD車のみとなっている。
マツダへOEM供給されたモデルはAZ-オフロードの名で販売されている。
また1977年に発売されたSJ20以降、普通車登録のジムニーも発売され、海外でも販売されている。海外では「サムライ」「シエラ」などの名で販売されていたこともある。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 初代第1期(1970年~1972年)
LJ10 1970年4月に軽自動車初の本格四輪駆動オフロード車として発売。 ホープ自動車が開発し、極少量生産・発売した「ホープスターON360」の製造権を買い取り、大幅な改良を加えた上で登場した。
[編集] 初代第2期(1972年~1976年)
LJ20
1972年5月に発売。 LJ10との主な違いは、エンジンが空冷から水冷に変更したこと。
- 全長 2,955mm 全幅 1,295mm 全高 1,670mm
- エンジン L50型 水冷直列2気筒2サイクル
- 排気量 359cc 最高出力 28ps/5,500rpm 最大トルク 3.8kg-m/5,000rpm
[編集] 初代第3期(1976年~1981年)
SJ10
1976年6月に発売。 昭和51年の法律改正により、軽自動車の規格変更されて排気量が550ccとなる。
- 全長 3,170mm 全幅 1,395mm 全高 1,670mm
- エンジン LJ50型 水冷直列3気筒2サイクル
- 排気量 539cc 最高出力 26ps/4,500rpm 最大トルク 5.3kg-m/3,000rpm
SJ20(ジムニー8)
1977年7月に発売。 輸出仕様を基にしたもの。軽自動車の枠には納まらず普通車登録。SJ10の車体に排気量800ccのエンジンを搭載した。
- 全長 3,170mm 全幅 1,395mm 全高 1,845mm(幌) 1,685mm(バン)
- エンジン F8A型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 797cc 最高出力 41ps/5,500rpm 最大トルク 6.1kg-m/3,500rpm
[編集] 2代目第1期(1981年~1987年)
SJ30
1981年5月に発売。 11年ぶりにフルモデルチェンジし、快適性や操作性など、乗用車としての性能を向上させた。
同時期、すでにスズキの軽自動車のほとんどは4ストロークエンジン「F5A」に移行していたが、ジムニーではトルクが不足する為、LJ50が継承された。日本では最後の2ストロークエンジン搭載の4輪自動車となった。
エンジン出力も28Psに向上した。
- 全長 3,195mm 全幅 1,395mm 全高 1,690mm
- エンジン LJ50型 水冷直列3気筒2サイクル
- 排気量 539cc 最高出力 28ps/4,500rpm 最大トルク 5.4kg-m/2,500rpm
SJ40(ジムニー1000)
1982年8月に発売。 先行して輸出されていたSJ410が、ユーザーの希望にこたえる形で国内販売された。
SJ20に搭載されたF8Aをボアアップし970ccとしたF10Aを搭載した。
2代目となるボディは、このF10A搭載を前提として設計されている。
また、国内では初めてピックアップモデルが設定されたが、この形式のみとなっている。
標準装着として15インチホイール(5.5Jオフセット+10)と195SR15タイヤが装着されたが、6穴(PCD139.7mm)仕様のホイールとされた。
軽モデルに流用できないようにするためと言われている。
(ピックアップモデルのみ16インチホイールを採用するため軽モデルと同じ5穴ホイールとなっている)
1986年の貨物自動車排ガス規制をクリアできずJA51に移行。
(軽貨物車は昭和53年規制で乗用車同様に規制されていた)。
国内では2年ほどの販売だったが、海外ではスペイン・インドネシアなどで1998年頃までノックダウン生産されている。
- 全長 3,355mm 全幅 1,465mm 全高 1,690mm (バン)
- エンジン F10A型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 970cc 最高出力 52ps/5,000rpm 最大トルク 8.2kg-m/3,500rpm
[編集] 2代目第2期(1984年~1990年)
JA71
1986年1月に発売。 それまでの2サイクルエンジンから変更され、初めて4サイクルターボエンジンが搭載された。 550ターボエンジンと5速ミッションにより高速走行が可能になったが、実用グレードとして2サイクルエンジンのSJ30型も併売された。
- 全長 3,195mm 全幅 1,395mm 全高 1,680mm (M-JA71V(バン))
- エンジン F5A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 543cc 最高出力(グロス) 42ps/6,000rpm 最大トルク 5.9kg-m/4,000rpm
1987年11月 インタークーラー装着車登場 出力が向上したもののドッカンターボ的な特性が強まった。 JA51で登場していたパノラミックルーフ車も登場。 サイドブレーキもセンターブレーキから通常の後輪2輪制動式に変更され、フロントフェイスもJA51型同様樹脂別体式の上級グレードでフォグランプ内蔵のものになった。 1989年11月軽ジムニー初の特別仕様車ワイルドウインドリミテッド(1000台限定)発売。
- 全長 3,195mm 全幅 1,395mm 全高 1,825mm
- エンジン F5A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 543cc 最高出力(グロス) 52ps/5,500rpm 最大トルク 7.2kg-m/4,000rpm
JA51 ジムニー1300
1984年11月に発売 カルタスに搭載されていた3気筒のG10Aエンジンに1気筒を足して1300となったG13Aエンジンを搭載。 また、普通車ジムニー初の5ナンバー登録車が登場。 1985年12月にはルーフを高くしたパノラミックルーフ車が登場した。 1986年10月には普通車ジムニー初の特別仕様車ウインターアクションスペシャル(100台限定)が発売。
- 全長 3,355mm 全幅 1,465mm 全高 1,700mm (E-JA51W(ワゴンGWL))
- 車体重量 870kg
- エンジン G13A型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 1324cc 最高出力(グロス) 70ps/5,500rpm 最大トルク 10.7kg-m/3,500rpm
[編集] 2代目第3期(1990年~1995年)
JA11
1990年2月に発売。
軽自動車の規格拡大により110cc排気量がアップされ、前後バンパーも大型化された。
リーフサスペンションにも改良が加えられ、オンロード・オフロードでの性能も向上。
モデルチェンジでパワーステアリングや3速ATの採用、パワーアップ等年々進化した。
低速トルク向上による扱い易さに定評があり、多くのアフターマーケットパーツにも恵まれるためオフロードユースのユーザーに多くの支持を得ている。
1990年10月 限定車のワイルドウインドリミテッド(1000台限定)
1991年6月 2型となり、グリルなど変更し58psにパワーアップ
1991年11月 限定車のワイルドウインドリミテッド(2400台限定)発売。パワーステアリングが初装備される。
1992年7月 3型となり3速AT車が設定された 。限定車スコットリミテッド(3000台限定)発売。キャリアベース標準装備。
1992年11月 限定車のワイルドウインドリミテッド(3500台限定)発売。
1993年6月 限定車のスコットリミテッド(3000台限定)発売。
1993年11月 限定車のワイルドウインドリミテッド(5000台限定)
1994年4月 4型発売。一部パワステ標準化他、安全装備関連の変更。
1994年6月 限定車のサマーウインド(4500台)発売。JA11唯一の赤系塗装車設定。
1995年2月 5型発売。先行として特別仕様車ランドベンチャー発売。フルトリム内装を採用し64ps/10kg・mにパワーアップ。追って標準車も64馬力化される。
- 全長 3,295mm 全幅 1,395mm 全高 1,680mm(バン)
- エンジン F6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
-
- JA11-1型 排気量 657cc 最高出力 55ps/5,500rpm 最大トルク 8.7kg-m/3,500rpm
- JA11-2型 排気量 657cc 最高出力 58ps/5,500rpm 最大トルク 8.8kg-m/3,500rpm
- JA11-5型 排気量 657cc 最高出力 64ps/6,000rpm 最大トルク 10.0kg-m/4,000rpm
-
JB31
1993年5月に発売。
エスクードの登場でJA51以降途絶えていた国内用普通車ジムニーの復活。
北米で改良され、ワイドトレッド化、更なるハイギア化、インジェクション化されたサムライをベースに日本市場に再投入され、名称もオーストラリア仕様で使われていたSIERRA(シエラ)となった。
※サムライマイナーチェンジで、G13A型エンジンはわずかに1300ccを越え輸出国により区分に不利生じるため排気量が若干落とされG13B(G13BA)型と進化している。
なお、JA51まで普通車ジムニーは互換不可にするため国内仕様のみ6穴ホイールであったがエスクードからは関係が無くなりJB31からは5穴ホイールとなっている。
1993年11月から3速AT車設定。
1994年6月 限定車エルク(1000台限定)発売
1995年5月 「シェラデザインズリミテッド」発売
- 全長 3,470mm 全幅 1,545mm 全高 1,670mm
- エンジン G13B型 水冷直列4気筒4サイクル
-
- 排気量 1298cc 最高出力 70ps/6,000rpm 最大トルク 10.4kg-m/3,500rpm
-
[編集] 2代目第4期(1995年~1998年)
JA12/JA22
1995年11月に発売。 ジムニー史上初めてコイルスプリングを採用し、主にオンロード走行における快適性を向上させたモデル。
パワーステアリング車には電動式(JA12は油圧式)が採用されている。
JA22にはツインカムのK6Aエンジンが搭載され、パワーの向上が図られた。
それまで軽モデルは4ナンバー登録のみであったが、同年に三菱からパジェロミニが出たことを受け、5ナンバー登録車も登場した。
後期型ではエアロッキングハブによるドライブアクション4WDシステムが搭載された。
JA22に搭載されたDOHCターボエンジンはオンロードでの動力性能向上をもたらしたが、同時にドライブトレーンのハイギア化も進んだ。
※JA12に設定されるバンおよび幌モデルはギアリングが異なる
2型で軽モデルとしてはJA71-3型から設定があったパノラミックルーフ車が消滅した。
全長 3,295mm 全幅 1,395mm 全高 1,680mm(バン)
- エンジン
- JA12:F6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 657cc 最高出力 64ps/6,000rpm 最大トルク 10.0kg-m/4,000rpm
- JA22:K6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 658cc 最高出力 64ps/6,500rpm 最大トルク 10.5kg-m/3,500rpm
- JA12:F6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
JB32 ジムニーシエラ
JB12/22の登場に合わせて1300シリーズもコイル足化された。
G13Bエンジンは1カム16バルブ化され出力が向上した。
すぐに特別仕様車ELK(エルク)仕様が発表されたため、実際販売された車輌はこの仕様ばかりである。
JB31では軽モデルとスプリング取付位置が異なっていたが、JB32はJB12/22と共通位置のままホーシングが延長してワイドトレッドになっているためオフロード性能が向上したと言われている。
- エンジン
- G13B型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 1298cc 最高出力 85ps/6,000rpm 最大トルク 10.8kg-m/3,000rpm
- G13B型 水冷直列4気筒4サイクル
[編集] 3代目(1998年~)
JB23
1998年10月に発売。 軽自動車規格の改正に伴いフルモデルチェンジされた。
デザインはそれまでの箱型から丸みを帯びたものに大きく変更され、車体寸法も拡大された。
パワーウィンドウや集中ドアロック(1型XAは非装着)、エアバッグとABS(1型はセットオプション)などの近代的な装備が網羅され、安全性や快適性が向上した。
サスペンションはジムニー伝統の3リンクリジットアクスル方式を継承しながら、フレームから再設計され、オフロードでの走破性が向上した。
1999年10月の2型への変更では排ガス規制による排気系の改良が見られる。また、エアバッグ・ABSを標準装備し安全面も向上している。シンプルグレードXAにもパワーウィンドウが装備された。
2000年4月の3型への変更はABSユニットなどの変更が中心。
2002年1月の4型変更の際、独立したグリルが採用され(J2でも採用)エンジンの改良が行われた。
2004年10月5型となりインパネ意匠変更、ボタン式トランスファなどの変更を受ける。
同時にトランスファの形式が変更になりHi/Loステップ比が大きくされた。
MT車は5速直結仕様になり、その代わりデフが高速化された。
2005年10月6型となり、ドアミラー変更およびマニュアルヘッドライトレベライザー等の装備がされる。
ジムニーL(2000年9月)およびジムニーJ2(2001年2月)という2WDモデルも存在する(現在廃止)。
- 全長 3,395mm 全幅 1,475mm 全高 1,680mm
- エンジン K6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 658cc 最高出力 64ps/6,500rpm 最大トルク 10.5kg-m/3,500rpm
JB33 ジムニーワイド
JB23型ジムニーに先行して1998年1月に発売された。
エンジンはG13B型をJB32型から踏襲したが、点火方式をデスビ+フルトランジスタ点火式から、デスビレスの同時点火化(2コイルプラグヘッドコイル)にした他、カムプロフィールが多少異なる。
4速AT車はロックアップモードを持ちJB23用4速ATと異なる。
「JZリミテッド」という特別仕様車が存在する。
- 全長 3,550mm 全幅 1,600mm 全高 1,670mm
- エンジン G13B型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 1298cc 最高出力 85ps/6,000rpm 最大トルク 11.3kg-m/4,500rpm
JB43 ジムニーシエラ(ジムニーワイド)
当初はジムニーワイド名称のまま発売。M13A型エンジンを搭載
その後3型でジムニーシエラに改名。
2004年10月JB23とともに4型となりインパネ意匠変更、ボタン式トランスファなどの変更を受ける。
2005年10月5型となり、ドアミラー変更およびマニュアルヘッドライトレベライザー等の装備がされる。
- 全長 3,550mm 全幅 1,600mm 全高 1,670mm
- エンジン M13A型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 1328cc 最高出力 88ps/6,000rpm 最大トルク 12.0kg-m/4,000rpm
【おまけ知識】
JB33及び3型までのJB43型は、JB23と異なる遮光傘内蔵のヘッドライトを採用している。
JB43-3型からはJB23と共用になったが、海外用は依然遮光傘を採用している。
またJB33のエアロッキングハブのボルトの頭は12星ボルトでJB23で採用された6星ボルトと異なる。
JB23およびJB33のCM等のイメージキャラクターは俳優の織田裕二を起用。ちなみにJB23のCMコピーは「勇気のクルマ。」だった。
[編集] 海外生産
- 北米では1971年頃にLJ10がアメリカへ「ブルート」として約2000台が輸出された後、間をあけて(SJ410ジムニー1000はアメリカハワイ州にのみ輸出はされていた)1985年からSJ413ジムニー1300「サムライ」北米にて販売。
SJ413ロングホイールベース仕様はその後カナダへは発売されていた。
1988年に横転しやすい危険な車としてPL訴訟を起され販売数が激減。結果的に勝訴したもののビターラ(エスクード)を含めた小型SUV車の関税も増やされたこともあり販売中止となる。JB33/43相当車の北米での発売はされていない。
(以上、北米輸出における誤解があったため関係書籍より抜粋。多少正確性に欠ける内容かもしれません)
- インドではマルチ・ウドヨグ社が「ジプシー」という名称で日本でいうJA51型系統に相当(SJ413/413W)するモデルを (en:Maruti Gypsy)KD生産している。
日本では製造・販売されなかったロングホイールベース車が中心であり、2WDモデルも多く販売されている。
多くの派生ボディが存在し、5ドアロングボディも存在しているようである。
- スペインではJIMNYの名で日本でいうJB33/JB43型に相当する1300モデルが生産され、欧州で販売されている。日本仕様には無いカブリオレや、ルノー製コモンレールディーゼルターボエンジン搭載車等が存在する。
2006年モデルからフロントバンパー形状などが変更された。
- タイなど、東南アジアでは日本でいうJA51型系統に相当(SJ413W)する「カリビアン」の名称で1300ccモデルが販売されている。
ロングホイールベース車で、近年のモデルはJA12/22顔になっているが、現地の道路事情のためか、シャーシ・エンジンはそのままOHC8バルブエンジンとリーフリジット前後サスペンションを踏襲している。
- 2006年モデルからは日本仕様のものとは異なるバンパーが採用されている。
アジア仕様のJB43相当車(SN413-2005モデル)搭載のM13A型エンジンにはVVCが非採用。
※なお台湾には2006年6月現在ATモデルのみの販売。
[編集] ジムニーが登場する映画、ドラマなど
- SJ30を使用していたが、撮影用ナンバープレートは普通車仕様であった(窓に貼られていた検査標章は軽自動車仕様)
[編集] 外部リンク
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